本日2025年1月14日、『2024年度岩手競馬年度代表馬等選考委員会(委員長:株式会社IBC岩手放送 加藤久智氏)』が盛岡競馬場内で行われ、各部門表彰馬と年度代表馬が決定しました。
栄えある年度代表馬には、ダイヤモンドカップ、東北優駿と3歳クラシックで2勝、また他地区の交流競走で優勝するなど年間を通して活躍を見せたことが評価され、3歳最優秀馬に選出されたフジユージーン号が選ばれました。
また、特別表彰には、1999年デビューから無傷の9連勝をはじめ、東京大賞典、マイルチャンピオンシップ南部杯の地方競馬GI競走2勝、2001年度・2002年度と二年連続のNARグランプリ年度代表馬選出など、岩手競馬史に輝かしい功績を残し、昨年10月に亡くなったトーホウエンペラー号が選ばれました。
各部門選考結果は以下のとおりです。
父 ゴールデンバローズ 母 デザイナー(母父 スウィフトカレント)
2021年5月14日生 黒鹿毛・牡3歳
生産/新冠・村上牧場
馬主/(有)富士ファーム
調教師/瀬戸幸一(水沢)
2024シーズンの成績/6戦4勝
第44回ダイヤモンドカップM1
第32回東北優駿M1
第49回スプリングカップM2
第58回楠賞(兵庫)
父 ベストウォーリア 母 キタサンロングラン(母父 アドマイヤムーン)
2022年5月17日生 栗毛・牡2歳
生産/新ひだか・カタオカステーブル
馬主/高橋文枝
調教師/菅原勲(水沢)
2024シーズンの成績/6戦2勝
第2回ネクストスター盛岡M1
父 ドレフォン 母 エスプリドパリ(母父 ハーツクライ)
2019年4月16日生 芦毛・セ5歳
生産/白老・(有)社台コーポレーション白老ファーム
馬主/瀬谷隆雄
調教師/佐藤雅彦(水沢)
2024シーズンの成績/10戦7勝
第52回一條記念みちのく大賞典M1
第32回青藍賞M2
第23回トウケイニセイ記念M2
父 ラブリーデイ 母 ローマンブリッジ(母父 ブライアンズタイム)
2020年4月1日生 鹿毛・牝4歳
生産/日高・下河辺牧場
馬主/平賀敏男
調教師/佐藤祐司(水沢)
2024シーズンの成績/12戦6勝
第50回ビューチフルドリーマーカップM1
第11回ヴィーナススプリントM3
第47回すずらん賞M3
父 タートルボウル 母 ミリオンハッピー(母父 アグネスタキオン)
2018年4月5日生 鹿毛・牝6歳
生産/日高・下河辺牧場
馬主/平賀敏男
調教師/佐藤祐司(水沢)
2024シーズンの成績/6戦4勝
第56回岩鷲賞M2
第30回白嶺賞M3
第36回栗駒賞M3
※記載内容は2024年12月31日終了時点(岩手競馬所属時)のもの
父 ブライアンズタイム 母 レインボーブルー(母父 ノーリュート)
1996年5月11日生 鹿毛
生産/門別・千葉飯田牧場
馬主/東豊物産(株)
調教師/千葉四美(水沢)
生涯成績/33戦20勝
第26回桐花賞(2000年)
第15回マイルチャンピオンシップ南部杯GI(2002)
第47回東京大賞典GI(2001)
第20回朱鷺大賞典GIII(2001)
第25回名古屋大賞典GIII(2002)
※記載内容は現役時代のもの
代表理事 船橋慶延氏
【選考理由】
2015年に八幡平市にオープンした農場「ジオファーム八幡平」では、馬の堆肥を活用してマッシュルーム生産を行っています。自身が馬術競技の選手であり、競走馬の育成に長らく携わってきた代表の船橋慶延氏が、引退した競走馬の活用の可能性を探る中で、堆厩肥を使用したマッシュルーム栽培を志向し、事業化に成功しました。現在は引退した競走馬など20頭余りが繋養されており、馬術競技や乗馬体験に対応しつつ農業生産の上で大事な役割を持って暮らしています。
一方、船橋氏は2019年に競走馬の休養・調教施設グレイトフルホースファームを開設。岩手競馬・中央競馬所属馬の施設利用が進んでおり、常時4~50頭が預託されています。更にこうした環境の中から長女・次女が馬術競技の選手として活躍。昨年の鹿児島国体では少年団体飛越で姉妹ペアが3位に入るなどスポーツ振興にも寄与しています。
動物愛護と地域産業の振興・人材育成を持続的に融合・発展させる試みは、人と馬の理想的な関り方を示すものと言えます。活動の原動力は「競走馬に第二・第三の活躍の場を」という氏の愛馬精神に他ならず、馬を柱としたSDGsの取り組みが満10年となった功績を評価するものです。
日本大学職員 菅原権太郎選手
【選考理由】
2024年11月に行われた馬術競技の最高峰、全日本総合大会の新設種目・内国産総合選手権で、水沢農業高校出身で日本大学職員の菅原権太郎選手が優勝しました。菅原選手は水沢農業高校時代に2012年の岐阜清流国体スピード&ハンディネス競技で5位入賞、日本大学4年次の2016年には全日本学生馬術選手権で優勝と、学生時代から好成績を残してきました。
更に卒業後も日本大学馬術部のコーチとして活躍し、2018年にはタイで行われたアジア選手権で準優勝など国際大会でも活躍。そして今回は内国産馬による新設種目で優勝と新たな実績を積み上げました。
現在30歳ということで今後にも期待がかかりますが、新設種目・内国産総合選手権初代優勝という偉業を称え、評価するものです。