本日2024年12月29日、水沢競馬場においてゴールデンヒーラー号の引退式を行いましたのでおしらせいたします。
ゴールデンヒーラー号は岩手競馬の重賞11勝を挙げる活躍をし、岩手競馬アウォードでは2年連続で最優秀牝馬を受賞しました。この日は第10競走以降の競走が降雪の影響で取り止めとなるあいにくの天候でしたが、引退式には多くのファンが集まり、ゴールデンヒーラー号の引退を惜しみながらもその新たな門出を祝いました。
これだけの馬を故障させちゃいけない、無事に牧場に戻さないといけないというのが大前提で、そこに下河辺牧場さんから繁殖にしようというお話をいただいたことで道筋が決まったのがやはり大きかったです。
3歳の頃から牡馬にぶつけていって、やっぱりこの馬は強いという手応えがありましたから、牝馬だけの重賞はあまり考えず、牡馬と戦う重賞を目指してきました。その辺は馬にちょっと無理をさせてしまっていたかなとは、今思えばありますね。
この馬で一番の思い出はレースではなくて出会った時。最初来る予定だったのがこの馬じゃなかったんですよ。それは牡馬で。でも自分にはその牡馬にどうも食指が動かなくて、別の馬をと見せてもらって決めたのが後のゴールデンヒーラー。だからその時に変えて貰っていなければ、ゴールデンヒーラーは“見ただけ”で終わっていたかもしれなかったんです。
厩舎では手がかからない子でしたが、厩舎からここまで来る時にへそを曲げて動かなくなったりとかはありました。それがだんだん成長していってくれてここまでになってくれました。
下河辺牧場さんからは“第二のヒーラーを育てましょう”と言われたんですけども、もっともっと大きい舞台で走る仔になってほしいという気持ちもありますね。自分には手が届かないような、凄く評判の良い子供を送り出してくれたなら、それも良いだろうなと思っています。
まず、怪我なく無事に現役生活を終えることができて安心しました。ゴールデンヒーラーはレースでは何の癖もないんですけども、結構気が強くて、あまり知られていないのですが頑固なところもありました。それがレースでは良い方に向いていましたし、古馬になってからはそれほどでもなくなったんですけども、若馬の頃はけっこう厩務員さんの手をわずらわせるところがあって。ちょっとしたさじ加減で走らなかった、走らない馬になっていたパターンもあったんじゃないかと思いますし、そこはやはり渡邉さんが一生懸命手をかけてくれたおかげ、渡邉厩務員あってのゴールデンヒーラーだったんじゃないかと僕は感じています。
引退が決まってから過去のレースを見直してみたんですが、インパクトがあったのは2歳の知床賞やプリンセスカップ。この馬なら遠征馬相手にも、南関東のレースでも良い競馬をするんじゃないかと、良い素質を持っているなと感じさせてくれたのを思い出します。
この馬の武器は切れ味、そして良い位置を無駄なくとれる出脚のスピードに加えて終いの切れもしっかりしているという総合力の高さだったと思います。そういう武器を受け継いでくれる子供が出てきてくれたら良いなと思いますね。