岩手競馬における禁止薬物陽性馬の発生について

 このたび、(公財)競走馬理化学研究所(栃木県宇都宮市)から、9月10日(月)に岩手競馬に出走した競走馬から禁止薬物陽性馬が発生したとの報告を受けました。これを受け、岩手県競馬組合では、所轄の奥州警察署に連絡し、今後、奥州警察署と連携して発生原因について調査して参ります。
 本年7月にも同様の事案が発生し、現在、盛岡東警察署において捜査中でありますが、相次ぐ薬物陽性馬が発生しましたことにつきまして、ファンの皆様並びに関係者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
 岩手県競馬組合としましては、今後、一日も早く原因究明及び信頼回復に努めるとともに、再発防止に向けた対策を講じて参ります。

1 禁止薬物陽性馬の概要

ウバトーバン号(サラブレッド系 牝4歳 水沢競馬場 高橋純厩舎所属)
(1)施行日 平成30年9月10日(月)
(2)競走名 第6回水沢競馬第6日第10競走 サラ系C1級
(3)競走条件 サラブレッド系 一般 ダート1,600m 1着賞金30万円
(4)競走結果 10頭立2着

2 検出された薬物

  ボルデノン(アナボリックステロイド) ※筋肉増強剤

3 発生の経過

(1)出走馬の禁止薬物検査については、出走馬のうち1着馬及び2着馬(11頭以上の出走の場合は任意に1頭追加)から検体を採取し、(公財)競走馬理化学研究所で禁止薬物の有無を検査している。採取した検体をA検体及びB検体に分割し、A検体から禁止薬物の陽性反応が出た場合にB検体も検査し、再度陽性反応が出た場合に、禁止薬物陽性馬の発生としている。
(2)上記の競走馬については、9月14日(金)午後8時30分、A検体(尿)から禁止薬物に指定されている「ボルデノン」が検出された旨、(公財)競走馬理化学研究所より通知があり、これを受けてB検体(尿)についても追加検査を依頼し、本日15日(土)午後3時5分、陽性との検査結果報告があった。
(3)競馬組合では、15日(土)、競馬法違反に該当する恐れがあることから、所轄の奥州警察署に連絡したところ。

4 今後の対応

(1)奥州警察署への捜査に協力するなど原因究明に努める。
(2)事件の概要説明及びお客様へのお詫びについて、施設内とホームページに掲載する。
(3)当該馬への失格等の処分、当該馬の管理厩舎(高橋純厩舎)在厩馬の全頭禁止薬物検査、競走除外等の手続きを進める。
(4)関係者への通知、調教師等への開催執務委員長の訓示等再発防止策を実施する。

◆競馬法(昭和23年7月13日法律第158号)◆
第31条 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
(1)業として勝馬投票券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもって不特定多数の者から勝馬投票券の購入の委託を受けた者
(2)出走すべき馬につき、その馬の競走能力を一時的にたかめ又は減ずる薬品又は薬剤を使用した者
(3)競走について財産上の利益を得、又は他人に得させるため競走において馬の全能力を発揮させなかった騎手

※報道発表資料 2018年9月15日 岩手県競馬組合