岩手競馬における禁止薬物陽性馬の発生について

このたび、(公財)競走馬理化学研究所(栃木県宇都宮市)から、12月11日(日)と12月12日(月)に岩手競馬に出走した競走馬から禁止薬物陽性馬が発生したとの報告を受けました。これを受け、岩手県競馬組合では、所轄の水沢警察署に連絡し、現在水沢警察署と連携して発生原因について調査中です。

なお、検出された禁止薬物であるニコチンの特殊性(※)を踏まえ、馬体を通過しての検出かについて再度検査を依頼したところです。
競馬の公正の確保のため、禁止薬物の撲滅について関係者が一体となって様々な対策を講じてきたところですが、このような事態が発生し、ファンの皆様並びに関係者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
岩手県競馬組合としましては、今後、一日も早く原因究明、信頼回復に努めるとともに、再発防止に向けた対策を講じて参ります。

(※)ニコチンの特殊性:ニコチンは体内を通過すると一部がコチニンに変わるので、ニコチンだけが検出された場合は検体採取時又は採取後の汚染である可能性があること。

1 禁止薬物陽性馬の概要

(1)コスモジョイジョイ号(サラブレッド系 牡4歳 水沢競馬場 吉田司厩舎所属)
ア 施行日・競走名
平成28年12月11日(日)第8回水沢競馬 第2日第11競走 B1一組
イ 競走条件:サラブレッド系 一般 ダート1600m 1着賞金27万円
ウ 競走結果:12頭立1着

(2)ヴィグラスムーヴ号(サラブレッド系 牡3歳 水沢競馬場 千葉幸喜厩舎所属)
ア 施行日・競走名
平成28年12月12日(月)第8回水沢競馬 第3日第2競走 C2五組
イ 競走条件:サラブレッド系 一般 ダート1400m 1着賞金10万円
ウ 競走結果:8頭立1着

(3)スズヨローズ号(サラブレッド系 牝4歳 水沢競馬場 石川栄厩舎所属)
ア 施行日・競走名
平成28年12月12日(月) 第8回水沢競馬 第3日第4競走 C2三組
イ 競走条件:サラブレッド系 一般 ダート1400m 1着賞金10万円
ウ 競走結果:9頭立1着

2 検出された薬物

ニコチン(中枢神経を興奮させ、心拍数の増加や呼吸を促進する。)

3 発生の経過

(1)出走馬の禁止薬物検査については、出走馬のうち1着馬及び2着馬(11頭以上の出走の場合は任意に1頭追加)から検体を採取し、(公財)競走馬理化学研究所で禁止薬物の有無を検査している。採取した検体を、A検体及びB検体に分割し、A検体から禁止薬物の陽性反応が出た場合にB検体を検査し、再度陽性反応が出た場合に、禁止薬物陽性馬の発生としている。
(2)上記3頭の競走馬については、12月16日、A検体から禁止薬物に指定されている「ニコチン」が検出された旨、(公財)競走馬理化学研究所より通知があった。これを受けてB検体についても追加検査を依頼し、本日、陽性との検査結果報告があった。
なお、検出された禁止薬物であるニコチンの特殊性を踏まえ、馬体を通過しての検出かについて再度検査を依頼したところ。
(3)競馬組合では、内部に調査チームを設置するとともに、競馬法違反に該当する恐れがあることから、所轄の水沢警察署に連絡したところ。

4 今後の対応

(1)水沢警察署への捜査に協力するなど原因究明に努める。
(2)事件の概要説明とお客様へのお詫びを、施設内とホームページに掲載する。
(3)当該馬への失格等の処分、当該馬の管理厩舎(吉田司厩舎、千葉幸喜厩舎、石川栄厩舎)在厩馬の全頭禁止薬物検査・競走除外等の手続きを進める。
(4)関係者への通知、調教師等への開催執務委員長の訓示等再発防止策を実施する。

◆競馬法(昭和23 年7 月13 日法律第158 号)◆
第31条 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
(1)業として勝馬投票券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもって不特定多数の者から勝馬投票券の購入の委託を受けた者
(2)出走すべき馬につき、その馬の競走能力を一時的にたかめ又は減ずる薬品又は薬剤を使用した者
(3)競走について財産上の利益を得、又は他人に得させるため競走において馬の全能力を発揮させなかった騎手

※報道発表資料