エンパイアペガサス号の引退式を行いました

 本日2021年12月31日の水沢競馬場において、エンパイアペガサス号の引退式を行いましたのでおしらせいたします。

  岩手競馬歴代最多重賞勝利数となる重賞19勝を挙げる活躍をしたエンパイアペガサス号。その引退レースとなる予定だった 「重賞 第46回桐花賞」 は残念ながら取り止めとなってしまいましたが、雪の降る中で行われた引退式には50名近くのファンの皆さんが集まり、エンパイアペガサス号の引退を惜しむと同時に種牡馬生活へとむかう同馬の門出を祝いました。

馬主佐藤信廣さん/生産者・佐藤牧場コメント

「生まれた時、大きな舞台で重賞を取ってもらいたいと思っていましたが、このような引退セレモニーをやっていただけるまでになりました。1歳まではあまり大きくなく、おとなしい仔どもでしたが、2歳になってから大きく育ちまして脚長になりました。その分、後ろ脚が緩くなってデビューが遅れましたが、2戦2着から1着を取った時、もしかすると大物になれるような予感を持ちました。
 思い出のレースは、生産者の立場からすると岩手ダービー(ダイヤモンドカップ・当時)でしょうが、今年の北上川大賞典で目が潤むほど感動。驚きと偉大さに感心しました。
 デビューから7年あまりにわたって応援してくださったファンのみなさん、ありがとうございました。携わってくれた厩舎関係者、ジョッキーの方々も私が知りえない苦労があったと思います。改めてお礼を申し上げたいと思います。またこのような引退式を実施してくださった競馬組合の方々にも感謝の気持ちで一杯です。
 引退後は日高町のヴェルサイユファームで種牡馬入りしますので、エンパイアペガサスの二世にも活躍して欲しいと思っております」

管理調教師/佐藤祐司調教師コメント

「無事引退できてホッとしました。この馬には高みをみせてもらえたし、自分の技術を磨かせてももらったし、自分の至らなさを痛感させ られたのもこの馬でした。
 エンパイアペガサスが成長していくのと同時に自分も成長する事ができた。こういう強い馬を作るにはどうすれば良いか?どんな戦いを選んでいけば良いか?という事を調教師の僕に教えてくれたのもこの馬でした。いろいろな経験をさせてもらったと思います。
 こういう馬にはやはり一生に一度出会えるかどうかなのでしょうけども、出会えて初めて分かる事もある。こういう経験はしておくべきなんだろうと思いますね。
 思い出に残るレースはいくつか挙がりますがやはり最初に勝った桐花賞。苦しい競馬をはねのけて勝った強さが印象的でした。一方で敗れた桐花賞は今でも悔しいですね。
 自分をここまで引き上げてくれたエンパイアペガサスには“ありがとう”の一言。将来も何らかの形でペガサスの仔に関わっていきたいですね」

手綱を取った騎手の代表として/山本政聡騎手コメント

「正直もっと乗りたかったという気持ちがありますね。もっとこの馬の事を知りたかった。今日もこの馬と一緒にレースをしたかった。無事に引退させてあげる事はもちろん大事ですが、最後にファンの皆さんにこの馬の走りを見せてあげたかったとも思うので、ちょっと複雑な気持ちではあります。
 でも、こうして厩舎サイドの努力・苦労に支えられてここまで来た馬ですからね。そんな皆さんの努力は本当に素晴らしかったと思いますし、こうやって無事に引退できたのは良い事だと思います。自分も乗せていただけてありがたかったです。エンパイアペガサスには引退後の第二の人生を長く頑張ってほしいなと思います」