2019年度岩手競馬各部門表彰馬が決定/年度代表馬はヤマショウブラック号!

 本日2020年(令和2)年2月6日、「2019年度岩手競馬年度代表馬等選考委員会(委員長:株式会社IBC岩手放送加藤久智氏)」が盛岡競馬場内で行われ、各部門表彰馬と年度代表馬が決定しました。
 栄えある年度代表馬には、不来方賞と桐花賞を制し、3歳最優秀馬に選出されたヤマショウブラック号が選ばれました。
 各部門選考結果は以下のとおりです。

 

年度代表馬および3歳最優秀馬/ヤマショウブラック

 

 

●受賞馬の横顔
父 ルースリンド インマイラヴ(母父ダンスインザダーク)
2016年4月7日生 黒鹿毛・牡4歳
生産/浦河・大北牧場
馬主/山下勇 調教師/小林俊彦(水沢)
●2019シーズン主な優勝レース
第51回不来方賞M1(盛岡ダ2000m)
第7回イーハトーブマイルM3(盛岡ダ1600m)
第44回桐花賞M1(水沢ダ2000m)

 

2歳最優秀馬/グランコージー

●受賞馬の横顔
父 ベルシャザール 母 アドマイヤプルート(母父アドマイヤコジーン)
2017年4月28日生 黒鹿毛・牡3歳
生産/青森・マルシチ牧場
馬主/布施慶士 調教師/櫻田康二(盛岡)
●2019シーズン主な優勝レース
第39回若駒賞M2(盛岡ダ1600m)
第18回寒菊賞M3(水沢ダ1600m)

 

4歳以上最優秀馬/エンパイアペガサス

 

●受賞馬の横顔
父 エンパイアメーカー 母 ステージトリック(母父Distorted Humor)
2013年4月22日生 鹿毛・牡7歳
生産/新冠・佐藤牧場
馬主/佐藤信廣 調教師/佐藤祐司(水沢)
●2019シーズン主な優勝レース
第27回青藍賞M2(盛岡ダ1600m)
第28回白嶺賞M3(水沢ダ1600m)

 

最優秀ターフホース/コスモリョウゲツ

●受賞馬の横顔
父 マツリダゴッホ 母 コスモルビー(母父Soviet Star)
2014年4月3日生 鹿毛・牡6歳
生産/新冠・ビッグレッドファーム
馬主/杉浦和也 調教師/板垣吉則(水沢)
●2019シーズン主な優勝レース
第41回岩手県知事杯OROカップM1(盛岡芝1700m)
準 第22回かきつばた賞(盛岡芝2400m)

 

最優秀牝馬/エムワンピーコ

 

●受賞馬の横顔
父 プリサイスエンド 母 アートレインボー(母父アドマイヤジャパン)
2016年3月29日生 鹿毛・牝4歳
生産/新ひだか・聖心台牧場
馬主/(株)マネジメント・ワン 調教師/晴山厚司(盛岡)
●2019シーズン主な優勝レース
第44回あやめ賞M2(水沢ダ1400m)
第33回ひまわり賞(オークス)M1(盛岡ダ2000m)

 

 

最優秀短距離馬/ラブバレット

 

●受賞馬の横顔
父 ノボジャック 母 リバイバルガール(母父バブルガムフェロー)
2011年4月25日生 鹿毛・牡9歳
生産/浦河・津島優治
馬主/内山一郎 調教師/菅原 勲(水沢)
●2019シーズン主な優勝レース
第31回栗駒賞M3(水沢ダ1400m)
第51回岩鷲賞M2(盛岡ダ1200m)

 

特別表彰/シャーク

 

●受賞馬の横顔
父 デュランダル 母 ユメノラッキー(母父Salt Lake)
2009年3月29日生 栗毛・セン11歳
生産/新ひだか・カタオカファーム
馬主/クリエイトさくら(有) 調教師/晴山厚司(盛岡)

【選考理由】岩手競馬のレースにおいて、トウケイニセイ以来の通算30勝を達成。長きに渡ってA級~B級の上級クラスで高い実績を残してきたことを評価し、特別表彰を贈るもの。

※記載内容は2020年1月7日終了時点(岩手競馬所属時)のもの

 

馬事文化賞/絵本 たくさんのふしぎ 2019年11月号 「馬と生きる」 発行:福音館書店 (文)澄川嘉彦 (絵)五十嵐大介

【選考理由】遠野地方で古くからのなりわいであった馬搬=地駄引きが、人馬一体の仕事であることを絵本という体裁の中で丁寧に描かれた作品です。
 文章を書いた澄川嘉彦氏は、地駄引きの実戦者である見方芳勝さんに密着。馬を自在に操る技術の裏には、馬の性格や個性を把握し、人と馬のパートナーシップが必要であることを、作業の様子を正確に描写することや、曲がり屋での人馬共生の暮らしを紹介することで伝えています。
 見方さんの後継者として岩間敬さんが登場するまでの長い期間の取材により、文化の継承と言う命題を描いた労作ですが、その重くもあるテーマを、主な読者である子供達が理解できるように分りやすい短い文章で表現しました。また、絵を担当した五十嵐大介氏の水彩画のタッチは素朴でやわらかく、文章と見事にシンクロした絵柄はこの絵本の内容の把握を十二分に助けています。
 次代につながる人と馬の営みを描いた本作品の価値は高く、馬事文化賞を贈るものです。

 

馬事文化賞/小説第36回さきがけ文学賞・入選「奥州馬、最後の栄光」 (作)浜矢スバル

【選考理由】最後の南部馬といわれた名馬・盛号が不忍池競馬で優勝したエピソードを、当時の時代背景と、盛号に関わる人々を通して活き活きと描いた作品です。
 作者の浜矢スバル氏は、盛号の骨格再発見という1979年のニュースから書き出し、忘れかけられた名馬の記憶をたどる形で、読者を明治の時代へ自然とタイムスリップさせています。史実として残されている断片に作者の綿密な取材に基づく想像力が肉づけをした作品は、活き活きとした物語として、事実を越えた真実に近い印象を読者に与えます。
 文明批評としても優れた本作品に対し、馬事文化賞を贈るものです。