5頭目の禁止薬物陽性馬(ボルデノン)の発生について

 本日2019年11月17日、(公財)競走馬理化学研究所(栃木県宇都宮市)から、11月10日(日)の盛岡競馬に出走した競走馬から禁止薬物陽性馬が発生したとの報告を受けました。
 昨年度、4頭の禁止薬物陽性馬が相次いで発生し、計14日間の開催取止めを余儀なくされる事態となり、警備、監視体制の強化など、関係者が一丸となって再発防止に取り組んできたところですが、今回、5頭目の禁止薬物陽性馬が発生したことの重大性に鑑み、11月18日(月)及び23日(土)から25日(月)までの競馬の開催を取り止めることとしました。
 ファンの皆様並びに競馬関係者の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことにつきまして、重ねて深くお詫び申し上げます。
 岩手県競馬組合といたしましては、原因究明に向け捜査当局に全面的に協力するとともに、公正な競馬を提供できるよう、厩舎関係者と一丸となって全力で取り組んで参ります。

1 禁止薬物陽性馬の概要

  ノアクリスティン号(サラブレッド系 牝3歳 盛岡競馬場 櫻田浩樹厩舎)
 (1) 施行日 令和元年11月10日(日)
 (2) 競走名 第11回盛岡競馬第2日第2競走 サラ系C2級
 (3) 競走条件 サラブレッド系 一般 ダート1,200m 1着賞金20万円
 (4) 競走結果 8頭立2着

2 検出された薬物

  ボルデノン(アナボリックステロイド)*筋肉増強剤

3 発生の経過等

(1) 出走馬の禁止薬物検査については、出走馬のうち1着馬及び2着馬(11頭以上の出走の場合は任意に1頭追加)から検体を採取し、(公財)競走馬理化学研究所で、禁止薬物の有無を検査している。
採取した検体をA検体及びB検体に分割し、A検体から禁止薬物の陽性反応が出た場合にB検体も検査し、再度陽性反応が出た場合に、禁止薬物陽性馬の発生としている。
(2) 上記の競走馬については、11月15日(金)午後9時過ぎ、A検体から禁止薬物に指定されている「ボルデノン」が検出された旨、(公財)競走馬理化学研究所より通知があり、これを受けてB検体についても追加検査を依頼し、17日(日)午後5時過ぎ、陽性との検査結果報告があった。
(3) 競馬組合では、15日(金)、競馬法違反に該当する恐れがあることから、岩手県警察本部に連絡した。
(4) 今後、当該馬の事後失格等の処分手続きを進める。

4 今後の対応

 今回、5頭目の禁止薬物陽性馬が発生したことを受け、競馬の公正を確保するため、岩手競馬に在厩している全頭を対象として、事前検査を実施するため、11月18日(月)及び23日(土)から25日(月)までの競馬の開催を取り止めることとした。

※禁止薬物陽性馬の発生状況

レースの施行日 開催場 馬名 成績 所属厩舎 検出された禁止薬物名
1 7/29(日) 盛岡競馬場 スターズレディ号
(牝馬5歳)
C2 2着/9頭 三野宮厩舎
(水沢競馬場)
ボルデノン
2 9/10(月) 水沢競馬場 ウバトーバン号
(牝馬4歳)
C1 2着/10頭 高橋厩舎
(水沢競馬場)
ボルデノン
3 10/28(日) 盛岡競馬場 ヒナクイックワン号
(牡馬3歳)
C2 1着/10頭 高橋厩舎
(水沢競馬場)
ボルデノン
4 12/17(月) 水沢競馬場 ネイチャーサムソン号
(牡馬2歳)
2歳
C2
3着/8頭 晴山厩舎
(盛岡競馬場)
ボルデノン

 

◆競馬法(昭和23年7月13日法律第158号)◆
第31条 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
(1)業として勝馬投票券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもって不特定多数の者から勝馬投票券の購入の委託を受けた者
(2)出走すべき馬につき、その馬の競走能力を一時的にたかめ又は減ずる薬品又は薬剤を使用した者
(3)競走について財産上の利益を得、又は他人に得させるため競走において馬の全能力を発揮させなかった騎手

※報道発表資料