岩手競馬における禁止薬物陽性馬(4頭目)の発生について

 12月24日(月)、(公財)競走馬理化学研究所(栃木県宇都宮市)から、17日(月)に水沢競馬に出走した競走馬から禁止薬物陽性馬が発生したとの報告を受けました。
 3頭目の陽性馬の発生を受け、11月10日(土)から19日(月)までの6日間の開催取止め後、公正な競馬を確保する体制を整え、11月24日(土)から競馬を再開しておりましたが、今回、新たに盛岡競馬場在厩馬から陽性馬が発生したことの重大性に鑑み、12月30日(日)から1月7日(月)までの競馬の開催を取止めることといたしました。
 ファンの皆様、競馬関係者並びに県民の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことにつきまして、重ねて深くお詫び申し上げます。
 岩手県競馬組合といたしましては、今回、盛岡競馬場在厩馬から陽性馬が発生したことにより、一連の陽性馬の発生の原因が故意的なものである可能性が高まったと考えられることから、原因究明に向け捜査当局に全面的に協力するとともに、公正な競馬を提供できるよう、厩舎関係者と一丸となって全力で取り組みます。

1 4頭目の禁止薬物陽性馬の概要

(1)施行日/平成30年12月17日(月)
(2)競走名/第9回水沢競馬第6日第1競走 サラ系2歳C2級
(3)競走条件/サラブレッド系一般ダート850m 1着賞金40万円
(4)競走結果/8頭立3着(1番人気)
(5)その他/当該馬は11月22日(木)に他主催者から転入した馬であり、翌23日(金)に検体採取した事前検査の結果は陰性(12月5日判明)
※12月17日(月)が岩手競馬での初出走

2 検出された薬物

 ボルデノン(アナボリックステロイド)※筋肉増強剤

3 発生の経過等

(1) 通常、出走馬の禁止薬物検査については、1着及び2着馬(11頭以上の出走の場合は任意に1頭追加)から検体を採取しているが、岩手県競馬組合では、再発防止対策の取り組みの一つとして、裁決委員が任意に指定する「指定馬」を11頭以上のレースに限定せずに、全レースに拡大(対象:2頭→3頭)し実施しているところ。
当該馬は8頭立3着であったが、裁決委員が指定馬として抽出し、(公財)競走馬理化学研究所において、禁止薬物の有無を検査していた。
(2) 12月21日(金)午後6時40分、A検体から「ボルデノン」が検出された旨、(公財)競走馬理化学研究所より通知があり、これを受けてB検体についても検査を依頼し、24日(月)午後5時35分、陽性との検査結果報告があった。

(3) 競馬組合では、24日(月)、競馬法違反に該当する恐れがあることから、所轄の奥州警察署に連絡した。

(4) 今後、当該馬の事後失格等の処分手続きを進める。

※禁止薬物陽性馬の発生状況

施行日 開催場 馬名 成績 所属厩舎
1 7/29(日) 盛岡競馬場 スターズレディ号
(牝馬5歳)
C2 2着/9頭 三野宮厩舎
(水沢競馬場)
2 9/10(月) 水沢競馬場 ウバトーバン号
(牝馬4歳)
C1 2着/10頭 高橋厩舎
(水沢競馬場)
3 10/28(日) 盛岡競馬場 ヒナクイックワン号
(牡馬3歳)
C2 1着/10頭 高橋厩舎
(水沢競馬場)
4 12/17(月) 水沢競馬場 ネイチャーサムソン号
(牡馬2歳)
2歳
C2
3着/8頭 晴山厩舎
(盛岡競馬場)

 

◆競馬法(昭和23年7月13日法律第158号)◆
第31条 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
(1)業として勝馬投票券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもって不特定多数の者から勝馬投票券の購入の委託を受けた者
(2)出走すべき馬につき、その馬の競走能力を一時的にたかめ又は減ずる薬品又は薬剤を使用した者
(3)競走について財産上の利益を得、又は他人に得させるため競走において馬の全能力を発揮させなかった騎手

※報道発表資料