不来方賞2025PLAY BACK

 令和7年9月、不来方の地に“雷神”降臨
 ナルカミ、影をも踏ませず圧巻の逃げ切り

 衝撃のデビュー戦だったという。2024年11月9日(土)、2歳新馬・京都ダート1800m。ナルカミは1番人気に支持され、後続の追撃を許さず大差(2秒)で圧勝。走破タイム1分51秒2に周囲は度肝を抜いた。
 2歳レコードはタガノギャラクシーの1分50秒9だが、デビュー6戦目。しかも不良馬場が舞台だったが、ナルカミは良馬場での結果。マスコミは『間違いなくGⅠ級の器』、『歴史的な快時計』と評した。
 しかし、2戦目の中京ダート1800mで7着に凡走。出世が遅れたのはそれが理由だった。不来方賞の優勝インタビューで田中博康調教師は当時を振り返った。「デビュー2戦後にうちのきゅう舎に来ましたが、左右のバランスが気になりました。それが左回りでパフォーマンスを出せない要因だったと考えました」
 当面は態勢の立て直しに専念し、3ヵ月後に戦列復帰。中山、福島と右回りで2連勝をマークして不来方賞へ臨んだ。「左回りでも走りやすいだろうと思って盛岡を選びました」(田中博康調教師)
 ナルカミは陣営の期待に応え、2着ハグに2馬身半差をつけて逃げ切り勝ち。マークした2分1秒2は2014年、JBCクラシックでコパノリッキーが樹立した盛岡ダート2000mレコード2分00秒8に0秒4迫る破格タイムだった。
 田中博康調教師「無事に勝ってくれてよかった。思った以上に馬がしっかり応えてくれました。スタミナ、ストライドとも最後まで力尽きなかった。ダート中距離馬にしては線が細く、バランスは途上。精神的にも指示に反発するところが課題。今回はジャパンダートクラシックから逆算して臨んだローテーションを考えていました」
 その言葉どおり、ダート三冠目「第27回ジャパンダートクラシック」(大井2000m)でも鮮やかな逃げ切りを決め、ナチュラルライズの三冠を阻止。4連勝で3歳・JpnⅠの頂点まで上り詰めた。
 ナルカミは以降、苦戦の連続。自問自答の日々を送っているが、必ずや輝きを取り戻せると信じている。新馬戦、不来方賞、ジャパンダートクラシックの強さはまさしく“鳴神=雷神”級だったからだ。

文・松尾康司

有力馬の紹介HORSE

JRA代表

ロックターミガン

牡3歳
父:シスキン
石坂公一きゅう舎・栗東

 中京芝2000m・2歳新馬戦を0秒5差で完勝。2戦目・芙蓉S4着、京都2歳Sは10着に終わり、以降はダート路線へシフト。ポインセチアSで後のUAEダービー馬ワンダーディーンの追撃を封じて快勝。年が明けてJpnⅡ・京浜盃(大井)へ駒を進め、フィンガー(二冠馬)相手に3馬身差で逃げ切り初重賞を手にした。一冠目・羽田盃は終始フィンガーの外を追走。途中からリアライズグリントにプレッシャーをかけられたが、2着を死守した。二冠目・東京ダービーは好スタートを切ったが、外からフィンガーがハナを主張。2頭が後続を離してハイペースを形成したが、直線一杯。前半で脚を使った影響がこたえて4着に終わった。フィンガーが不在の今回は首位を譲れない。

リアライズグリント

牡3歳
父:キタサンブラック
矢作芳人きゅう舎・栗東

 デビュー2戦の芝、3戦目のダート1800mで3戦連続2着から4戦目の京都ダート1800mを6馬身差で圧勝。続いてJpnⅢ・雲取賞を快勝。2連勝で重賞制覇を果たした。羽田盃はスタートで後手を踏み、位置を取るために前へ進出。フィンガー、ロックターミガンの3番手外まで押し上げたが、直線で脚色が怪しくなって4着。東京ダービーではフィンガー、ロックターミガンの先行争いを見ながら3馬手を追走。直線でロックターミガンを交わしたが、外からユニコーンS快勝シルバーレシオの後塵を拝し3着に敗れた。まだ成長途上の印象があるが、父がキタサンブラック、母はTCK女王盃優勝、JpnⅠ・JBCレディスクラシック2着のマドラスチェック。夏を越して成長の可能性は十分ある。

イッテラッシャイ

牡3歳
父:ミスチヴィアスアレックス
齋藤誠きゅう舎・美浦

 一貫してダート中距離路線を歩み、デビュー戦3着から2戦目を圧勝。以降3、4着から目下2連勝中。前々走は1秒3差をつけて逃げ切り、鳳雛Sも快勝。着差以上に強い内容で逃げ切った。注目してほしいのは走破タイム。同日に行われた4歳以上・3勝クラスの1着タイム1分51秒4に対し、イッテラッシャイは1分50秒1の破格タイムをマークした。未経験の2000m、展開がカギを握るが、絶好枠を引き当てたのは強運。アッサリのシーンまで。

メイショウコマチ

牝3歳
父:ルヴァンスレーヴ
千田輝彦きゅう舎・栗東

 昨年12月、阪神ダート1800m・2歳新馬戦で豪快なまくりを決めて完勝。好発進を決めた。2戦目は出遅れを喫した上、折り合いも欠いて9着に終わったが、3戦目から軌道修正。直線外から鮮やかな抜け出しを決めて2連勝をマークした。今度は新馬戦以来の牡馬が相手。メンバーも一気に強化されたが、レースセンス抜群。先行激化になればシャープな切れを存分に発揮する。

シーズザスローン

牡3歳
父:キズナ
松永幹夫きゅう舎・栗東

 デビュー3戦の芝で2着2回3着1回から4戦目の阪神ダート1800mを圧勝。JpnⅢ・JBC2歳優駿へ遠征して0秒1差4着。以降3、5、7着後、GⅢ・毎日杯(芝)7着から北海道へ移動。初戦2着から2連勝を飾った。参戦前の3勝クラスは4着だったが、自在に立ち回れる脚質が最大の武器。

岩手代表

フォースメン

牡3歳
父:サンダースノー
菅原勲きゅう舎・水沢

 南関東5戦2勝から岩手入り。3歳条件戦で2連勝を飾り、東日本交流・ダイヤモンドカップへ名乗り。3番人気ながら豪快なまくりを決めて4馬身差で快勝。JpnⅠ・東京ダービーに挑戦したが、力及ばず10着に終わった。その後はテンコートレセンへ移動してリフレッシュ。昨年、サンダースノー産駒ナルカミがハイタイムで優勝した。フォースメンはこれからが本当の意味での成長期を迎える。

レジェンドバローズ

牡3歳
父:コパノリッキー
菅原勲きゅう舎・水沢

 デビューから圧勝に次ぐ圧勝で3連勝。重賞・ビギナーズカップも7馬身差でゴールに入った。しかし好事魔多し。ネクストスター盛岡を控えて脚部不安が発生。戦列離脱を余儀なくされたが、ダイヤモンドCで復帰。久々の実戦がこたえて5着に沈んだが、東北優駿、やまびこ賞と重賞2連勝。今度はJRAの強豪が相手。厳しい戦いを強いられるだろうが、叩かれながら凄みを増している。

不来方賞の歴史HISTORY

 不来方賞の創設は1969年(昭和44年)。盛岡の別名・不来方(こずかた)から命名された。同年、アラブ系3歳(当時は4歳表記)日高賞も創設。サラブレッド系・不来方賞、アラブ系・日高賞は“元祖・岩手版ダービー”と言われ、岩手競馬の最古重賞(岩鷲賞も第1回は昭和44年)としてファンから親しまれてきた。

 日高賞はアラブ系の減少に伴い、1999年に廃止したが、翌々年(2001年)、サラブレッド3歳牝馬の重賞で復活。回数も一旦クリアーし、2001年が「第1回日高賞」で実施され、2004年(第4回)から現在の「留守杯日高賞」へ名称変更。さらに2010年から“GRANDAME-JAPAN”3歳シーズンに昇格し、現在に至っている。

 本題に戻りたい。岩手3歳の頂点競走・不来方賞は当然のことだが、数々の強豪が歴代優勝馬に名前を連ねてきた。

 タガワキング、タガワリユウオー、カウンテスアップ、シャドウイメージ、スイフトセイダイ、サンドリーズン、モリユウプリンス、メイセイオペラ、バンケーティング、ロックハンドスター、エンパイアペガサス。そしてサンエイキャピタル、ヤマショウブラック、フレッチャビアンカなどなど。岩手競馬の歴史そのものといっても過言ではない。

 ただ、1986年のダービーグランプリ創設により、不来方賞の位置づけは何度か変遷があった。また2023年(優勝ルーンファクター)も含めて過去に3度、水沢2000mで行われたが、ほかは盛岡競馬場が舞台。さらに1993年(第25回)以降はすべて距離2000mで実施されている。

 前後するが、不来方賞は2024年にJpnⅡへ昇格。ダート三冠目・ジャパンダートクラシック(JpnⅠ 大井2000m)のトライアルとなり、1着馬に優先出走権が与えられる。

 2024年の優勝馬サンライズジパングはジャパンダートクラシック3着。昨年の優勝馬ナルカミはジャパンダートクラシックも優勝。トライアル・不来方賞は重要なステップ競走となった。

 岩手競馬でJpnⅡ実施は初めて。JpnⅠ・マイルチャンピオンシップ南部杯、JpnⅢ・マーキュリーカップ、クラスターカップと7月から4ヵ月間連続でダートグレード競走が楽しめる。

参考レースVTRVTR
LIVEで楽しむLIVE
キャンペーン情報CAMPAIGN

岩手競馬公式X IDGS 4カ月連続キャンペーン

①岩手競馬公式X
(@iwatekeiba)をフォロー

②キャンペーンのポストを
引用リポスト

当選者には DM でご連絡

9/1 23:59 〆切

岩手競馬公式X
イベント情報EVENT

不来方賞当日の盛岡競馬場は
イベント & グルメ出展盛りだくさん!

当日の混雑状況によっては、入場時刻が早まる可能性がございます。
※写真、イラストはイメージです。
※イベントは予告なく変更・中止になる場合がありますので予めご了承ください。
予めご了承ください。

イベント情報を見る
BACK
SPAT4
JRA
オッズパーク
楽天競馬
SPAT4
JRA
オッズパーク
楽天競馬