クラスターカップ2025PLAY BACK

代役・高松亮騎手とのコンビで1番人気サンライズアムールが優勝!
鮮やかな逃げ切りを決め、人馬ともにうれしいダートグレード初制覇

 当初、サンライズアムールは前走・水無月ステークスで勝利をもたらした幸英明騎手が騎乗予定だった。ところが、前々日の8月9日、中京第4レースで馬場入場後、落馬によって右足を負傷。急きょ、高松亮騎手への乗り替わりが発表された。
 戦前から人気はチカッパ、そしてサンライズアムールが集めると目されていた。実際、サンライズアムール=1番人気(2.0倍)、チカッパ=2番人気(2.3倍)と人気を分け合い、高松亮騎手のプレッシャーは半端ではなかったに違いない。
 注目の先手争いではサンライズアムールが主導権を握った。引き当てたのが3枠4番。盛岡ダート1200mはスタート直後に周回コースへ入るため、ジョッキーは仮想の内ラチを作って走らなければならない。それゆえ外から被せられると自己ポジションが取りづらくなり、内枠苦戦と言われる。
 しかし、高松亮騎手=サンライズアムールは行き切ったのが最大の勝因。あとはマイペースに持ち込み、キャンディドライヴ(門別)の追撃をしのいで見事な逃げ切りを決めた。
 高松亮騎手「代役を果たすことができてホッとしています。調教師さんからゲートをしっかり出して揉まれない位置を取ってほしい、など細かく教えてくださったので乗りやすかった。出しすぎるのと掛かるところもあると聞きました。ですから腹をくくって最高のレースをしたいと思って臨みました」
 これが人馬とも初グレードレース制覇。さらに小林真也調教師も平地競走・重賞初制覇と初めてづくしの勝利となった。

文・松尾康司

有力馬の紹介HORSE

JRA代表

サンライズアムール

牡7歳
父:モーリス
小林真也きゅう舎・栗東

 デビュー2戦の芝は着外に終わり、3戦目からダート路線へシフト。3連勝を飾り、一戦置いて4勝目をマーク。その後、オープン特別4勝をあげて昨年のクラスターカップへ参戦。急きょ、乗り替わりとなった高松亮騎手とのコンビで鮮やかな逃げ切りを決め、重賞初制覇を果たした。続くJpnⅡ・東京盃3着からJpnⅠ・JBCスプリント(船橋)へ挑戦。生涯初の1000mに戸惑いながらも3着を確保した。前々走・カペラステークス(GⅢ)6着後、脚部不安が発生したため戦列離脱。水無月Sは5ヵ月半ぶりの実戦に加え、トップハンデの59.5キロ。さすがに最後は一杯となったが、直線で見せ場を作った。今回は負担重量55キロで臨めるのが強み。2016年(第21回)、ダノンレジェンド以来、史上2頭目の連覇に王手をかけた。

アンズアメ

牝4歳
父:ドレフォン
高柳大輔きゅう舎・栗東

 通算5勝2着3回3着5回。馬券対象から外れたのは、わずか3度のみ。現在、8戦連続で3着以上を確保して目下2連勝中。3勝クラスを卒業し、初のオープンもあっさり突破。4歳馬が成長一途をたどっている。最大のセールスポイントはスタートセンス。ゲートを出て頭一つ抜け、どんな競馬にも対応ができる。さらに今回は52キロの恵まれた負担重量で臨めるのがアドバンテージ。過去、クラスターCで52キロでの優勝はサマリーズ、オウケンビリーヴの2頭。アンズアメが3頭目を目指す。

ポットベイダー

牡4歳
父:リオンディーズ
上原佑紀きゅう舎・美浦

 デビューから芝1200m1本のローテーションで3勝2着2回。GⅢへも2度挑戦した。CBC賞11着後、ダートへ矛先を変えてラジオ日本賞(オープン)を快勝。続くGⅢ・カペラステークスは7着に終わったが、大和スタークスで首位を奪回した。前々走・京葉S4着からGⅢ・函館スプリントSは5戦ぶりの芝で追走に手こずったが、最後まで伸びを見せた。初の地方ダート、照明など克服すべき課題はあるが、成長力で乗り越える。

クロジシジョー

牡7歳
父:フリオーソ
岡田稲男きゅう舎・栗東

 中央ダート6勝後、満を持して地方ダートグレードへ進出。JpnⅢ・東京スプリント2着、クラスターC2着(優勝はドンフランキー)にまとめた。以降もGⅢ・カペラS2着、JpnⅡ・東京盃でサンライズアムールに先着2着など上位を確保してきた。今季は59キロを背負って7、5、6着と伸びを欠いているが、今回は負担重量54キロで臨めるのが魅力。悲願の重賞制覇を狙う。

他地区地方代表

ボナンザ

牡6歳
父:シニスターミニスター
荒山勝徳きゅう舎・大井

 初勝利まで7戦を要したが、以降は着実に白星を積み重ねて5勝。すべて1200mでマークしてきたスペシャリスト。南関東へ移籍初戦・ジュライ賞は7着だったが、8ヵ月ぶりの実戦なら仕方なし。ひと叩きされて上昇確実に加え、地方ダートを経験した点も強調材料となる。

岩手代表

ルコルセール

牡8歳
父:ロードカナロア
菅原勲きゅう舎・水沢

 中央ダート中距離で5勝後、高知を経て転入。栗駒賞を皮切りにシアンモア記念、早池峰賞、岩鷲賞と圧巻の重賞4連勝を飾った。前走は未知の1200m戦だったが、難なくクリアーして0秒3差で完勝した。コンビを組んだジョッキーはいずれも「非常に賢い。レースを分かっている」と絶賛。今度は地元の大将格として遠征馬を迎え撃つ。

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クラスターカップ攻略
POINT

クラスターカップの歴史

 クラスターカップは1996年、新盛岡競馬場=OROパーク開設を記念して創設された。当時、ダート短距離のレース体系は確立されていなかったが、徐々に整備。2001年にはJBCスプリント(JpnⅠ)が創設されるなどして、レース体系が確立した。
 それを裏付けるようにクラスターCを優勝し、後にJBCスプリントを制した競走馬はノボジャック(第1回JBC)を皮切りに、サウスヴィグラス、サマーウインド、タイセイレジェンド、ダノンレジェンド、ブルドッグボスの6頭。また2019年のヤマニンアンプリメはJBCレディスクラシックを優勝した(バンブーエールはJBCスプリントを勝った後、クラスターCも優勝)。
 2023年1、2着リメイク、ドンフランキーは中東へ遠征。リメイクはリヤドダートスプリント(サウジアラビア)を優勝し、ドバイ・ゴールデンシャヒーン4着。ドンフランキーはゴールデンシャヒーンに挑戦してリメイクに先着2着。さらに一昨年、ドンフランキーはクラスターC優勝後、ブリーダーズカップ・スプリントに直行。海外ダートスプリントにもつながる道となった。
 また歴代優勝馬からノボジャック、サウスヴィグラス、バンブーエール、タイセイレジェンド、ダノンレジェンド、ブルドッグボス、マテラスカイ、リュウノユキナ、ドンフランキーが種牡馬入り。また2023年優勝リメイクはGⅢ・コリアスプリント2連覇を果たし、今年から韓国(済州島)で種牡馬生活を送っている。

優勝は4番人気以内―は不動

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 1回 2回 50% 60% 80%
2番人気 2回 2回 2回 20% 40% 60%
3番人気 2回 3回 2回 20% 50% 70%
4番人気 1回 2回 2回 10% 30% 50%
5番人気 0回 1回 2回 0% 10% 30%
6番人気以下 0回 1回 0回
 昨年、一昨年は1番人気サンライズアムール、ドンフランキーが優勝。2023年は1番人気リメイク、2着2番人気ドンフランキー、3着3番人気リュウノユキナと人気どおりの決着。2022年は3番人気オーロラテソーロが優勝。2着に2番人気リュウノユキナ、3着4番人気ジャスティンだったが、1番人気ダンシングプリンス(1番枠)は出遅れるアクシデントがありながらも4着に入線した。以上を含めて1番人気は優勝5回に加え、すべて4着以内を確保している。
 4番人気で優勝したのは2017年、浦和ブルドッグボスだが、後にJpnⅠ・JBCスプリントを制した実力馬。単勝人気はしっかりチェックしたい。

優勝は5歳5回、6歳4回、4歳1回

1着 2着 3着
3歳 0回 0回 0回
4歳 1回 4回 2回
5歳 5回 2回 2回
6歳 4回 2回 2回
7歳 0回 2回 2回
8歳 0回 0回 2回
 過去10回中で5歳馬が優勝5回、6歳馬4回、4歳馬が優勝1回。経験値が大きくものを言うことを如実に表している結果になった。ダート短距離戦は特殊レース。ある程度以上のキャリアが必要となる。しかし2023年は4歳馬リメイク、ドンフランキーでワンツー・フィニッシュ。2024年は5歳ドンフランキーが前年2着から優勝した。さらに一昨年、ダート体系の整備に伴い、早い時期から短距離を使うケースが増加傾向。今後、若年化が進む可能性がある。
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