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マーキュリーカップ2025PLAY BACK

 典型的な遅咲きカズタンジャー
 デビュー19戦目で初重賞を獲得

 カズタンジャーは典型的なスロースターター。初勝利が10戦目。レースでもエンジンがかかるのが遅く、重賞初挑戦となったマーキュリーカップまで4勝2着3回3着5回。出世するのにも時間を要したが、12連連続で1番人気か2番人気に支持されていた。それが期待値の高さでもあった。
 前年同様、ヒロシクンが先手を主張したが、メイショウフンジンも譲らない構えを見せて超ハイペースを形成。5馬身ほど離れて中団に4頭、後方に4頭。3つのグループに分かれたが、2コーナーを回って後方にいたカズタンジャーが徐々に前へ接近した。 勝負どころの3コーナー過ぎにヒロシクンが脱落。メイショウフンジンが先頭に立ったのもつかの間、クラウンプライドが馬なりで交わす。一方、カズタンジャーは残り600mからようやくエンジン全開。直線は連覇を狙うクラウンプライド、外から豪快に伸びてくるカズタンジャーの戦いに持ち込まれ、カズタンジャーが1馬身差でゴール。1番人気にこたえて初タイトルを獲得した。
 その後、カズタンジャーは勝ち切れないレースが続いているが、今年5月、名古屋グランプリまで18戦連続で1番人気、2番人気で出走。日本人はカズタンジャーみたいなタイプが“好き”なのだと思う。

文・松尾康司

有力馬の紹介HORSE

JRA代表

ムルソー

牡5歳
父:レイデオロ
池江泰寿きゅう舎・栗東

 デビュー戦の芝2000m・3歳新馬は10着に終わり、2戦目からダートへシフト。京都ダート1900m戦を2秒3差で圧勝し、3戦目も8馬身差で圧勝。GⅢ・ユニコーンステークスへ挑戦したが、ラムジェットの5着に敗れた。以降は自己条件に戻って2連勝をマークし、オープン入り。前々走は負担重量差も影響してクビ差2着に敗れたが、続くGⅢ・アンタレスステークスを完勝。重賞ウイナーの仲間入りを果たした。現在まで7戦連続で1番人気が期待値の高さ。重賞2連勝を飾り、秋のビッグレースに向けて足場をしっかり固める。

テスティモーネ

牡4歳
父:ドレフォン
大根田裕之きゅう舎・栗東

 デビューから一貫してダート中距離を走り続けて5勝2着2回3着1回。3度の着外は新馬戦6着、重賞初挑戦のユニコーンステークス8着、そして3走前のアクシデントが発生した16着のみ。以降2連勝で軌道修正に成功した。特に前走・平城京ステークス(京都ダート1800m)は1分49秒1の破格タイムで快勝。2着に退けたグランドプラージュは続く三野宮ステークス1着。ハイレベルを裏付ける一戦だった。今回は先に行きたい馬が多く、自在に立ち回れる脚質が最大の武器。4歳の若さと54キロの負担重量を味方に重賞初制覇に王手をかけた。

サンデーファンデー

牡6歳
父:スズカコーズウェイ
東田明士きゅう舎・栗東

 2歳新馬戦(阪神ダート1800m)を勝ち上がったものの、以降は伸び悩み気味。しかし翌年10月から3勝をあげてオープン入り。5歳1月、GⅡ・プロキオンステークスを快勝。音無秀孝調教師にファイナル重賞をプレゼントした。以降は酷量との戦いが続いているが、今年3月、GⅢ・マーチステークスで重賞2勝目をマーク。前走・アンタレスSは5着だったが、今回は57キロで出走できるのが魅力。

ギュルヴィ

牡4歳
父:ナイキスト
大久保龍志きゅう舎・栗東

 父ナイキストは2歳時にGⅠブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを逃げ切り、無敗8連勝でケンタッキーダービーを優勝。種牡馬入り後も人気を集めている。ギュルヴィは阪神ダート1800m・3歳未勝利を完勝。2戦目は4着に終わったが、以降は3勝2着5回。8戦連続で連対を続けている。前走・丹沢ステークス快勝で3勝クラスを卒業したばかりだが、いまだ底を見せていない。

他地区地方代表

ドゥラエレーデ

牡6歳
父:ドゥラメンテ
藤田輝信きゅう舎・大井

 2歳GⅠ・ホープフルステークスを快勝し、翌年3月にはドバイへ遠征してUAEダービー2着。3歳秋、朝日セントライト記念8着後はダート路線へ進み、チャンピオンズカップ、東京大賞典3着。翌年もチャンピオンズカップで3着を確保した。昨年12月、鳴尾記念14着後、大井へトレード。JpnⅠ・川崎記念で2着に粘った。前走・大井記念13着後はマーキュリーCへ合わせて調整を進めた。

ディープリボーン

牡6歳
父:ホッコータルマエ
真島大輔きゅう舎・大井

 中央ダート1800m~2100m5勝から昨年のマーキュリーカップへ参戦。直線で見せ場を作って3着入線を果たし、続く白山大賞典でジャスパープロストの2着を確保した。今年4月、大井へ移籍して初戦・ブリリアントカップは9着だったが、大井記念で3着に巻き返した。盛岡ダート2000mを経験済みが強み。

ナイトオブファイア

牡4歳
父:ホッコータルマエ
渡邉和雄きゅう舎・大井

 大井デビューで4連勝を飾り、JpnⅡ・京浜盃2着からダート三冠・羽田盃2着、東京ダービー4着、ジャパンダートクラシック7着。間をはさんで戸塚記念を優勝した。以降は東海桜花賞2着が最高だが、大舞台を踏んできた経験を生かす。

岩手代表

リケアカプチーノ

セン4歳
父:トランセンド
菅原勲きゅう舎・水沢

 昨年、高知から転入後、東北優駿、岩手伝統の一條記念みちのく大賞典、3歳・トパーズカップを制して3歳最優秀馬に選出された。今季は赤松杯から始動したが、去勢手術後の影響もあって4着。しかし、続くあすなろ賞タイム差なし2着から一條記念みちのく大賞典2連覇。水沢2000mコースレコードを更新した。今回はデビューから8戦連続でコンビを組んできた赤岡修次騎手(高知)で臨む。

サクラトップキッド

牡5歳
父:ビーチパトロール
伊藤和忍きゅう舎・水沢

 2、3歳時までフジユージーンの陰に隠れていたが、実戦を使われながら成長。3歳馬で初めて北上川大賞典を制した。昨年はマーキュリーカップへ果敢に挑戦。メンバー最速タイの上がりを駆使して4着に善戦した。その後、金沢遠征2戦から帰郷。リケアカプチーノ相手に北上川大賞典2連覇、桐花賞と重賞2連勝。栄えある年度代表馬の座を獲得した。飛躍のきっかけとなったマーキュリーCで上位進出を目指す。

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マーキュリーカップ攻略
POINT

マーキュリーカップの歴史

 マーキュリーカップはOROパークが完成した翌年、1997年に創設された。当時、水沢初のダートグレード競走で話題を呼び、第2回はメイセイオペラが7馬身差で圧勝。後に南部杯、フェブラリーステークス、帝王賞とG(Jpn)Ⅰを3勝する礎(いしずえ)的レースとなった。2017年からメイセイオペラ記念の副称が付記されたのは、以上の背景による。
 第4回から舞台は盛岡ダート2000mへ替わり、現在に至っているが、オースミジェットは第3回を水沢、第4回を盛岡で連覇。同一レースでは非常に珍しい連覇を果たした。ほかに2連覇を達成したのはミツバ(第21回、第22回)、そしてマスターフェンサー(第24回、第25回)。
 メイセイオペラのほかにマーキュリーC優勝後、G(Jpn)Ⅰを制したのは15回ゴルトブリッツ(帝王賞)、第21回、22回を連覇したミツバ(川崎記念)。そして第27回ウィルソンテソーロはJBCクラシック(佐賀)、マイルチャンピオンシップ南部杯、今年のかしわ記念とJpnⅠを3勝するまで出世した。

基本は西高東低

過去10年の所属先(左から2025年→2016年)
1着 西・西・東・西・西・西・西・西・西・東
2着 西・西・東・東・西・東・西・西・西・船
3着 西・西・西・岩・西・岩・西・東・西・西
(2015年~2006年)
1着 大・西・西・東・西・西・西・西・東・西
*西=JRA栗東所属 東=JRA美浦 大=大井 船=船橋 岩=岩手
 過去10年の所属別優勝は栗東(西)8勝、美浦(東)2勝。2022年まで6年連続で栗東所属馬が優勝し、2021年は1着から3着まで栗東所属馬が独占した。2023年は美浦所属馬が1、2フィニッシュしたが、一昨年、昨年は再び栗東所属馬が1着から3着までを独占した。

1番人気5勝、2番人気4勝だが…

人気 1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 1回 1回 50% 60% 70%
2番人気 4回 1回 1回 40% 50% 60%
3番人気 0回 1回 5回 0% 10% 50%
4番人気 1回 4回 0回 10% 50% 50%
5番人気 0回 1回 1回 0% 10% 20%
6番人気 0回 2回 2回 0% 20% 40%
 過去10年で1番人気の優勝は5回。昨年カズタンジャー、2023年ウィルソンテソーロ、2020年マスターフェンサー、2019年グリム、2017年ミツバが1番人気で優勝。また過去10年ではないが、2010年のカネヒキリ、2011年ゴルトブリッツ、シビルウォー(今回は過去10年なのでデータ外)と3年連続で1番人気が優勝している。2番人気も過去4回優勝と人気にこたえている。
 ただ、データ外となったが、2015年、2016年は大荒れ。2015年はユーロビート(6番人気)→ソリタリーキング(3番人気)→トウショウクリーク(5番人気)で入線し、3連単11万2860円。翌年もストロングサウザー(2番人気)→タイムズアロー(9番人気)→マイネルバイカ(5番人気)で3連単が17万9810円と2年連続で超万馬券。さらに2022年、1着バーデンヴァイラー(2番人気)→2着テリオスベル(7番人気)→ヴァケーション(10番人気)と入り、3連単63万5880円のマーキュリーC史上最高配当が飛び出した。マーキュリーCは人気サイドで決着か、大荒れかの両極端なケースが考えられる。

4歳馬5勝、5歳馬4勝、6歳馬1勝

1着 2着 3着
4歳 5回 2回 2回
5歳 4回 4回 4回
6歳 1回 3回 1回
7歳 0回 0回 3回
8歳 0回 1回 0回
9歳 0回 0回 0回
 過去10年は4~6歳馬が優勝し、6歳優勝は2連覇目のミツバ。2、3着も同様で8歳馬は2着1回(2015年タイムズアロー・船橋)のみ。3着は4歳から7歳までまんべんなく出ているが、これが過去5年のデータとなると4、5歳馬の活躍がさらに目立つ。

過去5年の世代別上位馬

1着 2着 3着
4歳 3回 1回 1回
5歳 2回 2回 3回
6歳 0回 2回 0回
7歳 0回 0回 1回
8歳 0回 0回 0回
9歳 0回 0回 0回
 過去5年の優勝馬は5歳以下。4歳優勝は昨年のカズタンジャー、2023年ウィルソンテソーロ、2022年バーデンヴァイラー。5歳優勝は一昨年クラウンプライド、2021年マスターフェンサーの2連覇目。近5年に限ると上位馬の若さが顕著となっている。果たして6歳以上の巻き返しがあるか。
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