岩手競馬ダートグレードシリーズ

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クラスターカップポスター

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“超重戦車”ドンフランキーがパワー全開!607キロの重賞史上、最高体重で逃げ切り勝ち

 当初、「第29回クラスターカップ」の実施予定日は8月12日(月)だったが、台風5号が東北地方を直撃予報。それを受けて岩手県競馬組合は順延を発表した。実際に岩手県上空を通過したが、いち早い決断によって14日(水)、無事開催された。

 余波は意外なところに現れた。1番人気が確実視されたドンフランキーの馬体重が607キロ。3月、ドバイゴールデンシャヒーンで2着に善戦。帰国初戦にクラスターCを選んだが、“よもや”の順延。

 齋藤崇史調教師「順延で3日間は運動だけだったので、その分だけ体重は増えていました」。ドンフランキーは生涯初めて600キロ台でレースへ臨むことになったが、ファンは単勝1・8倍の1番人気に支持。僅差2番人気(2・2倍)でコスタノヴァが続いた。

 互角のスタートを切ったドンフランキーは二の脚がすばらしく、馬なりで先手を奪った。前半3ハロンが35秒5。同年のマーキュリーカップの前半3ハロン34秒5だから、いかにマイペースに持ち込めたかは明らか。スタートからゴールまで先頭で走り続け、重賞3勝目を飾った。

 池添謙一騎手「600キロの大台になって最後はしんどくなりかけたが、何とか踏ん張ってくれた。ビジョンで確認したら外から迫ってきたが、交わされる感じではなかったので強いレースができたと思います」

 続いてドンフランキーはブリーダーズカップ・スプリントへ直行。母が重賞を制したデルマー競馬場で超重戦車の馬体を披露した。

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コースの見どころ

 日本のダート競馬は年を重ねるごとに体系整備が進み、ダートスプリント路線はJBCスプリント(JpnⅠ)を頂点に、レース体系が確立された。昨年から北海道スプリントカップは3歳限定のカテゴリーに変更。それに伴い、夏以降のダートスプリント路線はクラスターカップを皮切りに、東京盃→JBCスプリントが王道。クラスターCはさらに重要なステップレースに位置づけられているが、もう一つの価値が生まれつつある。

 第25回(2020年)、日本レコード(当時)で優勝したマテラスカイは前後して通算7度も海外遠征。第26回を制したリュウノユキナはリヤドダートスプリント(サウジアラビア)へ挑戦。第28回リメイクはクラスターC優勝後、コリアスプリント(ソウル)優勝。JBCスプリント2着からリヤドダートスプリントを優勝。昨年の覇者ドンフランキーはブリーダーズカップ・スプリント(アメリカ・デルマー競馬場)へ直行した。  アメリカの主要コース規格を範にした競馬場は、日本で盛岡がただ1ヵ所。ダートスプリントの最高峰ブリーダーズカップ・スプリント、またゴールデンシャヒーン(ドバイ)、リヤドダートスプリント、コリアスプリントなども盛岡と同じ左回りダートが舞台。海外主要レース適性を把握する絶好のコースだといっても過言ではない。

 盛岡ダート1200mのゲートは周回コースと合流する2コーナーあたり。スタートして直線約500mで3コーナーに入り、緩やかな下り坂。4コーナーをボトム(底)に直線に高低差4.4mの上り坂がある。

 盛岡ダート1600m、ダート2000mは枠順の有利不利はあまりないが、1200mは別。勝ちそーチャンネルに詳細データに記したが、内枠は苦戦傾向にある。

 理由はスタート直後に周回コースとの合流点があるため、内枠に入った馬は押し込まれるケースが少なくない。競馬は内枠有利が基本だが、盛岡1200mは両刃。先手を奪えれば優位にレースを運ぶことができるが、包まれてしまうと自己ポジションを取れなくなる。確定枠順をまずはチェックしてほしい。

優勝は4番人気以内―は不動

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 1回 2回 50% 60% 80%
2番人気 2回 2回 2回 20% 40% 60%
3番人気 2回 4回 1回 20% 60% 70%
4番人気 1回 2回 2回 10% 30% 50%
5番人気 0回 1回 2回 0% 10% 30%
6人気以下 0回 0回 1回

 昨年は1番人気ドンフランキーが優勝。2着は4番人気、3着は5番人気で入線した。一昨年は1番人気リメイク、2着2番人気ドンフランキー、3着リュウノユキナと人気どおりの決着。一昨年は3番人気オーロラテソーロが優勝。2着に2番人気リュウノユキナ、3着4番人気ジャスティンだったが、1番人気ダンシングプリンスはアクシデントがありながら4着入線。以上を含めて1番人気は優勝5回に加え、すべて4着以内を確保している。

 4番人気で優勝したのは2017年、浦和ブルドッグボス。後にJBCスプリントを制したことを考えれば、評価が低かったかもしれない。単勝人気はしっかりチェックしたい。

優勝は5歳6回、6歳3回、4歳1回

1着 2着 3着
3歳 0回 0回 0回
4歳 1回 4回 3回
5歳 6回 2回 1回
6歳 3回 2回 2回
7歳 0回 2回 2回
8歳 0回 0回 2回

 過去10回中で5歳馬が優勝6回、6歳馬が優勝3回、4歳馬が優勝1回。経験値が大きくものを言うことを如実に表している結果になった。ダート短距離戦は特殊レース。ある程度以上のキャリアが必要となる。しかし一昨年は4歳馬リメイク、ドンフランキーでワンツー・フィニッシュ。昨年は5歳ドンフランキーが前年2着から優勝した。しかし昨年、ダート体系の整備に伴い、早い時期から短距離を使うケースが増加傾向。若年化が進む可能性がある。

有力馬の紹介

JRA代表

チカッパ

牡4歳 父リアルスティール(SS系)

中竹和也きゅう舎・栗東

 デビュー3戦目。芝からダート変更後、ダート3戦目に初勝利を飾り、昇竜ステークスで3勝目をマーク後、ダートグレード路線へ名乗り。兵庫チャンピオンシップ2着からJpnⅢ・北海道スプリントカップを完勝。続いて古馬相手にJpnⅡ・東京盃を快勝。ダート短距離路線のトップに躍り出た。JpnⅠ・JBCスプリント(佐賀)はタガノビューティーの強襲したが、4角で先頭に立って2着に粘った。カペラステークス6着後、リヤドダートスプリントでサウジアラビアへ遠征。後方のまま10着に終わり、帰国初戦のさきたま杯7着。3戦連続で着外続きだが、ひと叩きされて変わり身は確実。復活の雄たけびをあげる。

サンライズアムール

牡6歳 父モーリス(ロベルト系)

小林真也きゅう舎・栗東

 3歳デビュー3戦目からダート路線を歩み、いきなり3連勝。翌年に3勝クラスを卒業し、以降も着実に白星を積み重ねて昨年12月、カペラステークスで重賞初挑戦。超ハイペースの3番手を追走し、直線半ばで先頭。見せ場を作って0秒2差4着に粘った。続く2戦は着外だったが、前走・水無月ステークスを快勝。テイエムトッキュウの逃げをきっちり捕らえた。これまで通算8勝。6歳の円熟期を迎え、初タイトルへまい進する。

ダノンスコーピオン

牡6歳 父ロードカナロア(ミスプロ系)

福永祐一きゅう舎・栗東

 芝1600mでデビュー2連勝を飾り、朝日杯FSはドゥデュースの0秒2差3着。翌年、GⅢ・アーリントンカップからNHKマイルカップを快勝。GⅠホースの仲間入りを果たした。続く富士ステークス3着後、伸びを欠くレースの連続。今年3月からダートに活路を求めてきた。マーチステークスは初ダートに加え、1800mも長く8着だったが、東京盃は6着ながらメンバー最速の上がりを披露して0秒3差。前走・東海ステークスは9着だったが、自分の競馬が出来ず終いで不完全燃焼。レース間隔は詰まったが、あえてクラスターCへ参戦する。

アドバンスファラオ

牡5歳 父アメリカンファラオ(ミスプロ系)

森秀行きゅう舎・栗東

 父はアメリカ三冠馬アメリカンファラオ(フェイロー)。産駒カフェファラオ、ダノンファラオなどで日本でもおなじみ。一貫してダート路線を歩み、2戦目の福島1150mを快勝。以降ダート1400m3勝、ダート1200m1勝。ここ3戦は出遅れ、内に包まれるなどの不利もあり仕方なしの結果。逃げ、もしくはすんなり好位を追走できれば持てる能力をフルに発揮。展開がカギを握る。

地方代表

キャンディドライヴ

牡6歳 父キャンディライド(ミスプロ系)

小野望きゅう舎・門別

 中央ダート1200m2勝、ダート1400m2勝・3勝クラスから門別へトレード。初戦を3馬身差で完勝。道中で一旦後方に下げながらメンバー最速の上がりを駆使し、好発進を決めた。父はアルゼンチンでデビュー3連勝、アメリカ移籍後も3連勝を飾り、GⅠも優勝し、無敗6連勝のまま引退したキャンディライド。代表産駒にガンライナーなどがいる。

岩手代表

エイシントルペード

牡4歳 父エイシンヒカリ(SS系)

板垣吉則きゅう舎・水沢

 門別2勝、JRA1戦10着から園田へ移籍。3勝をマークしたが好、凡走の落差が激しいタイプ。自分の競馬ができないとモロさを出していた。今年6月に岩手入り。早池峰スーパースプリントは2番手外を追走し、早め先頭から快勝。前走・岩鷲賞も鮮やかな逃げ切りを決め、いきなり重賞2連勝を飾った。これはチーム・エイシントルペードの勝利。弱点を理解し、長所を最大限に引き出した。今度は自分の競馬をさせてもらえないだろうが、4歳の若駒。強豪に揉まれてさらに成長を期待したい。

ウラヤ

牡6歳 父ニューアプローチ(サドラーズウェルズ系)

畠山信一きゅう舎・水沢

 昨年7月、中央3勝クラスから岩手入り。あっさり2連勝を飾り、青藍賞で1番人気に支持されたが、初の小回り水沢にとまどって6着。続くマイルCS南部杯は13着だったが、盛岡1200m重賞・絆カップを完勝。早めまくりを決め、重賞初制覇を果たした。今シーズン当初は精彩を欠いていたが、4戦目で白星をあげ、トライアル・岩鷲賞2着。エイシントルペードを捕らえ切れなかったが、メンバー最速の上がりで0秒2差まで肉薄した。まずは地方最先着を目指し、さらに上を狙いたい。

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