南部杯を思いっ切り楽しもう!!

南部杯を思いっ切り楽しもう!!

 10月9日、JpnⅠ「第30回マイルチャンピオンシップ南部杯」(盛岡ダート1600m)の枠順が確定した。

 注目はもちろんコパノリッキー。昨年、3番手キープから直線先頭。ベストウォーリアの追撃を封じて完勝。1分33秒5の驚異的レコードを樹立した。

 当日、地元の岩手放送IBCで中継で解説をさせてもらったが、思わず「加藤さん(IBC実況アナウンサー)、これ、もしかすると日本レコードかもしれないですよ!すごいタイムですよ!」としゃべってしまった。

 正確ではなかった。現行の競馬場でのダート1600mレコード。日本レコードは2002年、武蔵野ステークスでクロフネがマークした1分33秒3だが、東京競馬場が改修前。改修後の日本レコードだった。
 これでコパノリッキーは盛岡ダート2000mに続いて2つのレコードを作ったことになる。
 昨南部杯以降、コパノリッキーは精彩を欠いていたが、かしわ記念で見事復活。しかも3角まくりでの優勝は価値ある内容だった。

 対するベストウォーリアは2着。スノーコンコルドに次ぐ2頭目の3連覇はならなかったが、自身の時計は大幅に更新した。
 ベストウォーリアはG(Jpn)Ⅰレース2着4回。南部杯連覇以降は勝ち運に恵まれないが、フェブラリーSは本当に惜しい2着。ゴール寸前でゴールドドリームに交わされ、クビ差で惜敗した。相性いい盛岡で雪辱を期す。

 他にもフェブラリーS快勝ゴールドドリーム、驚異の末脚カフジテイク、プロキオンSでカフジテイク相手に初重賞キングズガード、重賞3勝ノボバカラ、皐月賞3着、金杯(京都)優勝ウインフルブルームとJRAは超豪華な顔ぶれ。今後のダートGⅠ戦線を占う意味でも重要な一戦となった。

 だが、岩手ファンはもう一つの楽しみがある。トライアル・青藍賞を完勝したチェリーピッカーが挑戦するからだ。
 中央8戦未勝利から転入後、連戦連勝。ついには重賞初挑戦で青藍賞を優勝する快挙をやってのけた。

 青藍賞の見どころでも紹介したが、中央未勝利からわずか11ヵ月で頂点を極めるケースは滅多にない。オープンまで上り詰めてもどこかで壁に突き当たる。よほどポテンシャル(潜在能力)が高くなければ重賞を制することはできない。

 もちろん素質が花開く背景があった。担当の佐藤厩務員、攻め馬をつける山本聡哉騎手がチェリーピッカーの“わがまま”を受け入れ、根気よくつき合ったから。
 これは言うは易く行うは難し。500キロを超すサラブレッドがやんちゃ坊主だったら大変。
 なにせパワーが違うし、上のクラスになればなるほどパワーはさらに倍増。実際、自分も競走馬の世話をした経験があるが、気が荒い馬は草食動物ではない。完全に肉食動物。よくここまでチェリーピッカーを出世させたなぁと感服するばかりだ。

 南部杯当日、チェリーピッカー関係者はどんな気持ちで臨むだろうか。賞金“0円”から再スタートさせ、16戦15勝2着1回。青藍賞の勲章も手にして南部杯を迎える。栄光の舞台を迎える彼らに、心から拍手を送りたい。

投稿者 松尾康司


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