南部杯トライアル「第25回青藍賞」の見どころ

南部杯トライアル「第25回青藍賞」の見どころ

 “青は藍より出でて藍より青し―”。これが青藍賞命名の由来。意味は『弟子が師匠の学識や技量を越えること』のたとえ。

 創設当時、3歳馬が古馬へ挑戦する重賞第一弾に位置付けられ、若駒の出走・優勝を喚起したが、意に反して古馬が牛耳っていた。

 第1回優勝モリユウプリンス(当時の表記で5歳、現表記で4歳。以降は現表記)はともかく、第2回キクノホープ(6歳)、第3回モリユウプリンス(6歳)、以降もシャマードシンボリ(8歳)、エーブアゲイン(6歳)と続いた。

 初めて3歳馬が青藍賞を制したのは第17回マヨノエンゼル。当時、特別だった前哨戦・すずらん賞に続いて古馬相手に2連勝を飾った。

 3歳馬の優勝はその一度のみだが、4歳馬の優勝はモリユウプリンス含めて計6頭。昨年も4歳馬シークロムが制し、青藍賞のテーマにほぼ近い結果となっている。

 青藍賞も今回で25回目を数えるが、興味深いのは各世代からまんべんなく出走すること。3歳馬の挑戦こそなかったが、4歳・チェリーピッカー。5歳・コスモジョイジョイ。6歳・メイショウオセアン。7歳・カオスモス、ガッサンプレイ、プリムラブルガリス、ゴットフリート。8歳・ナリタポセイドン、ナリタスーパーワン。9歳・イーグルカザン。今年は世代対決の様相を呈しているといってもいいだろう。

 現時点で単勝人気は分からないが、話題の中心はチェリーピッカーの重賞初挑戦。中央8戦未勝利から転入後、圧勝に次ぐ圧勝で12連勝をマーク。13連勝目はコスモジョイジョイにストップをかけられたが、再び2連勝。満を持して青藍賞へ名乗りを上げた。

 チェリーピッカーのすごさは2着につけた着差。通算14勝で2着につけた合計タイム差が13秒5。着差では大差が2度あり、憶測の域を出ないが、合計82馬身と4分の1。1レース平均で0秒964、着差に換算すると6馬身ほど。ほとんどをワンサイドで決めている。

 ただ、前走A級戦はジャーグラットに0秒2差(1馬身差)。さすがにオープンでは突き放すことができなかった。しかも今回は岩手トップグループが相手。陣営も楽はできないと覚悟しているだろうが、果たして初重賞でどこまでやれるか。チェリーピッカーに注目してほしい。

 ほかにも役者がズラリそろった。イーグルカザンは地方ダートが合って赤松杯、すずらん賞と重賞2勝。大坪騎手にも初重賞をプレゼントした。

 コスモジョイジョイも岩手の水が合った。今季2戦目から4連勝を飾り、重賞初挑戦・すずらん賞でクビ差2着に惜敗。直線で先頭に立ち、あとひと押しでタイトルに手が届いた。今度こそだ。

 メイショウオセアンはポスト・ナムラタイタンの期待を込めて中央オープンからトレード。注目の初戦・すずらん賞は逃げて3着だったが、左回りが合わなかったか。右回り水沢で雪辱に燃えている。

 カオスモスはダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)2着、アーリントンカップ2着など芝1600m以下の重賞常連。南関東3戦を経て岩手入り。初戦2着でダート対応のメドが立った。

 ナリタポセイドンは9ヵ月ぶりの実戦が不安だが、絆カップ、北上川大賞典と重賞2連勝。帝王ナムラタイタンの牙城を揺るがした。

 ガッサンプレイは中央ダート1400m以下で4勝。転入後は4戦0勝ながらクラスターカップ8着以外は2着3回。安定度一目。

 ナリタスーパーワンは転入時、ナリタポセイドンより実力上位の評価もあった。気性難が災いして3着最高だが、集中力さえ途切れなければアッサリあって不思議はない。

 プリムラブルガリスはシアンモア記念2着以降は入着一杯だが、1400m~1600mが主戦場。反撃のきっかけをつかみたい。

 ゴットフリートはGⅠ・朝日杯フューチュリティステークス3着。転入後は4着最高と低迷を続けているが、いつ爆発してもおかしくないポテンシャルを秘めている。

 駆け足で出走全馬を紹介したのは「第25回青藍賞」が掛け値なしにおもしろい一戦となったから。藍より青く輝くのは誰か。みなさんも熱い視線を送ってほしい。

投稿者 松尾康司


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