先週のメインレース結果 −2010年13回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部


1月8日(土) 9R 
特別 アテルイ賞/C1級・水沢ダ1600m ハンデ 曇・不良
まさに重戦車!ケージーカツタロウ特別3連勝達成!NAR成績 

再度のマイルも危なげなく完勝。 (Photo/横川典視)
 厳しい冷え込みに見舞われた水沢競馬場ではコース状態が先週までとは一変、全くと言っていいほど水が浮かず、走破タイムも先週から3秒〜5秒は余計に要すると思われる非常に重い馬場になった。早い時間帯のレースは先行有利・・・というかみな軒並み脚が上がって差して来れない状況。午後になって差しも届くようになったが、この辺りのコース状態の読みは実際に騎乗する騎手たちも頭を悩ませたようだ。

 それでも基本的には先行馬がより有利、という事で、各馬思い切って先行争いに加わっていく。ゲートが開いて横一線のスタート、2番人気マイネアイーダがハナに行こうとするところを外からブライティアヘアーが制する。シュロがその争いの内側に潜り込んでおり、外には早速、断然の一番人気ケージーカツタロウも上がってきている。

 やや逸り気味に駆けていくブライティアヘアーだが、目に見えてかかっているとも、さほど飛ばしているというほどではない。先行有利とはいえ無理に飛ばして残る馬場でもなく、2番手以下も粛々と追走。一周目のスタンド前は12頭がほぼ一団、引き気味に構えるナムライシス・ウエスタンキングが少し離れ気味になっている他はひとかたまりで通過していく。

 今回も、レースを動かしたのはケージーカツタロウ自身だった。馬群がいくらか縦長になりかけた向こう正面、緩いペースのままでいたいと思う先行勢の想いをかき乱すかのようにジリ、ジリと位置取りを上げ、プレッシャーをかけるケージーカツタロウ。2番手マイネアイーダのやや後ろでしばらく追いかけ、同馬が苦しいと見るや即座に目標を切り替えて先頭ブライティアヘアーに接近。3〜4コーナー中間ではブライティアヘアーの半馬身ほど後ろに付けてタイミングをうかがう態勢に入った。
 直後にはアズマクロシオ、やや置かれ気味にマイネアイーダ。先ほどまで先行グループのすぐ後ろにいたシュロやトーホウドロンが後退し、後方の差し馬勢が入れ替わろうとしている。周辺の動きはかなり激しくなってきたが、ケージーカツタロウはお構いなし。手綱を抑えたまま、ただ直線に向くのを待っている。

 4コーナーをゆったりと回り切ったケージーカツタロウは、ごくごく自然の成り行きで・・・という感じに先頭に立った。575kgの巨体を震わせるいつもながらのド迫力。切れると言うよりはコースを踏みつぶすといった風情。なにせ追いかけてくるアズマクロシオは450kg、逃げ粘るブライティアヘアーに至っては395kg、100kg〜200kg近く違う。
 そもそもケージーカツタロウの1完歩分を進むのにこれらの馬たちは1.5完歩くらいを要するのではないかというくらい跳びが違うのでは、追う方の必死の努力も、これではそうそう実りそうにない。
 結局ケージーカツタロウは今回も4馬身の差をつけて完勝。直線は全くの独擅場、他馬を一切寄せ付けなかった。2着はアズマクロシオ、3着争いは内で粘る先行2騎と外から追い込んだ馬たちの接戦となり、3着は追い込んだ方のサダチカガーベラ、4着は内で粘った方のブライティアヘアー。そして5着は外シンメイガルダン、6着に内マイネアイーダ。ここは4頭がクビ・ハナ・アタマの僅差で入り乱れた。

 勝ったケージーカツタロウは父ティンバーカントリー、母ケージーキセキの牡4歳。これではまゆり賞・かまくら賞・アテルイ賞とC1級特別を3連勝、それも走る度に着差を拡げる見事な走りで年末年始を締めくくった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 強いね。強くなった。今日もスタートがちょっと遅めだったくらいで他は文句の付けようがない。こういう馬場も悪くないようだし、レースがしやすい馬だね。(小林俊彦騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果
レースPlayback 2009 2008 2007
競走条件 56kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「アテルイ」・・・平安時代初期、日高見国胆沢(現在の奥州市近辺)を本拠地とした豪族。大和朝廷の征討軍と戦い度々退けたが、その後ついに降伏、のち処刑された。実のところはっきりとした経歴が分からず、出自も最期の地すらも分かっていません。2005年には水沢競馬場近くの羽田町羽黒山にアテルイ・モレの慰霊碑が建てられました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 1873 915 3連複 29439 1282
複勝 1827 398/90/155 3連単 111389 2046
枠連複 9863 2260 ワイド 6200 273/657/200
馬連複 18646 1479
馬連単 22807 1564 202044


1月9日(日) 9R 
特別 ダイヤモンドダストカップ /B1・水沢ダ2000m ハンデ 曇・不良
やはり人気上位3頭の戦い コアレスランナーが3馬身差雪辱V!NAR成績 

これで六華賞に続き2000m特別2勝目。 (Photo/横川典視)
 2000mのダイヤモンドダストカップは3頭に人気が集中する形になった。1番人気は8番マイネルリファイン2.0倍、2番人気は4番コアレスマーシャル2.6倍、そして3番人気コアレスランナー3.9倍。リーディングを争う菅原勲・小林俊彦の2騎手、そして年末年始の活躍が目を惹く関本淳騎手の騎乗という事もあってか、馬複・馬単ともこの3頭の組み合わせのみが10倍以下という極端な集中ぶりを見せた。レースも実際、この3頭が上位を争う事になる。

 アマゾネスが大きくあおって、コアレスマーシャルもややゆっくりしたスタートでそれぞれ出遅れ。その他はほぼ一線にゲートを出た中から、まずオーメドックがリードを拡げていく。マイネルリファインも押し上げるがオーメドックのダッシュは速く、最初の3コーナーにかかるまでに早くも2〜3馬身のリードを作った。
 「最初からかかり気味で、無理に抑えても折り合える保証がないなら行った方が良いだろう」と、山本政聡騎手はオーメドックを好きに行かせる姿勢。しかしガリガリと抑えが効かないほどではなかったためペースはさほど速くはならず、むしろスローと言っていいくらいの流れに落ち着いた。

 この辺、2番手マイネルリファインが前を追わない姿勢を見せ、コアレスランナー、コアレスマーシャルもほぼその周辺、すんなり好位に付けた所でそれぞれのポジションが固まった影響もあっただろう。
 マイネルリファインは、後ろに脚のある馬がいる以上、無理に自分から前に行きたくないし、コアレスランナーはとりあえず自身の折り合い優先。コアレスマーシャルは、最初の出遅れ分は取り戻したのだからあとは前の動きを眺めればよい。最初のスタンド前を通過しつつコアレスランナーがマイネルリファインの前に出たが、序盤での変化はそれくらい。人気上位3頭は互いの動きを意識したポジションを優先したようだ。

 オーメドックは、しかし快調に走り続け、向こう正面の間は先頭を守り切った。やや折り合い欠き気味とはいえ1000m通過が1分6秒かそこらというペースではそうそう止まるものでもない。2馬身ほどのリードを保ったまま2度目の3コーナーへ。
 人気3頭もその直後、2番手〜4番手へと上がってきている。前を積極的に追う位置にいるのはコアレスランナー。マイネルリファインは外でちょっと追っつけ気味で、その内を突いてコアレスマーシャルが並びかけ、交わそうとする。

 ここで思い切って動いたのはコアレスランナーだった。もはや折り合いを気にしていても仕方がない。押して押してオーメドックを追いかけ、4コーナーを回って一気に先頭を奪い取ってしまった。直後にはマイネルリファイン・コアレスマーシャルの2頭が並んでいるが、脚色はコアレスランナーと同じかむしろ少し劣るくらい。

 こうなってしまえばコアレスランナー優勢だ。リードは2馬身半くらいか、しかし今の馬場状態ではこれだけの差をひっくり返すにはよほどの脚色の差が無ければ難しい。だが追ってくる2頭は、2頭で競り合うのに精一杯で、とてもコアレスランナーに追いつくほどの勢いまではない。
 コアレスランナーにしてもゴールまで気は抜けなかったが、それでも最後までしっかり走り抜いてゴール。2着マイネルリファインにつけた差は3馬身、終わってみれば完勝だった。

 勝ったコアレスランナーは父エアエミネム、母ビバブライティアのセン馬の5歳。今季のスタートではあっさり2連勝を決めB1脱出どころかA級でも・・・と思われたが、その後勝ち星から遠ざかってしまって前々走の六華賞が久々の勝利。しかしすっかり勢いを取り戻したとあって好走を連続、この勝利でB1級特別5連戦を2勝2着2回3着1回と、馬券対象パーフェクトでまとめてシーズンを締めくくった。また関本淳騎手は12月・1月で特別5勝という大活躍。

■ 勝利ジョッキーコメント
 決して楽に折り合える馬ではないので距離には自信がなかったけど、良い走りだったね。オーメドックが前、マイネルリファインが横にいたおかげで序盤は割と落ち着いていて、その後どんどん行っても余力があった。他に行く馬がいなければ自分が行くハメになって、そうなると目標にされるだろうから辛いなと思っていたんだよね。展開も良かったという事かな。(関本 淳騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 新設
レースPlayback
競走条件 56kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2089 397 3連複 35471 13399
複勝 1325 340/398/253 3連単 150738 8157
枠連複 11053 1875 ワイド 6726 1063/1125/1066
馬連複 20004 3683
馬連単 24590 2199 251996


1月10日(月) 9R 
重賞 トウケイニセイ記念/OP・水沢ダ1600m・別定 曇・不良
翔んだ!リュウノキングダムが華麗に復活V!NAR成績 

陣営みなにとって歓喜の勝利。それがこの左手に現れている。 (Photo/横川典視)
 2010シーズンを締めくくるトウケイニセイ記念。大一番を迎えた水沢競馬場は、冷え込み厳しいが青空も見える、まずは決戦にふさわしい一日となった。
 1番人気は単勝2.0倍でゴールドマインとなった。2番人気は4.0倍マヨノエンゼル、3番人気はダイメイジュエリー4.8倍。4番人気サウンドサンデーの6.4倍までが単勝10倍以下。馬単では1番→11番が5.5倍、11番→1番が7.2倍、1番→4番が9.7倍。馬場状態・中間の調整過程、いろいろと不確定要素が多かったが、結局ファンは、最近好成績を残している実績馬を信頼した。

 ゲートが開いてビュレットライナー、ダイメイジュエリーの2頭が並んで飛び出していく。馬体をぴったり併せてのハナ争いは結果ビュレットライナーが引かず、1馬身ほどリードを取って直線へ突っ込んだ。ハナに行くと予想されていたダイメイジュエリーが2番手、鞍上はしかし、スタートダッシュでビュレットライナーに上回られる事は想定しており、即座に2番手待機に移行する。

(ビュレットライナー先頭で通過するスタンド前。ゴールドマインが3番手、リュウノキングダムがその後ろに見える)


 そして、1番人気ゴールドマインがなんと3番手。先行有利の状況を考慮した面もあっただろうが、今日ここまでの菅原勲騎手は直線まで内でロス無く進む戦法を多用していた。それがここで、やや外目の3番手を取ったのは、先行馬の動きなどには左右されず“自力で勝つ”という強い意志の現れだったのだろう。

 それだけでは終わらなかった。馬群の外をグングン上がってきたのが4番人気サウンドサンデー。一周目のスタンド前を通過しつつ、中団やや後ろ目から3番手まで上昇した。これを見てマヨノエンゼルも前の方に出てくる。気が付けば1番人気〜4番人気馬が2番手から5番手あたりの間に集中、淀みない流れの中、ちょっとピリピリしたポジションの“読み合い”が繰り広げられる。この時点でリュウノキングダムはゴールドマインの直後、馬群の中の6〜7番手。

 逃げるビュレットライナーは1000m通過を1分4秒ほどの、さほど速くはないペースでまとめている。しかしその流れの中でサウンドサンデーの脚色が鈍い。向こう正面半ばあたりから手綱が動き気味になり、ほどなく目に見えて脚どりが悪くなってきた。それを見たマヨノエンゼルが外から、ゴールドマインが内から、サウンドサンデーを交わしていく。
 ダイメイジュエリーも、そんな後方の動きを察知したか、ビュレットライナーのペースが鈍ったと見るやすぐさま先頭を奪った。溜めて二の脚を期待できる馬ではない。今の勢いを殺がない事こそこの馬にとって最重要だ。
 勝負に出たダイメイジュエリーを、今度はゴールドマインとマヨノエンゼルが並んで追いかける。置かれ気味のビュレットライナーを交わしてジョウテンロマン、ここまで馬群の中でじっと我慢していた彼も前を射程圏に収めた。そして、リュウノキングダムも内→外へと進路を取りながら迫って来ている。

 4コーナー、ダイメイジュエリーの脚色が急激に衰えた。ゴールドマインが躊躇せず先頭へ。ここまではまだ手綱を持ったまま、ここからがゴールドマインの勝負だ。
 鞍上のGOサインに応えて脚を伸ばすゴールドマイン。ダイメイジュエリーはもう止まった。マヨノエンゼルも脚色はせいぜい同じくらい。後ろにいるジョウテンロマンも、しぶとく食らい付いてはいるがさらに伸びるほどの気配はない。ジリジリと、しかし着実に抜け出すパートナーに、鞍上は勝利を確信しただろう。
 だがそこに“第三の馬”がいた。リュウノキングダムだ!直線向いてエンジンがかかるまで一瞬の間があったが、いざかかってしまうとその伸びはまさに猛然という表現がぴったり。マヨノエンゼルを並ぶ間もなく交わすと一気に先頭に躍り出る。

 菅原勲騎手が、マヨノエンゼルの向こうから飛びだしてきたリュウノキングダムを視界に入れた、その時にはすでに脚色の差が歴然。リュウノキングダムはその勢いのままに突き抜けて2馬身差でゴール。何度もライバルの脚色を確認していた鞍上・菅原俊吏騎手は、ゴール板通過を待つのももどかしいとばかりに大きく左手を突き上げた。


 勝ったリュウノキングダムは父スキャターザゴールド、母サンライズグロリアの牡6歳。09年には船橋所属として遠征でシアンモア記念・北上川大賞典の2重賞を制した。2010年は半年あまりの休養をへて岩手に転入、2戦目の栗駒賞を制したが、その後2戦は着外に敗れていた。この勝利が09年北上川大賞典以来約約15ヶ月ぶりの重賞制覇。
 また、鞍上の菅原俊吏騎手は07年のデビュー以来初の、同馬を管理する佐藤晴記調教師は09年の留守杯日高賞・シルバーカテリーナ以来の重賞制覇となった。

(写真右中/調整不足と言われながらも積極的に勝ちに行ったゴールドマイン。このレースは昨年に続く2着。
写真右下/マヨノエンゼルは3着。「もう少し溜めて行きたかったが、有力どころがみな前に行ったので自分も早めに動かざるを得なかった。外枠だったのも辛かった。せめて2着はほしかった・・・」と坂口騎手)





菅原俊吏騎手インタビュー


■ 勝利ジョッキーコメント
 厩務員さんからは馬の状態は良いと聞いていた。桐花賞はスタートで失敗したので今回は前目・前目を意識して、本当はもうちょっと前、2、3番手あたりに行きたくて、でも今日もスタートがそんなに速くなかったので出たとこ勝負のような感じに。それでも勝負所から良い手応えで動けましたし、すんなり外にも出せて、よく伸びてくれました。ガッツポーズは、つい出ちゃいましたね、やっぱり重賞ですし。これではじめて重賞を勝つ事ができました。これからももっともっとがんばりますので応援をよろしくお願いします。(菅原俊吏騎手) 
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 5歳以上57kg、4歳56kg、牝馬2kg減とし、今年度の桐花賞の1着馬2kg加重
優先出走権
レース名の由来 「トウケイニセイ」・・・競走成績43戦39勝2着3回3着1回という成績を残し、1995(平成7)年に引退した岩手生粋の名馬。3歳のデビュー戦快勝後、浅屈腱炎による1年7ケ月もの長期休養を余儀なくされるも奇跡的な復活により、当時の日本記録となる18連勝を樹立した他、41戦連続連対の記録を持つ名馬。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4041 113 3連複 60102 2825
複勝 2405 130/783/520 3連単 229556 687
枠連複 22524 868 ワイド 10638 415/396/2003
馬連複 36411 1346
馬連単 41746 394 407423


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