先週のメインレース結果 −2010年12回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部


12月30日(木) 9R 
特別 かまくら賞 /C1・水沢ダ1400m ハンデ 曇・不良
強い!特別連勝ケージーカツタロウ、もはや距離万能か!?NAR成績 

逃げ馬のペースをあっさり突き抜けて快勝。破壊力抜群だ。 (Photo/横川典視)
 11頭が争った短距離戦・かまくら賞は好調馬が多く集まっただけに最後まで気を抜けない戦いとなった。まずスタート、そこそこ揃ったゲートの出だったが二の足のダッシュがばらつき、真ん中あたりの枠の馬が一瞬もたつくような感じになった。これを見た1番人気・ゲイリークインの山本聡哉騎手は一気に前に出て主導権を奪おうとするが、この時の切れ込み方が急で、この辺りにいた馬たちがゴチャ付く状況が発生。ややダッシュが緩かったシンメイガルダンやマツリダマンマは内ラチの方まで押されたうえに後方からの競馬になってしまう。
 そんな事もあって、ゲイリークインがハナを奪った後ろにはゴチャ付いた影響の少なかった内枠リュウノパンサーと外バトルドミナが付け、やや影響のあったニシノサンダーやケージーカツタロウが馬群を縫いつつこの後ろ、という隊形に(なおこの件について山本聡哉騎手は戒告を受けた)。

 逃げるゲイリークインは後続をいくらか引き離しながらもきっちりペースを落とし、平均〜やや遅めの流れに持ち込んだ。バトルドミナ、ケージーカツタロウら人気上位馬が前の方を固めた事もあってポジション争いもさほど活発ではなく、例えばバトルドミナにしてもいくらか折り合いに苦心しつつも手応えはしっかりとしたものを保ったまま。向こう正面半ばを過ぎてもそんな感じの流れのままで、これはゲイリークインの逃げ残りペース、山本聡哉騎手がうまくペースを作ったな・・・と感じさせた。

 だが、そんな流れを自力で打ち破ろうとした馬がいた。ケージーカツタロウだ。道中は先行馬の直後、3コーナーでバトルドミナの外に並んだ同馬は、まず抵抗するバトルドミナを競り落とすとゲイリークインに迫る。
 ゲイリークイン・山本聡哉騎手もこの攻勢は予期していた。ケージーカツタロウが迫ってくるまで手綱を押さえ、並ばれる直前にGOサイン。自分だって余力を残している。そう簡単に交わされないはずだ・・・。
 しかしケージーカツタロウの脚が、そんな想定をあっさり打ち壊した。572kgの大型馬が大きく脚を振り上げて突き進んでくる。どかんどかんと砂を蹴立てスピード感こそないが、一完歩毎に確実に前に出る。ゲイリークインだってそれほど小さい馬ではないが、さすがに100kg差が押し寄せてきては分が悪い。並ばれてしまったところでガクリと脚色が鈍る。

 後方からはサダチカガーベラが伸びてくる。こちらは415kg、小さい身体を一生懸命動かして脚を伸ばすが、ケージーカツタロウは既に突き抜けたあと。ケージーカツタロウは2馬身半差、完勝で特別連勝を飾った。

 勝ったケージーカツタロウは父ティンバーカントリー、母ケージーキセキの牡3歳。夏に鼻出血で出走取消となったあと、普通ならフェードアウトしがちなのだがこの馬は逆に大変身。C1級特別3戦2勝、それも自力で差したり捲ったりする力強い戦い方は急激な本格化をうかがわせるものがある。

■ 勝利ジョッキーコメント
 馬自身も実が入ってしっかりしてきたという事だけど、距離も合うんじゃないかな。マイルはちょっと抑え気味にしても少し止まり気味だったけど、この距離だと道中から楽。向こう正面あたりでも反応が良すぎるから手加減するくらいの余裕があった。盛岡は分からないけど水沢の1400mは向いているように思います。(小林俊彦騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 牡馬56kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「かまくら」・・・秋田県横手地方での小正月の行事。子供達が雪で室を作り、水神を祭り、15日の朝、その前で火を焚いて烏追いの歌を歌う。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2425 269 3連複 33577 1421
複勝 2073 134/140/613 3連単 126432 535
枠連複 8382 1519 ワイド 7507 306/670/454
馬連複 18726 688
馬連単 24555 449 223677


12月31日(金) 9R 農林水産大臣賞典/社台SS協賛ハーツクライ賞
重賞 第36回 桐花賞 /OP・ファン投票・水沢ダ2000m 別定 雪・不良
3歳王者から岩手の王者へ!ロックハンドスター圧勝戴冠!NAR成績 

ひとまわり、二まわりと強くなった感。夏の遠征も無駄ではなかった。 (Photo/横川典視)
 31日、2010年の大晦日を迎えた水沢競馬場は朝から激しい雪に見舞われ、一度は止んだものの、一日降ったり止んだりの荒れた空模様となった。それでも、そんな天候をついて競馬場を訪れたファンが見守る中で年の瀬の大一番のゲートが開いた。

 バンとゲートが開いて各馬がザッと飛び出す中、白い帽子のリュウノキングダムが出遅れる。スタートの瞬間は2馬身ほどの後手、ほどなく巻き返したものの同馬にとってはいきなり厳しい戦いとなってしまう。
 ハナを奪ったのはブラストクロノス。できれば逃げたいと鞍上が狙っていただけに躊躇せず飛び出して即座に1馬身ほどのリード、一方、これも前に付けたいと願っていたメイホウホップはしばらくハナ争いを食い下がったものの敵わず、やや控えめなポジションに納まる事に。そんなメイホウホップを交わしてイシノウォーニング、そしてコアレスレーサーが前に出て行く。

 1番人気ロックハンドスターは無難なスタートを切ってすんなり5番手の好位。その直後にはサクラマジェスティとマヨノエンゼルの村上昌幸厩舎2騎、好発を切ったマヨノエンゼルはやや押さえて、まずまずのスタートだったサクラマジェスティは少し押し気味にしてのこの位置。どうやらこの2頭は最初からロックハンドスターをマークするようだ。

(一周目のスタンド前、ブラストクロノスを先頭に進む馬群)



 逃げるブラストクロノスは後続を1〜2馬身引き離してスタンド前を通過していく。さほど速いペースではないがブラストクロノス自身はちょっとかかり気味で、後ろが来れば来るだけ引き離してしまうからなかなか息が抜けない。「逃げれるなら逃げるつもりだったが、こうも息を抜けないのでは・・・(阿部騎手)」、結局ブラストクロノスは、ちょうど一周したあたりで急速に脚色が鈍りはじめてしまった。
 その頃には序盤で2番手にいたイシノウォーニングも後続の馬群の中に呑まれており、止まりつつあるブラストクロノスを捉えに行ったのは3番人気コアレスレーサー、そしてロックハンドスター。3コーナー手前でこの2頭が並んで先頭に立ち、早々と始まった人気2頭の真っ向勝負にスタンドから歓声が起こる。
 もちろんその歓声は、依然としてロックハンドスターをマークするサクラマジェスティとマヨノエンゼルにも反応している。この辺りの手応えからすれば優勝争いできそうなのはこの4頭。いよいよ戦いは佳境へ・・・。

 しかし。人気上位馬の激戦になるのかと思われたのも刹那、戦いの主導権は実にあっさりとロックハンドスターが握ってしまった。持ったままの手応えでコアレスレーサーに並び、交わしてしまったロックハンドスターはサクラマジェスティをも待つ余裕。3〜4コーナー中間から4コーナーへ、もはや構図は「悠々とタイミングを計るロックハンドスター」対「懸命に追い上げようとするライバルたち」。あとは菅原勲騎手がいつGOサインを出すか?のみが焦点に。




 その時、GOサインを受けたロックハンドスターがグン、と伸びる。追いすがる2頭との差が即座に開く。1馬身、2馬身・・・。菅原勲騎手がムチを一発、さらに差が拡がって、これで全てが決した。
 ゴールでの差は3馬身、そして再びの菅原勲騎手のガッツポーズ。「3歳の雄」が「岩手の王者」へと変身を遂げた瞬間だった。
 2着はマヨノエンゼル、3着はサクラマジェスティ。差す競馬で挑んだダークライが4着、並んでケイジーウォリアが5着。コアレスレーサーは直線失速気味で6着、メイホウホップは伸びを欠いて7着に敗れた。

 勝ったロックハンドスターは父マーベラスサンデー、母コンティンジェンシーの牡3歳。苦心の末に掴んだ3歳ダート三冠、その勢いを駆っての桐花賞制覇は4年ぶり史上8頭目の3歳馬による優勝ともなった。次戦に注目が集まるところだが、瀬戸幸一調教師によれば「夏も休まず戦ってきたので一度ゆっくり休ませたい。4月から調教を始めて5月頃に実戦に戻るくらいのつもりで、今のところは具体的な目標レースは考えていません」とのこと。来春、再びその姿を現す時を楽しみにしたい。


 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズ「ハーツクライ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてハーツクライ号の配合権利が贈られた。

(写真・中/昨年の年度代表馬がようやく見せ場を作ってくれた。
 写真・下/副賞目録を手にする馬主・千葉浩氏)






菅原 勲騎手インタビュー


■ 勝利ジョッキーコメント
 初めての古馬との重賞で力関係が分からなかったのですが、自分が思っていた以上に強い勝ち方をしてくれました。スタートからずっと手応えが良くて安心して乗れたのですが、4コーナーを回るところでも手応え十分。ダービーGPの時は調子がイマイチかと思っていたけれどあれくらい強い勝ち方をしてくれた、今日はそれ以上の強さを感じましたね。ここにきてグッと成長している感じです。夏には全国に挑戦して通用しなかったのですが、このように成長してきているし、来年は交流レースで戦って力を出せればと思います。(菅原 勲騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 4歳以上57kg、3歳56kg、牝馬2s減
優先出走権
レース名の由来 「桐花」・・・桐はゴマノハグサ科の落葉高木で、幹は高さ10mに達する。原産は中国大陸で、我が国各地に栽培される。葉は大形掌状、三浅裂。晩春、芳香ある淡紫色の筒形の5弁の美花を咲かせる。材は軽軟で色白く、くるいが少なく、耐火性があり吸湿性も少ないので、琴・箪笥・家具などとして、また屑を焼いて懐炉灰に用いる。樹皮は染料、葉は除虫用になる。岩手県の「県の花」。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 7947 4132 3連複 52943 1981
複勝 3365 1156/193/546 3連単 219393 1950
枠連複 10928 564 ワイド 13202 828/3089/305
馬連複 33097 1526
馬連単 41230 1609 382105


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