11頭が争った短距離戦・かまくら賞は好調馬が多く集まっただけに最後まで気を抜けない戦いとなった。まずスタート、そこそこ揃ったゲートの出だったが二の足のダッシュがばらつき、真ん中あたりの枠の馬が一瞬もたつくような感じになった。これを見た1番人気・ゲイリークインの山本聡哉騎手は一気に前に出て主導権を奪おうとするが、この時の切れ込み方が急で、この辺りにいた馬たちがゴチャ付く状況が発生。ややダッシュが緩かったシンメイガルダンやマツリダマンマは内ラチの方まで押されたうえに後方からの競馬になってしまう。
そんな事もあって、ゲイリークインがハナを奪った後ろにはゴチャ付いた影響の少なかった内枠リュウノパンサーと外バトルドミナが付け、やや影響のあったニシノサンダーやケージーカツタロウが馬群を縫いつつこの後ろ、という隊形に(なおこの件について山本聡哉騎手は戒告を受けた)。
逃げるゲイリークインは後続をいくらか引き離しながらもきっちりペースを落とし、平均〜やや遅めの流れに持ち込んだ。バトルドミナ、ケージーカツタロウら人気上位馬が前の方を固めた事もあってポジション争いもさほど活発ではなく、例えばバトルドミナにしてもいくらか折り合いに苦心しつつも手応えはしっかりとしたものを保ったまま。向こう正面半ばを過ぎてもそんな感じの流れのままで、これはゲイリークインの逃げ残りペース、山本聡哉騎手がうまくペースを作ったな・・・と感じさせた。
だが、そんな流れを自力で打ち破ろうとした馬がいた。ケージーカツタロウだ。道中は先行馬の直後、3コーナーでバトルドミナの外に並んだ同馬は、まず抵抗するバトルドミナを競り落とすとゲイリークインに迫る。
ゲイリークイン・山本聡哉騎手もこの攻勢は予期していた。ケージーカツタロウが迫ってくるまで手綱を押さえ、並ばれる直前にGOサイン。自分だって余力を残している。そう簡単に交わされないはずだ・・・。
しかしケージーカツタロウの脚が、そんな想定をあっさり打ち壊した。572kgの大型馬が大きく脚を振り上げて突き進んでくる。どかんどかんと砂を蹴立てスピード感こそないが、一完歩毎に確実に前に出る。ゲイリークインだってそれほど小さい馬ではないが、さすがに100kg差が押し寄せてきては分が悪い。並ばれてしまったところでガクリと脚色が鈍る。
後方からはサダチカガーベラが伸びてくる。こちらは415kg、小さい身体を一生懸命動かして脚を伸ばすが、ケージーカツタロウは既に突き抜けたあと。ケージーカツタロウは2馬身半差、完勝で特別連勝を飾った。
勝ったケージーカツタロウは父ティンバーカントリー、母ケージーキセキの牡3歳。夏に鼻出血で出走取消となったあと、普通ならフェードアウトしがちなのだがこの馬は逆に大変身。C1級特別3戦2勝、それも自力で差したり捲ったりする力強い戦い方は急激な本格化をうかがわせるものがある。
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馬自身も実が入ってしっかりしてきたという事だけど、距離も合うんじゃないかな。マイルはちょっと抑え気味にしても少し止まり気味だったけど、この距離だと道中から楽。向こう正面あたりでも反応が良すぎるから手加減するくらいの余裕があった。盛岡は分からないけど水沢の1400mは向いているように思います。(小林俊彦騎手)