土曜からの激しい積雪で水沢競馬場はすっかり雪化粧。午前は晴れ間も見えた空は午後にはみぞれ交じりの小雪に変わって結局それが終日続いたが、それでも土曜の、時折激しい雪が降るのに加えて気温も低かったのに比べればよほど過ごしやすい。
日曜メインの銀嶺賞は4頭に人気が集中した。最終的に1番人気になったのはコアレスマーシャルで2.9倍。続いてオンワードアコール3.3倍、クリスティラビット3.4倍、そしてコアレスランナー4.0倍。馬複などはこの4頭相互の組み合わせのみが10倍以下、馬単も同じような傾向だったがややオンワードアコールが人気を集め気味だったような印象。
レースは、しかしわりとあっさりとクリスティラビットが主導権を握った。各馬ほぼ揃ってゲートを出た中の、さらにいくらかダッシュが速かった数頭の中にいたクリスティラビットは押して押してハナを奪いに行く。モンセルバン、ラビットサプライズらが追ってくるが「58kgでも逃げた方が持ち味が出る」と腹を決めていた菅原俊吏騎手の気持ちが優ったか、先行争いはそれ以上激しくはならなかった。
すんなりハナに立ったクリスティラビットは最初の3〜4コーナーを回って型どおりにペースを落としにかかる。一時はばらけかけた馬群は急速に収縮、ほどなく8頭が・・・センリグランピーとアマゾネスがやや離れ気味に追走している・・・折り重なるように固まる。
ペースはかなり極端に落ちて1000m通過は1分7秒台後半。馬場状態が馬場状態なだけにこの土日はこんなペースになる事が珍しくはなかったが、しかしこれは「平均ペース」とは言い難い、やはり「スロー」というべき遅い流れだ。
とはいえ人気上位の各馬は、クリスティラビットが逃げているのをはじめ、オンワードアコール、コアレスランナー・コアレスマーシャルは先頭から1頭ほど挟んだ、おおむねクリスティラビットの直後といっていいあたりを雁行中。それぞれがひとまず好位に付けており、スローペースもさほど問題になっているようには見えなかった。
向こう正面に入ってさらに前後が詰まる馬群、その間の攻防を経てオンワードアコールが2番手に浮上してくる。コアレスランナーもその外にぴったり並んで上昇、コアレスマーシャルもその2頭の直後に付けて離れない。外からもう一頭、オーメドックが捲って来てたのも加えて4頭がクリスティラビットを追う形になったのが3コーナーあたり。人気上位4頭が前に集まり、特に積極的に動いていたのがオンワードアコールだったという事もあって、これはやはり人気上位4頭のぶつかり合いになるのか・・・と思われた。
しかし、仕掛け気味に動いたもののクリスティラビットをなかなか捉えられずにいたオンワードアコールが、真っ先に脚色を失いはじめた。なし崩しにペースを上げはじめたクリスティラビットに翻弄されたか、それとも馬場が合わなかったか?いずれ手応えが怪しくなりはじめたと思ったら見る間に失速、4コーナーを待たずして2番人気馬が優勝争いから脱落してしまう。
先ほどまで最も激しく追撃してきた馬がいなくなって、クリスティラビットと後続との間には再び2馬身ほどの間隙が生まれた。クリスティラビットにとってはこれで大幅に楽になったが、しかしまだ安心はできない。残る人気2頭、なかでもコアレスマーシャルがジリジリと、だが確実に追い上げてきている。
直線に向いて一瞬伸びあぐねていたコアレスマーシャル、だが鞍上のムチの連打を受けてエンジンがかかったか猛然と伸び始めた。クリスティラビットも決してバテてはいない、よくスピードを保ってむしろ伸びているくらいなのだが、それ以上にコアレスマーシャルの伸び脚が強烈すぎる。
2頭の間の空間が急激に縮まる。2〜3馬身あった差が見る間になくなっていく。2頭ほとんど並んだ瞬間がゴール。勢いでは完全にコアレスマーシャル優勢だったが、ゴール板ではわずかに届いていなかった。内クリスティラビットがクビ差のギリギリで凌ぎ切り、11月のひいらぎ賞に続いて今季特別2勝目を手にした。
終わってみればこの後に行われたJRA・有馬記念を思わせるようなゴール前の攻防だったが、それは後のお話。
勝ったクリスティラビットは父アグネスデジタル、母クリスティキャットの牡5歳。今期前半はちょっと苦しんだが得意の冬を迎えて上昇し、特別戦で連続好走を、それも今回は58kgをものともせず勝ってみせたのだからこの勢いは本物だ。
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やっぱり逃げて持ち味が出る馬、控えても伸びるとは限らないので、58kgでも前に行くと決めていました。それに冬は調子が上がってくるんですよ。今回も前走より良い感じで。寒い時期は本当に具合がいいですね。(菅原俊吏騎手)