先週のメインレース結果 −2010年12回水沢開催前半− 取材・文/テシオ編集部


12月26日(日) 9R 
特別 銀嶺賞 /B1・水沢ダ1800m ハンデ 小雪・不良
58kgもお構いなし クリスティラビットが逃げてしぶとく特別2勝目!NAR成績 

激しい攻防になったが軍配はクリスティラビットに。 (Photo/横川典視)
 土曜からの激しい積雪で水沢競馬場はすっかり雪化粧。午前は晴れ間も見えた空は午後にはみぞれ交じりの小雪に変わって結局それが終日続いたが、それでも土曜の、時折激しい雪が降るのに加えて気温も低かったのに比べればよほど過ごしやすい。
 日曜メインの銀嶺賞は4頭に人気が集中した。最終的に1番人気になったのはコアレスマーシャルで2.9倍。続いてオンワードアコール3.3倍、クリスティラビット3.4倍、そしてコアレスランナー4.0倍。馬複などはこの4頭相互の組み合わせのみが10倍以下、馬単も同じような傾向だったがややオンワードアコールが人気を集め気味だったような印象。

 レースは、しかしわりとあっさりとクリスティラビットが主導権を握った。各馬ほぼ揃ってゲートを出た中の、さらにいくらかダッシュが速かった数頭の中にいたクリスティラビットは押して押してハナを奪いに行く。モンセルバン、ラビットサプライズらが追ってくるが「58kgでも逃げた方が持ち味が出る」と腹を決めていた菅原俊吏騎手の気持ちが優ったか、先行争いはそれ以上激しくはならなかった。
 すんなりハナに立ったクリスティラビットは最初の3〜4コーナーを回って型どおりにペースを落としにかかる。一時はばらけかけた馬群は急速に収縮、ほどなく8頭が・・・センリグランピーとアマゾネスがやや離れ気味に追走している・・・折り重なるように固まる。
 ペースはかなり極端に落ちて1000m通過は1分7秒台後半。馬場状態が馬場状態なだけにこの土日はこんなペースになる事が珍しくはなかったが、しかしこれは「平均ペース」とは言い難い、やはり「スロー」というべき遅い流れだ。
 とはいえ人気上位の各馬は、クリスティラビットが逃げているのをはじめ、オンワードアコール、コアレスランナー・コアレスマーシャルは先頭から1頭ほど挟んだ、おおむねクリスティラビットの直後といっていいあたりを雁行中。それぞれがひとまず好位に付けており、スローペースもさほど問題になっているようには見えなかった。

 向こう正面に入ってさらに前後が詰まる馬群、その間の攻防を経てオンワードアコールが2番手に浮上してくる。コアレスランナーもその外にぴったり並んで上昇、コアレスマーシャルもその2頭の直後に付けて離れない。外からもう一頭、オーメドックが捲って来てたのも加えて4頭がクリスティラビットを追う形になったのが3コーナーあたり。人気上位4頭が前に集まり、特に積極的に動いていたのがオンワードアコールだったという事もあって、これはやはり人気上位4頭のぶつかり合いになるのか・・・と思われた。

 しかし、仕掛け気味に動いたもののクリスティラビットをなかなか捉えられずにいたオンワードアコールが、真っ先に脚色を失いはじめた。なし崩しにペースを上げはじめたクリスティラビットに翻弄されたか、それとも馬場が合わなかったか?いずれ手応えが怪しくなりはじめたと思ったら見る間に失速、4コーナーを待たずして2番人気馬が優勝争いから脱落してしまう。

 先ほどまで最も激しく追撃してきた馬がいなくなって、クリスティラビットと後続との間には再び2馬身ほどの間隙が生まれた。クリスティラビットにとってはこれで大幅に楽になったが、しかしまだ安心はできない。残る人気2頭、なかでもコアレスマーシャルがジリジリと、だが確実に追い上げてきている。
 直線に向いて一瞬伸びあぐねていたコアレスマーシャル、だが鞍上のムチの連打を受けてエンジンがかかったか猛然と伸び始めた。クリスティラビットも決してバテてはいない、よくスピードを保ってむしろ伸びているくらいなのだが、それ以上にコアレスマーシャルの伸び脚が強烈すぎる。
 2頭の間の空間が急激に縮まる。2〜3馬身あった差が見る間になくなっていく。2頭ほとんど並んだ瞬間がゴール。勢いでは完全にコアレスマーシャル優勢だったが、ゴール板ではわずかに届いていなかった。内クリスティラビットがクビ差のギリギリで凌ぎ切り、11月のひいらぎ賞に続いて今季特別2勝目を手にした。
 終わってみればこの後に行われたJRA・有馬記念を思わせるようなゴール前の攻防だったが、それは後のお話。

 勝ったクリスティラビットは父アグネスデジタル、母クリスティキャットの牡5歳。今期前半はちょっと苦しんだが得意の冬を迎えて上昇し、特別戦で連続好走を、それも今回は58kgをものともせず勝ってみせたのだからこの勢いは本物だ。

■ 勝利ジョッキーコメント
 やっぱり逃げて持ち味が出る馬、控えても伸びるとは限らないので、58kgでも前に行くと決めていました。それに冬は調子が上がってくるんですよ。今回も前走より良い感じで。寒い時期は本当に具合がいいですね。(菅原俊吏騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 56kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「銀嶺」・・・雪が降り積って山々が銀色に輝く様子。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 1726 383 3連複 26308 1848
複勝 1286 207/242/324 3連単 131973 1997
枠連複 7271 504 ワイド 6918 610/581/411
馬連複 14576 1297
馬連単 20540 783 210598


12月27日(月) 9R HBA馬産地協賛
特別 師走賞/B2・水沢ダ1600m・ハンデ 曇・不良
終わってみれば2馬身半、シャイニーベスト完勝!NAR成績 

この馬場で上手く立ち回れる事自体が能力の証明。 (Photo/横川典視)
 月曜の水沢競馬は引き続き比較的気温が高めで推移し、コースもすっかり水が浮く、というか水面が拡がると言った方がいいような田んぼ馬場。状態が徐々に変化しているのか、日曜とはまた異なって一筋縄で終わらない結果が続き、1Rから8Rまでで万馬券決着が5回、人気上位馬が上位に来る割には荒れる結末が目立つ。そしてメインレースも終わってみれば同様の決着となった。

 ヘタに揉まれるよりは先行した方が有利とあって、ゲートが開くと先行したい馬たちが4コーナーに突き進む。シャイニーベストが好スタートを切っていたがブラックベガスが来ると無理に競り合わず、ハナはブラックベガスの方が押さえた。ヒドゥンアジェンダ、タツミニピンクら人気薄な馬たちもスタートの良さを活かして前に付ける。2番人気マアーラウ、3番人気エスユーシルバーはともにあまり良いスタートではなく、最初のスタンド前は中団やや後方あたりに付けて進んでいった。

 逃げるブラックベガスは平均ペースに持ち込みつつリードを作る。あまり飛ばしているわけではないのに後ろがやや開き気味なのは、2番手シャイニーベストがちょっと口向き悪そうにしているからか。シャイニーベストはブラックベガスの真後ろに入ろうとしてそれを鞍上に修正されるというシーンが何度かあった。その度に抑え気味にするために少し差が拡がるのだが、すぐ外にいるヒドゥンアジェンダとタツミニピンクがお互いのポジション争いで一杯一杯になっていたおかげで内に押し込められる事は避けられた。
 また、ペース自体はさほど速くないものの、馬群の中にいると激しく蹴り上げられる泥濘でまともに走れない状況だけに、攻めたい馬は外を回らざるを得ない。モエレストロベリー、マアーラウらは結局ずっと外外を回るハメにもなって、それも前にいるシャイニーベストに余裕を与える事にもなったようだ。

 3コーナー、シャイニーベストがブラックベガスに並びかける。一気に交わせるくらいの手応えだったがここではまだ先頭に立たない。前にいる馬はいつでも交わせる状態、ならば後ろがくるのを待てばいい。しばらく待って、やって来たのはモエレストロベリー一頭。これを受けてシャイニーベストがいよいよ仕上げにかかる。
 間隔を広めにとりつつ4コーナーを回りきったシャイニーベストは直線に入ってすぐ先頭に立つ。直後にはモエレストロベリー、しかし道中ロスなく進んで来た分、余力の量はシャイニーベストの方が優っている。さすがにこのドロドロ馬場ではぴしっと切れるというわけにはいかないが、脚勢には揺るぎを見せないシャイニーベストはしっかりとした脚どりで突き進む。ほどなくモエレストロベリーの方が音を上げてついていくのが精一杯に。その後ろは大きく離れており、これで勝敗決した。

 最後は流し気味にゴールして、それでも2着モエレストロベリーとの差は2馬身半。完勝と言える内容でシャイニーベストが初特別制覇を果たした。モエレストロベリーが単独2着を確保、3着争いはトーホクキングとマアーラウが競り合って、ここは6番人気トーホクキングがわずかに先着。いずれにせよ戦ったライバルたちからは「勝った馬は強い」という声ばかりが聞かれた。

 勝ったシャイニーベストは父ストラヴィンスキー、母ダイタクドクターの牡3歳。JRA未勝利から岩手に転入後、割と崩れ気味だったのは芝のJRA交流戦に挑んだ時と盛岡のダートマイルで折り合いを欠いてしまった時くらい。この勝利をふくめ12戦8勝と安定しているし、このメンバーのB2特別を軽く制した事で現級突破の目処も完全に立ったと言えるだろう。

■ 勝利ジョッキーコメント
 楽にハナに行ければベストなのかもしれないけれど、どうしてもちょっと読みづらいところがある馬なのですんなり2番手がベターなのかも。馬がその気になってしっかり力を出してくれればこれくらいはね。強い馬なんだよ。(関本 淳騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 08年新設
レースPlayback 2009 2008
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「師走」・・・古い言い方で12月のこと。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3637 877 3連複 50366 695
複勝 3726 581/448/296 3連単 170864 558
枠連複 14973 1295 ワイド 10658 393/345/129
馬連複 27112 1148
馬連単 32897 781 314197


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