先週のメインレース結果 −2010年9回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部


11月21日(日) 10R 
特別 栗駒賞 /OP・水沢ダ1400m 別定 晴・良
今週は復活祭!リュウノキングダム 13ヶ月ぶりの復活Vだ!NAR成績 

ガラリ一変、13ヶ月ぶりの勝利。ここにきてまた実績馬が復活 (Photo/横川典視)
 11月下旬とは思えない好天となった水沢競馬場。空は雲ひとつない青空、風がないために上着いらずで、12年前の今頃に大雪で延期になったレースがあったと言われてもピンとこないような陽気だ。

 さて8頭が争った栗駒賞、1番人気は唯一の前走優勝馬でもあるブラストクロノスで1.3倍のほぼ断然と言っていい支持を集めた。2番人気は昨年の北上川大賞典の勝馬・リュウノキングダム、3番人気はオープン特別で活躍してきたジョウテンロマンで7.6倍。最近安定している馬と過去の実績馬とが人気を分け合う。

 レースも、その人気上位馬が引っ張る形になった。最内枠からポンと飛び出してリードを取るリュウノキングダムをブラストクロノスが押して追いかける。さらにジョウテンロマンもこの2頭を追って出ようとしたが、こちらはブローザウインドの出ムチを入れながらのダッシュに阻まれた。

 2番人気リュウノキングダムが引っ張って1番人気ブラストクロノスがマークする格好。3番人気ジョウテンロマンもこの2頭を目前に見ながら進んでおり、人気上位馬のポジションはそれぞれ手頃な好位と思えた。それは先週までのような先行有利のコース状態を思えば余計にそう感じたのだが、実際の主導権はリュウノキングダムがしっかりと握っていたようだ。
 前半3ハロンは37秒をわずかに超えるくらい、距離やメンツを考えればスローと言っていい。一見先行争いの競り合いのままに突き進んでいるように見えて、実のところは緩い流れに持ち込んでいる。それも1馬身ほどのリードは保ったまま。こうなってしまえば、先週とは違い前が止まりがちなコース状態になっているといえども逃げている方に楽な展開だ。
 そして3コーナー、それまで1馬身あるかないかだったブラストクロノスとの差が急に拡がりはじめた。リュウノキングダムがペースを上げたのか?それもあるだろうが、それ以上にブラストクロノスの脚色が悪くなっている。もはや手綱が激しく動いているブラストクロノスは後続に交わされるままになっているではないか。
 替わって2番手に上がってきたのはジョウテンロマン、だがこの2番手交代劇の間にリュウノキングダムはリードを3馬身ほどに拡げている。これは逃げ切り濃厚か・・・。

 いや、まだ決着は付いていない。その3馬身ほどの差をあっという間に縮めて、ジョウテンロマンが馬体を並べるところまで迫ってきたのだ。ややスロースターター気味なリュウノキングダムがこれに反応して脚を伸ばしはじめる前に、ジョウテンロマンは一気に先頭まで奪ってしまう。
 わりと淡々としていた先ほどまでとは一転、2頭が馬体をぶつけ合う激しい叩き合いが繰り広げられる。戦いを優位に進めているのは最初の勢いのままに押し切ろうとするジョウテンロマン、しかしリュウノキングダムもしぶとく食い下がり、あまつさえ差し返そうとする・・・!。
 ゴール寸前、リュウノキングダムが先頭を奪い返した。ジョウテンロマンも必死の反撃を試みるが、ここからはもうリュウノキングダムが先頭を譲る事はなかった。2頭馬体を並べたまま飛び込んだゴール、接戦ではあったが、内リュウノキングダムが前に出ていた事ははっきりと見て取れた。

 勝ったリュウノキングダムは父スキャターザゴールド、母サンライズグロリアの牡5歳。船橋所属ながら昨年のみちのく大賞典と北上川大賞典を制し年度代表馬並みの活躍を見せた同馬だったが、その北上川大賞典のあとは順調さを欠くと同時に勝ち星からも遠ざかり、前走の岩手転入初戦もブラストクロノスから20馬身以上離されて敗れていた。叩き2戦でガラリ一変するあたり、さすがは重賞2勝を果たした地力の成せる技というべきだろう。

■ 勝利ジョッキーコメント
 状態そのものは、例えば昨年重賞を勝った時と比較すれば決して万全ではないのでしょうが、前走よりはずっと良くはなっていました。内枠から前に行けて緩い流れにもなった事、ジリジリ伸びるタイプの脚なので競り合いになったのがむしろ好都合だったと思いますが、交わされたところから差し返したり、こうして前走からガラッと違った結果を出せるあたり、これがこの馬の地力の高さなんでしょうね。(村上忍騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 A級57kg、B1級以下55kg、牝馬1kg減
優先出走権
レース名の由来 「栗駒」・・・宮城・岩手・秋田、3県の県境にまたがる標高1,627mの山・栗駒山より。栗駒山はコニーデ型の休火山であり、二重式火山(外輪山の内部に中央火口丘がある構造)が特徴的。四季折々の自然が魅力の山です。水沢競馬場からも遠望する事ができます。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2876 413 3連複 21536 50
複勝 832 187/107/30 3連単 118458 83
枠連複 ワイド 5720 438/49/21
馬連複 22691 1620
馬連単 18970 761 191083


11月22日(月) 10R サンケイスポーツ杯/社台SS協賛スタリオンシリーズ・クロフネ賞
重賞 第23回 ダービーグランプリ/OP・水沢ダ2000m・定量 曇・良
鞍上歓喜のガッツポーズ!ロックハンドスター見事三冠達成!!NAR成績 
ダービーGPフォトプレイバックは↑をクリック! (Photo/横川典視)
 今日の水沢競馬場はお昼頃から曇り始め、メインレースの頃には時折雨粒も落ちてくるような空模様に。しかし、平日とあって早い時間帯は少なめだったファンもメイン発走の頃にはかなり増え、スタンドは熱戦を期待するファンで埋まった。

 前売り段階では長く1番人気を守っていたロックハンドスターだったが直前でシーズザゴールドに奪われ、最終的にはシーズザゴールドが2.2倍で単勝1番人気。ロックハンドスターは2.6倍で2番人気となった。3番人気にはウインクゴールドで5.0倍。以下リュウノボーイ、ナムラアンカー、ハイパーフォルテと続いたがオッズとしては二ケタ越え。遠征馬対岩手勢というよりは遠征馬対ロックハンドスター、もっと言えば“南関勢対ロックハンドスター”の構図だ。

 レースは、しかし、序盤の各馬の位置がその後の結果にも大きく影響したように思える。一斉にゲートを飛び出してなお手綱をしごいて先行争いを繰り広げる中、馬群をリードしはじめたのはコンゴウプリンセス。続いてナムラアンカー、ハイパーフォルテ。ロックハンドスターも大きく遅れず続いている。ここまでは戦前の想定通りとして、南関勢の姿がこの辺りに見えない。
 探してみれば、リュウノボーイとウインクゴールドは最後方あたりに姿が見えるしウインクゴールドはその少し前。加えて、ハナ争いこそあっさり決着が付いたものの先行争いは5,6頭がしばらく揉み合い続けており、後方からになった南関勢は外に進路を取るハメになった。南関勢はいずれも先行もしくは好位でレースを進めると見られていただけに意外なポジションだ。

 コンゴウプリンセスは後続を8馬身、いや9馬身か、いずれ大きく引き離して大逃げの態勢。それもファンを驚かせたが、一周目のスタンド前、ウインクゴールドが7番手くらい、1番人気シーズザゴールドに至っては12頭の最後方を進んでいるのを見てスタンドから大きなどよめきが上がる。

(右/大逃げをうつコンゴウプリンセス。2番手ナムラアンカーですらはるか後方)




 いや、2番手ナムラアンカー以下の集団としてはそう大きく散らばってはいない。ナムラアンカーからなら最後方といえどいいところ8馬身くらいの圏内なのだが、とはいえ今の水沢でこの位置から届く馬はそうそういない事はファンも何度も見ているだけに、どよめきが起こるのも仕方のないところ。
 ロックハンドスターは、ナムラアンカーの直後、3番手あたりでスタンド前を通過。「大外枠だしもっと後ろの位置になり、南関勢を前に見て戦う事になると思っていた」という菅原勲騎手だが、南関勢が全て後ろにいるという状況に、このあたりは前よりは後ろの気配をうかがいながら進んでいるようだ。

 果敢にぶっ飛ばしていたコンゴウプリンセスだったが2周目の向こう正面に入ってそうそう失速、ちょうど一周してスタート地点を過ぎる頃には後続に捕まった。ナムラアンカーに続いてロックハンドスターが2番手に上がって、これをきっかけに後続も一気に動く。
 少しふわふわしはじめたナムラアンカーを、鞍上・葛山騎手が促しつつ先頭に立つ。砂が深い内ラチ沿いを避けるべく、依然馬場の真ん中あたりを進むのは変わらない。ロックハンドスターはその外から2番手へ、そして後方から追い上げてきた南関勢はさらにその外から、一気に捲ってきたシーズザゴールドが早くも3番手に上がろうという勢い。その直後にはウインクゴールド、リュウノボーイもひとかたまりだ。やはり“南関勢対ロックハンドスター”なのか?

 2馬身ほどのリードを保ったまま3〜4コーナーを過ぎるナムラアンカー。しかしロックハンドスターは迫る南関勢を意識して前を追いかけず、後ろが来るのをギリギリまで待つ姿勢。
 4コーナー、直後にシーズザゴールドが、リュウノボーイが迫ってきた。まだ手綱を持ったままで待つロックハンドスター・菅原勲。その差が2馬身から1馬身と減り、いよいよシーズザゴールドがロックハンドスターに食らい付こうとした所で菅原勲騎手がムチを抜いた。

 満を持してのゴーサイン。鞍上のアクションは先ほどまでとは一変して大きく激しい。先頭ナムラアンカーも必死でリードを守ろうとするが、ジリジリと差を詰めるロックハンドスターが間もなく捉え、先頭を奪い取る。
 直線入り口の攻防で一瞬遅れをとっていたシーズザゴールドは、懸命に追ってはいるものの脚色はロックハンドスターと同じ程度、再度開いた差はなかなか縮まらない。4番手に上がったリュウノボーイも同様で、ウインクゴールドはむしろ失速気味。残り100m、もはやロックハンドスターを脅かすものはどこにもいない。
 最後まで粘り続けるナムラアンカーをねじ伏せるようにふりほどき、そしてグッとリードを拡げたところがゴール。鞍上・菅原勲騎手はその瞬間、大きく右手を振り上げてガッツポーズ。歓喜の爆発にスタンドから沸き上がった歓声が応える。
 そして2着争いの攻防は、ついにナムラアンカーが粘り切った。シーズザゴールドは3着。元岩手・葛山晃平騎手の大健闘もまた、ファンの歓声を呼んだ。

 勝ったロックハンドスターは父マーベラサンデー、母コンティンジェンシーの牡3歳。これで岩手ダービーダイヤモンドC・不来方賞・ダービーGPの3歳ダート三冠を達成しただけでなく、南関の有力馬たちに2度の遠征の借りをまとめて返した形にもなった。
 菅原勲騎手は94年ブラッククロス以来のDG制覇でこのレース3勝目。瀬戸幸一調教師は初制覇。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「クロフネ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてクロフネ号の配合権利が贈られた。

(写真右中/あわや金星というレースを見せたナムラアンカー。「ほぼ思っていたとおりのレースができた。切れるタイプではないので先手を取ってなるべくリードを作って、それで粘り込もうとしたんですが、あそこまで行ったら勝ちたかったですね・・・」と葛山晃平騎手。
写真右下/副賞目録を持つ馬主・千葉浩氏)




菅原 勲騎手インタビュー

■ 勝利ジョッキーコメント
 12番枠だったしもっと後ろの位置になるかと思っていたが、意外に前の位置。南関の馬を前に見てレースをする事になると思っていたんですけどね。こうなると後ろから来る馬が怖かったのでギリギリまで追い出しを我慢して、意外に前の馬が粘っていたけれどそれは捉えられると思っていました。二度の遠征は結果は出なかったけれど、揉まれて力を付けていた。勝ってホッとしましたし、岩手の馬が活躍するところをファンの皆さんに見てもらえたのも良かったと思います。(菅原勲騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果
レースPlayback 2007 2006
競走条件 56kg、牝馬2kg減
優先出走権
レース名の由来 「ダービーグランプリ」・・・3歳馬による全国交流競走。当初は地方競馬の3歳(旧4歳)馬の全国交流レースとして行われ、1996年のOROパーク開場時よりJRA馬も含めた交流競走に。翌97年にはGIに格付けされた。
 07年を最後に休催していたが、今年から再び地方競馬3歳馬の全国交流競走として復活。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 11185 3236 3連複 89400 4429
複勝 10632 3345/648/2233 3連単 353355 2448
枠連複 27979 1347 ワイド 19006 712/2775/517
馬連複 49986 2224
馬連単 61398 1806 622941


| 注目レース・トップに戻る |


Copyright(c)2011 IWATE KEIBA KUMIAI All Right Reserved.