先週のメインレース結果 −2010年8回盛岡開催後半− 取材・文/テシオ編集部

10月23日(土) 10R 岩手競馬・みんなで応援ネットワーク協賛
特別 区界賞 /C1級・盛岡芝1700m ハンデ 晴・良
一騎討ちもきっちりねじ伏せ コスモローダンセが波乱のレースに断!NAR成績 

コースの差はあれど前週の交流戦より速いタイム、これなら上々だろう(Photo/横川典視)
 いよいよ芝シーズンもラストを迎え、今シーズンの芝レースはこの区界賞と25日・きんもくせい賞の2つを残すのみとなった。このレースにもC1級の芝巧者が揃って激戦必至・・・と思われたのだが、発走直前、スズノエイユウがゲートを潜ってしまい負傷・競走除外になるハプニングが発生してしまう。
 実質2番人気、優勝を争う一角と見られていた同馬がどれだけ期待されていたかは、その除外によって発売金額の実に6割強が返還対象になった事で分かるのだが、ライバルたちにとってみれば、特にコスモローダンセにとってはうるさい馬がいなくなった・・・と、気が楽になったかもしれない。

 仕切り直しのスタート、下馬評通りシルキーフェザントが楽にハナに立っていく。シャイニーハリアーがかかり気味に追走、コスモローダンセも先行争いに加わってくるが、ここは無理をせず3番手あたりに留まる。シルキーフェザントがいいペースで引っ張っているだけでなく中位・後方グループの中でもポジションがしばらくの間続き、1700mらしい速い流れのまま1〜2コーナー、向こう正面へとなだれ込んでいく。

 向こう正面入り口から半ばくらいまでは1馬身強のリードを保ったまま逃げていたシルキーフェザントだが、コスモローダンセが早めに動き出し、それを見た中団以下のグループも一斉に仕掛け始めたおかげで早い段階からプレッシャーを受ける事になってしまった。
 コスモローダンセは3コーナーあたりから早くも先頭を奪い取ってしまおうという勢いで迫る。連れて捲り上げてきたファーマレッドも容赦なく押し上げてくるし、サダチカガーベラ、さらには2番手で粘っていたシャイニーハリアーまでがガリガリと食い付いてきてはシルキーフェザントにとってはいかにもキツイ。4コーナーを待たず先頭を譲ってしまったのも致し方無しというところか。

 一方、先頭に立ったコスモローダンセ、これをピッタリと追うファーマレッドは2頭ほぼ並んで直線へ。直後にはサダチカガーベラ、内にはシルキーフェザント・シャイニーハリアーがまだ粘っているが、もはやこの2頭は互いの事しか見ていない。ここから先はこの2頭、コスモローダンセとファーマレッドの一騎討ちとなった。

 坂にかかるまではコスモローダンセ優勢。しかし坂を越えるあたりでコスモローダンセの脚が鈍り、ファーマレッドの方は逆にそこで加速して一気に逆転しそうな勢いを見せる。しかししかし。並ばれたところでコスモローダンセが盛り返し、さらにそれを見てファーマレッドが再び前に出ようとする・・・。しばしの間、まさに一進一退の攻防が続く。
 だが残り100m、ゴールまであとわずかになったところでコスモローダンセが三度前へ。ファーマレッドはこれ以上抵抗できず、2頭の差が1馬身ほどに拡がったところで大勢決した。
 ファーマレッドは最後まで食い下がり、わずかに差を詰めはしたが、1馬身差を3/4馬身差にするのが精一杯。コスモローダンセがきっちりとねじ伏せて岩手での特別初勝利を飾った。

 勝ったコスモローダンセは父トウカイテイオー、母キョウエイトーカーの牝3歳。JRAでは8戦未勝利のまま岩手に転入したが、そこは一ケタ着順を連発して未勝利脱出寸前まで行っていただけに転入初戦が2着、2戦目で初勝利と力量の高さを発揮していた。
 ちなみにこの馬、岩手の3戦はすべて芝、JRA時代も芝戦しか使っておらず、地方在籍馬にしては珍しくキャリア11戦すべて芝という馬。水沢に移っていよいよダート初体験という事になるが、どんな戦いをするか注目だ。

■ 勝利ジョッキーコメント
 今回はペースが良く、すんなり流れに乗れたし折り合いも付いたので最後まで良く伸びたね。わりとどこからでも動けるから距離は苦にならなかった。この感じならダートもこなせると思います。ただ、砂を入れ替えてフカフカする今の水沢の砂が合うかどうかは、どうだろう?ちょっと心配はありますね。(村上 忍騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2009 2007 2009
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「区界」・・・宮古市川井にある緑あふれる高原、「区界高原」より。兜明神岳の裾野に広がり、山腹には白樺、スズランが群生し、四季を通じて自然を満喫できます。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 1636(424) 468 3連複 22160(14654) 1206
複勝 1038(229) 262/113/82 3連単 92411(66913) 1101
枠連複 9361(52) 1996 ワイド 5185(2277) 484/307/125
馬連複 13070(6519) 1253
馬連単 18170(9535) 1167 62428

10月24日(日) 10R テレビ岩手杯/社台SS協賛スタリオンシリーズ・トワイニング賞
重賞 第42回 不来方賞 /3歳・盛岡ダ2000m 定量 曇・良
これが新・ロックハンドスターだ! 三冠へ向け力強い勝利 NAR成績 

追って伸びて6馬身差。春とは違う。(Photo/横川典視)
 3歳ダート三冠路線の二冠目にあたる不来方賞。単勝1番人気は当然のごとくロックハンドスターで最終的なオッズは1.2倍、単勝支持率は約66%に及んだ。
 しかし前売り段階でのオッズは1.0倍に張り付いて動かず、同馬の馬体重が「+10kg」と知らされてからじわじわと下がって行ったもの。逆に人気を、というかオッズを上げたのは2番人気オウシュウサンクスで単勝オッズは7.5倍。こんなパターンは先日も見たような気がするが、しかしここでのロックハンドスターは強く、しっかりと人気に応えてみせた。

 4コーナーポケット地点に置かれたゲートから12頭が一斉に飛び出す。スッと前に出たのは戦前の予想通りコンゴウプリンセス。イシノウォーニング、ベルデンアインが追って出るところにオウシュウサンクスも加わって先行グループが形成される。ロックハンドスターはあまり良いとは言えないスタートだったがゲートを出てからのダッシュで巻き返し、2番手も獲れそうな勢いだったのを控えて先行集団の後ろに付けた。

 今日はブリンカーを付けてきたコンゴウプリンセス、すんなりハナを奪ったが、坂口騎手はしかし手綱を引き気味にして慎重にペースを調整する。イシノウォーニングも手綱を押さえて前のペースに付き合う姿勢、以下も同様に控えたり押さえたりしながら間隔をとり、走りやすい位置を模索しているようだ。12頭中2000mの経験があるのは半分の6頭、残る6頭にしてみればこの辺りで無理をしたくないと思うのは自然なところか。
 という事で1000m通過は1分5秒ほど、極端に遅くはなく淀みもないが、決して速くもない。馬群は前後13〜4馬身ほどの中に収まってレース前半を過ぎていく。

 淡々と進んでいたレースが動き始めたのは、1000mを過ぎ残り800mにさしかかるところだった。まずは後方グループ、外に持ち出して流れをうかがっていたマイネルリファインがセイントネイティヴの上昇に乗じて押し上げてくる。この動きが前へ前へと伝播して各馬の手綱が動き出して、そしてその伝わった先のイシノウォーニングが、3コーナー、意を決したようにコンゴウプリンセスに並びかけて行く。これがトリガーとなった。
 これを察したコンゴウプリンセスはペースを上げにかかるが、鞍上がムチを入れても反応が鈍い。そうこうしているうちにイシノウォーニングに並ばれたばかりか、さらに外からオウシュウサンクス、ラナイダンスも追撃に加わってきて、加速しきれないままのコンゴウプリンセスは一気に苦しいポジションに追いやられてしまう。

 苦しいポジションはロックハンドスターも同様だった。前には4頭がずらりと並んで壁を作り、外にはマイネルリファインがいて外に切り替えるルートもない。もちろん、冷静に見れば既に全面的に手綱を動かしている他馬に対しロックハンドスターは持ったままの余裕の手応え、進路さえ開けばいつでも出て行けるのは明らかなのだが、それが逆に「動きたいのに動けない」感を増した格好に見える。スタンドに起こる小さなどよめき。後から思えばほんの数秒の間の事なのだが、しかしこの数秒が実に長かった。


 直線に向いてイシノウォーニングが先頭を奪い取る。コンゴウプリンセスはまだばったりとは止まっていないが、もはや気が抜けた様になって後退しつつある。外に回った組もここに至って伸びを欠き始めた。
 そして。崩れた壁の隙間を縫って出てくるのは・・・ロックハンドスターだ!黒い帽子が慎重に進路を切り替え、隙間をくぐって来るのが見える。イシノウォーニングの外に姿を現した時には依然手綱を持ったまま、進路はクリアー。これで勝敗の行方はほぼ見えた。


(写真右上・2着マイネルリファイン。小林騎手は「このキャリアでこれだけ走れれば上々でしょう。今後の目処は立った」とひとまず満足そう。
 写真右中・2番人気のオウシュウサンクスは4着。「これだけの相手に初距離、さすがに厳しかった。ただ、ここまでの馬とは思っていない。経験を積めばいずれ・・・」と齋藤騎手)



 菅原勲騎手が内外をちらりと見た。イシノウォーニングはもう余力がない。マイネルリファインが懸命に追ってくるが、これとて持ったままのロックハンドスターと同じような脚色、このままでも負ける事はないだろう。しかし菅原勲騎手は「今後のためを考えて」とパートナーにムチを一発打ち込んでみせる。即座に脚を伸ばすロックハンドスター。これがこの戦いの画竜点睛となった。直線の、ほとんど坂を越えたところから一気に突き放して6馬身。ロックハンドスターが春とは違う強さを見せつけて二冠目を手に入れた。
 2着はマイネルリファイン、3着はイシノウォーニング。オウシュウサンクスは結局勝馬から8馬身差の4着に終わった。


 勝ったロックハンドスターは父マーベラスサンデー、母コンティンジェンシーの牡3歳。夏の遠征は成績的には実らなかったが、今回のようなレースになってもしっかり乗り切れたように、内面的な実りはかなり大きかったようだ。これで二冠、次は三冠を目指して全国の強豪を迎え撃つ。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「トワイニング賞」になっており、優勝馬馬主にはトワイニング号の配合権利が贈られた。



■ 勝利ジョッキーコメント
 今回は今までと違って包まれる形のレースでしたが、反応鋭く伸びて次につながるレースができたのは収穫でした。途中行く場所がなくて迷ったけれど、直線で抜け出せればいいと思って乗っていたら、開いたところから自分で動いてくれた。遠征で揉まれたおかげで力を付けているのでしょう。次回は全国の強豪が相手になりますが、勝って岩手の競馬を盛り上げたいですね。(菅原勲騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 56kg、牝馬1kg減
優先出走権 1着馬・2着馬にはダービーグランプリ(11月22日・水沢ダ2000m)の優先出走権が与えられます
レース名の由来 「不来方」・・・こずかた:岩手県盛岡市にあった南部氏の城が「不来方城」(現、岩手公園)と呼ばれ、この名を頂戴し盛岡競馬の重賞競走として実施されている。岩鷲賞・駒形賞と並び最も歴史のある競走です。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3059 2032 3連複 27019 1808
複勝 2014 851/317/111 3連単 143559 5165
枠連複 8707 1622 ワイド 7065 1527/493/113
馬連複 16747 3493
馬連単 31095 5836 239265


10月25日(月) 10R 
特別 きんもくせい賞/OP・盛岡芝1000m・別定 小雨・良
1年越しの念願果たす!ウメノレイメイ待望のオープン制覇!NAR成績 

並み居るオープン級を相手に3馬身差完勝。お見事と言うしかない。(Photo/横川典視)
 午前中は快晴に恵まれた盛岡競馬場だったが、メインレースの時間が近づくにつれ雨雲が迫り、結局今季ラストの芝レースは小雨模様の中で行われる事になった。

 さて1000mに挑むフルゲート12頭、一斉に飛び出した中から内ウメノレイメイ、外カゼノジュエリーの2頭のダッシュが他をリードする。ここでの加速が速かったのはカゼノジュエリーの方、だがそのまま行けば枠差の分ウメノレイメイがやや有利になる。2頭がお互いの様子をうかがうような時間がしばしあった後、カゼノジュエリーが控える形で収まった。
 関本浩司騎手にとってはウメノレイメイのスタートダッシュは想像以上だったようだ。「ここ最近前に行けてないのは見ていたし、沢田騎手も“前のように行けないかも”と言っていたから、まあ3番手くらいにつけれればいいか、のつもり。それがびっくりするくらい速かったから、じゃあ行ってしまえ、と」。
 おかげで序盤の先行争いを制したウメノレイメイは、思いの外あっさりとレースの主導権も握ってしまった。カゼノジュエリーは別として、後ろで追いかけてくるブラストクロノスやウィンエヴリーらは押して押してそれでも1馬身以上後ろだし、ボスアミーゴやジョウテンロマンらはさらに後ろで揉み合っている。
 3コーナーを過ぎたところで1馬身差、4コーナーにさしかかって1馬身強。なおも押し合いへし合いしている後続に対しウメノレイメイはさほど追わない手応え、それでいてリードが徐々に拡がっていくのだからあまりにも優勢だ。4コーナーを回る時に関本騎手がちらと後ろを確認したが、結果的にはその時点でほぼ勝負が決まっていた。

 直線に向いてウメノレイメイが完全に抜け出した。その後ろにはブラストクロノス、カゼノジュエリー、サマーレプタンサらが作る「壁」があり、ボスアミーゴはその後ろでなかなか動けない。ちょうど日曜の不来方賞と同じような場所に嵌ってしまった菅原勲騎手とボスアミーゴなのだが、ノメる芝、1000mではロックハンドスターの再現とはいかない。
 一方コース外の方ではジョウテンロマンが追い上げを見せていた。道中は中団やや後ろを追走、こちらも勝負所からここまで良い進路が無く、直線に向いてようやく進路クリアー。それでも脚色そのものは他とは違う勢いで伸びて来ている。が、鞍上・村松学騎手が見た風景は「ようやく馬群を捌いて“さあここから”と思ったら、先頭は遙か前でね・・・」。

 ウメノレイメイは、後続との差を2馬身、いやそれ以上に拡げながら坂を駆け上がった。ボスアミーゴがようやく壁を割って抜け出し、そして外からジョウテンロマンも伸びてきた頃には、ウメノレイメイ・関本浩司騎手はもうムチを入れるのをやめ、クルージング態勢に入ったところ。結果は3馬身差、盛岡ラストの芝レースはB級ウメノレイメイがA級馬を完全に封じ込める完勝で幕を閉じた。

 勝ったウメノレイメイは父ヒシアケボノ、母タニノマイヒメの牡8歳。昨年挑んだこのレースでは先行及ばず7着に敗れたが、ひとつ年を重ねた今年、見事に制覇。待望のオープン特別勝ちを果たすと共に盛岡芝1000m特別の勝ち星を「6」に伸ばし、“盛岡芝1000mマイスター”の性能をいかんなく見せつけてシーズンを締めくくった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 最近はスタートがあまり速くないと聞いていたので位置取りは出たなりで、と思っていましたが、スタートが凄く良くてね。行けなければ控えていこうと考えていたからこれで戦いやすくなった。もちろん、枠順が良かったし状態の悪い芝でもあまり気にしない、そんな点も良かったんでしょうが、なによりスタートをきっちり決めてくれた馬に感謝ですね。(関本浩司騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 07年新設
レースPlayback 2009 2008 2007
競走条件 A級57kg、B1級以下55kg、牝馬2kg減
優先出走権
レース名の由来 「きんもくせい」・・・金木犀。もくせい科の常緑低木で、秋にオレンジ色の小さな花を咲かせます。本来雌雄同株ですが、日本には雄株しか入ってきていないので花は咲くものの実ができないとされます。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2474 252 3連複 30379 1918
複勝 2765 642/580/402 3連単 95180 1098
枠連複 9191 801 ワイド 7553 432/699/518
馬連複 16140 936
馬連単 16157 520 179839

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