いよいよ芝シーズンもラストを迎え、今シーズンの芝レースはこの区界賞と25日・きんもくせい賞の2つを残すのみとなった。このレースにもC1級の芝巧者が揃って激戦必至・・・と思われたのだが、発走直前、スズノエイユウがゲートを潜ってしまい負傷・競走除外になるハプニングが発生してしまう。
実質2番人気、優勝を争う一角と見られていた同馬がどれだけ期待されていたかは、その除外によって発売金額の実に6割強が返還対象になった事で分かるのだが、ライバルたちにとってみれば、特にコスモローダンセにとってはうるさい馬がいなくなった・・・と、気が楽になったかもしれない。
仕切り直しのスタート、下馬評通りシルキーフェザントが楽にハナに立っていく。シャイニーハリアーがかかり気味に追走、コスモローダンセも先行争いに加わってくるが、ここは無理をせず3番手あたりに留まる。シルキーフェザントがいいペースで引っ張っているだけでなく中位・後方グループの中でもポジションがしばらくの間続き、1700mらしい速い流れのまま1〜2コーナー、向こう正面へとなだれ込んでいく。
向こう正面入り口から半ばくらいまでは1馬身強のリードを保ったまま逃げていたシルキーフェザントだが、コスモローダンセが早めに動き出し、それを見た中団以下のグループも一斉に仕掛け始めたおかげで早い段階からプレッシャーを受ける事になってしまった。
コスモローダンセは3コーナーあたりから早くも先頭を奪い取ってしまおうという勢いで迫る。連れて捲り上げてきたファーマレッドも容赦なく押し上げてくるし、サダチカガーベラ、さらには2番手で粘っていたシャイニーハリアーまでがガリガリと食い付いてきてはシルキーフェザントにとってはいかにもキツイ。4コーナーを待たず先頭を譲ってしまったのも致し方無しというところか。
一方、先頭に立ったコスモローダンセ、これをピッタリと追うファーマレッドは2頭ほぼ並んで直線へ。直後にはサダチカガーベラ、内にはシルキーフェザント・シャイニーハリアーがまだ粘っているが、もはやこの2頭は互いの事しか見ていない。ここから先はこの2頭、コスモローダンセとファーマレッドの一騎討ちとなった。
坂にかかるまではコスモローダンセ優勢。しかし坂を越えるあたりでコスモローダンセの脚が鈍り、ファーマレッドの方は逆にそこで加速して一気に逆転しそうな勢いを見せる。しかししかし。並ばれたところでコスモローダンセが盛り返し、さらにそれを見てファーマレッドが再び前に出ようとする・・・。しばしの間、まさに一進一退の攻防が続く。
だが残り100m、ゴールまであとわずかになったところでコスモローダンセが三度前へ。ファーマレッドはこれ以上抵抗できず、2頭の差が1馬身ほどに拡がったところで大勢決した。
ファーマレッドは最後まで食い下がり、わずかに差を詰めはしたが、1馬身差を3/4馬身差にするのが精一杯。コスモローダンセがきっちりとねじ伏せて岩手での特別初勝利を飾った。
勝ったコスモローダンセは父トウカイテイオー、母キョウエイトーカーの牝3歳。JRAでは8戦未勝利のまま岩手に転入したが、そこは一ケタ着順を連発して未勝利脱出寸前まで行っていただけに転入初戦が2着、2戦目で初勝利と力量の高さを発揮していた。
ちなみにこの馬、岩手の3戦はすべて芝、JRA時代も芝戦しか使っておらず、地方在籍馬にしては珍しくキャリア11戦すべて芝という馬。水沢に移っていよいよダート初体験という事になるが、どんな戦いをするか注目だ。
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今回はペースが良く、すんなり流れに乗れたし折り合いも付いたので最後まで良く伸びたね。わりとどこからでも動けるから距離は苦にならなかった。この感じならダートもこなせると思います。ただ、砂を入れ替えてフカフカする今の水沢の砂が合うかどうかは、どうだろう?ちょっと心配はありますね。(村上 忍騎手)