先週のメインレース結果 −2010年6回盛岡開催前半− 取材・文/テシオ編集部

9月19日(日) 10R 社台スタリオンステーション協賛・ローエングリン賞
重賞 第12回テシオ杯ジュニアグランプリ /2歳・地方競馬全国交流・盛岡芝1600m 馬齢 曇・良
スクランブルエッグ粘勝!ホッカイドウ勢がレース3連覇達成・・・!NAR成績 

しぶとい走りで巻き返したスクランブルエッグ (Photo/横川典視)
 今週から開幕した盛岡競馬だが、コース状態は芝・ダとも木曜に降った雨の影響が残った。芝コースも良馬場発表ではあるがいくらか柔らかさを感じる状態。
 そんな中行われた2歳の芝重賞「ジュニアグランプリ」。人気を集めたのは岩手のベストマイヒーローで単勝1.3倍の断然の人気ぶり。2番人気も岩手シーグランディ。ホッカイドウ勢はスカイキングラブが9.0倍の3番人気、スクランブルエッグが10.2倍の4番人気。おおむねこの4頭の戦い、というオッズの動きだが、中でも岩手勢がリードしているところにホッカイドウ勢の連覇を阻止して欲しいと願う岩手ファンの気持ちが現れていたように感じられる。

 そして、ハナに立ったのもその1番人気・ベストマイヒーローだった。隣の枠のスカイキングラブがあおり気味に出遅れたのを見たのか一瞬頭を上げかけたが、ゲートを出てからのダッシュではしっかり加速。ゲートから1ハロン進んでゴール板、そのあたりではもう1馬身ほどリードを作った。追ってくる2番手はスクランブルエッグ、内からはシーグランディも追い上げてきている。スカイキングラブは最後方から立て直しつつ外を通って上昇中だ。

 そうして敢然とハナを奪ったベストマイヒーロー。メンバーの力・自分の力量を考えて主導権を奪い取った方がいい・・・という判断だったのだろうが、しかしすんなり先頭に立った、というわりに苦しい走りになっているのが徐々に見え始める。
 この間、1周目の1コーナーあたりでトーホクスピリットがフラフラと外に膨れ、間もなく競走中止。残るレースは8頭で争われる事になった。

 やや速いペースで向こう正面に飛び込んでいったベストマイヒーローなのだが、コーナーのあたりからちょっとパタパタとした素振りを見せていたのが、向こう正面に入っても依然刺さろうとしたりしてすんなりと進んでくれない。
 そうして立て直しているうちにスクランブルエッグやシーグランディが迫ってきて、先ほどまでのリードが無くなった。やや追っつけ気味に詰め寄ってきた2頭に比べてベストマイヒーローは鞍上が手綱を引っ張り気味にしているように、行きたがっているままなのかなかなか折りあってくれないようだ。

 それでも、並ばれた事でスムーズさを取り戻したベストマイヒーローは2頭に先頭を譲ることなく直線まで辿り着いた。2番手スクランブルエッグにしても、前も気になるがずっとピッタリ食い付いてくるシーグランディも気になるところ。芝は最後まで気が抜けないとはいえこの3頭とそれ以外の手応えの差ははっきりとしてきており、そうなればなおさらお互いを意識しあう事にもなる。この辺りは3頭それぞれの駆け引きもあった。

 コーナーをスムーズに回りきってベストマイヒーローが真っ先に直線に飛び込んでくる。スクランブルエッグはやや遅れ、外シーグランディはさらに少し離され気味。ベストマイヒーローは、決して楽な脚色ではないにせよジリジリと差を拡げ、坂の下あたりでは2馬身ほどに、そしてさらに拡げる勢いだ。
 一方のスクランブルエッグは突き放された事で闘志が薄れかけたのか、伸びを欠いたままシーグランディにも捉えられそうになっている。道中は折り合い欠き気味だったが、結局はベストマイヒーローの地力が勝っているのか・・・。




(写真上/ベストマイヒーローは2着。「返し馬からテンションがおかしかった。レース中もずっと何度もバカつこうとして・・・」と菅原勲騎手。
写真下/スカイキングラブは6着だった。「芝はこなせるが、今日は馬場が悪くノメリ気味だった。馬もまだ子どもっぽい。素質はかなり高いと思っているので今後に期待しています」と五十嵐騎手)



 だが、シーグランディに追い上げられた事でスクランブルエッグの闘志に再度火がついた。坂を駆け上がったところで急激に盛り返してくるスクランブルエッグ。ベストマイヒーローの方は、逆に脚色が鈍りはじめている。一時は3馬身ほどにまで拡がっていた2頭の差が、見る間に無くなっていく。
 ゴール寸前で2頭の馬体が並ぶ。どちらも一杯一杯、しかしわずかにスクランブルエッグの方が余力があるか・・・。最後の一押しでグッと伸びたスクランブルエッグが明らかに抜けだしたところがゴール。村上忍騎手の久々のガッツポーズが、決着の瞬間を告げた。
 ベストマイヒーローは2着、3着にはシーグランディが入った。スカイキングラブは勝馬から1秒6離された6着だった。

 

 勝ったスクランブルエッグは父タイキシャトル、母サニーサイドアップの牝2歳でシャダイファームの生産馬。母は桜花賞5着など3歳牝馬クラシック全てに出走した実力馬で産駒は初の重賞勝ちとなった。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズのローエングリン賞となっており、優勝馬馬主には副賞としてローエングリン号の配合権利が贈られた。







村上忍騎手インタビュー

■ 勝利ジョッキーコメント
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 54s、牝馬1s減
優先出走権 1着馬は朝日杯フューチュリティSステップ競走へのブロック代表馬として選定されます
レース名の由来 「ジュニアグランプリ」・・・2歳の若駒をベテランの古馬に対してジュニアと表現。1999年に設立された、地方競馬で唯一芝で行われる2歳馬の重賞競走。当初は東北3場の交流レースとして設立され、レース名も「東北ジュニアグランプリ」とされていましたが、2003年より地方競馬の全国交流競走として現在の名称になりました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4133 300 3連複 20924 2850
複勝 1659 141/666/437 3連単 110028 1212
枠連複 7970 769 ワイド 7845 444/251/3502
馬連複 16807 1678
馬連単 23632 623 192998

9月20日(月) 10R 
特別 セプテンバーカップ/B2・盛岡ダ1800m・ハンデ 曇・良
今度は決めたサクラカムイオー! まとめて前走の雪辱だ!NAR成績 
セプテンバーカップ
鞍上の叱咤激励に応えて凌ぎ切る (Photo/横川典視)
 B2級8頭が争ったセプテンバーカップは、序盤から前走でも優勝を争った2頭が互いに意識し合う形で始まった。8月23日のオーガストC、うまく立ち回って優勝したエムアイルシェルと、いったんは先頭に立ちながら敗れたサクラカムイオー。思わぬ苦杯をなめさせられたばかりか連勝まで止められてしまったサクラカムイオーにとっては今度は負けられない一戦、そんな気持ちが現れたレースでもあった。

 ハナを奪ったのは大方の予想通りハルサンヒコ。エムアイルシェルもすんなりと2番手に顔を出してくるが、サクラカムイオーも今回は先行争いに加わってきた。この馬にしてはいつもより前目のポジション、そしてペースを落とすハルサンヒコに合わせてエムアイルシェルが押さえたらサクラカムイオーもそれに合わせてポジションキープ。どうやら徹底的に相手をマークするつもりのようだ。

 先頭ハルサンヒコは、ひとまずそれには我関せずの姿勢であくまでもマイペース。ペースを落としたり、やや早めたりしてしているのも自分のためとして淡々と走り続ける。2番手ながらも事実上目標にされているエムアイルシェルはとにかく流れに乗るだけだし、サクラカムイオーは依然徹底マーク。こうして有力2頭が前でにらみ合う形になってしまうと後続の動く余地も事も限られてくるわけで、向こう正面はほとんど動きのないまま、各馬の順列もほとんどと言っていいほど変わらないままに通過。

 ようやく動きが目に見えてきたのが3コーナーだった。勝負所にさしかかって型どおりにペースを上げにかかるハルサンヒコ。しかし前走と違ってペースアップする足取りがやや鈍く、エムアイルシェル・サクラカムイオーにピッタリ並ばれたまま振りほどけないでいる。それでも流れそのものは速くなり、後方では追っつけ気味でついていけなくなっている馬もいる。いるのだが、逃げ粘りを狙うハルサンヒコにとっては苦しい展開になってしまった。

 まもなく脚色が鈍ったハルサンヒコを交わして今度はエムアイルシェルが先頭へ。サクラカムイオーもまだまだガッチリとマーク、エムアイルシェルの外にピッタリと並んだまま一緒に動いていく。
 そしていよいよ直線の攻防となるのだが、こうも徹底的にマークされ続けるとさすがのエムアイルシェルもキツかったか、直線に向く頃にはサクラカムイオーがあっさりと先頭に立つ。

 しかしサクラカムイオーにしてもまだ安心はできない。何せ前走は、持ったままの手応えで簡単に押し切れると思ったところでいきなり脚が止まり、結局後から来たエムアイルシェルに差されて負けているのだ。鞍上にして見ればむしろここからが正念場、実際、番手でマークしていた道中よりも先頭に立った今の方が、鞍上の緊張感が遙かに増しているのが分かる。
 外からマイネルリファインも加わって3頭の叩き合い、その3頭が形作る三角形の先頭に立って突き進むサクラカムイオーだが、案の定ここまでの余裕のわりに伸びが鈍い。マイネルリファインに迫られているばかりかエムアイルシェルにも盛り返すのを許しているほどだ。
 マイネルリファインがグイッと伸びて一瞬交わされそうになる。坂口騎手もパートナーのトモへ肩へと立て続けにムチを打ち込み続ける。もはやなりふり構ってはいられない。
 この懸命の叱咤激励が届いたか、サクラカムイオーがジリと前に出た。大きな差ではなかったが今回のサクラカムイオーは最後までそれを譲らなかった。鞍上の手がようやく止まったのがゴール板、サクラカムイオーがそのわずかなリードを守り切っていた。
 2着は1/2馬身差でマイネルリファイン、エムアイルシェルはさらに1/2馬身差で3着。南郷騎手が「最初から最後までこうもつけ狙われてはたまらない」と舌を巻いたほどで、ここはサクラカムイオーと坂口騎手の意地の勝利という事か。

 勝ったサクラカムイオーは父サクラプレジデント、母サクラホホエミの牡4歳。JRA2戦未勝利→ホッカイドウ競馬1戦を経て岩手に転入し、シーズンをまたいで8連勝。その連勝を前走で止められたのだが、エムアイルシェルにきっちり借りを返して待望の特別制覇も成し遂げた。ここから再度の連勝スタートとなるかどうかが注目だ。

■ 勝利ジョッキーコメント
 前走、直線まで絶好の手応えだったのにあの結果。どう乗ればいいのか悩んだけれど、この形を貫いてみる事にしました。能力はもっと上のクラスでも通用すると思うし、力を引き出せるようにがんばりたいです。(坂口裕一騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「セプテンバー」・・・September。英語で「9月」の意。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 1658 835 3連複 22551 5791
複勝 1502 792/234/194 3連単 101468 6197
枠連複 ワイド 5852 995/1402/416
馬連複 19388 3458
馬連単 20678 2439 173097



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