先週のメインレース結果 −2010年7回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部

9月12日(日) 10R 
特別 夏油賞 /C1・水沢ダ1400m ハンデ 曇・不良
カミノマーチ 成長を実感させる差し切り勝ち!NAR成績 

3歳馬3頭の優勝争いはカミノマーチ。重特好走級を相手にこれなら立派 (Photo/横川典視)
 今週の水沢は曇〜雨の天候のせいもあって、これまでと一変して肌寒いくらいの気候に。コース状態も、土曜から日曜にかけて降った雨のため久々に水の浮く不良馬場に変化。レースが進むにつれ走破タイムも速くなり、重・不良が苦手な人気馬が崩れての波乱も続いた。9月はまだ一度も出ていた無かった10万馬券が6R・8R・9Rと立て続けに飛び出したのだからその荒れ具合は推して知るべし。メインレースもそんな、ちょっと不穏な雰囲気を感じさせながらゲートが開いた。

 ざっと飛び出した9頭の中からまずマイネルサウダージが飛び出してきた。1000m戦でもハナに立ったほどの快速馬だけにダッシュは速い。あっという間に単騎先頭の座を確保する。断然の人気を集めているオウシュウサンクスは2番手、外からはデュアルコアが出ムチを入れながら追ってきているがここは内枠の方が有利か。
 こうして数頭が先行争いに飛び込んで行ったのだがそのわりにはペースは速くならず、1コーナーに入ったあたりで早くも前の方には7頭ほどがみっちりと固まった。スタートで煽って後手を踏み加減だったケージーカツタロウやサダチカガーベラも先頭からそう離れていないところまで簡単に取りついているのだから、むしろ遅いと言って良いくらいのペースだったのだろう。

 向こう正面半ばあたりまでは1馬身ほどのリードを維持していたマイネルサウダージだったが、この手応え楽と見たか、オウシュウサンクスが3コーナー手前で早々と捉まえに行って並びかけようとする。これにあわせて外からはケージーカツタロウも急上昇、ついて行くのが精一杯になったデュアルコアに替わって3番手へ浮上。この辺りのポジションの変化は、馬群の内外共にさりげなく激しい。

 しかし、そうして外を上がってきたケージーカツタロウは3番手まで来たところで一杯になり、それ以上ポジションを上げる事ができなくなった。内で粘っていたマイネルサウダージも4コーナーを前にして鞍上のアクションが激しい。それに比べてオウシュウサンクスは、依然として手綱を持ったままの余裕の手応え。これはやはりこの馬が、楽に押し切ってしまうのかと思われた。

 だが、その後ろからスーッと迫ってくる馬が2頭。カミノマーチとサダチカガーベラだ。共に道中は内ラチ沿いを進みつつ、カミノマーチはオウシュウサンクスの直後から、サダチカガーベラはケージーカツタロウのさらに外から、良い手応えで攻め上がって来るではないか。
 抜け出そうとするオウシュウサンクス、しかし外サダチカガーベラがほとんど並び、間もなくカミノマーチもこの2頭の間に割って入ってきた。残り100mで3頭がほぼ横一線、しかも一番脚色が良いのは間に入ったカミノマーチだ。

 力強く抜け出してくるカミノマーチ。オウシュウサンクスもなんとか食い下がろうとするが、カミノマーチが半馬身ほど前に出た後はほとんど競り合いの形にならず完全にカミノマーチが優勢に。この1/2馬身差はゴールまで揺るがず、3頭ほぼ一団でなだれ込んだゴールではあったがカミノマーチがしっかり2頭を振り切っていた。
 1番人気オウシュウサンクスは2着。サダチカガーベラが3着に食い込んで馬番3連単は1万1540円の波乱となったが、30万馬券を筆頭に10万馬券3本が出た後では“小波乱”と感じてしまうのがなんとも。

 勝ったカミノマーチは父バゴ、母マイレコードの牝3歳で青森・ワールドファームの生産馬。今季は3月開催から掲示板を外さぬ安定した戦いを続けており、この勝利が今季5勝目。退けた2頭は3歳の重特戦で上位入着している馬、くわえて高速馬場とはいえ持ち時計を一気に2秒以上縮めて勝つあたり、夏を越しての成長を感じさせる結果となった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 ここはオウシュウサンクスが強いと思っていたし、前々走でダークライと差のない競馬をしてこの馬自身も力をつけている、とは感じていたけれどここまでの走りをしてくれるとは思っていなかった。気性も以前より落ち着いてきたし、確かに成長しているのかも。今日は今までで一番強いレースをしてくれたように思います。(阿部英俊騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年未実施 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2006
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「夏油」・・・夏油温泉:栗駒国定公園内の焼石連峰にある駒ケ岳の西麓、標高700mの高地に湧く秘湯。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 1665 159 3連複 22603 808
複勝 1018 93/360/72 3連単 93457 598
枠連複 6133 1295 ワイド 4953 774/124/163
馬連複 14555 2860
馬連単 22001 1422 166385

9月13日(月) 10R IBC杯/優駿協賛スタリオンシリーズ・スターリングローズ賞
重賞 第18回 青藍賞/OP・地方競馬全国交流・水沢ダ1600m・定量 曇・不良
岩手の頂点へ見事なステップアップ!マイネベリンダまたも逃げ切るNAR成績 

牝馬の頂点から岩手の頂点へ一気にステップアップ! (Photo/横川典視)
 月曜の水沢競馬場は時折小雨がぱらついたものの高曇りで涼しい一日。コース状態は日曜のように水は浮いていないが不良馬場が継続。ただしたっぷり水を含んだせいか、走破タイムは日曜同様に速い。それが青藍賞の結果にも少なからず影響する事になる。

 注目の先行争い、好スタートを切ったのはリュウノケンシロウ。外のエスユーペニー、人気のゴールドマインも好スタートと言っていいダッシュを決めたが、マイネベリンダは気持ち出負け気味のスタートに。
 しかし、「思い切って行けるだけ行くつもり(齋藤騎手)」のマイネベリンダはこれくらいでは引かない。押して押して押して、4コーナーまでにはハナを奪い取った。リュウノケンシロウの方も一歩も引かない決意で前に出たが、ここはマイネベリンダの意地が勝った。

 先頭はマイネベリンダとリュウノケンシロウが併走、やや遅れてエスユーペニー。ゴールドマインはその後ろの5番手あたりを追走、最近の同馬のレースからするといくらか後ろのほうだが、この時点では先頭から大きく離れているわけではない。いや、いつもと違うのはこの馬にしては追っつけ気味で追走に手間取っているように感じるところか。しかしそれとてまだそれほど目立ってはいない。

 向こう正面に入っても先行2騎の競り合いは続く。例え大逃げの形になっても、と逃げたマイネベリンダなのだが、リュウノケンシロウだって腹をくくっている。ハイペースも辞さない2頭の戦いは、必然的に他馬の追撃の手をふりほどく事になる。
 まずエスユーペニーが遅れを取り始めた。3コーナー手前でちらりちらりと後ろを見る阿部騎手。すでに手応えが怪しいのだ。そのエスユーペニーの外を通ってマヨノエンゼルとゴールドマインが押し上げてくるが、先行2騎に比べればいかにも追っつけ通しの手応えのうえ、失速気味のエスユーペニーを捉えるのすら四苦八苦している状態。ダンストンリアルやアポロノサトリも同様だ。ゴールドマインは依然6番手、なかなかポジションを上げられずにいる1番人気馬の姿にスタンドのどよめきが徐々に大きくなっていく。

 先行2頭の意地の戦いはついに3〜4コーナーにまで辿り着いた。マイネベリンダにとっては、実はこの辺りが一番厳しい場所だったという。「いつか引き離せるだろう、そうしたら少し楽もできると思っていたが、リュウノケンシロウがいつまでも食らい付いてくる。これで交わされたりしたら一気に崩れるかもしれない。これはちょっとヤバイかも・・・と感じていた(齋藤騎手)」。
 だが、“超”こそつかないだろうがかなり速いペース、それも淀みない流れをついてきたリュウノケンシロウにも、さすがにそれほどの余裕はなかった。4コーナーから直線に向いて、マイネベリンダのリードはほぼ1馬身、彼女の作戦は8割方成った。あとはゴールに飛び込むだけだ。

 躊躇せずムチを打ち込み、手綱を激しく動かしてゴールを目指すマイネベリンダ。鞍上のアクションは格好などお構いなし、前走にも増して激しくパートナーを叱咤激励しつづける。一方のリュウノケンシロウは、直線入り口まで食い下がったのが限界だった。決してバタッと止まったわけではないが、直線に入って少し刺さろうとしたのを立て直す、その一瞬のロスが1馬身あまりの差になって現れた。

 最後にもう一度詰め寄ってみせたリュウノケンシロウだったが、それが最後の抵抗となった。1馬身と1/4、スタートから続いた戦いはついに決着を迎えた。

 ゴールドマインはどうか?直線に入ってもまだ5番手、そこからジリジリと伸びてきたが、競り合った相手はライバル・マヨノエンゼル。なんとか捉えて3番手に浮上したゴールドマインだったのだが、優勝争いからは5馬身強離れた3着に食い込むのが精一杯だった。


(写真右上/リュウノケンシロウは昨年に続いての2着に。「思い切って行ったのだが、相手のスピードが上だったという事でしょうか。しかし最後はもっとばったり止まるかと思ったけれど、これだけ粘ってくれるのだから力がある馬です」と菅原俊吏騎手
 写真右中/圧倒的人気を集めたゴールドマインは3着。この馬にとっては時計が速すぎた)





 勝ったマイネベリンダは父アグネスデジタル、母マチカネフウリンの牝5歳。ビューチフル・ドリーマーCに続いての逃げ切りでの重賞連勝となったわけだが、優勝タイム1分39秒1はレコードに0.6秒差まで迫る好タイム。旧レコードの1分39秒3は突破しており、決して極端な高速馬場ではない中でのこのタイムは実に立派なものだ。5歳秋にして能力が完全開花したのかも・・・と思うと今後の期待が大きくなるのは当然だ。

 なお、このレースは優駿協賛スタリオンシリーズのスターリングローズ賞になっており、優勝馬馬主には副賞としてスターリングローズ号の配合権利が贈られた。


齋藤雄一騎手インタビュー

■ 勝利ジョッキーコメント
今日は思いきって逃げるつもり。前回よりも飛ばしていくつもりで大逃げになってもいいと思っていましたが、リュウノケンシロウに意外にいつまでもついてこられて少し焦った。でも直線までもてばこの馬のパターンですからね。重賞2連勝にはびっくりしていますが、馬も力をつけている。南部杯に出る事になれば、岩手の代表としてがんばりたいと思います。(齋藤雄一騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2kg減
優先出走権 1着馬にはマイルチャンピオンシップ南部杯(10/11 盛岡ダ1600m)の優先出走権が与えられます。
※青藍賞はJBCクラシック・スプリントの指定競走となっており、選定時に成績が重視されます。
レース名の由来 「青藍賞」・・・“青は藍より出でて藍より青し(※)”のことわざに倣い3歳馬が4歳以上の古馬に挑戦できる重賞競走として、平成5年の岩手県競馬組合設立30周年を記念して設立された競走。
(※)「青色の染料は藍の葉から取るが、もとの色よりも美しくなる」ことから、弟子が先生よりすぐれることをいいます。出藍(しゅつらん)の誉れ。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 7405 537 3連複 37776 2058
複勝 4204 298/168 3連単 209279 568
枠連複 ワイド 10198 188/2469/700
馬連複 28818 363
馬連単 37839 315 335519



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