今週の水沢は曇〜雨の天候のせいもあって、これまでと一変して肌寒いくらいの気候に。コース状態も、土曜から日曜にかけて降った雨のため久々に水の浮く不良馬場に変化。レースが進むにつれ走破タイムも速くなり、重・不良が苦手な人気馬が崩れての波乱も続いた。9月はまだ一度も出ていた無かった10万馬券が6R・8R・9Rと立て続けに飛び出したのだからその荒れ具合は推して知るべし。メインレースもそんな、ちょっと不穏な雰囲気を感じさせながらゲートが開いた。
ざっと飛び出した9頭の中からまずマイネルサウダージが飛び出してきた。1000m戦でもハナに立ったほどの快速馬だけにダッシュは速い。あっという間に単騎先頭の座を確保する。断然の人気を集めているオウシュウサンクスは2番手、外からはデュアルコアが出ムチを入れながら追ってきているがここは内枠の方が有利か。
こうして数頭が先行争いに飛び込んで行ったのだがそのわりにはペースは速くならず、1コーナーに入ったあたりで早くも前の方には7頭ほどがみっちりと固まった。スタートで煽って後手を踏み加減だったケージーカツタロウやサダチカガーベラも先頭からそう離れていないところまで簡単に取りついているのだから、むしろ遅いと言って良いくらいのペースだったのだろう。
向こう正面半ばあたりまでは1馬身ほどのリードを維持していたマイネルサウダージだったが、この手応え楽と見たか、オウシュウサンクスが3コーナー手前で早々と捉まえに行って並びかけようとする。これにあわせて外からはケージーカツタロウも急上昇、ついて行くのが精一杯になったデュアルコアに替わって3番手へ浮上。この辺りのポジションの変化は、馬群の内外共にさりげなく激しい。
しかし、そうして外を上がってきたケージーカツタロウは3番手まで来たところで一杯になり、それ以上ポジションを上げる事ができなくなった。内で粘っていたマイネルサウダージも4コーナーを前にして鞍上のアクションが激しい。それに比べてオウシュウサンクスは、依然として手綱を持ったままの余裕の手応え。これはやはりこの馬が、楽に押し切ってしまうのかと思われた。
だが、その後ろからスーッと迫ってくる馬が2頭。カミノマーチとサダチカガーベラだ。共に道中は内ラチ沿いを進みつつ、カミノマーチはオウシュウサンクスの直後から、サダチカガーベラはケージーカツタロウのさらに外から、良い手応えで攻め上がって来るではないか。
抜け出そうとするオウシュウサンクス、しかし外サダチカガーベラがほとんど並び、間もなくカミノマーチもこの2頭の間に割って入ってきた。残り100mで3頭がほぼ横一線、しかも一番脚色が良いのは間に入ったカミノマーチだ。
力強く抜け出してくるカミノマーチ。オウシュウサンクスもなんとか食い下がろうとするが、カミノマーチが半馬身ほど前に出た後はほとんど競り合いの形にならず完全にカミノマーチが優勢に。この1/2馬身差はゴールまで揺るがず、3頭ほぼ一団でなだれ込んだゴールではあったがカミノマーチがしっかり2頭を振り切っていた。
1番人気オウシュウサンクスは2着。サダチカガーベラが3着に食い込んで馬番3連単は1万1540円の波乱となったが、30万馬券を筆頭に10万馬券3本が出た後では“小波乱”と感じてしまうのがなんとも。
勝ったカミノマーチは父バゴ、母マイレコードの牝3歳で青森・ワールドファームの生産馬。今季は3月開催から掲示板を外さぬ安定した戦いを続けており、この勝利が今季5勝目。退けた2頭は3歳の重特戦で上位入着している馬、くわえて高速馬場とはいえ持ち時計を一気に2秒以上縮めて勝つあたり、夏を越しての成長を感じさせる結果となった。
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ここはオウシュウサンクスが強いと思っていたし、前々走でダークライと差のない競馬をしてこの馬自身も力をつけている、とは感じていたけれどここまでの走りをしてくれるとは思っていなかった。気性も以前より落ち着いてきたし、確かに成長しているのかも。今日は今までで一番強いレースをしてくれたように思います。(阿部英俊騎手)