遠征馬6頭、岩手勢6頭の計12頭が覇を競った芝の重賞・オパールカップ。人気を集めたのもその遠征勢で、1番人気は船橋のセイントフォース、2番人気も同じく船橋・リュウノボーイ。以下ポップコーン、ギンガセブンと続き、単勝10倍以下はいずれも船橋勢となった。5番人気も川崎のノーブルブラッドで、上位人気は遠征勢が占める事に。
 レースもその船橋勢が中心で引っ張った。ほぼ一線のスタートからポップコーンが抜け出してくる。リュウノボーイ、ダークライ、そしてギンガセブンも先行争いに加わっていきなり前の馬群がごったがえすが、「逃げるのは指示通り。久しぶりにこの馬のレースができると思い、思い切って行った(左海騎手)」と、喜々として飛び出していく馬には敵わない。短い直線を抜け1コーナーにかかる頃にはポップコーンが1馬身ほどのリードを取った。
そして、短い間ながらも激しかった先行争いのおかげで、ポップコーン以下マルヨチャイナまで5頭ほどが固まった先行グループとそれ以外のグループとに、早くも大きく二つの集団に分かれていった。1番人気セイントフォースはその後ろの集団の、さらに最後方近くを追走していく。
ポップコーンが後から来れば来ただけ引き離すという姿勢を取った事、2番手にいたダークライも無理をしなかった事で、ポップコーンが1馬身ほど離して残り4頭がひとかたまり・・・という形で向こう正面を過ぎていく。リュウノボーイは慎重にかつ徐々にポジションを上げ、内ラチ沿いの2番手で前後の様子をうかがっている。
そして後方の集団でも、外を通ってはコンバットジェットが、内からはセイントフォースが一気に上昇。特にセイントフォースは後方集団の先頭に出てなお前の集団に迫ろうとしており、この辺の動きは急だ。
3〜4コーナー、先頭は依然として快調に飛ばすポップコーン。そのリードは1馬身強。だがリュウノボーイも、恐らくはここまでは後続の動きも見ていたのだろう、やや控えめな動きを見せていたが、4コーナーにさしかかっていよいよ勝負に出た。ダークライ以下を振り切ってスッとポップコーンの外へ、あくまでも楽な手応えのまま並びかけていく。
 その後ろでは進路を内に切り替えたマルヨチャイナが、ダークライの内をすくって上昇してくる。ギンガセブンは追走一杯、その外から、こちらは内から外に持ち出そうとするセイントフォースが捲ってきている。
ここでセイントフォースが外に進んだ事が、ある意味運命の分かれ道になった。ばらけた集団の外で一頭になったセイントフォースは4コーナーで外に膨れ、立て直したところでまたヨレる。結局、4コーナーから坂を越えるあたりまでの間に一頭も交わせないという大きなロス。これが痛かった。
(写真右/1番人気セイントフォースは4着。レース後張田騎手は「周りに馬がいなくなってフラフラしてしまった。揉まれながら馬群を縫って進むくらいの方が力を出す馬のようだ。それに左回りより右回りの方が良いのかもしれない」と残念そうに語った)
一方の優勝争いは、もはやリュウノボーイが、ただただ差を拡げるばかりとなっていた。ポップコーンを簡単に捉えてしまったあとはもう後ろから迫る馬もなく、手綱を押さえてクルージング体勢。それでもリードは見る間に拡がり、激しい掲示板争いを尻目にリュウノボーイが悠々ゴールした時には、差は7馬身にまで開いていた。
2着争いは最後まで激しかった。懸命に粘るポップコーンにマルヨチャイナとセイントフォースが襲いかかる。この争いはマルヨチャイナが制して2着を確保。ポップコーンが辛くも3着を守りきり、ようやく伸びてきたセイントフォースは及ばず4着。そして少し離れた5着にはコンバットジェットが入線。岩手勢の最先着となった。
2番人気のリュウノボーイが優勝したが2着マルヨチャイナは8番人気、ということで馬番3連単はあわや10万越えという98,890円の波乱。馬単・3連複も万馬券となる波乱の決着で、このレースは3年連続の万馬券決着。そして3年連続で他地区勢がタイトルを手にする事になった。
 勝ったリュウノボーイは父サッカーボーイ、母ドクターリリーの牡3歳。昨年岩手でデビュー後はロックハンドスターに次ぐ成績を残し、またJRA遠征でも好走して芝にも高い適性を見せていた。南関に移籍した今年は強い相手に揉まれつつも力をつけ、久々の里帰り出走で待望の重賞制覇を成し遂げた。
なお、このレースは優駿協賛スタリオンシリーズの「サムライハート賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてサムライハート号の配合権利が贈られた。
菅原勲騎手インタビュー
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もっと楽に前に行けると思っていたので序盤はだいぶ焦ったね。行けないなりに腹をくくったのが良かったのかも。最後も楽ではなかったが、しっかり伸びて勝ってくれるのだから、よほど短距離に適性がある馬なんだろうね。(沢田盛夫利騎手)