先週のメインレース結果 −2010年3回盛岡開催前半− 取材・文/テシオ編集部

7月10日(土) 10R 
特別 FM岩手杯 /B1・盛岡芝1000m ハンデ 曇・重
ウメノレイメイ 「1000m」の勲章をまたひとつ手に入れる!NAR成績 

進路が開いてしまえばむしろ余裕すら感じる勝利。これで1000m戦5勝目。 (Photo/横川典視)
 午前中はまとまった雨が残って不良馬場となっていた盛岡競馬場だが、午後は天候の回復に伴いコース状態も回復。芝は重発表だったがほとんどぬかるみのない、「雨が降り続く中の稍重」あたりよりよほど良い状態でレースが行われた。
 単勝1番人気は最終的にウメノレイメイが2.2倍で確保。しかしレースは序盤から、この1番人気馬に厳しい展開になった。

 ゲートが開いてビュレットライナーが敢然と飛び出していく。スタート直後の一瞬の競り合いの後、ビュレットライナーが早くも1馬身ほどリードを作る。しかしその外、ほとんど馬体を併せる位置にサイレントカイザーがおり、この2頭が並んで馬群を引っ張りはじめた。1番人気のウメノレイメイはといえば、決して自身のスタートが悪かったわけではないが、それ以上に前2頭のダッシュが鋭く、そして二の足も速かったために、押して押して追いかけたにもかかわらず結局行ききれず3番手に甘んじる事になってしまう。
 あまつさえ、加速の付いたウィンエヴリーやマルブツコンバットにも追いつかれ、3コーナー手前ではすっかり外から被せられ、蓋をされる一歩手前まで押し込まれた。

 「もっと楽に行けると思っていたので“あれ?“と。ヤバそうに見えた?自分も“これはダメかも”と思ったよ」とはレース後の沢田騎手の話だが、昨年はオープンの芝1000m戦でもハナ争いに加わっていたくらいなのに今日はこの行き脚。鞍上も、そして陣営も、思いがけぬ苦戦ぶりを見て敗戦を覚悟したという。それはファンも同様だっただろう。

 3コーナーから4コーナーを回ってもビュレットライナーはあくまでも快調。2番手サイレントカイザー、3番手に上がったウィンエヴリーも同様で、ウメノレイメイはこの3頭が作る壁に阻まれた状態で直線に向いた。後方からはマルブツコンバット、そしてヒドゥンアジェンダも追い上げてきて外側への進路も塞がれつつある。馬群は既に坂にかかった。残すは後200mもない。ウメノレイメイ、万事休すか・・・。

 しかしここからが“1000mマイスター”ウメノレイメイの真骨頂だった。
 坂にかかったところでサイレントカイザーの脚色が鈍ったと見るや、ウメノレイメイは即座にサイレントカイザーとビュレットライナーの間に身体をグイッとねじ込ませる。これで進路が開いた。2発、3発とムチを打ち込む沢田騎手。ウメノレイメイもそれに応えてヒュッと加速、次の瞬間にはもう、ビュレットライナーに並んでいた。
 恐らく沢田騎手は、並んだ時点で勝利を確信しただろう。ビュレットライナーもよく粘っていたが、しかし到達したトップスピードはウメノレイメイの方が明らかに上回っている。もはやムチを収めた沢田騎手はあくまで慌てず騒がず御すのみ、引き続き伸びるウメノレイメイがビュレットライナーを交わし去ろうとしたところがゴール。結果は半馬身差だが、最後の勢いの差はそれ以上のものを感じさせる勝利だった。

 勝ったウメノレイメイは父ヒシアケボノ、母タニノマイヒメの牡8歳。昨年はダート1000mの特別を1勝、芝1000mの特別を3勝、シーズン勝ち星全てが1000mという実に個性的な成績を挙げて話題になった。8歳となった今季も短距離巧者ぶりをいかんなく見せつけて1000m戦5勝目。今年はクラスの関係上出走できる1000m戦が限られるが、どこまで勝ち星を増やせるか、実に楽しみだ。

■ 勝利ジョッキーコメント
 もっと楽に前に行けると思っていたので序盤はだいぶ焦ったね。行けないなりに腹をくくったのが良かったのかも。最後も楽ではなかったが、しっかり伸びて勝ってくれるのだから、よほど短距離に適性がある馬なんだろうね。(沢田盛夫利騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「FM岩手」・・・岩手県内をエリアとするFMラジオ局で、その社名を冠とした特別競走。なお同放送局では毎週金曜日20:00〜、ラジオ番組「勝ちそー研究室」を放送中です。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 1604 547 3連複 19630 975
複勝 1128 333/111/110 3連単 75918 1446
枠連複 6811 831 ワイド 5482 336/435/119
馬連複 12512 1860
馬連単 15657 1330 138742

7月11日(日) 10R IAT杯/優駿協賛・サムライハート賞
重賞 第11回 オパールカップ /3歳・地方競馬全国交流・盛岡芝1700m・定量 曇・良
リュウノボーイ7馬身差の圧勝!ふるさと岩手で待望の重賞制覇NAR成績 

鞍上も予想外だったという7馬身差の圧勝 (Photo/横川典視)
 遠征馬6頭、岩手勢6頭の計12頭が覇を競った芝の重賞・オパールカップ。人気を集めたのもその遠征勢で、1番人気は船橋のセイントフォース、2番人気も同じく船橋・リュウノボーイ。以下ポップコーン、ギンガセブンと続き、単勝10倍以下はいずれも船橋勢となった。5番人気も川崎のノーブルブラッドで、上位人気は遠征勢が占める事に。

 レースもその船橋勢が中心で引っ張った。ほぼ一線のスタートからポップコーンが抜け出してくる。リュウノボーイ、ダークライ、そしてギンガセブンも先行争いに加わっていきなり前の馬群がごったがえすが、「逃げるのは指示通り。久しぶりにこの馬のレースができると思い、思い切って行った(左海騎手)」と、喜々として飛び出していく馬には敵わない。短い直線を抜け1コーナーにかかる頃にはポップコーンが1馬身ほどのリードを取った。
 そして、短い間ながらも激しかった先行争いのおかげで、ポップコーン以下マルヨチャイナまで5頭ほどが固まった先行グループとそれ以外のグループとに、早くも大きく二つの集団に分かれていった。1番人気セイントフォースはその後ろの集団の、さらに最後方近くを追走していく。

 ポップコーンが後から来れば来ただけ引き離すという姿勢を取った事、2番手にいたダークライも無理をしなかった事で、ポップコーンが1馬身ほど離して残り4頭がひとかたまり・・・という形で向こう正面を過ぎていく。リュウノボーイは慎重にかつ徐々にポジションを上げ、内ラチ沿いの2番手で前後の様子をうかがっている。
 そして後方の集団でも、外を通ってはコンバットジェットが、内からはセイントフォースが一気に上昇。特にセイントフォースは後方集団の先頭に出てなお前の集団に迫ろうとしており、この辺の動きは急だ。

 3〜4コーナー、先頭は依然として快調に飛ばすポップコーン。そのリードは1馬身強。だがリュウノボーイも、恐らくはここまでは後続の動きも見ていたのだろう、やや控えめな動きを見せていたが、4コーナーにさしかかっていよいよ勝負に出た。ダークライ以下を振り切ってスッとポップコーンの外へ、あくまでも楽な手応えのまま並びかけていく。

 その後ろでは進路を内に切り替えたマルヨチャイナが、ダークライの内をすくって上昇してくる。ギンガセブンは追走一杯、その外から、こちらは内から外に持ち出そうとするセイントフォースが捲ってきている。
 ここでセイントフォースが外に進んだ事が、ある意味運命の分かれ道になった。ばらけた集団の外で一頭になったセイントフォースは4コーナーで外に膨れ、立て直したところでまたヨレる。結局、4コーナーから坂を越えるあたりまでの間に一頭も交わせないという大きなロス。これが痛かった。

(写真右/1番人気セイントフォースは4着。レース後張田騎手は「周りに馬がいなくなってフラフラしてしまった。揉まれながら馬群を縫って進むくらいの方が力を出す馬のようだ。それに左回りより右回りの方が良いのかもしれない」と残念そうに語った)

 一方の優勝争いは、もはやリュウノボーイが、ただただ差を拡げるばかりとなっていた。ポップコーンを簡単に捉えてしまったあとはもう後ろから迫る馬もなく、手綱を押さえてクルージング体勢。それでもリードは見る間に拡がり、激しい掲示板争いを尻目にリュウノボーイが悠々ゴールした時には、差は7馬身にまで開いていた。

 2着争いは最後まで激しかった。懸命に粘るポップコーンにマルヨチャイナとセイントフォースが襲いかかる。この争いはマルヨチャイナが制して2着を確保。ポップコーンが辛くも3着を守りきり、ようやく伸びてきたセイントフォースは及ばず4着。そして少し離れた5着にはコンバットジェットが入線。岩手勢の最先着となった。
 2番人気のリュウノボーイが優勝したが2着マルヨチャイナは8番人気、ということで馬番3連単はあわや10万越えという98,890円の波乱。馬単・3連複も万馬券となる波乱の決着で、このレースは3年連続の万馬券決着。そして3年連続で他地区勢がタイトルを手にする事になった。

 勝ったリュウノボーイは父サッカーボーイ、母ドクターリリーの牡3歳。昨年岩手でデビュー後はロックハンドスターに次ぐ成績を残し、またJRA遠征でも好走して芝にも高い適性を見せていた。南関に移籍した今年は強い相手に揉まれつつも力をつけ、久々の里帰り出走で待望の重賞制覇を成し遂げた。

 なお、このレースは優駿協賛スタリオンシリーズの「サムライハート賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてサムライハート号の配合権利が贈られた。


菅原勲騎手インタビュー

■ 勝利ジョッキーコメント
 こんなに楽に勝てるとは思っていなかったね。パンパンの良ではない芝でこれだけの好タイムで勝てるという事はよほど芝適性があるという事。馬の力も岩手にいた頃より成長している。輸送も苦にしないタイプですしね。またこの馬に乗って戦う事もあると思いますが、その時が楽しみです。(菅原 勲騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 55kg、牝馬2kg減。
優先出走権 1着馬にはJRA菊花賞ステップ競走への出走権が与えられます
レース名の由来 「オパール」・・・Opal。英語で「蛋白石」の意。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4510 1207 3連複 28620 98
複勝 4008 497/51/103 3連単 93789 70
枠連複 6693 1000 ワイド 5503 89/279/35
馬連複 17841 215
馬連単 18082 120 179046


7月12日(月) 10R 
特別 ジュライカップ/B2・盛岡ダ1600m・ハンデ 曇・重
超ハイペースを乗り切って バンドマスターが特別戦連勝!NAR成績 

2着〜3着は9馬身。最後は意地のぶつかり合いだった (Photo/横川典視)
 前日夕方から朝方まで降り続いた雨のせいで盛岡競馬場のコース状態は朝から不良に。その後は時折晴れ間も見える空模様でコースも重まで回復したが、非常に時計の速い高速馬場に戻った形となった。

 2コーナー奥の引き込み線からのスタート、ファイナルラップが大きく立ち上がって出遅れる。鞍上の大坪騎手はこれでほとんど落馬しかけ、なんとか立て直したものの先行したい同馬にとっては大きな不利となってしまった(レース後、鼻出血発症と診断)。またチュウワバロンも出遅れていたが、こちらも即座に最短コースを進んでロスを最小限に留める。

 先行したい馬が複数いただけに先行争いが焦点となったが、ハナを奪ったのはオヤマハリケーンだった。ダッシュが良かったのはポイントプリムだったがオヤマハリケーンは出ムチを入れて一気に逆転、引き込み線を抜けて向こう正面に合流する頃には1馬身ほどのリードを取っていた。
 ポイントプリムは結局2番手、それも外からストロングビートにガッチリ競られる態勢。直後にはアポロパトリオットもいて先行馬群に前へ前へとプレッシャーをかけている。
 もちろん、オヤマハリケーンも引く気はなく敢然と受けて立つのみ。こうなるとペースが落ち着くわけはなく、1000m通過は59秒前半、コース状態を考慮してもなお「超」を付けたくなるハイペースとなった。

 向こう正面を過ぎ3コーナーへ、オヤマハリケーンはあくまで飛ばし続ける。さすがはJRAの1600万下の短距離でぶっ飛ばしていた馬、気が付けばストロングビートが、アポロパトリオットがと、追いかけていた馬の方が脚色を失ってバラバラと脱落していく。馬群は一つの画面に収まりきらないほどに縦長だ。そして、1番人気ポイントプリムも、結局オヤマハリケーンに並ぶ事ができないまま、4コーナー手前で手応えの余裕が無くなった。
 直線に向いてオヤマハリケーンのリードは2馬身、鞍上・菅原俊吏騎手が後ろをちらりと振り返る。勝負あったか・・・。

 いやしかし。まだまだ勝負は付いていなかった。

 一瞬はさらに差を拡げようかというオヤマハリケーンだったが、直線の坂にかかってさすがに脚色が衰える。追い上げてくるバンドマスターとの差は200mの標識でまだ3馬身弱、それが見る間に縮まっていく。
 なんとか坂を登り切ったオヤマハリケーン、しかしその脚は完全に干上がってしまった。バンドマスターが1馬身差まで、いやもう半馬身差まで迫ってきた。そして馬体が並ぶ・・・!
 その勢いのままにバンドマスターが捉えて交わして、さらに1馬身ほど抜けたところがゴール。オヤマハリケーンの逃げは実らずの2着となったが、3着以下は9馬身離れて終わる激しい戦いではあった。

 勝ったバンドマスターは父パントレセレブル、母チーターの牡8歳。これでみなづき賞に続きB2の特別を連勝、5月のメイカップから特別戦では4連続連対となった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 直線に向いた時にはこれはもうとても届かないと思ったが、オヤマハリケーンがすっかり止まったから追いつけたね。いや、自分の馬も凄く伸びているわけじゃない。どっちもバタバタになっていて、その度合いが激しかった方が負けた格好かな。(小林俊彦騎手)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「ジュライ」・・・July。英語で「7月」の意。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3293 451 3連複 42675 1220
複勝 3193 380/464/517 3連単 127013 637
枠連複 9833 861 ワイド 8511 428/407/375
馬連複 17968 1057
馬連単 20791 611 233277


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