先週のメインレース結果 −2010年4回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部

6月20日(日) 10R 社台スタリオンステーション協賛 フジキセキ賞
重賞 一條記念 みちのく大賞典 /オープン・水沢ダ2000m 定量 曇・不良
水沢の借りは水沢で返す!マルヨフェニックス レコードで雪辱V!NAR成績 

マルヨフェニックスが前走の雪辱果たす。キングスゾーンは連覇ならず。 (Photo/横川典視)
 日曜の水沢競馬場は3R頃から激しい雨が降り始めた。雷混じりのスコールのような雨は4Rの発走の頃に弱まったが、コース状態はあっという間に不良に変化し、走破時計も一気に速くなってしまった。このコース状態の変化がメインレースの結果につながる伏線になったように思える。

 2コーナー過ぎ、向こう正面入り口からのスタート。大方の予想通りキングスゾーンが一気に飛び出していく。スタート直後の数完歩であっという間に1馬身ほどリードを作る見事なダッシュだ。内からスズノマグマも好スタート、そして外からはマルヨフェニックスもキングスゾーンを追って出てくる。わずかに出遅れたセトノギムレットとライジングウェーブの2頭も徐々に立て直し、まもなくライジングウェーブが、そしてセトノギムレットも前の方に押し上げてくる。

 序盤のペースは、思ったほどには速くならなかった。キングスゾーンがすんなりハナを奪いマルヨフェニックスもその外をあっさりと確保。この辺に加わるかと思われたライジングウェーブは結局5番手あたりに納まってしまって、3番手スズノマグマは無理に競りかけないという姿勢。こうなればキングスゾーンもやみくもにペースを上げる必要はない。
 マルヨフェニックスにしてみればもう少し競り合ってくれる馬がいた方が都合が良かったのだろうが、しかしこうなってしまえば、いずれ決着をつけねばならぬ相手を目の前に置いておく方がいい。“その時”まで、できるだけ脚を溜めておけばいいだけだ。

 一周目のスタンド前は、こうしてキングスゾーンを先頭に淡々と進んでいく。ゼットコマンダーまでの9頭がほぼ一団、少し離れてテンショウボス、そして、意外にもさらに離れた最後方にいたのが5番人気コアレスレーサー。1000m通過は1分4秒前後、ここまではスローに近い。

 が、再び向こう正面に入った頃からレースの流れが、動きが、急激に激しさを増し始めた。先行2頭の外からライジングウェーブが迫る。セトノギムレットも連れて上がってくれば内のスズノマグマも前にぴったり食い付いてくる。こうなると当然キングスゾーンはペースアップ。マルヨフェニックスが追い、そして追い上げてきたライジングウェーブらもさらにペースを上げる・・・。
 気がつけばハロンラップは13秒台、そして12秒台へと速くなっている。前の2頭は平然と、今までと変わりないかのような素振りで進んでいるが、レースも終盤、残り600mになったところでこれではついていく方がキツイ。
 向こう正面から3コーナー、ハロンラップは12秒を切るか切らないかの所まで来た。ふと見るとセトノギムレットが置かれつつある。ライジングウェーブも、4角を回るところでがっくり脚色が鈍って離れていく。スズノマグマが何とか食らい付いていたのも直線入り口まで、そこから先、キングスゾーンとマルヨフェニックスの戦いに割って入れる馬は、どこにもいなくなった。

 そして直線は、キングスゾーンとマルヨフェニックスの、ひたすら雌雄を決し合う戦場となった。並ばれたくないとばかりにサッと外に出して加速をつけるマルヨフェニックス。そうはさせじとキングスゾーンが即座に身体を寄せていく。

 この一瞬の攻防をパワーに変えたのはキングスゾーンの方。しばしの叩き合いの後、キングスゾーンがジリっと前に出た。だがマルヨフェニックスも諦めない。再度馬体を引きはがし、わずかに外へ。

 あとはもう、2頭とも小細工抜きの追い比べ。激しくムチが飛ぶ。マルヨフェニックスがクビほど抜け出す。しかしキングスゾーンも一歩も引かぬ。岡部騎手の渾身のムチ一発、キングスゾーンがまたしてもグッと差し返そうとする・・・。
 2頭並んだままで飛び込んだゴール、わずかに外マルヨフェニックスが先着。次の瞬間、マルヨフェニックス鞍上の尾島騎手は「どうだ!」とばかりに岡部騎手に向かって拳を突き出していた。

(右/ウイニングランまでした尾島騎手。勝った喜びを隠そうとしなかった)

 優勝はマルヨフェニックス、キングスゾーンはアタマ差の2着。この2頭の戦いがいかに死力を尽くしたものだったかは、2分5秒3という走破タイム、1999年のマーキュリーCでオースミジェットが打ち立てた2分6秒7という難攻不落のレコードを1秒4も上回る超高速決着に現れた。
 3着は6馬身離れてスズノマグマ、セトノギムレットが4着で、ライジングウェーブは直線失速の形の5着となった。

 勝ったマルヨフェニックスは父エイシンサンディ、母ビューティーエミの牡6歳。2歳時から一線で活躍し、長距離輸送では崩れることもあったが、08年帝王賞で4着、09年JBCクラシックで5着などGIでも好走できるまでに成長していた。今回はシアンモア記念の借りを返す勝利で、自身の重賞勝ちを11とした。
 次走はオッズパークGP(7月15日名古屋ダート1400m)の予定とのこと、キングスゾーンも同レースへの出走意志を見せており、2頭の戦いが再度繰り広げられることになりそうだ。


 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「フジキセキ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてフジキセキ号の配合権利が贈られた。










柴田高志調教師インタビュー

■ 勝利ジョッキーコメント
 最後までしっかり走ってくれました。意識して我慢したのが良かったのでしょう。(尾島徹騎手)

■ 勝利調教師コメント
 前回は本当にしぶとく走られて負けて、今度もシアンモア記念と同じようなレース展開になって、また負けたかなと思いましたが、がんばってアタマだけ勝ってくれましたね。今日は勝ったけれどまだキングスゾーンとの勝負付けが済んだとは思っていません。次走はオッズパークGP、またあの馬と戦わなければと思うと気が抜けないね。(柴田高志調教師)
出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2s減
優先出走権 1着馬にはマーキュリーカップJpnIII(7/20 盛岡ダ2000m)の優先出走権が与えられます
レース名の由来 みちのく・・・東北地方の古い呼び名より。
「道奥(みちのおく)国」が置かれたのは奈良時代はじめ。当時は今の宮城県・福島県と山形県の一部に相当する範囲でした。
 その後、朝廷の勢力範囲が広がるにつれ範囲も拡大し、鎌倉時代には現在の東北地方に当たる部分が「陸奥(みちのく)国」とされるようになりました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3856 1216 3連複 39513 2661
複勝 2272 545/790/104 3連単 145806 3727
枠連複 10097 3305 ワイド 9686 3286/255/338
馬連複 25164 8658
馬連単 27504 4556 263898

6月21日(月) 10R 
特別 焼石岳賞/C1・水沢ダ1800m・ハンデ 曇・不良
リザルト、2歳時以来3年ぶりの特別タイトルを奪取!NAR成績 
焼石岳賞
粘るプリズンガールを捉えて久々特別勝ち。そして今季早くも6勝目。 (Photo/横川典視)
 前日の土砂降りの雨の影響が残って時計の速い不良馬場となった水沢競馬場。上位に来るのは持ち時計の速い馬ばかりで、このコース状態はメインレースの勝敗の行方にも影響したようだ。

 7頭立てとなった焼石岳賞、行ければ行きたいという馬は少なくなかったのだが、最内枠のプリズンガールが好ダッシュからハナを奪って主導権を握った。芝特別を逃げて勝ったディーエスファジーが2番手、1番人気のリザルトも好スタートを切っており、ディーエスファジーを交わすかどうかという位置でしばらく前後していたが、まもなく3番手に控える姿勢を取った。

 プリズンガールが淀みなく引っ張る展開は、それ自身がペースを速くしているというような印象はないのだが、なにぶんやはり高速馬場になっているだけに全体の流れは速め。先行する3頭がひとかたまりになっている後ろはバラバラと散らばり、出遅れてしまったコウヨウティアラなどは離れた最後方のままだ。

 向こう正面に入ってもこの流れは変わらず、後方で追走する馬達の手綱が徐々に動き始める。こういうコース状態でこういう流れになると苦しくなるのはまず追走している方だ。追っつけ追っつけムチを入れつつついて行けるうちはまだ良し、徐々についていくのが辛くなり、2周目の3コーナー、勝負所にかかる頃には、まだムチが入るに至らない先行3頭とムチを入れつつ懸命に追走するその他とに、早々と明暗が分かれた。
 そしてその前3頭の中でも、ディーエスファジーが脱落気味になってリザルトが2番手へ。プリズンガールが1馬身ほどのリードを保ったまま直線の攻防に突入する。

 いざラストスパートにかかるプリズンガールだが、すでにマイル戦並みのラップを踏んできているだけにさすがにサッと伸びる脚がない。一方のリザルトの方も先頭に立ってしまうとちょっとソラを使い気味になる馬、先頭に立とうとした所でフワフワして伸びを欠く。

 が、そんな競り合いが続いたのも一瞬で、しばらくしてリザルトがジリジリと伸びはじめ、それは間もなくはっきりとした差になって現れてきた。半馬身、3/4馬身、そして1馬身差まで拡がったか・・・というところがゴール・。最終的な着差は3/4馬身差だったが、リザルトがきっちりと決着をつけて見せた。
 2着はプリズンガールが粘り込み、ディーエスファジーも直線離されつつもなんとか3着を守りきった。2番人気シルクナトゥールは4着、3番人気トーホウドロンは6着。いずれも高速馬場をついて回るのが精一杯という結果だった。今回は、例えばリザルトにプリズンガールにしろ、自身の水沢ダート1800mでの持ち時計を数秒更新するような高速決着。11RのA級戦よりも速いタイムで決まっただけに、とりわけ初の1800mだったこれらの馬には厳しい戦いになったようだ。

 勝ったリザルトは父マイネルラヴ、母ダイナコマネチの牝5歳。2歳時はパラダイスフラワーの半妹として注目されて特別勝ちを含む2勝、3歳時からJRAに移籍したものの好結果につながらず、昨夏に岩手に復帰していた。今季は降級した事もあってこれが早くも6勝目、2歳時の若鮎賞以来の特別勝ちとなった。

出馬表・過去成績 NAR出馬表 09年結果 08年結果 07年結果 06年結果
レースPlayback 2009 2008 2007 2006
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着賞金額獲得毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「焼石岳」・・・栗駒国定公園内にある、標高1,548mの高山。栗駒国定公園は岩手、宮城、秋田及び山形の四県にまたがり主峰焼石岳を中心とする焼石連峰一帯と栗駒山、神室山を中心とする区域に分かれる。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4374 1850 3連複 38356 918
複勝 2662 632/253 3連単 162361 913
枠連複 ワイド 7055 573/316/215
馬連複 31722
馬連単 31274 277804


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