先週のメインレース結果 −2009年13回水沢開催前半− 取材・文/テシオ編集部


1月2日(土) 9R 岩手県競馬新聞連盟杯/日高軽種馬農協協賛 キッケンクリス賞
重賞 第36回 金杯 /3歳・水沢ダ1600m・馬齢 小雪・不良
やはりこの2頭の戦い 制したのはモエレデフィニット!NAR成績 

ロックハンドスターの三冠を阻止したのはやはりこの馬 (Photo/横川典視)
 新年最初の水沢競馬はつい一昨日までとは一転して白銀の世界の中で行われた。吹雪のような激しい雪が降るかと思えば青空が見えて陽が差してみたり・・・と表情をコロコロと変える空の下でのレース。

 1番人気は単勝1.3倍でロックハンドスター、2番人気は3.7倍でモエレデフィニット。3番人気のリュウノボーイがもう10倍を超えて単勝11.1倍、馬複1-5は1.3倍。まさに2頭の一騎討ちしかないというオッズの動きだ。

 そしてレースも、その2頭が最初から最後まで火花を散らし合った。
 まずハナを奪ったのはダークライ。これはだいたい予想通りとして、ロックハンドスターとモエレデフィニット、そのどちらが前に出、どちらが後ろになるかが最初の焦点だったが、ゲートを出てロックハンドスターがするすると出てきてモエレデフィニットはその後ろにつけるような形になった。

 最初の先行争いがちょっと激しかったせいか各馬行く気満々で最初の直線に入ってきたが、ダークライがすぐペースを落としたために、間もなく馬群の各所で手綱を引っ張って抑える姿が見られはじめた。なにせ、いつもは良くて中団のリュウノボーイが早々と先行ポジションにいるくらい。
 今日はコース状態の発表こそ先日までと同じ「不良」だがその質は全く変わっており、ばしゃばしゃというかドロドロでパワーを求める傾向が強まっていた。そのためペースがむやみに速くなる事はまずない。ここでも各馬ダークライの逃げに淡々と付き従っている。

 向こう正面に入って早々、ダークライが後ろを引き離しはじめた。2番手ロックハンドスターとの間だが2馬身、3馬身と拡がっていく。ダークライがペースを上げたのかに見えたが、それだけでは無かったのではないか。ロックハンドスターがモエレデフィニットを牽制したのか真っ向勝負を挑んだのか、いずれ程なくこの2頭は並んで上昇開始、3コーナーあたりでは2頭並んだままダークライを捉えて先頭を奪った。ここからは、この2頭だけの戦いとなった。

 3〜4コーナーではロックハンドスターが半馬身から3/4馬身ほどリードしている。直線に向く頃にはモエレデフィニットが外からピッタリと馬体を並べた。そして直線に向ききったところで2頭の鼻面がほとんど並ぶ。ダークライはまだ食い下がっているものの明らかに離れ加減、後方から追い上げてきたセイントネイティヴ、リュウノボーイらも2馬身ほど後ろ。2頭の叩き合いに割って入る馬は、邪魔をする馬はもういない。

 しばし互角の叩き合いが続く。50mか100mか、先に大きくムチが入ったのはロックハンドスターの方だった。モエレデフィニットの脚色がやや優勢になり、じわりと前に出る。が、わずかに差が拡がりはじめたか・・・というところでロックハンドスターが盛り返し、一瞬差し返した。
 モエレデフィニットが再度前に出ようとする。ロックハンドスターが、またしても追いすがる。

 まさしく一進一退の攻防となった。どちらかと言えば優勢なのはモエレデフィニットか。だがロックハンドスターも離されかければ盛り返し、決定的な差をつけさせない。
 二度、三度、離されつつ盛り返しつつの戦いを繰り広げ、ついに大きな差の無いままに2頭並んでゴールに飛び込んだ。ちょうど、ロックハンドスターがまたしても盛り返しつつあった瞬間がゴール。モエレデフィニット鞍上の村上忍騎手はその時、「わずかに自分の馬が優勢だったと思ったが、確実に抜けた自信は無かった」と、ロックハンドスター鞍上の菅原勲騎手と顔を見合わせたという。
 一方の菅原勲騎手には自分が届かなかった事が分かっていたようだ。着順掲示板の1着・2着は写真判定と表示されていたが、引き上げてきた村上忍騎手は笑顔を見せ、パートナーを真っ直ぐ「1着」の枠馬に導いた。

写真右上/ロックハンドスターの2歳三冠はならなかった

 1着はモエレデフィニット、2着はロックハンドスター。2頭の戦いは同タイム・ハナ差で決着した。
 3着はダークライが粘り切り、4着にはセイントネイティヴ、5着はリュウノボーイでこの2頭もクビ差の接戦。6着はハイブリッジオールだったが5着からは2秒4も離れていた。

 勝ったモエレデフィニットは父マジックマイルズ・母アヤノミドリの牡3歳。ホッカイドウ競馬で7戦2勝の成績を挙げ、現役馬トレーディングセールで1300万円で購買されて岩手に移籍していた馬。岩手ではこれが2戦目だが、ここまでの王者ロックハンドスターを破って王座を奪い取る事になった。

  なお、このレースは日高軽種馬農業協同組合協賛・スタリオンシリーズの「キッケンクリス賞」になっており、優勝馬馬主には副賞としてキッケンクリス号の種付け権利が贈られた。
 モエレデフィニットを管理する櫻田浩三調教師、馬主・山本武司氏とも先日の桐花賞を勝ったゴールドマインと同じコンビ。同厩・同馬主の馬が3日間で重賞2勝を挙げるという快挙ともなった。

村上 忍騎手インタビュー



■ 勝利ジョッキーコメント
 1枠だったんですがスタートをみて位置取りは判断してくれという事で、行く馬がいるし敢えて下げるという事にしました。ライバルをみながらになったので理想的な位置取りになりましたね。わりと楽な感じで交わすところまでいったのですが相手もしぶとくて。一瞬負けたかと思いましたが勝ってくれましたね。前回よりは大幅にいい走りでした。前評判も高かったし、それにふさわしい走りができたと思います。(村上 忍騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 55kg、牝馬1s減
優先出走権
レース名の由来 「金杯」・・・岩手県の予想新聞社でつくる予想新聞連盟から、この競走に対し副賞として純金製の「金杯」が贈られることに由来するもの。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4026 820 3連複 32650 2340
複勝 1742 455/711/81 3連単 174277 2995
枠連複 8397 4258 ワイド 13642 6577/222/333
馬連複 20824 11879
馬連単 31931 4489 287489


1月3日(日) 9R 
特別 ジャニュアリーカップ /B2・水沢ダ1800m・ハンデ 雪・不良
ネクストスター 58kgもなんのそのの見事な逃げ切り勝ち!NAR成績 

1800mで2分を超えるスロー決着。その流れを読み切った鞍上の作戦勝ち (Photo/横川典視)
 午後になってがぜん激しく雪が降りはじめた水沢競馬場。レースの合間にハローをかけてもゲートが開く頃には真っ白になるほど。メインレースでも返し馬の時には向こう正面が見通せないほどだった。そんな雪の中、8頭が1800mの戦いに挑む。

 有力どころが揃って重いハンデを貰い、どういう展開になるかが最初の焦点だったが、ゲートが開いて飛び出していったのは58kgを背負うネクストスター。アマデウスやトウショウターボも追ってきたがネクストスターの勢いが勝り、最初の3〜4コーナーに入る頃にはすんなり1馬身ほどのリードを取った。

 「他に“どうしても行きたい“という馬がいなかったから、最初から逃げるつもりでいました」という山本政聡騎手。雪交じりの不良馬場に加えて58kgの酷量という不利な条件があるものの、ここは馬の底力を最大限に引き出すべく敢然とハナを奪ったのだ。
 コース状態と斤量、他馬にとってのそれはネクストスターにとって有利な材料にもなった。2番手につけているアマデウスも同じ58kg、1番人気のモエレアンドロメダは57kgを背負って後方におり、チャームドサークルはといえばスタートでダッシュがつかずひとまず後方で待機中。加えてノメって走りづらいコース状態ではそうそう派手な動きができるわけもない。ペースはネクストスターが思うままに遅くなり、楽な逃げに持ち込む事ができた。

 向こう正面に入っても隊列にほとんど変化無し。8頭ほぼ一団、いや、ストロングブリッツが徐々に置かれて7+1の隊形になりつつあったが、前の7頭はひとかたまりのまま走り続ける。ネクストスターのリードは依然1〜2馬身をキープ。
 3コーナーにさしかかってようやく動きが激しくなってきた。型通りペースを上げていくネクストスターをアマデウスが追いかける。さらに大外からチャームドサークルが捲ってアマデウスの直後に接近。一方、先ほどまで先団につけていたトウショウターボやスピードリュウオーはここで置かれ加減。モエレアンドロメダはというと、そんな集団に取り付けず、馬群の後ろでもがいている。
 そうして追撃を図ったアマデウスやチャームドサークルだったが、直線に入る頃になってもネクストスターに並ぶところまで迫れない。ネクストスターは2馬身弱のリードをつけたまま直線へ。この時点で彼の野望は8割方、いや9割方成った。

 残る直線はネクストスターにとって「いかにして粘り込むか」の戦いだった。決して余力たっぷりというわけではないネクストスター、しかしここまできてもなおしっかりした足取りを保ってゴールを目指す。追うアマデウス、チャームドサークルの脚色もほとんど同じ、ポジションも、間隔すらもほとんど変わらないままにゴールが迫る。
 最後アマデウスがジリジリと差を詰めてきたが、1馬身くらいにまで差が縮まった所がゴール。ネクストスターが見事ポールトゥウインをやってのけた。
 2着はアマデウス、3着にはチャームドサークルといずれも58kg勢が入線。モエレアンドロメダは最後まで伸びを欠いたまま6着に敗れた。

 勝ったネクストスターは父キンググローリアス・母クッキーキティの牡8歳。JRA−佐賀と転戦して昨年5月に岩手に転入。最下級から勝ち星を重ねてこれで8勝目、待望の特別制覇となった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 行く馬がいないし、ハンデの事もある。きっとスローになるだろうと思って最初から逃げるつもりでいました。隊形が固まって誰も来なかったから楽になりましたね。ここのところこの馬に乗ってみて、逃げた方がいいと感じたので思いきって行ってみましたが、狙いが当たりましたね。(山本政聡騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 新設
競走条件 56kg、牝馬2s減とし、当該クラスにおける1着収得賞金額25万円(22万円)毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「ジャニュアリー」・・・英語で「1月」のこと。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2196 206 3連複 26130 1086
複勝 1857 120/368/397 3連単 112180 793
枠連複 ワイド 7846 531/344/464
馬連複 23168 1469
馬連単 23716 617 197093


1月4日(月) 9R 
特別 初夢賞 /B1級・水沢ダ2000m・ハンデ 小雪・不良
ブライティアメッセ、今日は1番人気に応えて快勝!NAR成績 

最後まで力強く駆け抜け、4ヶ月ぶりの勝利は強い勝ち方だった (Photo/横川典視)
 前日同様に雪が舞う中行われた初夢賞。1番人気は単勝1.8倍のブライティアメッセだが、以下エーシンスローインら4頭が単勝10倍以内に支持されていた。他の賭式も、馬単では1→12の組み合わせ以外はすべて10倍以上、3連単の1番からの組み合わせにしても1→12→10の組み合わせで32.9倍というのが一番人気。2000m戦という事もあってかかなり割れ気味のオッズだ。

 レースも序盤から激しい先行争いが展開された。ほぼ一線に飛び出した馬達は互いにしばらく引かず、スタートから100mほどを過ぎても5,6頭が一団のまま。200mを過ぎ3コーナーにさしかかる頃になってようやくブラックベガスがハナを主張し切り、クラサッキーが2番手、ヒドゥンアジェンダとリザルトが3番手4番手を争う、という形で落ち着いた。

 この先行争いのせいで先行する4頭と後方との差が一時は4〜5馬身に拡がった。ただ、コーナーを通過しつつペースが落ちていったので、先行グループが最初のスタンド前を通過する頃にはかなりゆったりしたペースになった。もとより不良馬場、ドロドロのパワーを要求されるコース状態ではペースの上がりようもない。このまましばらく淡々とした流れが続く事になる。
 この中でブライティアメッセは先行グループから離れた所の5番手をドーリーゴンザレスと併走中。さらに少し離れてマイネルアンセムらの中団の馬群がいてエーシンスローインはその後ろ。ワラッテオクレヨは定位置のぽつんと離れた最後方。

 向こう正面に入ってさらにペースが落ち、先頭は依然ブラックベガスで変わらないものの後続の馬達がぐっと迫ってくる。その中からまずクラサッキーの手応えが怪しくなり、次いでヒドゥンアジェンダが脱落しはじめた。すでに後続は先行集団の直後に密集しており、ここから脱落すればそのまま馬群の中に飲まれていく状況だ。
 そして、2番手に上がっていったリザルトも、3〜4コーナー中間あたりで手綱が動き始めた。後方からはブライティアメッセ、ドーリーゴンザレス、加えて大外を回ってエーシンスローインも捲り上げてくる。徐々に下がっていく先行勢と後方から勢いよく上がってきた組とが入り交じり、ほとんど全馬が前後数馬身の圏内に入り乱れたまま直線へ。

 直線に向いて馬群がわっと拡がる。その中から力強く抜け出してきたのはブライティアメッセだ。リザルトはもう一杯一杯、あといい脚色を保っているのはドーリーゴンザレスとエーシンスローインか。最内のブラックベガスもまだしっかりとした脚色で、まだ2番手をキープしているようだ。

 ブライティアメッセは直線に入ってすぐ先頭を奪うと、そのまま馬場の3分どころをゴールへ一直線。後続の追撃を全く寄せ付けず、最後まで綺麗に脚を伸ばし切って2馬身差でゴールを駆け抜ける。
 2着はドーリーゴンザレス、3着争いは内外離れていたが、ブラックベガスが辛くも粘り切った。エーシンスローインは伸び脚では勝っていたもののわずかに届かず4着。しぶとく食らい付いたヘライカントリーが5着に食い込んだ。

 勝ったブライティアメッセは父オペラハウス・母レディブライティアの牝7歳。JRA500万下から転入したその初戦を快勝したものの、その後しばらく不振が続いた。12月になって着順が上昇、前走や前々走は人気薄で上位に食い込んで好配当の片棒を担ぐ格好だったが、今回は1番人気に応えて特別勝ちを果たした。

■ 勝利ジョッキーコメント
 最初に勝った後、ちょっと調子が落ちていたのか成績が悪かった。ゴールデンステッキ賞の時かな、まだ調子が戻りきっていないとは思ったけれど、思い切って先行競馬を試して貰ったら、それでガラッと変わってきたね。馬の調子が良くなってのこの結果でしょう。(関本 淳騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 56kg、牝馬2s減とし、当該クラスにおける1着収得賞金額35万円(31万円)毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「初夢」・・・元旦の夜に見る夢。または正月2日の夜に見る夢。古くは、節分の夜から立春の明けがたに見る夢。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2333 971 3連複 50579 1254
複勝 1554 396/161/70 3連単 158607 1332
枠連複 14726 1126 ワイド 8881 760/333/153
馬連複 26754 2571
馬連単 29163 1944 292597


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