先週のメインレース結果 −2009年9回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部


11月21日(土) 10R 
特別 岩洞湖賞 /C1級・水沢ダ1600m・ハンデ 曇・不良
2頭一歩も引かぬ叩き合い。わずかにクビ差でコスモジャックが制す!NAR成績 

冬を迎えて2連勝。レース内容も力強くなって、3歳馬の成長力はあなどれない (Photo/横川典視)
 8頭立ての岩洞湖賞、スタートでエーシンエッティンが少しあおり気味の、キタノハルミチャンとカートゥニストが若干ゆっくりゲートを出る感じになっていずれも後方からのレースとなった。ハナに立ったのはフェスティヴムテキでこちらは好スタートから好ダッシュを決め、内のコスモジャックも競り合う姿勢を見せたが、ここはフェスティヴムテキが前に出て先行争いは収まった。

 当然のように緩いペースに持ち込むフェスティヴムテキ。2番手デポジットブック、3番手サチノマオと続いていくがみな手綱を絞りきりで、スタートで後方になったエーシンエッティンやカートゥニストも早々と先行グループに取りついてきていた。
 とはいえ少頭数で緩いペース、馬群を引っ張るのは1番人気馬。となると各馬の動きもこれ以上激しくなりようがなく、各馬の位置取りはほぼ同じまま、8頭がひとかたまりになって向こう正面を通過していく。

 ようやく激しさが加わってきたのは3コーナー手前に達する頃だった。型どおりに後続を引き離しにかかるフェスティヴムテキは依然余裕の手応え。その後ろでは、やや手応えが怪しくなったデポジットブックとサチノマオが懸命に食い下がろうとしているところを内からコスモジャックが、外からエーシンエッティンが、共に厳しく責め立ててそのポジションを奪おうとしている。カートゥニストはそんな4頭の後ろ、ちょうど壁に前をふさがれた格好になっている。

 直線に向いてフェスティヴムテキが単独先頭に立った。それを追う7頭の中から抜け出してきたのはコスモジャックだ。最内からすっとフェスティヴムテキの外に切り替えると、そこから加速体勢に入ってフェスティヴムテキに勝負を挑む。その後ろは6頭が横一線に拡がっている。どれも似たような脚色になってしまっているが、この辺で優勢に見えたのは、ようやく壁が無くなったカートゥニストと大外に持ち出したキタノハルミチャンか。しかしこの6頭は本当に一線、一団だ。

 一方の前2頭の戦いは依然もつれていた。フェスティヴムテキに並びかけたコスモジャック、まずはほとんど競り合う間もなくコスモジャックがリードを奪う。しかしフェスティブムテキも、そのまま引き離されそうになる所から踏みとどまり、逆に盛り返していく。一瞬は1馬身ほどになった2頭の差も半馬身、いや1/4馬身もない感じだ。どちらも激しくムチを入れながら一歩も引ない。
 叩き合いは、結局ゴールまで続いた。2頭が馬体を並べたまま、まさにゴールになだれ込んだその時、外コスモジャックがわずかにクビ差先着していた。

 勝ったコスモジャックは父ノボジャック・母プレシャスゲランの牡3歳。春〜初夏は3連勝を含む7連続連対を果たしたほどの馬がこの夏の古馬編入前後はすっかりリズムを崩し、ブービー負けを喫するほどに。ここにきていよいよ立ち直ってこれで2連勝、全力発揮に期待がかかる。

■ 勝利ジョッキーコメント
 シャドーロールにして物見の度合いが落ち着いたのもあるけど、やっぱり馬が成長しているのでは。以前はマイルだとパッタリ止まっていたからね。もちろん調子も上がっている。力をつけていますよ。(関本 淳騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 06年結果 05年結果
競走条件 55kg、牝馬2s減とし、当該クラスにおける1着収得賞金額20万円(18万円)毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「岩洞湖」・・・盛岡市玉山区にある人造湖。1960(昭和35)年に完成したロックフィルダム・岩洞ダムによって生まれた湖で、湛水面積684haは田瀬湖を上回り御所湖に次ぐ岩手県内2位・全国で20位の広さ。冬はワカサギ釣りで賑わいます。2005(平成17)年「ダム湖100選」に選定されました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2388 243 3連複 22811 2888
複勝 807 95/222/206 3連単 103832 669/388/714
枠連複 - - ワイド 4534
馬連複 21009 4139
馬連単 23547 4664 178928


11月22日(日) 10R 社台スタリオンステーション協賛 フジキセキ賞
重賞 第41回 不来方賞 /3歳・地方競馬全国交流・水沢ダ2000m・馬齢 曇・稍重
船橋・グレードアップが半馬身差で凌ぎ切る!マヨノエンゼルは三冠ならずNAR成績 

これでも遊び遊び走っているそうなのだから恐れ入る。よほどの器の持ち主かも (Photo/横川典視)
 他地区から4頭、地元から8頭の12頭が争った不来方賞。岩手の3歳ダート三冠路線最終戦ともなったこのレース、1番人気に支持されたのはここに三冠達成がかかる岩手のマヨノエンゼルで単勝1.8倍。続くのは船橋・グレードアップで2.4倍。この2頭の単勝オッズはほとんど差が無く、馬単・馬複などもこの2頭の組み合わせのみが10倍以下という一本かぶりでまさに一騎討ちムードだった。

 向こう正面2コーナーよりのスタート、ほぼ一線に飛び出した中から抜け出してきたのは、その2番人気グレードアップだった。
 「指示は4、5番手くらいで行ってくれ、という話だった」という菅原勲騎手、しかし、スタートでちょっと立ち後れかけ、少し気合いをつけ気味にされたグレードアップは今度はそのまま先頭に立ってしまったのだ。外からはポアントゥブルボンが行こうとしてしばらく外で競り合っていたが、グレードアップにしても特に押すでもなく仕掛けるでもなく、馬なりで先頭に立ってしまっているのだからポアントゥブルボンには分が悪い。
 結局ここはこのままの並びで収まり、そしてその後ろに愛知スギノブライアン、岩手トキワノマツカゼが追うという隊列で先行集団が定まった。マヨノエンゼルはいつも通りの中団やや後ろ目につけているのが見える。
(写真上/一周目のスタンド前を通過する馬群。グレードアップがハナを取った事がレースの行方を大きく左右した)

 前半3ハロンは普通かやや遅めというペース。そこから1〜2コーナーにかけてグッとペースが落ちて1000m通過は1分3秒台。その後もペースはなかなか速くならない。先頭グレードアップ以下の隊列もほとんど動かず、離れ気味に進んでいるセンリグランピーと、さらに一頭大きく離れたリュウノリバティーの他の10頭はほぼひとかたまりだ。
 しかし向こう正面半ば過ぎ、残り600mのあたりからレースが動き始める。「自分からペースを動かしに行った」というグレードアップ&菅原勲騎手が徐々に流れを早くし始めたのだ。
 もちろんそれは、別にムチを入れるでもなく馬の行く気に任せたままにペースを上げていったのだが、それまでひとかたまりに近かった後続はあっという間にばらけ、そしてちぎれ始めた。
 3コーナーを回り4コーナーにかかる頃には、グレードアップについていっているのはスギノブライアンとトキワノマツカゼの2頭のみになった。そしてマヨノエンゼルも、馬群を縫って後方から追い上げてきているが、この辺ではまだ5、6馬身後ろ。

 直線に向いてすっかりソラを使い始め、おまけにスタンドを見たのか物見をしてヨレたりしていたグレードアップ、一時はスギノプライアンやトキワノマツカゼに並ばれそうになるが、しかし進路を定めて追い始めるとしっかり加速、この2頭は難無く振り切った。
 そんなスギノブライアンらを並ぶ間もなく交わしてしまった馬がいる。・・・マヨノエンゼルだ!直線入り口で4、5番手、そこからコース真ん中に持ち出してグングン伸び始めたマヨノエンゼルはグレードアップめがけて見る間に詰め寄っていく。

 2頭の脚色の差を見比べれば明らかにマヨノエンゼル優勢、同馬鞍上の小林騎手も「これなら何とか届く」と感じたという。
 だが、2頭の差があとわずかというところまで来たところで、「それまですっかりトボけていたのが、追い上げられてやる気を出した(菅原勲騎手)」グレードアップがグッと脚を伸ばした。「届くと思った所で相手の馬に伸びられてしまった(小林騎手)」。
 ちょうどそこがゴール。マヨノエンゼルはわずかに届かず、グレードアップが1/2馬身差で不来方賞を制した。
 3着はスギノブライアン、4着はトキワノマツカゼ。5着には北海道のステートリーマナーが入線。1番人気から5番人気までの5頭が掲示板を占める順当な決着で、馬番3連単も1,500円と固い決着だった。
 (写真/マヨノエンゼルは3冠ならず2着。「もう少しペースが速くなってくれていれば・・・とは思うが、これだけ伸びて届かなかったし、相手にもまだ伸びる余裕があったのだからね・・・」と小林騎手)

 勝ったグレードアップは父プリサイスエンド・母デライトスライトの牡3歳。3歳秋にしてこの不来方賞が8戦目というキャリアの少ない馬だが要所で素質の高さを発揮。3歳重賞シーズン終盤のここで待望の重賞制覇を果たした。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「フジキセキ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてフジキセキ号の配合権利が贈られた。

(写真/副賞目録を持つ松代調教師ら優勝馬関係者)


菅原 勲騎手インタビュー


■ 勝利ジョッキーコメント
  調教師さんからの指示は4,5番手につけてマヨノエンゼルが来たら一緒に、というもの。スタートが良かったのでそのまま馬なりで行ってしまったが、これで負けたら怒られるかな・・・と思いながら乗っていました。
 でも、遠征した時に一度乗った事があって、この馬の強さは分かっていたので、逃げても保ってくれると思っていた。
 小回り云々は関係ないが、周りを気にして物見をするところがある。なのでホントは逃げたくなかったのですが、この馬の実力を信じて乗りました。最後はまだ余裕があったので、交わされるとは思いませんでした。(菅原勲騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 56kg、牝馬1kg減
優先出走権
レース名の由来 「不来方」・・・こずかた:岩手県盛岡市にあった南部氏の城が「不来方城」(現、岩手公園)と呼ばれ、この名を頂戴し盛岡競馬の重賞競走として実施されている。岩鷲賞・駒形賞と並び最も歴史のある競走です。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4282 1354 3連複 35457 4899
複勝 3390 683/1651/293 3連単 137321 6794
枠連複 12849 5288 ワイド 7113 1946/401/433
馬連複 34268 15747
馬連単 41712 9312 276392


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