このレース人気を集めたのはやはりウメノレイメイだった。今季ここまで二度行われた芝1000mの特別戦を二つとも制している同馬が単勝1.8倍、馬複や馬単の人気もウメノレイメイの2番がらみに集中するという圧倒的な支持を受けていたのだが、レースもやはりこの馬の“1000mマイスター”ぶりを再確認するものとなった。
出走10頭、いずれも芝巧者揃いとあってスタートで出遅れはない。中でもダッシュが速かったのが大外マーチボーイで、スタートの直後にはもうこの馬が他より1馬身ほど前に出ているのが見える。最内テンショウスズラン、外ヤータンが追って行こうとするところ、その2頭の間からウメノレイメイが加速してきて2番手を確保。これで先行勢のポジションは固まった。
とはいえそこは1000m戦、そうして各馬のポジショニングが定まった頃にはもう3コーナー目前という頃合い。中団以下の各馬はちょっと押し合いへし合いしつつ前との差を詰めつつあり、人気の一角マルブツコンバットやリザルトらも早め早めに動いてきている。
逃げるマーチボーイ、2番手追走ウメノレイメイのペースはあくまでも淀みなく快調で、3〜4コーナー中間ではそれまで3番手につけていたテンショウスズランが少し下がっていった事から、一瞬だがこの2頭と後続との差が2馬身ほど開くシーンも。
4コーナーから直線に至ってもまだマーチボーイのスピードは衰えない。ウメノレイメイも楽な手応えを保ったままほとんど併走、後続からはワイエスクリスティが3番手に上がろうとしているが依然として1馬身強の差が開いている。手応えの印象だとウメノレイメイは“いつでも交わせる”という勢い、しかしマーチボーイのスピードにもまだ目立った衰えが感じられず、このままならマーチボーイが粘り込んでしまうだろうと思われた。
ところが、ウメノレイメイがマーチボーイを交わしにいって、交わしきった途端にマーチボーイのスピードががっくりと鈍った。鞍上の叱咤激励にも反応しなくなったマーチボーイ、ワイエスクリスティに交わされたばかりか、少し離れて追い上げてきた中団グループ以下にもあっさり捕まって馬群の中に呑まれていく。
先頭に立ったウメノレイメイはきっちりリードを作り上げて楽勝態勢。ワイエスクリスティが追い上げて少し差を縮めたが、しかしそれはあくまで「少し」。2馬身半から3馬身弱あったリードが2馬身ほどになったところがゴールで、ウメノレイメイは3つめの芝1000m特別をあっさりと手に入れてみせた。
2着はワイエスクリスティ、3着はわずかにリザルトが先着。以下サイレントステージ、テンショウスズランと続いた。マーチボーイは8着、マルブツコンバットは9着に終わった。

勝ったウメノレイメイは父ヒシアケボノ・母タニノマイヒメの牡7歳。JRA時代から短距離を中心に走ってきており、岩手に転入後も昨冬の転入初戦の水沢1600m戦こそ勝ったもののその後は1000m戦主眼のローテーションで戦ってきた。今季の4勝は芝1000m3勝・ダート1000m1勝。このレースを勝っていよいよオープンの1000mに挑む。
(写真/中津川ゆりさんを迎えての口取り)
来た当初はC1級に入るという話で、そのクラスなら楽勝の馬だと思っていたのですが実際はB2級。でも、それでもこの辺のクラスの馬ではないですよ。スタートもダッシュも速いから楽にレースができる。順調にいけばもっと上のクラスでも戦える馬ですね。(関本浩司騎手)