先週のレース結果 −2009年7回水沢開催後半− 取材・文/テシオ編集部


9月13日(日) 10R 社台SS協賛スタリオンシリーズ
重賞 第17回 IBC杯青藍賞(アドマイヤドン賞)/OP・水沢ダ1600m・馬齢 曇・良
3歳マヨノエンゼル、歴史に名を刻む重賞制覇!!NAR成績 
青藍賞
まだ荒削りなところも残る強さ。期待の星現る、だ (Photo/横川典視)
 雨が降ったり止んだり、気温が上がったり下がったりの天候となった水沢競馬場。7R頃には非常にくっきりとした虹も姿を現した。
 断然の人気を集めたのは3歳マヨノエンゼルで単勝1.4倍。続いて船橋からの遠征馬リュウノケンシロウが4.2倍、岩鷲賞の勝ち馬ダンストンリアルが6.2倍となっていたが、馬複・馬単等は3番絡みもしくは3番頭からの一本かぶり。あくまでもマヨノエンゼル断然というムード。レースでも同馬は人気通りのパフォーマンスを見せる事になった。

 ソフトパワーがやや立ち後れ気味だった他はほぼ一線で飛び出したスタート、先行争いを制したのは大外・リュウノケンシロウだった。スタートダッシュ、二の脚の加速も速かった同馬は不利な大外枠にもかかわらず最初の4角入り口で早くも先頭を確保。フリーモアやグッドストーンを従えると早速ペースを落とし始める。
 前半3ハロンが37秒後半、1000m通過が1分4秒近く。スタート直後の先行争いとその後のポジション争いがやや激しかったせいか流れが速くなったように感じられたが、実のところはかなりのスロー。馬群が1〜2コーナーを回るあたりではもう、ペースは完全にリュウノケンシロウの手中にあった。

 そんな流れの中、マヨノエンゼルはいつもより前の4番手あたりにつけていた。「位置取りはゲートを出たなりで良いと思っていたが、意外に前につける事ができた(小林騎手)」という事で、ペースも考えれば絶好のポジション。一方、3番人気ダンストンリアルや5番人気サイレントエクセルはさらにその後ろの6〜8番手で馬群の中。どちらも行き脚の悪さに苦心しつつの追走だったようだ。

 向こう正面、リュウノケンシロウは依然として緩いペースに押さえ込んで走り続ける。むしろ後続の方が行き脚が悪いというか、中団以降がごった返しているものの各馬何となく同じような勢いで、際だってポジションを上げようという馬が見あたらない。マヨノエンゼルもこの辺では「砂をかぶってちょっとひるみ気味(小林騎手)」で少し位置取りを下げ気味だ。

 3コーナー、リュウノケンシロウは後続を1馬身半ほど離しつつ余裕の手応え。2番手グッドストーンは「いつもこの辺で置かれ気味になるから、そこで離されないようについて行ければ・・・と(菊地騎手)」、懸命に食い下がり、なんとか2番手を守り続けている。

 3コーナーを回るところではこの2頭が後ろを2、3馬身ほど離しただろうか。ここまでのペースも考えれば完全に逃げ馬の展開なのだが、そんな2頭に向かってあっという間に差を詰めてくる赤い帽子。マヨノエンゼルは苦もなく前の2頭を射程圏に納めてしまった。
 4コーナーで3頭が一団になったのもつかの間、マヨノエンゼルはリュウノケンシロウを並ぶ間もなく捉えるとあっさり振り切った。

 リュウノケンシロウも決して余力がなかった訳ではないが、こうも脚色が違えばどうしようもない。直線は全くもってマヨノエンゼルの独擅場、軽々と突き抜けたマヨノエンゼルが2着以下に3馬身もの差をつけて重賞制覇のゴールを駆け抜けた。
 2着はリュウノケンシロウ、3着以下はやや接戦となったがグッドストーンが3着に粘り切り、11番人気オヤマハリケーンが良く踏ん張って4着。リュウノツバサは最後オヤマハリケーンとの競り合いに敗れて5着となった。

(写真/リュウノケンシロウは絶好の流れに持ち込んだものの2着。「これ以上ないというペースを作ったのに、あんな脚を使われてはどうしようもない」と菅原勲騎手も嘆息)


 勝ったマヨノエンゼルは父キャプテンスティーヴ・母エムケイミラクルの牡3歳。A級平場−オープン特別と古馬相手に連勝して挑んだ重賞もあっさりと制覇。牝馬限定戦を除けばこの時期に3歳馬が古馬重賞で優勝した事は過去に例が無く、まさに歴史的な勝利となった。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「アドマイヤドン賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてアドマイヤドン号の種付け権利が贈られた。

(写真/副賞目録を持つ馬主・倉口吉太郎氏)






■ 勝利ジョッキーコメント
 今日はいつもより元気というか気合いが乗り気味。ちょっと心配しましたが問題はなかった。位置取りは特に決めてかからず出たなりのつもり、それで意外に前の方につけられたので楽になりました。ペースが遅かったのもあったので早めに動きましたが、逃げている馬がグッドストーンの影になって見えず、どんな手応えか分からなかったのが心配と言えば心配だったかな。でも強い走りでしたね。この小柄な馬のどこにこんな力があるのだろうと思いますが、自分の想像以上に成長しているのかもしれない。今後が楽しみです。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2kg減
優先出走権 1着馬にはマイルチャンピオンシップ南部杯(10/12 盛岡ダ1600m)の優先出走権が与えられます。
※青藍賞はJBCクラシック・スプリントの指定競走となっており、選定時に成績が重視されます。
レース名の由来 「青藍賞」・・・“青は藍より出でて藍より青し(※)”のことわざに倣い3歳馬が4歳以上の古馬に挑戦できる重賞競走として、平成5年の岩手県競馬組合設立30周年を記念して、設立された競走。
(※)「青色の染料は藍の葉から取るが、もとの色よりも美しくなる」ことから、弟子が先生よりすぐれることをいいます。出藍(しゅつらん)の誉れ。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3366 1858 3連複 26096 476
複勝 2549 922/263/29 3連単 114636 909
枠連複 9929 2312 ワイド 6034 1080/138/57
馬連複 19686 5017
馬連単 28251 4385 210547


9月14日(月) 10R 
特別 夏油賞/C1 水沢ダ1400m・ハンデ
大器登場か!? コアレスレーサー圧倒的勝利!NAR成績 
夏油賞
持ったままでぶっちぎり。2着村上忍騎手も脱帽の強さだった (Photo/横川典視)
 初秋の水沢開催、そのラストを締めくくる夏油賞。12頭立ての1番人気はコアレスレーサーが奪った。2番人気はグラスバラード。両馬は単勝オッズ的には同じ2.1倍だが票数の差で順位が決まった格好。つまりファンの見立てはこの2頭「互角」という事だったのだが、結果は意外に大きな差となった。

 ゲートが開いて思い切って飛び出していったのはそのグラスバラード。押して押して出てくる馬もいる中、ごく楽に加速をつけて一気にハナを奪い取った。ダッシュ力では自分が一番といわんばかりのグラスバラードのスピードに、スタート直後はもっといたはずの他の先行馬はあっという間にふるい落とされて、コーナーにかかる頃にはついてくるのはキーボックスとヒシカツくらいになっていた。
 一方、コアレスレーサーの方はというと、スタートこそあまり良くなかったがその後はうまく馬群を捌き、中団につけながら徐々に上昇していく、という位置につけている。ペースは決して緩くないはずだが、この馬もさほど苦しがらずにポジションを上げていく。

 向こう正面に入ってそうそうにヒシカツが脱落。馬群を引っ張るのはグラスバラードと3番人気キーボックスの2頭となったが、間もなくここにコアレスレーサーが参加。3コーナーにかかる頃には内からグラスバラード、キーボックス、コアレスレーサーの順で人気上位3頭が一団となった。
 一歩も引き下がらず、けれんのないスピードを発揮し続けるグラスバラード。中団から楽な手応えで迫っていくコアレスレーサー。互いに相手こそライバルと見ているのだろう、淡々と先行しているように見えて相手の反応次第で即動き出す、という緊張感が満ちている。こうなると、そんな2頭の間に挟まったキーボックスが辛くなる。何とか粘っていたのも3〜4コーナー中間まで、4コーナーにかかる頃には少しずつ遅れを取り始めた。

 未だ持ったままのグラスバラード。コアレスレーサーが外から並びかけていよいよ直線の攻防、2頭一騎討ちのスタートか・・・、と思われたのだが、勝負は意外に早く、そしてあっさりと決まった。
 グラスバラードが持ったままで直線に入ろうとするところへコアレスレーサーは仕掛け気味に接近、追い比べに持ち込むのかと思いきや、迫っていった勢いのままコアレスレーサーが先頭に抜け出してしまったのだ。
 グラスバラードのスピードが衰えているようには見えない。まだ余力すら残し、鞍上の叱咤激励にも応えて脚を使っている。しかしコアレスレーサーはそんなグラスバラードを、これまた楽な手応えで突き放していく・・・。
 完全に交わしきったところで流しに入ったコアレスレーサーだったがその勢いは全く衰えず、最後はグラスバラードに5馬身の差をつけて悠々とゴールイン。そのグラスバラードから3着馬までは7馬身もの差がついていたのだから、これはコアレスレーサーの強さに脱帽するほか無い。
 3着争いは粘るキーボックスを人気薄の差し馬勢が捉えて混戦、最後は外ヨークタウンと内コンゴウザハリアーが内外離れた接戦となったが、アタマ差でヨークタウンが3着を確保。このヨークタウンが9番人気だったため、圧倒的な1番人気と2番人気が1・2着したにもかかわらず馬番3連単は10,920円の万馬券になった。

 勝ったコアレスレーサーは父ダイタクリーヴァ・母ダイタクスペリアの牡2歳。JRA1勝、朝日杯フューチュリティSGIにも出走したもののその後勝ち星に恵まれなかった同馬だったが、岩手に来て見事復活。一躍近い未来のスター候補と噂されるほどの存在となった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 スタートはこんなもの、というか、1400mが決してベストの馬ではないので仕方ないでしょう。それでも楽に中団につける事ができるし、仕掛けてからの反応も上々。いずれこのクラスで留まる馬ではないですよ。芝も大丈夫でしょうし使ってみたい気がしますが、ダートの1600mや1800mでどんな走りができるか試してみたいですね。(関本 淳騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年未実施 06年結果 05年結果
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着収得賞金額20万円毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「夏油」・・・夏油温泉:栗駒国定公園内の焼石連峰にある駒ケ岳の西麓、標高700mの高地に湧く秘湯。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3332 1183 3連複 35699 515
複勝 2182 621/554/42 3連単 120534 815
枠連複 11309 3496 ワイド 8414 2364/94/90
馬連複 19894 5654
馬連単 27182 4406 228516


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