前日は1日雨が降り続いた盛岡競馬場だが今日は爽やかな青空が拡がった。日差しはまだ強いが、風はひんやりとして秋の気配を感じさせる。
14頭立てのレースだったがJRA・コパノオーシャンズが感冒のため出走を取り消し、発走前、愛知・ゼンノスカイブルーが放馬、コースを3周したため能力影響で競走除外となって、最終的にゲートインしたのは12頭。
主導権を握ったのは圧倒的1番人気のバンブーエールだった。ほぼ一線のスタートから次の瞬間にはもう1馬身ほど前に出ているほどの好ダッシュ。出走メンバー中最も重い59kgを背負ってのこの思い切ったダッシュが勝負の行方を決めた。
このバンブーエールを追っているのはタマモホットプレイ。そして内枠からするする出てきたメイショウバトラーもバンブーエールの直後におり、トーセンブライトも外の5番手あたりを追走中。JRA勢の4頭が戦前の予想通りに先行グループを形成したのだが、その中に一頭加わっているのが高知・リワードパットン。メイショウバトラーあたりと遜色ないスピードでこのグループに食い下がっている。

すでに前のグループと後ろのグループに分裂しつつあった3コーナー、タマモホットプレイがバンブーエールの外から並びかけていく。しかしバンブーエールは交わさせないように脚色を合わせながら、持ったままの手応えを保ちつつタマモホットプレイの攻勢を受け流す。直線に向いた時のリードは1馬身。
タマモホットプレイの行き脚が鈍った。一瞬ちらりと外を見たバンブーエール鞍上・松岡騎手、その目線はタマモホットプレイのさらに外を見ていた。そこにいたのはメイショウバトラーとトーセンブライト。少し先に動いたメイショウバトラーとそれを追ってきたトーセンブライト、2頭が並んで脚を伸ばしてくる。
ほどなく2番手はこの2頭に入れ替わった。行き脚が鈍ったタマモホットプレイを交わした2頭はその勢いのままバンブーエールを追い上げる。残り100m、トーセンブライトがメイショウバトラーを振り切ってバンブーエールに迫る。

2馬身ほどあった差があっという間に無くなっていく。1馬身半、1馬身、そして半馬身・・・。しかし松岡騎手はさほど慌ててはいない。「早くから先頭に立って遊び遊び走っていた」というバンブーエールを、それ以上気を抜かないよう御す事に専念はしていたものの、バンブーエールがすでにトップスピードに乗っている事には確信があった。
豪快に追い上げてくるトーセンブライトに、ゴールの瞬間こそクビ差まで追いつめられた格好だが、松岡騎手は最後は追う手を緩める余裕すら見せていたのだった。
トーセンブライトが2着、3着はメイショウバトラーで4着がタマモホットプレイとここまでJRA勢が占めた。ここから5着までは10馬身差と大きく開いたが、前半から積極的に進んだリワードパットンが最後は失速しつつも5着の座を守り抜いた。
(写真上/トーセンブライトは及ばず2着も、安藤騎手は「この距離の方が楽にレースができる」とひとまずの成果はあったという様子。写真中/地方馬最先着はリワードパットン。「初の実戦で手掛かりがないままのレースでしたが、見せ場は作れたのでは」と赤岡騎手)

勝ったバンブーエールは父アフリート・母レインボーウッドの牡6歳。昨秋のJBCスプリントJpnIを勝ってダート短距離界の頂点に立ったがその後は59kgの斤量もあって勝ち星に及ばなかった。久々の勝利を手にして秋のGIへ弾みをつける事になった。
行く馬がいなかったので逃げる形になりました。能力がある馬なので今日は59kgでも克服してくれると思っていた。ちょっと遊びながら走る馬なので最後は差は少なくなりましたが勝てると思っていました。この馬でJBCスプリントを連覇したいと思っています。このバンブーエールにこれからも期待していて下さい。(松岡正海騎手)