先週のレース結果 −2009年5回盛岡開催前半− 取材・文/テシオ編集部


8月14日(金) 9R
重賞 第14回 クラスターカップJpnIII /OP・盛岡ダ1200m・別定 晴・良
これがGIホースの底力!59kgもものともせずバンブーエールVNAR成績 

久々の勝利を手にし、この後の目標はJBCスプリント連覇へ (Photo/横川典視)
 前日は1日雨が降り続いた盛岡競馬場だが今日は爽やかな青空が拡がった。日差しはまだ強いが、風はひんやりとして秋の気配を感じさせる。
 14頭立てのレースだったがJRA・コパノオーシャンズが感冒のため出走を取り消し、発走前、愛知・ゼンノスカイブルーが放馬、コースを3周したため能力影響で競走除外となって、最終的にゲートインしたのは12頭。

 主導権を握ったのは圧倒的1番人気のバンブーエールだった。ほぼ一線のスタートから次の瞬間にはもう1馬身ほど前に出ているほどの好ダッシュ。出走メンバー中最も重い59kgを背負ってのこの思い切ったダッシュが勝負の行方を決めた。

 このバンブーエールを追っているのはタマモホットプレイ。そして内枠からするする出てきたメイショウバトラーもバンブーエールの直後におり、トーセンブライトも外の5番手あたりを追走中。JRA勢の4頭が戦前の予想通りに先行グループを形成したのだが、その中に一頭加わっているのが高知・リワードパットン。メイショウバトラーあたりと遜色ないスピードでこのグループに食い下がっている。

 すでに前のグループと後ろのグループに分裂しつつあった3コーナー、タマモホットプレイがバンブーエールの外から並びかけていく。しかしバンブーエールは交わさせないように脚色を合わせながら、持ったままの手応えを保ちつつタマモホットプレイの攻勢を受け流す。直線に向いた時のリードは1馬身。
 タマモホットプレイの行き脚が鈍った。一瞬ちらりと外を見たバンブーエール鞍上・松岡騎手、その目線はタマモホットプレイのさらに外を見ていた。そこにいたのはメイショウバトラーとトーセンブライト。少し先に動いたメイショウバトラーとそれを追ってきたトーセンブライト、2頭が並んで脚を伸ばしてくる。
 ほどなく2番手はこの2頭に入れ替わった。行き脚が鈍ったタマモホットプレイを交わした2頭はその勢いのままバンブーエールを追い上げる。残り100m、トーセンブライトがメイショウバトラーを振り切ってバンブーエールに迫る。

 2馬身ほどあった差があっという間に無くなっていく。1馬身半、1馬身、そして半馬身・・・。しかし松岡騎手はさほど慌ててはいない。「早くから先頭に立って遊び遊び走っていた」というバンブーエールを、それ以上気を抜かないよう御す事に専念はしていたものの、バンブーエールがすでにトップスピードに乗っている事には確信があった。
 豪快に追い上げてくるトーセンブライトに、ゴールの瞬間こそクビ差まで追いつめられた格好だが、松岡騎手は最後は追う手を緩める余裕すら見せていたのだった。

 トーセンブライトが2着、3着はメイショウバトラーで4着がタマモホットプレイとここまでJRA勢が占めた。ここから5着までは10馬身差と大きく開いたが、前半から積極的に進んだリワードパットンが最後は失速しつつも5着の座を守り抜いた。
(写真上/トーセンブライトは及ばず2着も、安藤騎手は「この距離の方が楽にレースができる」とひとまずの成果はあったという様子。写真中/地方馬最先着はリワードパットン。「初の実戦で手掛かりがないままのレースでしたが、見せ場は作れたのでは」と赤岡騎手)


 勝ったバンブーエールは父アフリート・母レインボーウッドの牡6歳。昨秋のJBCスプリントJpnIを勝ってダート短距離界の頂点に立ったがその後は59kgの斤量もあって勝ち星に及ばなかった。久々の勝利を手にして秋のGIへ弾みをつける事になった。







■ 勝利ジョッキーコメント
 行く馬がいなかったので逃げる形になりました。能力がある馬なので今日は59kgでも克服してくれると思っていた。ちょっと遊びながら走る馬なので最後は差は少なくなりましたが勝てると思っていました。この馬でJBCスプリントを連覇したいと思っています。このバンブーエールにこれからも期待していて下さい。(松岡正海騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上56kg、3歳54kg、牝馬2kg減
8月7日までのGI1着馬3kg、GII1着馬2kg、GIII1着馬1kg加重(ただし、2歳時の成績を除く)
※GI、GII及びGIII競走は、それぞれJpnI、JpnII及びJpnIII競走を含む
優先出走権
レース名の由来 「クラスター」・・・Cluster。英語で「星団、集団、ぶどうの房」などの意。1996(平成8)年の盛岡競馬場開場を契機とした本格的な中央・地方競馬の交流・連携をクラスターとイメージして名付けられた。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 60504 40677 3連複 173829 60199
複勝 49408 24727/11705/6929 3連単 1102030 195805
枠連複 56288 28020 ワイド 49501 15516/7697/6699
馬連複 124881 57446
馬連単 216411 77587 1821511


8月15日(土) 10R 
特別 風鈴賞/C1・盛岡ダ1000m・ハンデ 晴・良
レコードにあと0.1秒! マツリダベスト4馬身差で圧勝NAR成績 

レコードまで0.1秒差。なかなか勝てなかった馬が意外な適性を見せた(Photo/横川典視)
 昨日に続いてのダートスプリント戦・風鈴賞。出走12頭の中で1番人気となったのはマツリダベストで単勝2.5倍。続いてタケデンジャズ6.0倍、オンワードズペル8.0倍・・・という形で5頭が単勝10倍以下となっていた。マツリダベストが頭ひとつ抜けた支持だが、しかし馬複で10倍以下なのはマツリダベスト−オンワードスペルの1点のみ、馬単には10倍以下の組み合わせは1点もなく最も高い配当も405.1倍止まり。つまりこのレース、非常に人気が割れていたという事になる。

 特に出遅れなく各馬一斉にゲートを飛び出す。各馬が押して押して出ていこうとする中、マツリダベストがするすると出てきてすぐさま1馬身ほどのリードを取った。
 2番手集団の中ではまだ競り合いが続いており、クラダイリンやウェルスビューロウ、キーボックスにオンワードスペルらが一団となって追い比べ。少し離れた後方ではサチノプログレス、モエレアンドロメダら差し馬勢がひとかたまりになって追走している。

 3コーナー、先行争いに決着が付いたか、マツリダベストの外にクラダイリンがぴったりマーク、さらにそれをオンワードスペルとウェルスビューロウが追うという形で一つのグループを形成。
 その後ろはキーボックス、エーシンエイホープらのグループだが、ここはどちらかというと追走一杯気味の集団。中でもタケデンジャズはこの辺りからついていけなくなってズルズルと下がっていく姿が見える。
 さらにその後ろの差し馬グループは、その下がっていくタケデンジャズを捉えて真ん中のグループに取りつこうという位置まで接近。この辺の中団〜後方の集団の動きは実にめまぐるしく、激しかった。

 直線にはマツリダベストとクラダイリンがほぼ並んだ状態で突入、このまま2頭で争っていくのかと思われたが、しばらくしてクラダイリンの脚色ががっくり鈍ってついていけなくなった。一方のマツリダベストはここまできてもなお脚色に衰えが見えない。止まらないマツリダベストと止まってしまった2番手以下。となるとこの両者の間の差は開く一方だ。

 坂を越えたあたりでマツリダベストのリードは完全にセーフティなものになった。鞍上が何発かムチを打ち込んだがそれはあくまでも気を抜かないようにするためのもの。後続に脅かされる心配は全く無く、マツリダベスト4馬身の差をつけてゴールに飛び込む。
 2着以下の争いは最後までもつれた。先行グループはすっかり脚が止まり、中団〜後方にいた差し馬勢が津波のように押し寄せてきても抵抗できない。2着こそ、一足先に抜け出していたウェルスビューロウが粘りきったが、3番手争いをしていたクラダイリンとオンワードスペルはこの津波に飲み込まれていった。3着はサチノプログレス、4着にエーシンエイホープ、5着サラマンドネクサスとすべて差し馬勢。この辺は前後2馬身ほどの間に7頭がひしめいていた。

 勝ったマツリダベストは父スターオブコジーン・母カナディアンレディの牝4歳。2歳時からずっと芝・ダ問わず距離も問わずに好走をしていたが勝ち星には恵まれず、キャリア初勝利が44戦目の今年の5月。だが安定度は大幅に増しており今年は5月以降3着以下がない堅実さを発揮。それが今日の特別制覇につながった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 先行馬が多いので厳しい競馬になると思っていたのですが、スタートがすごく良くて楽に先手が取れた。あれが大きかったですね。終いも伸びるようになっているし、ここに来てどんどん力を付けているのがこの結果につながったのではないでしょうか。(菅原 勲騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果
競走条件 55kg、牝馬2kg減とし、当該クラスにおける1着収得賞金額20万円毎に1kg加重
優先出走権
レース名の由来 「風鈴」・・・南部鉄器の産品の一つ・風鈴にちなむ。毎年JR水沢駅で行われる風鈴の飾り付けは夏の風物詩として親しまれ、環境省が認定する『日本の音風景100選』にも選ばれています。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2216 657 3連複 30136 143
複勝 1449 405/55/57 3連単 91701 79
枠連複 13631 1359 ワイド 6005 89/193/38
馬連複 22122 697
馬連単 28543 647 195803


8月16日(日) 10R 
特別 桂樹杯/OP・盛岡芝1600m・別定
良馬場なら俺の舞台!ボスアミーゴ貫禄の勝利NAR成績 

良馬場なら伸び脚が全く違う。ボスアミーゴはやはり強かった。(Photo/横川典視)
 夏の盛岡開催も今日を入れてあと2日。その締めくくりともいうべきオープンの芝特別・桂樹杯は11頭立てで行われた。
 6月のかきつばた賞は重、7月のせきれい賞は不良と、今シーズンのオープン級の芝レースはずっとコース状態が悪かったが、今日はひさびさに良馬場での戦いとなった。ここ2戦は1番人気を他に譲っていたボスアミーゴも、このコース状態ならと単勝2.0倍の1番人気の支持を受ける。続く2番人気はビッグファルコンで3.0倍。3番人気にソーユアフロスト、4番人気にはB級から挑戦するソノマンマが浮上。

 レースを引っ張ったのはそのソノマンマだった。最内からエアムートン、馬群の中からトキノプリンセスが前に出ようとするが、その外からソノマンマが一気に飛び出してエアムートンとハナ争い。結局1〜2コーナー中間あたりまで競り合いが続いたのち、ソノマンマがエアムートンを振り切って先頭を奪った。
 この先行争いのおかげで序盤のペースはやや速め、コーナーにかかってもしばらく速い流れが続いた。ソノマンマが徐々にリードを拡げようとする後ろでは、ビッグファルコンが馬群の真ん中あたりの5番手に、ボスアミーゴは最後方あたりから追走している。

 向こう正面に入ってペースが落ち着き、一時は前後13〜14馬身ほどに伸びた馬群も急激に間隔が詰まっていく。ソノマンマの外にはエアムートンが、直後にはトキノプリンセスがほぼ併走の状態。中団グループもグッと固まって来た。
 そんな馬群の外を白い馬体がグングンと駆け上がっていくのが目に入る。ボスアミーゴだ。1コーナーはほぼ最後方で通過した同馬は2コーナーあたりから早くも動き始め、向こう正面中間あたりでは中団に、3コーナー手前ではもうエアムートンの外の3番手にまで進出してしまった。
 先頭は依然ソノマンマ、2番手エアムートンも替わらず。しかしボスアミーゴが早くも3番手まで来た事で後続のグループの動きはいやがおうにも激しくならざるを得ない。懸命に食らい付いていく馬、置かれ始める馬。食らい付いているのはビッグファルコンやラストモア、サイレントステージら。置かれ始めているのはトキノプリンセスだ。

 3〜4コーナー中間、ここまで一気に攻め上げてきたボスアミーゴだが「あまり早く先頭に出ないように意識して乗った(菅原勲騎手)」ということで、いったん抑え気味に3番手で留まった。このため直線に先頭で入ったのはエアムートン、差のない2番手にソノマンマで、ボスアミーゴはそのまま3番手で直線に向く。
 ここまでの勢いなら楽に交わせるかと思われたボスアミーゴだったが、やはりずっと長距離を使ってきたせいか一瞬のびあぐねるような感じを見せた。この瞬間はエアムートンの方が勢いが良く見え、2頭は1馬身ほどの差のまま坂を駆け上がる。ゴールまであとわずか、エアムートンの勢いはこのまま粘ってしまってもおかしくないくらいだ。

 だが、ここでボスアミーゴのエンジンがようやくかかった。ボスアミーゴがグンと一伸び、次の瞬間エアムートンとボスアミーゴの馬体が並ぶ。そして残り100m、ボスアミーゴがもう一伸びするとあっさりエアムートンを振り切った。これで勝負はほぼ決着。エアムートンも良く粘ったがここから差し返す事はできず、半馬身ほどの差のままゴールになだれ込んだ。
 3着はソノマンマが確保。4着以下は4頭が一団で競り合ったがビッグファルコンがわずかに伸び勝って4着となり、5着はラストモアとサイレントステージの同着となった。

 勝ったボスアミーゴは父アドマイヤボス・母サクラユキクインの牡5歳。これで通算13勝目、芝では11勝目。桂樹杯は昨年に続き2連覇。この後はOROカップを目指し、昨年達成できなかった「岩手の芝重賞完全制覇」に挑む。

■ 勝利ジョッキーコメント
 ここのところ芝は長い距離しか走っていなかったので忙しい距離がどうかと心配していましたが、やはり良馬場の芝なら反応が違いますね。あまり早めに前に出ないよう気をつけていたつもりが、ちょっとジリジリとした伸び脚になってしまった。その辺が昔とは変わってきた点。昔はもっとスッと切れたからね。でも捲っていく時の脚は他の馬とは全く違う。良馬場の芝ならやっぱり強いね。(菅原 勲騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上のA級57kg、B1級以下55kg、3歳54kg、牝馬2kg減
優先出走権 1着馬・2着馬にはOROカップ(9/27 盛岡芝1600m)の優先出走権が与えられます
レース名の由来 「桂樹」・・・桂は山地に自生する落葉樹。盛岡市の市木にも指定され、枝が垂れるシダレカツラは、この地方特有の変種でもあり、市内には国の天然記念物に指定されるものもある。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2796 1045 3連複 31253 422
複勝 2037 571/64/512 3連単 131370 511
枠連複 10844 421 ワイド 8388 313/447/69
馬連複 2588 1215
馬連単 33846 927 246022


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