|
午前中から昼にかけては夏らしい青空が拡がっていた盛岡競馬場だが、8Rの頃から雲が広がり始めて9R頃には雨が落ちてきた。メインレースも小雨模様の中で行われたが、コース状態は良のままで保たれた。
わずか5頭立て、その中で単勝1.0倍の圧倒的人気を集めているクインオブクインが、当然のようにハナを奪いに行った。その後ろは3頭ほどが一瞬譲り合うような感じになったが、直線を進むうちサイレントエクセルが2番手に出てきてピンクゴールドが3番手、その後マツリダワルツがピンクゴールドの前に出てこの2頭が入れ替わり、最後方からドリームアプローチが進むという隊形。おおむね戦前の予想通りの展開だ。
ペースはどんどん遅くなってスローペースとなり、先頭のクインオブクインは極々楽に、淡々と進んでいく。レース後村上忍騎手が「能検のようだったね」と表現していたが、まさにそんな感じだ。
それでも、サイレントエクセルは前に行きたいしマツリダワルツやピンクゴールドは控えて行きたい。各馬手綱を抑えつつ折り合いを付けながら、それでいて自分の位置取りをめざした結果、向こう正面半ば頃にはクインオブクインとサイレントエクセルが1馬身ほどの差を保ちながら先行、そこから3馬身ほど離れてマツリダワルツ、さらに5馬身ほど離れてピンクゴールド、そして3馬身ほど後ろにドリームアプローチと、ペースの割には縦に長くなった。
こうなってしまうともう、進めば進むほど先行馬有利になってしまう。3コーナーから4コーナーに欠けても各馬の位置取りは変わらず、マツリダワルツとピンクゴールドの間が徐々に詰まっていく程度。サイレントエクセルはこの辺で一瞬気を抜き欠けたがすぐ立ち直り、再びクインオブクインにぴったりとくっついていく。
直線に向いた時にはサイレントエクセルの後ろ、3番手マツリダワルツとはまだ2馬身ほどの差があり、ピンクゴールドともさらに2馬身くらいの差がある。そして、いまだ持ったままの手応えのクインオブクインに対しサイレントエクセルは手綱が動き始めている。直線に向いてすぐ村上忍騎手が後ろを振り向いたが、その辺でほぼ大勢は決していた。
クインオブクインは全くムチを使わず、ただ真っ直ぐフィニッシュを決める事だけに専念しているのだが、それでなお後ろとの差がどんどん開いていく。結局そのまま、あくまでも楽にクインオブクインがゴールを駆け抜けて、岩手転入後初の特別タイトルをあっさりと手に入れた。
最後は少し苦しくなったサイレントエクセルだが、しかしその後ろにはかなりの差が開いたままで、こちらも楽に2着を確保。そして3着争い。マツリダワルツを追ってピンクゴールドが伸び、最後は半馬身差でピンクゴールドが3着に。この争いがレース中唯一の接戦だった。
勝ったクインオブクインは父キングヘイロー・母ハイネスポートの牝7歳。これで岩手では3戦目となるが東海所属時代の実績のままに活躍を続け、いまや岩手の牝馬どころか牡馬も含めて最強の座に就きつつある。次走はビューチフル・ドリーマーカップになる模様。
なおこの同馬を管理する櫻康二調教師はこれが開業後初の特別タイトルとなった。
|
今日は折り合い優先でスムーズに走らせる事だけを考えて乗りましたが、変に引っかかったりすることなく最後まで楽に、スムーズに走ってくれました。間隔が詰まっていて良い具合に気が逸れていたのも良かったかもしれません。前走の疲れがあるはずなのに自分できっちり身体を作ってくるし、レースに向かってもやる気を出す。その辺はやはり歴戦の馬なんだな、というものを感じさせてくれますね。(村上 忍騎手)