既に牝馬一冠を制しているシルバーカテリーナが断然の人気を集めたひまわり賞(オークス)。しかしその圧倒的1番人気馬は最後まで伸びを欠き、勝ったのは2番人気の逃げ馬。先週のマーキュリーカップの再現を見るようなレースが再び目の前で展開された。

4コーナーポケットからスタートした9頭。一斉に飛び出していく中、大外アンダーゴールドは少し斜めにゲートを出た。だが「他に行きたい馬もいないし、自分がハナを獲りに行くと決めていた」という阿部騎手、そこから躊躇せずダッシュを付けてハナを奪いに行く。内ではテンショウスズランが先行体勢に入っていたがこれもすんなり交わし、最初のスタンド前を通過する頃にはアンダーゴールドが1馬身ほど前に出ていた。
写真/1周目スタンド前を進む馬群。この時点で既にアンダーゴールドの右前脚が落鉄している
2000mを経験した事がない馬がほとんど、それも牝馬とあって先行争いはそれ以上激しくならない。スタンド前を通過しつつペースはどんどん落ち始め、各馬手綱を引っ張りきりの追走だ。
ここでの位置取りは、先頭アンダーゴールドの後ろに内からテンショウスズラン、フェニックスクイン、ダンストンメイビス。1番人気シルバーカテリーナはその後ろの5番手あたり。その後ろは早くも差ができつつあり、少し離れてダンストングランとローズヘイロー、そしてマクロカテリーナ、チェリーロードとバラバラと縦長になっている。
逃げるアンダーゴールドのペースはあくまでスロー。1000m通過は1分5秒を少し超えるくらい、この辺もマーキュリーカップの再現を見るようだ。それでも馬群は大きく縦長、前後50mほどにも拡がったか。
前の方は5頭ほどが一団になっているが、その後ろがどんどんばらけていく。3コーナーあたりまで来ると前の5頭と後ろとの差は10馬身ほどに、いやそれ以上に拡がった。
その、前の5頭の隊列は、依然としてアンダーゴールドを先頭にテンショウスズランが2番手、シルバーカテリーナは外に持ち出して3番手。フェニックスクインが内にいて、ダンストンメイビスが5番手から抜け出すところを探っている。勝負の行方はすでに、ほぼこの5頭に絞られた。
徐々に手綱を激しく動かしながら、徐々にペースを上げていく5頭の集団。しかし逃げるアンダーゴールドはまだまだ余裕の手応えで、後続が懸命に追い上げようとしても常に1馬身ほどのリードを保っている。そうこうしているうちに後続の方が手応えが悪くなった。4コーナーから直線に入る頃には差は1馬身半ほどになっている。中でも手応えが悪いのが、これがなんとシルバーカテリーナ。大外に持ち出しはしたもののそこから動きがとれず、直線に向いた時には5頭の5番手に後退していた。
直線はもう、アンダーゴールドの一人舞台だった。「勝負所で並ばれずにすんだから“これはイケるかも”と思った」という阿部騎手。気合いを付けてみれば、これがなんと軽々と後続を突き放すではないか。
差は見る間に5馬身、6馬身と拡がっていく。さっきまで一団だった他の4頭はあっという間に阿部騎手の視界から消えた。
「あんまり後ろがこないものだからビジョンをちらっと見たら、後ろが大きく離れていて・・・(阿部騎手)」。最後は7馬身、阿部騎手の控えめなガッツポーズと共にゴールイン。鞍上にとっては久々の、馬にとっては初めてのビッグタイトルは、実に見事な逃げ切りで決まった。
2着争いは最後までもつれたが、ゴール目前でダンストンメイビスがテンショウスズランを交わして2着に。シルバーカテリーナはその2着争いからさらに6馬身離れた4着に終わった。

勝ったアンダーゴールドは父ホワイトマズル・母キョウエイヨシノの牝3歳。2歳時は勝ち星無く終わり、3歳となっても好走しつつもわずかに勝ち星に手が届かないような状況。しかし3走前、先行策に転じたところがこれがハマって待望の初勝利。前走も同様に逃げ切り圧勝を決め、この勝利で3連勝。重特初の勝ち星が重賞レースとなった。
なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「トワイニング賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてトワイニング号の種付け権利が贈られた。
写真/副賞目録を持つ馬主・日山政藏氏と管理調教師・村上昌幸師
行きたい馬がいれば行かせるつもりだったので2番手も予定通り。ちょっとノメる感じだったがそれもたいしたことはなかったですね。B1とB2の違いなのか、前走よりも楽にレースを進められた。レース内容もしっかりしていて、今までで一番強いと思うくらい良かったです。(阿部英俊騎手)