先週のレース結果 −2009年3回盛岡開催後半− 取材・文/テシオ編集部


7月19日(日) 10R 報知新聞杯/社台SS協賛スタリオンシリーズ・ソングオブウインド賞
重賞 せきれい賞 /オープン・盛岡芝2400m・定量 曇・不良 
あっと驚く大波乱 勝ったのは、コスモはコスモでもコスモヴァシュラン!NAR成績 

すいすいと差を拡げて7馬身差。この走りには驚かされた (Photo/横川典視)
 前日夜半から激しく降り続いた雨で盛岡競馬場の芝コースは不良、それも軽くキャンターをする程度で水しぶきが高く飛び散るほどの酷い状態となった。雨そのものも依然強く降ったり止んだりの繰り返しで、結局、非常に悪いコース状態の中レースが行われた。

 各馬ほぼ一線にゲートを出た中、いったんはコスモバルクが前に出かけたが、すぐさまカクテルラウンジが、そしてカネショウエリートが出てきて先行争いをはじめる。ここに外からケイジーウィザードも加わってきたがハナはカネショウエリート、2番手カクテルラウンジで固まり、ボスアミーゴもその直後の4番手につけた。コスモバルクは外の6番手あたりとちょっと意外な位置。


 ただでさえペースが遅くなる2400m戦だがこんなコース状態ではもはやペースの上がりようもなく、各馬淡々と周回を進める。最初のスタンド前、そして1〜2コーナーにかかっても各馬の位置関係はほとんど同じだ。変わったといえばコスモヴァシュランが中団から先行グループへ、位置を移しているくらいか。

写真/1周目の直線を通過するコスモバルク


 しかしこのコスモヴァシュランの動きが後々のカギとなった。他の馬達はノメる馬場に苦しみながら進んでいるが、この馬はそんな中で積極的に前へ前へと攻め上がってきている。周囲は他の馬が壁になっているが、コスモヴァシュランはそこにいて“いつでも抜けられる”という手応えを保っているのだ。

 最初に動き始めたのはやはりそのコスモヴァシュランだった。馬群の中からいったん外へ、そしてコスモバルクの動きを見ながら再度中へ。そして3コーナー、じわじわとしか動けない他の馬達を尻目に、コスモヴァシュランが一気に仕掛ける・・・!
 この時点で馬群はバラバラと散らばりはじめており、ついていけなくなった馬が次々と脱落していくサバイバルな状態。最後方まではすでに12、3馬身、そこからさらに拡がっている。

 一方、前ではコスモヴァシュランがあっという間に抜け出し、さらにぐいぐいと引き離しつつあった。コスモバルクが2番手に上がっているが、勢いは既にコスモヴァシュラン優勢だ。
 4コーナーから直線、懸命に食い下がろうとするコスモバルクだったが押しても押しても反応が鈍いコスモバルクに対しコスモヴァシュランは持ったままの手応えで快調に進んでいる。
 直線に向いてリードは5馬身ほど、もはやセイフティリードに見えたが、坂を越えてコスモヴァシュランはさらに差を拡げていく。
 結局2頭の差は、拡がりこそすれ縮まる事はなかった。場内に悲鳴のような歓声が起こる中、コスモヴァシュランが大きな差をつけてゴール。その時の差は実に7馬身にまで開いていた。

 2着はコスモバルク、3着争いは混戦で、いったん3番手にあがったボスアミーゴをカネショウエリートが差し返し、それをさらにソーユアフロストが捉えた。圧倒的人気のコスモバルクの敗退、そして勝ったのが9番人気の馬。結果、9人気→1人気→5人気の馬番3連単は444,880円という大波乱となった。


 勝ったコスモヴァシュランは父マイネルラヴ・母スノーフレークの牡5歳。JRA未勝利−南関東転入で勝ち星は川崎のC2級戦一つという馬が大金星を手に入れる事になった。

 なおこのレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「ソングオブウインド賞」になっており、優勝馬馬主にはソングオブウインド号の種付け権利が贈られた。

写真/副賞目録を手にする河津祐昭調教師



■ 勝利ジョッキーコメント
 芝向きの馬なのは分かっていたので先生と相談しながらこういう機会があれば使いにいこうと話していました。ダートではついていけなくて、先生は芝馬だと確信していたみたいです。道悪はそれほど気にしなかった。中団くらいにつけられれば最後良い脚を使ってくれるから、その通りに。
 コスモバルクが上がっていった時に一緒について行ければいいなと思っていたのですが、あっちの手応えがあまり良くないのでこれは行ききるしかないなと。誰もついてこないから“早く動きすぎたかな”と思ったんですよ。これで差し返されたらイヤだなって。最後も、馬が余裕なのかどうなのかずっとふざけて走っていてゴールまで気が抜けませんでした。7馬身差には僕もびっくりしました。これまで勝てそうで勝てないレースが続いていたので重賞で勝てて嬉しいですね。(町田直希騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2kg減
優先出走権 1着馬にはJRA天皇賞・秋ステップ競走への出走権が与えられます
レース名の由来 「せきれい」・・・スズメ・セキレイ科に属する小鳥の総称で、多くは水辺に住み長い尾を上下に振る習性があります。セグロセキレイ・ハクセキレイ・キセキレイなどがおり、岩手県盛岡市の市鳥として指定されています。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 6664 55 3連複 39992 103
複勝 12860 55/9807/335 3連単 168786 28
枠連複 12378 264 ワイド 11755 106/25/427
馬連複 28505 430
馬連単 39508 102 320448


7月20日(月) 9R 
重賞 第13回 マーキュリーカップJpnIII/OP・盛岡ダ2000m・別定 晴・良
灰色の鷹、縦横無尽!マコトスパルビエロ待望の重賞制覇NAR成績 

ポールトゥウイン。誰も寄せ付けない、鮮やかな逃げ切りだった (Photo/横川典視)
 前日までとはうってかわって爽やかな青空が拡がった盛岡競馬場。フリーマーケットなども開かれた場内は大にぎわいで、たくさんのファンが見守る中レースを迎えた。
 単勝1番人気、それも1.1倍と圧倒的な人気を集めたのはスマートファルコン。次いで4.4倍でマコトスパルビエロ、9.2倍でエスケーカントリー。オッズの動きはスマートファルコンとマコトスパルビエロの一騎討ちムードだ。

 4コーナーポケットからのスタート、ゲートを出てすぐマコトスパルビエロが躓きそうになったのか一瞬バランスを崩しかけたが、即座に立て直すとそのままハナを奪いに行く。
 1周目のスタンド前はマコトスパルビエロが先頭で通過していく。2番手はというとこれが何とサカラート。スマートファルコンは、その直後とはいえ3番手をすすんでいた。
 いつもならちょっとかかり気味なくらいに強引にハナに立っていくのがスマートファルコン。マコトスパルビエロがいるのでスマートファルコン2番手もありうるとはいわれていたが、3番手というのはちょっと意外。
 それも、1コーナーに入る頃にはサカラートに完全に前に出られて、スマートファルコンはどことなく行き脚がつかないままに下がってしまったような感じになった。
 とはいえスマートファルコンにとっては与し易い相手関係でもあり、ここは将来の事を考えて、いつもと違うレースを試そうとしているのだろう・・・とも考えられた。マコトスパルビエロとの差は2、3馬身、十分射程圏なのだから。
写真/1周目のスタンド前、マコトスパルビエロの2番手にいるのはサカラート、スマートファルコンは3番手

 マコトスパルビエロはじわじわとリードを拡げて、向こう正面に入る頃にはサカラートに3馬身ほど、スマートファルコンに5馬身ほどの差をつけた。一見大逃げだが、しかしペースは1000m通過が1分2秒と少しで全く速くなく、むしろ遅いといっても良いくらい。既にこの時点で“アンカツペース”のマジックが流れを完全に支配していた。

 極々淡々と向こう正面を通過して3コーナー、後続の馬群が一斉に動き始める。サカラートとスマートファルコンはマコトスパルビエロに並びかけようとし、後方からは馬群を縫ってエスケーカントリーがポジションを上げ、4番手にまで迫ってきている。
 前の3頭は3〜4コーナーでほとんど横一線になった。直線にも3頭一線で進入、ここから激しい攻防が始まるのかと思われた。
 しかし、道中楽に進んできたマコトスパルビエロにはまだまだ余裕が残っていたのだろう。隣に並ばれても全く慌てず騒がず、前に出られない程度にペースを上げはするもののいわゆる”おいでおいで”の状態。
 その余力の差は直線に向いた途端、はっきりと現れた。いざ交わしにかかったサカラートを見てちょっと気合いをつけるとマコトスパルビエロはグイッと前に出る。そこでムチを一発、差はすぐに1馬身に開いた。
 この時点でほぼ決着は付いた。サカラートはあっという間に引き離され、スマートファルコンも、そのサカラートを交わすのすら四苦八苦している状態。最後は流してゴールしたマコトスパルビエロ、後ろに4馬身差をつける鮮やかな逃げ切りだった。

 2着争いはゴール寸前までもつれた。坂を越えた時点でサカラートとスマートファルコンの差はまだ1馬身。このままサカラートが粘りきってしまいそうな勢いだったが、ゴール寸前、残り50mほどでスマートファルコンがわずかにサカラートを交わした。後方からはエスケーカントリーが猛然と追い上げてきていたが、こちらは及ばず4着。大きく離れて5着に岩手のクインオブクインが食い込んだ。

写真/スマートファルコン・岩田騎手はレース後「+20kgはやはり余裕があったのか、馬が落ち着きすぎていたのが気になっていた」と振り返った

 勝ったマコトスパルビエロは父ブライアンズタイム・母マコトシュンレイの牡5歳。07年の新潟・関越Sでドンクール以下を寄せ付けない逃げ切り勝ちを収めてダートの一線級に仲間入り、以降快速を武器に戦ってきたが重賞には手が届かずにいた。待望のタイトルを手にした事で今後の活躍の舞台が大きく拡がる事だろう。

■ 勝利ジョッキーコメント
 能力はある馬なので、スタートさえ決まれば、と思っていた。強い同型もいたが前で競馬できる馬なので、行けるなら行ってしまえばいいなと。その後の道中はリラックスして走ってくれました。これで賞金を追加でき、使いたいレースを狙う事もできると思います。またこれから楽しみですね。自分も久しぶりに盛岡で勝てて嬉しいです。(安藤勝己騎手)
インタビューの模様は→こちら

出馬表・過去成績 NAR出馬表 08年結果 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上56kg、3歳54kg、牝馬2kg減 7月10日までのGI1着馬3kg、GII1着馬2kg、GIII1着馬1kg加重(ただし、2歳時の成績を除く)
※GI、GII及びGIII競走は、それぞれJpnI、JpnII及びJpnIII競走を含む
優先出走権
レース名の由来 「マーキュリー」・・・Mercury。英語で「太陽系第1惑星である水星」の意。夏季に中・長距離で競われる全国交流ダートグレード競走。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 94695 16116 3連複 264925 18987
複勝 52321 12206/26489/1360 3連単 1607621 22242
枠連複 53876 22383 ワイド 86454 27734/2333/2933
馬連複 199655 93221
馬連単 300255 30000 2659802


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