今日の水沢競馬場は昼頃までは晴れていたものの、ちょうど5Rの新馬戦の直前に雷を伴う激しい雨が襲来。結局その後は曇りがちとなってコース状態はしっかり水を含んだ重馬場、昨日以上の高速馬場に変貌していった。
10頭中6頭が単勝10倍以内と人気が割れたが、レースの方も最初から混戦ムードが色濃く漂った。まずはスタート、外の9番グッドストーンがややあおり気味となったのだが、残る9頭は一斉に飛び出して先行争いに突入していく。内からはフリーモアとオウシュウクラウンが、外からはメタモルキングと、さらにはトーホウライデンまでもが先行ポジションを狙ってきた。

枠差の分もあってフリーモアがハナを奪ったが、メタモルキングもその外にぴったり追走。トーホウライデンはなんとその直後の3番手につけており、オウシュウクラウンとアンダーボナンザがその内。
さらにはダンストンリアルとサイレントエクセルもそれら先行集団の直後。全体に流れは速いが、各馬ほぼ一団となって一周目のスタンド前を通過していく。
(写真右/スタート直後、先行争いを繰り広げる各馬。外からメタモルキングとトーホウライデンが前に出ようとしている)
ペースは確かに速かった。例えばオウシュウクラウン。最近はかかり気味に前に行ってしまう馬が今日は普通に4番手あたりで折り合っている。サイレントエクセルやダンストンリアルなども同様で、少々の速い流れなら逃げる事すらできる馬達が、ここでは中団を追っつけ気味に追いかけているのだから。
元々が高速馬場の上にハイペース。となればこれは決して楽ではない。向こう正面半ばあたりで早くもムチが入る馬も出始め、勝負所を前にサバイバルレースの様相すら呈し始めた。
そんな流れを引っ張ってきたフリーモアだったが、3コーナーにかかってやや勢いが落ちたところをメタモルキングが交わして先頭を奪う。ここまで果敢に先行しながらもしっかりとした手応えをキープしてきたパートナーを見て、鞍上が一気に勝負をかけたのだ。
すでにフリーモアは勢いがかなり衰え、ついて行くのがやっとになっている。直後にいたアンダーボナンザもあまり反応が良くなく、一気に伸びてきそうな気配はない。一方のメタモルキングは余裕をもって3〜4コーナーを通過、直線に向いた時には後続に1馬身ほどのリードを作った。そしてメタモルキングの手応えはまだまだ十分。鞍上のかけた勝負はほとんど成ったかに思われた。
このまま行けばメタモルキングにとっては初の重賞制覇、鞍上・村松学騎手ににとっても久々の重賞勝ちだ。そんな大望に向かって懸命に駆け続けるメタモルキング。
だがライバルたちもまだ終わっていない。馬群を縫ってきたダンストンリアルが、ようやくエンジンがかかったアンダーボナンザが猛然と追い上げてくる。さらにはリュウノツバサも、直線入り口で6〜7番手という所からあっという間に先頭集団に取りついてきた。
一瞬のうちにこれら4頭が横一線になる。内で粘りに粘るメタモルキングをダンストンリアルが捉えた。アンダーボナンザは少し遅れたか、ダンストンリアルがわずかにリードしてゴールに・・・という瞬間、大外からリュウノツバサがグンと伸びた。
この時の事をダンストンリアルの鞍上・村上忍騎手はこう語った。「左右の馬はもう大丈夫、“よし、勝った!”と思った瞬間、アンダーボナンザの影から何かが飛び出してくるのが見えて“あっ”と思った」。
結果は写真判定となったが、さほど時間がかからず1着4番、2着5番の数字が着順掲示板に浮かび上がった。1着から4着まですべてアタマ差の大接戦を制して、ダンストンリアルが重賞初制覇を成し遂げた。
2着はリュウノツバサ、3着はメタモルキングが死守。1番人気フリーモアは6着、2番人気トーホウライデンは9着に沈み、8人気→7人気→5人気の馬番3連単は34万70円の大波乱となった。

勝ったダンストンリアルは父ジョリーズヘイロー・母ダンストーンタイムの牡5歳。デビュー後は地道にクラスを上げて昨年後半からは古馬A級の一角に定着。昨年の南部杯では11番人気と低評価ながら岩手勢最先着の6着に食い込んで素質の片鱗も見せていた。通算43戦目にして初のオープン級重特の優勝が待望の重賞制覇に。今後はクラスターカップ出走を目標に進むとの事。
なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズ「デュランダル賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてデュランダル号の配合権利が贈られた。
(写真は優勝馬関係者と相原奥州市市長)
3コーナー手前で先頭に立った時進まなくなってしまって、先頭に出るのが早かったか、それともペースが速すぎたのかと心配しました。後ろから馬が来て気を取り直してくれたけれど、そんな事があったので最後まで追っていて気が抜けませんでした。なので、こんなに後ろが離れているとは思わなかったです。(内田利雄騎手)