|
盛岡競馬場周辺では前日から夜にかけて強い雨が降り、今日のコース状態はダート不良・芝重の発表。そのせいか1番人気は僅差ながらカネショウエリートが奪った。コース状態が悪化する事に不安があるボスアミーゴは2番人気。地元の芝で、地元の馬を相手に1番人気にならなかったのは久しぶりだ。
ゲートが開いて勢いよく飛び出したのはカネショウエリート。しかし内からサクラアリエルやモエレマーメイド、外からコスモアンファングもハナを奪いに飛び出してくる。結局、コスモアンファングがハナを奪い取った格好で先行争いにけりがついた。
この間、馬群はちょっと縦長になっていたが、ハナを奪ったコスモアンファングはさっそくペースを落としにかかって、最初の3〜4コーナーを通過する頃にはすっかりスローペースに。今度は見る間に全馬がひとかたまり。そんな中、カネショウエリートが4番手、ボスアミーゴは8番手あたりから少しずつ前に上がっていく。
先頭を行くコスモアンファングとすればこのままスローの逃げを続けたいところだっただろう。しかしペースがあまりにも遅すぎたためか、それともカネショウエリートらの有力どころが早めに前目に詰めてきたためか、後続の動きはコスモアンファングの思い通りには運んでくれない。
まず、間もなく1周を終えるという1〜2コーナー、ここで2番手にいたモエレマーメイドが“我慢しきれぬ”とばかりに前に出てしまう。コスモアンファングは入れ替わりに2番手へ。しかしそれで収まったかに見えたのもつかの間、向こう正面も半ばに達する頃には後続が次々押し上げ始め、3コーナー手前ではカネショウエリートとボスアミーゴが並んでスパート、あっという間に先頭を奪ってしまった。
レースは早々と2頭の一騎討ち態勢になった。4角先頭の勝ちパターンに持ち込みたいカネショウエリートと、相手はこの一頭と決めて追い上げてきたボスアミーゴ。その後ろは、この2頭に連れて上がってきたコンバットキックやモエレマーメイドを振り切ったコスモアンファングらが追うが、前2頭の勢いには敵わない。
直線に入ったところでの勢いはボスアミーゴが上に見えた。カネショウエリートが手綱を激しく動かしているのに対しボスアミーゴはまだ持ったまま。ここからボスアミーゴが楽に抜け出すのかと思われた。
だがカネショウエリートもしぶとく粘る。一度は交わされてしまったが、そこから盛り返したばかりか、逆にクビほど前に出たのだ。
カネショウエリートがわずかに前、それをボスアミーゴが追いつめたところがゴール。見た目は全くの同時。スロー映像でもゴール板に達した瞬間にちょうど2頭が鼻面を並べており、ファンからどよめきの声が上がったほど。
決着は写真判定に持ち込まれた。検量所裏では2頭双方が単独優勝、もしくは1着同着に備えて待機している。長い写真判定の末、掲示板には1着7番・2着10番、着差「ハナ」の文字が点灯した。走破タイム2分32秒とプラスαの時間を経た戦いに、ついに幕が閉じた。
勝ったボスアミーゴは父アドマイヤボス・母サクラユキクインの牡5歳。今さら言うまでもない岩手の芝の王者。この勝利で自身の芝重特勝ちを「10」とした。
|
返し馬でコースに入ってみると思った以上に芝の状態が良くなかったので、それを見越して早めに動く事にしました。相手はカネショウ1頭と思っていたし、去年も不良馬場の芝であの馬にやられているからね。早めに目標を絞ったのですが、こちらは道中流れが変わった時にかかってしまった分、終いの伸びが甘くなっていたし、あちらも予想以上にしぶとかった。ホント、交わしてくれていて良かったですよ。(菅原 勲騎手)