2歳三冠に王手をかけて挑んだワタリシンセイキ。人気は当然のごとく圧倒的な1番人気。そしてレースも、人気どおりの圧倒的な戦いを展開した。
逃げたのは大方の予想どおり内枠のトウホクビジン。2番人気ダンストンジールも先行策を採って2番手につけた。3番人気ハイメリーが3番手、マサノシャルナが4番手。
ワタリシンセイキは、ゲートの出はトウホクビジンよりも速いくらいだったが、その後はやや控え気味にして行きたい馬を前に行かせ、最初のスタンド前直線では6、7番手あたりに納まった。ただしこれは「スタートは速いくらいだが、そのあと馬が自分で位置取りを下げる(関本淳騎手)」という、いつも通りの出来事。ワタリシンセイキも鞍上も、慌てず騒がずこの位置からレースを進めていく。
といっても、真っ先に動き出すのもワタリシンセイキ。2コーナーあたりから早くも仕掛け気味に上昇開始、向こう正面半ばにさしかかる頃にはもう、先行グループの外に迫って全てを射程圏に収めてしまう。後は観衆も、レースを走っているライバルたちも、ワタリシンセイキの強さだけを見せつけられる事になった。
外を通ってグングン上がっていくワタリシンセイキ。他の馬達が懸命についていこうとするがワタリシンセイキは持ったまま、それでいて全く違う脚色でねじ伏せていく。先行グループで生き残っているのは逃げるトウホクビジンのみ、差し馬勢では、ワタリシンセイキと共に上がろうとしたセンリグランピーは3コーナー過ぎで既に置き去りにされている。
そのトウホクビジンも何とか先頭を守れたのは直線に入るまでだった。ずっと内ラチ沿いを走ってきた馬を、外・外を回ってきた馬が持ったままで交わしていくのだから、これではもうどうしようもない。

それでもトウホクビジンはよく粘った。ワタリシンセイキに並ばれて、しばらくは持ちこたえた。だがワタリシンセイキ、鞍上がおもむろにGOサインを出すとさらに加速。簡単にトウホクビジンを振り切って勝負を決めた。
これまで何度も見た光景。ワタリシンセイキは楽々駆け抜けて4馬身差圧勝。ゴールの瞬間、鞍上は指を3本挙げてみせた。
2着はトウホクビジンが粘り切った。マサノシャルナが3着、センリグランピーが4着。ダンストンジールは勝負所以降失速気味で、何とか掲示板を確保するまでの5着に終わった。
勝ったワタリシンセイキは父ビワシンセイキ・母シャトーサウザンドの牡3歳。ここまで若駒賞・南部駒賞と二つの2歳重賞を勝っており、この勝利で2歳三冠を達成。また、昨年のビギナーズカップから始まった2歳ダート重賞・特別を全て制覇するという偉業も達成した。
ワタリシンセイキはこの後、南関東に移籍する予定。
(写真上・ゴール後ウイニングランで声援に応える関本淳騎手とワタリシンセイキ)

なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「ダンスインザダーク賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてダンスインザダーク号の配合権利が贈られた。
(写真は馬主代理として目録を持つ三野宮通調教師)
馬に逆らうつもりはなく、いつも通りのレースをしようと思っていました。いつもはもっと後ろの方なんですが今日はいくらか前だったかな。でも流れに乗る事だけに専念していました。これで三冠達成、凄い馬ですね。自分は盛岡所属なのでこの馬の調教や追い切りにまたがった事がない。調教師さんから具合を聞くだけだったのですが、レースの度に強くなっているのは分かった。これからももっと伸びる馬だと思います。たくさん声援をいただけて嬉しかったです。(関本 淳騎手)