■ 先週のレース結果 −2008年 12回水沢開催−
取材・文/テシオ編集部
12月27日(土) 9R 
特別 第9回 磐井川賞 /C2・水沢ダ1600m・馬齢 雪・不良
オメガユーロスター雪辱! 特別勝ちで前走のうっぷん晴らす!NAR成績 
磐井川賞
逃げ切り勝ちとなったオメガユーロスター (Photo/横川典視)
 C2級9頭が争った磐井川賞は2番人気オメガユーロスターが競り合いを制して優勝。前走10着に敗れた雪辱を果たした。
 先週までと一転して寒波に見舞われた水沢競馬場。場内では20cm以上の積雪が見られ、気温も上がらなかった事から、コース状態は「不良」発表でも先週までとは全く異なる傾向となった。

 まずはスタート。大外ゲンキデタマチャンが躓いてのめりかけたがすぐ立て直す。先行争いにはオメガユーロスター、ゲンキデタマチャン、そしてタツキミコや1番人気マイネルオスカーら、都合4頭が名乗りを上げた。
 ここは一足早く抜け出したオメガユーロスターが先手を獲り、ゲンキデタマチャンが2番手。マイネルオスカーはこの2頭の後ろに控え、タツキミコは外に持ち出してこの2頭が4、5番手。ペースはスロー、9頭は折り重なるように固まりながら最初のスタンド前を通過していく。
 
 今日は砂が固まってモソモソとしたコース状態。B級のマイル戦で1分47秒台、C級下位の1300m戦で1分28秒台。高速だった前開催に比べ5、6秒遅い。おまけにパワーを要するためなのか、最後は皆バテてしまってゴール前の最後の一ハロンが14秒台・15秒台になり、4馬身だの5馬身だのと大きな差がついてバラバラとゴールしてくるレースも珍しくなかった。
 基本的には前の方にいた馬がそのまま流れ込む感じ。後ろから差そうにも馬がバテてしまって思うようにいかない。それは騎手も感じており、このレースでも先行している馬の後ろで、“いかに前に上がっていくか”のポジション争いが徐々に活発になっていく。

 最初に動きを見せたのはイスズシェーバー。向こう正面でさらにペースが落ち、馬群がグッと固まった時に難なく前の方に詰め寄る。だがここではまだ内の3頭が勢いを保っている。イスズシェーバーが外から捲るタイミングを計っているうち、なんとニシネキングオブが大外から捲ってあっというまに3番手に上がってしまったではないか。
 さらに二番手も奪ってしまおうという勢いのニシネキングオブに対し、ゲンキデタマチャンも懸命に抵抗。一時はニシネキングオブに前に出られかかるも、なんとか耐えて直線へ。
 直線、先頭は依然オメガユーロスター。ゲンキデタマチャンとニシネキングオブがほぼ併走し、そしてマイネルオスカーとノボルシラオキが後ろからこれを追い上げる。直線の攻防はそういう位置関係で始まった。

 しかし、今日のコース状態では後ろからの組はつらい。マイネルオスカーもノボルシラオキも、道中は内でずっと我慢していたのだが、直線いざ追い始めても、先行していた馬たちとほとんど同じような脚色にしかならない。
 一方前の争いからは、ニシネキングオブが競り合いに敗れて後退し始めた。「なんとか少し前に出たのだが、結局交わしきれないまま脚が無くなってしまった(関本浩司騎手)」。
 とはいえ、ニシネキングオブも一気にタレる事なく、こちらもやはりオメガユーロスターやゲンキデタマチャンとさほど変わらない脚色で、少し劣勢か?という程度。
 最後は前の5頭ほどが同じ脚色、同じような位置関係のままゴールになだれ込んだ。優勝オメガユーロスター、2着ゲンキデタマチャン。ニシネキングオブは3着に粘りきり、マイネルオスカーが4着、ノボルシラオキが5着。結局、各馬の順番は全馬とも、直線入り口あたりからゴールまでほとんど変わらなかった。

 勝ったオメガユーロスターは父グラスワンダー・母アグネスショコラの牡3歳。母はスキーパラダイス×サンデーサイレンスの超良血馬。JRA未勝利からこの夏に岩手に転入、当初はなかなか勝てなかったが、秋の古馬編入後に一気の4連勝を挙げていた。

■ 勝利ジョッキーコメント
 ここ2戦、相手が強かったのか自分のレースができずにいましたが、今日は比較的楽にマイペースに持ち込め、自分のレースができました。コース状態もあるが、ペースがよかったのが一番の勝因でしょう。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 56kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「磐井川」・・・栗駒山(標高1,628m)を源流とする川で、市街地の中央を横切って一関市狐禅寺で北上川に合流する。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2171 699 3連複 23712 40
複勝 876 213/90/125 3連単 135114 70
枠連複 10550 416 ワイド 4806 258/41/18
馬連複 18024 733
馬連単 33431 871 228685



12月28日(日) 9R
特別 第1回 師走賞 /B2・水沢ダ1600m・別定 小雪・不良
アルディ前走4着の雪辱、そして待望の初タイトル!NAR成績
師走賞
 今日はスパッと切れる脚を見せたアルディ。(Photo/横川典視)
 B2級の特別戦・師走賞は人気上位3頭の三つどもえの戦いに。勝ったのは1番人気アルディで自身待望の初特別勝ちとなった。
 今日の水沢競馬場は強風と共に横なぐりの雪が吹き付ける天候。ただ、新たに積もるほどの量ではなく、また午後はいくらか気温が上がり、コースには水が浮き始めていた。

 12頭が一斉に飛び出した中、先行したい馬がめいめいの位置から抜け出てくる。内からアルディ、真ん中からコスモクルトゥーラ、外からはマイネルスペランザと1番人気ケンタッキーハット。
 ここはコスモクルトゥーラが譲らずハナを奪いきり、マイネルスペランザが2番手、ケンタッキーハットが3番手に納まる。アルディはコーナーを使って内から外へ自然に持ち出し、オンワードリリカが、さっきまでアルディがいた内のポジションに入ってきた。
 3番人気馬がハナ、2番人気馬が3番手、1番人気馬が4番手と揃って前目の好位を占めた事でポジション争いは早々と収束。馬群は逃げるコスモクルトゥーラのペースに従って、ごく淡々と進んでいく。

 とはいえコスモクルトゥーラは抑えていたわけではない。マイネルスペランザには常に2馬身ほどの差をキープ。さらにその後ろは2,3馬身離れて馬群は縦長に。前走、1800m戦でかかりつつなだめつつ走っていたのに比べればずっとスムーズで、あくまで快調だ。

 3コーナー手前、マイネルスペランザが少しずつ離れ始め、替わってケンタッキーハットが、そしてアルディが前へと上がっていく。この辺りでは、スムーズに追い上げていくケンタッキーハット・やや追っつけ気味に外を回すアルディで、この2頭のどちらかならケンタッキーハットの方が手応え良く見えた。
 レース中盤から積極的に動いていたケンタッキーハット、差を詰めてきた勢いのままコスモクルトゥーラを捉まえに行き、4コーナーから直線に入る頃にはその外にほぼ並ぶ所まで迫る。さらにその後方、外からはアルディ。4番手以降は少し離れ、人気3頭の戦いに加わってきそうな馬はいない。

 コスモクルトゥーラはさすがにもう余裕無く、ケンタッキーハットがすんなり交わして決着、かと思われた。しかし、いざ抜きにかかってケンタッキーハットはヨレたりささりかけたりして、思ったほど伸びてこない。
 そうこうするうちコスモクルトゥーラが盛り返し、外からはアルディが一気に迫る。ケンタッキーハットがもたつく間にアルディはトップスピードに乗っており、2頭まとめて捉えてしまうまでそれほど時間はかからなかった。

 今日はスパッと伸びたアルディ、最後は1馬身3/4差突き抜けて快勝し、自身初の特別勝ちを手にした。2着はコスモクルトゥーラが粘りきり、ケンタッキーハットはついに他2頭を捉えられぬまま3着でゴール。以下、カリズマウイッシュ、タイキサファリと入線したが3着から4着には4馬身の差があり、前3頭の強さが目立つ結果ともなった。

 勝ったアルディは父スペシャルウィーク・母ソランダの牡4歳。今シーズンは非常に安定した成績を残していて、大きく崩れたのは6月の芝特別のみ。しかし特別戦にはなぜか縁がなく、これが今季5度目の挑戦での特別勝ち、それも自身初特別タイトルという事になった。
■ 勝利ジョッキーコメント
 前走は距離も長かったのだと思います。今回はマイルで走りやすかったし、コース状態もね、午前中のようなコースだと辛いと思っていましたが、急に溶けて軽くなったので良かったですね。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 新設
競走条件 B2級57kg、C1級以下56kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「師走」・・・古い言い方で12月のこと。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2304 563 3連複 46775 2843
複勝 1707 320/24/4231 3連単 157467 2171
枠連複 21278/ 1281 ワイド 8472 518/1184/381
馬連複 34666 2181
馬連単 33389 1282 306058



12月29日(月) 9R 
特別 義経賞/C1・水沢ダ1600m・別定 晴・不良
このスピードは圧倒的!フォージドニンバス 逃げ切りで4連勝!NAR成績
義経賞
 5馬身差完勝。鞍上は勝負服を汚すことなく帰ってきた (Photo/横川典視)
 C1の特別戦・義経賞は1番人気フォージドニンバスが逃げ切り勝ち。マイペースでハイラップを刻み続けて勝つ、圧倒的な走りだった。
 今日の水沢競馬場は気温が上がって風もなく、前日に比べればはるかに暖かくなった。コースは早い段階から融けて水が浮く状態で、走破タイムも当然のように速くなっていった。

 先行争い、まずは断然の1番人気・フォージドニンバスが飛び出す。若干煽り気味の、ロケットスタートというほどは速くなかったが、ここはハナは譲らないという気迫を込めて二の足でダッシュ。これで他を押さえて先頭に立つ。
 2番手はクイックフロー、3番手は内にコスモアテナ、外にドクトルガーベラ。間にマイネルアフェットが挟まっている。2番人気エプソムシャトルは最後方、8頭立てとあってそれほど縦に長いわけではなく、エプソムシャトルの位置でも先頭から大きく離れてはいない。

 だが、フォージドニンバスのペースはあまりにも快調で、速かった。最初のスタンド前をハロン13秒を切るペースで突っ切ると、1〜2コーナー、普通はペースが落ちるところでも13秒台前半で通過。そして、向こう正面に入って12秒台前半を2つ並べて早々とスパートし始めたのだ。
 これにはついていく方が参った。クイックフローの高松亮騎手は「もっと突っつきたかったが、自分がついていくのがやっと。向こう正面でペースが上がったときにはついていけなくなった」。
 3コーナー手前あたり、クイックフローやドクトルガーベラが脚色を失い、後方待機組が入れ替わりに進出してくる。しかし先頭フォージドニンバスは「後半は馬が遊び始めて、自分では全然速いと感じていなかった(木村騎手)」、それで後続をちぎっていくのだから手に負えない。

 4コーナーで後ろをちらりと見た木村騎手、馬がトボケ始めたのか気合いをつけつつ直線に入ったが、それも全くの杞憂、フォージドニンバスのスピードは全く衰えない。あとはもう、後続を引き離す一方。
 直線の200m、ここもハロン13秒台前半を2つ並べ、上がり3ハロン38秒7(参考)でまとめて楽々と通過。水の浮いたコースを滑るように駆け抜けたフォージドニンバス、その後の、一団となってもがきあう7頭との間には5馬身の差がついていた。

 勝ったフォージドニンバスは父ジョリーズヘイロー・母ミングリンググランセスの牡3歳。JRA未勝利から転入後、けれんのないスピードを武器に活躍。この勝利で4連勝、岩手での7勝目となった。また鞍上の木村暁騎手はこの勝利が自身の地方競馬通算99勝目。大台到達に王手をかけた。
■ 勝利ジョッキーコメント
 乗っていてそんなに速いと思わなかったです。まだ遊び遊び、ふわふわしながら走っているんで、自分ではそんなに速いとは感じなくて・・・。でもこの馬のスピードはいいものがある。もっと真面目に走るようになれば、もっと速いタイムでも走れると思いますよ。(木村 暁騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 新設
競走条件 C1級57kg、C2級56kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「義経」・・・源義経より。平安時代末期の源氏・平氏の戦いの中で功績を挙げた義経でしたが、兄頼朝と齟齬が生じてその地位を追われ、最後は奥州・平泉の地で果てました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4312 1822 3連複 29892 210
複勝 2595 438/59/362 3連単 115068 164
枠連複 ワイド 6297
馬連複 33486 396 103/366/79
馬連単 27130 198 218780



12月30日(月) 9R 
特別 第33回 六華賞/B1・水沢ダ2000m・別定 曇・不良
フェスティブドラマ2連勝!佐藤祐司厩舎はまたもや特別戦ワン・ツーNAR成績
六華賞
 再度の同厩対決。勝ったのはフェスティブドラマ (Photo/横川典視)
 2000mで行われた特別戦・六華賞は北海道から転入2戦目のフェスティブドラマが優勝。2着サイレントステージも同じ佐藤祐司厩舎の所属馬で、銀嶺賞に続き同厩舎ワン・ツーとなった。
 水が浮いた田んぼのようなコース状態が朝から続く水沢競馬場。うっかり馬群の中で揉まれ込もうものなら馬が戦意喪失してしまうような状況で、今日もまた着差が大きく開き、バラバラと入線してくるレースが続いていた。

 そんなコースだけに、揉まれたくない馬はとにかく好スタートを切っていい位置を押さえるのが絶対条件。このレースでもトウショウグローズ、ウエスタンフォルス、そしてテンショウベストにアルゴがゲートが開くと同時に飛び出していった。
 ハナに立ったのはトウショウグローズで、前走同様スローの逃げに持ち込もうとする。2番手ウエスタンフォルスが鞍上が「以前のように突っかかっていくところがない(沢田盛夫利騎手)」とあっさり控えてしまったために余計にペースが上がらなくなった。
 アルゴは前走の教訓もあって最初から前の方に出ていく手を取ったが、飛び出していった馬の中ではややダッシュが遅かった分、先陣のポジション争いの中であまり優位には立ち回れなかったようだ。
 各馬とも密集するのは避けたいのか、先行グループ、中団、後方グループとも間隔を開き気味に追走。ペースが遅い割には馬群は縦長に。一周目のスタンド前、1番人気のフェスティブドラマは馬群の真ん中あたり、7番手の外を、2番人気ワラッテオクレヨは最後方に、3番人気サクラアリエルはその少し前、後方9番手。先頭から最後方まで10馬身くらいというところか。

 向こう正面、ペースを落としていったん後続を引きつけたトウショウグローズは、1周を経たあたりで再びペースを上げ、後続を突き放しにかかる。依然リードは1馬身ほど。この頃にはウエスタンフォルスは後退、テンショウベストも一杯で、替わってサイレントステージやアルゴが接近中。外を押し上げてきたフェスティブドラマもいい手応えで捲りにかかり、その後ろ、馬群の外目からは後方にいた差し馬勢も追い上げに入って馬群の前後が急激に詰まってきた。

 4コーナー、依然として先頭を守るトウショウグローズだったが、その外にはサイレントステージが持ったままで並んでいる。そこへ、外を捲りつつグングン接近してきたフェスティブドラマ、勢いに乗って2頭まとめて交わそうとする。サイレントステージも即座にこれに応戦、この瞬間、直線の戦いの火ぶたが切って落とされた。

 ぴったり馬体を併せて競り合いを展開する2頭。どちらも中団を進んできただけにすでに全身泥だらけ、しかしどちらも一歩も引かず、激しい追い比べが繰り広げられる。
 両者の脚色はほとんど拮抗していたが、直線半ば、フェスティブドラマがクビくらい前に出る。サイレントステージも懸命に食い下がったものの、ついにその差は変わらなかった。2頭馬体を接したままゴール、最後の最後に僅かに差が拡がって、3/4馬身差でフェスティブドラマが先着した。
 後方では、失速したトウショウグローズを巡って差し馬勢が一気に台頭。サクラアリエル、シュクジャンヌらが一足先に抜け出してきたが、そんな内の馬達を、外から豪快に伸びた11番人気ケージーシルキーがまとめて捉えて3番手に浮上。ただでさえ荒れ気味なレースを一気に大波乱に変えてしまった。

 勝ったフェスティブドラマは父サニーブライアン・母ステルスの牡5歳。JRA500万下−ホッカイドウ競馬を経て岩手に転入、これで転入後2戦2勝。
■ 勝利ジョッキーコメント
 トビが大きくて綺麗な馬だからこういうコースがどうかと思っていましたが、それほど気にはしていなかった。先日の重い砂よりは、まだ軽い分よかったのでしょうね。ただ、やっぱり軽いコースで切れを活かすのが合う馬だと思います。来年も岩手にいるそうなので、盛岡での走りを見てみたいですね。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 B1級57kg、B2級以下56kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「六華」・・・雪の結晶が六角形であることから、その形を華になぞらえ命名されました。雪の結晶には同じ六角形でも様々な形があります。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2533 1205 3連複 38913 83
複勝 1621 447/60/29 3連単 155444 146
枠連複 14561 448 ワイド 6845 233/58/20
馬連複 27637 1164
馬連単 31761 918 279315



12月31日(月) 10R 
重賞 第34回 桐花賞/OP・水沢ダ2000m・別定 小雪・不良
カネショウエリート完勝! メイセイオペラと父子二代制覇を成し遂げるNAR成績
桐花賞2馬身半差の完勝。カネショウエリートが頂点に立った。 (Photo/横川典視)
 11頭が争った岩手競馬グランプリ・桐花賞はカネショウエリートが優勝。ダート重賞での初勝利が岩手古馬の頂点を極める快挙となった。
 午前中は暖かいくらいだった水沢競馬場だが、メインレースの前、突如“通り雪”が降って急に寒くなった。コース状態は不良、前日同様、コースの各所に水が浮いた状況だ。

 混戦模様という前評判どおり単勝人気は割れた。1番人気はソーユアフロストで2.8倍。2番人気カネショウエリート3.4倍。3番人気リュウノツバサ4.1倍。ここまでが僅差の接戦で、以下ヤマニンエグザルト、ジュリアと続く。
 しかし他の賭式は3番・7番・8番の3頭にほぼ集中。他では2番絡みがまずまず売れているが前記3頭ほどではなく、混戦と言われすぎて逆に3頭 −それもにトップジョッキー3名が騎乗する馬に− 集中してしまったのかもしれない。

 2コーナー過ぎからのスタート。11頭一線かと思いきや、ブラーボウッズと、そしてリュウノツバサがダッシュつかず一瞬取り残されている。
 逃げたのは下馬評どおりジュリア。8枠からでも敢然と飛び出して一気にハナを奪ってしまう。カネショウエリート、ダンディキングがこれを追い、さらにはクルセイズやソーユアフロストも前の方に行っている。リュウノツバサも立て直してソーユアフロストの直後まで接近。
 ポジション争いが収まり、一周目の直線に入った時の体勢は、ジュリア、カネショウエリート、ダンディキングの先行3頭、ソーユアフロストやリュウノツバサ、クルセイズ、ヤマニンエグザルトがいる中団グループ4頭がまず前後に分かれ、その後方にピンクゴールドやボスアミーゴら後方待機組がバラバラと追走する形。
 ペースは遅くもなく速くもなくの平均ペース。淀みないスピードで進む中、人気上位馬は先行あるいは中団の、いわゆるレースがしやすい位置に集まっており、この時点では波乱の気配はあまり感じられなかった。

 1周走って2周目に入った向こう正面、ここから波乱の気配が強く、そして急速に現れはじめた。
 まずソーユアフロスト。そこまで中団グループにいた同馬だったが、向こう正面半ばあたりに来て急に手応えが悪くなってきた。3コーナー手前あたりではもう、手綱を激しく動かしながらも後退していく状態。間もなくソーユアフロストは後方待機組に飲み込まれてしまう。
 そしてリュウノツバサ。ソーユアフロストの手応えを見て早めに動き出し、一時は4番手まで上がったのだが、しかしこちらも既に余裕がない。ムチを入れ、気合いをつけてようやく現状維持程度、そこから順位を上げるどころかむしろ徐々に置かれつつある。

 一方の先行集団では、カネショウエリートが勝負を賭けようとしていた。「後から来られるのを待っていていい馬ではない。早めに先頭に立ってリードを作ってこそ。手応えやこのコース状態なら、そうやって自分の競馬を押し通しても大丈夫だろうと(村上騎手)」。
 ダンディキングが下がっていった事、中団〜後方の馬はまだ来ていないことは確認済み。最後の直線を待たず、カネショウエリートは意を決して先頭に躍り出た。

 直線、先頭カネショウエリートの後ろで、馬群がわっと拡がった。懸命に食い下がる先行勢、追い上げる中団・後方待機組。内から外から前後入り乱れ、一時は7頭ほどが横一線。
 その中では、外を一直線に伸びてきたピンクゴールドの脚色がいい。同時に内でも、ヤマニンエグザルトが馬群を割ってグイグイ伸び始めている。数頭の固まりの中からこの2頭が抜け出した。そしてカネショウエリートを追い上げようとする・・・。
引き上げてくるカネショウエリート しかしその頃には、勝負はほぼ決していた。先頭をひた走るカネショウエリートはすでに後続の馬群を3、4馬身置き去りにし、なおスピードを緩めず突き進んでいる。
 後方で繰り広げられる2番手争いがヤマニンエグザルト優勢で決着がついた頃、カネショウエリートはもう、悠々とゴールを駆け抜けるところだった。着差は2馬身半、直線に入ってからは全く危なげのない完勝だった。

 2着ヤマニンエグザルト、3着には9番人気ピンクゴールド。1番人気ソーユアフロストは10着に、3番人気リュウノツバサは8着に沈み、馬番3連単は9万4,160円の大波乱。これは一昨年の3連単7万8,940円を上回り、桐花賞史上の最高配当となった。
 勝ったカネショウエリートは父メイセイオペラ・母シルバークリエートの牡4歳。ここまでは、ダートもこなすが良績は主に芝で、きんもくせい賞ではボスアミーゴを破って重賞制覇を果たしていた。ダート重賞はこれが初勝利となる。
 また、父メイセイオペラも97年・第23回桐花賞を勝っており、カネショウエリートは史上2頭目の父・仔二代桐花賞制覇を成し遂げた。


畠山信一調教師 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「ファルブラヴ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてファルブラヴ号の配合権利が贈られた。
(写真は馬主代理として目録を持つ畠山信一調教師)








■ 勝利ジョッキーコメント
 揉まれたくなかったので、3番手くらいにつけて折り合いをつけながら行くつもり。途中、もう少し位置を下げようかと思ったりもしたが、結果的に下げなくて良かった。例え少々早くても先に動いてリードを作ってしまうのがこの馬のレース。だからあえて早めに仕掛けたのですが、自分が思った以上に強いレースをしてくれた。ダートでも一線級と戦える力がついてきたのだと思う。来年、どこまで伸びるか楽しみですね。(村上 忍騎手)  

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上57kg、3歳56kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「桐花」・・・桐はゴマノハグサ科の落葉高木で、幹は高さ10mに達する。原産は中国大陸で、我が国各地に栽培される。葉は大形掌状、三浅裂。晩春、芳香ある淡紫色の筒形の5弁の美花を咲かせる。材は軽軟で色白く、くるいが少なく、耐火性があり吸湿性も少ないので、琴・箪笥・家具などとして、また屑を焼いて懐炉灰に用いる。樹皮は染料、葉は除虫用になる。岩手県の「県の花」。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 6616 1472 3連複 72004 268
複勝 4649 880/327/132 3連単 267920 210/645/122/107
枠連複 25909 1372 ワイド 14366
馬連複 65055 3471
馬連単 64212 2025 520731


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