■ 先週のレース結果 −2008年 9回水沢開催後半−
取材・文/テシオ編集部
11月22日(土) 9R 
特別 第32回 ひいらぎ賞 /B1・水沢ダ1600m・別定 曇・不良
豪快に突き抜けた! アポロパトリオット待望の特別制覇NAR成績
ひいらぎ賞
まさに並ぶ間もなく。アポロパトリオットが差し切って快勝 (Photo/横川典視)
 オープンで好走したケイジーウォリアが圧倒的1番人気。ここまでの実績からいって中心は動かないかに思われたのだが、レースには意外な波乱が待ち受けていた。
 気温が10度近くにまで上がり、過ごしやすい天候となった水沢競馬場。コース状態は不良発表だったが水が浮いたところはなく、ただいつもよりは時計が速めという状況だった。

 まずハナを奪ったのはウィンエヴリー。他馬が押して出てくるところをスッとゲートを飛び出し、さらに二の足のダッシュで頭ひとつ抜け出した。
 2番手にはサイレントカイザー。3番手リバーサイド、4番手はステニスハート。そして外の5番手に1番人気のケイジーウォリア。人気上位馬が揃って前の方につけ、特にケイジーウォリアは絶好位も良いところをすんなり占めている。この時点では波乱の要素はあまり感じられなかった。

 そんな様子が変わってきたのは、向こう正面半ばあたりにさしかかった頃だった。依然5番手あたりにいたケイジーウォリアが少し仕掛け気味に動こうとしたが、妙に反応が悪い。いったんはツジジオットの前に出たものの、その後リバーサイドを交わしにいこうとしたらこれが交わせない。
 鞍上が何発かムチを入れ叱咤しても反応鈍く、ケイジーウォリアはそのうちツジジオットに差し返され、さらには後続にも交わされ始めた。圧倒的1番人気馬は、直線を迎える前に苦しい局面に陥ってしまった。
 一方、ケイジーウォリアの手応えを見て俄然活発に動き始めたのがアポロパトリオット。「ケイジーウォリアの後ろをついて回れば大丈夫だろうと(高松亮騎手)」中団からやや後方を進んでいた同馬だったが、勝負所での目標の手応えの悪さを見て自力で攻める事を決心。ケイジーウォリアの内を突き、馬群の中を縫いながら一気にポジションを上げていったのだ。

 直線、そこまで引っ張ってきたウィンエヴリーを交わしてサイレントカイザーが先頭に立った。その外にはリバーサイドがぴったりつけている。だが、そのさらに外にはすでにアポロパトリオットの鼻先が見えていた。
 並ぶ間もなくあっという間に2頭を交わしていくアポロパトリオット。残り100mの辺りで先頭に躍り出ると、その勢いのまま突き抜けてゴールへ飛び込んだ。鞍上・高松亮騎手の大きなガッツポーズ付きの快勝劇となった。
 2着はサクラアリエル。道中何度も進路が無くなって、直線でようやく前が開いたもののついに及ばず・・・の惜しい敗戦。リバーサイドが3着、サイレントカイザーが4着に粘った。ケイジーウォリアは最後まで伸びを欠いたまま8着に敗れた。

 勝ったアポロパトリオットは父ティンバーカントリー・母グリーンフレイアの牡4歳で母は岩手でも走ったエーブアゲインの半妹にあたる。今シーズン始めの転入直後はなかなか結果が出なかったが、岩手の水になれると共に成績も良化。前々走ではケイジーウォリアを破り、前走は特別戦で僅差の2着に入るなど、現級でも強い内容を見せるようになっていた。これが自身の4勝目。

■ 勝利ジョッキーコメント
 道中はケイジーウォリアの後ろについて行って、最後は先に抜け出しているはずのあちらを差そう、という狙いでいたのですが、あちらの動きが悪いので“これは先に動いた方がいい”と思って仕掛けていきました。直線は、追うと頭を上げる馬だと聞いていたので、いきなりガンと追わないでなるべくそっと追い出すよう心がけました。でも今日は最後まで首遣いも良く、スムーズに伸びてくれました。思った通りに乗れて勝って、気持ちいいレースでした。(高松 亮騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 B1級56kg、B2級以下55kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「ひいらぎ」・・・「柊」 モクセイ科の常緑小高木。高さは約3mで、葉は革質で光沢があり縁には先が鋭いとげとなった顕著な切れ込みがある。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2092 132 3連複 31943 243
複勝 1351 94/84/156 3連単 117638 123
枠連複 16455 674 ワイド 6071 99/111/147
馬連複 22824 287
馬連単 30863 303
229237



11月23日(日) 9R
特別 第18回 はまゆり賞 /C1・水沢ダ1600m・別定 晴・不良
マイネベリンダ 快速を見せつける8馬身差圧勝!!  NAR成績
はまゆり賞
8馬身差。まさに影をも踏ませぬ圧勝だった  (Photo/横川典視)
 実力馬が競い合ったはまゆり賞。実力拮抗なだけに接戦になるかと思われたが、結果は圧倒的な差で決まる事になった。
 連勝中の馬・好走を続ける馬が揃ったこのレース、中でも人気を集めたのは5連勝中サチノプログレス、前走特別で好走のマイネベリンダ、そして転入後7戦5勝のヤマニンエレメントの3頭。単勝人気は割と散らばったが馬複や馬単はこの3頭がらみが中心となっており、3連復もこの3頭の組み合わせのみが10倍以下の1番人気。オッズ上は3頭の三つどもえの様相だ。

 レースを引っ張ったのはその3頭の中の一頭、マイネベリンダだった。ゲートが開いた瞬間こそ少し遅いくらいだったマイネベリンダだが、その次の加速で他の先行馬を制し、ハナを奪いきった。最初のスタンド前に入る頃には単騎先頭の態勢を確保。「2番手でも良いと思っていましたが、前に出て後ろから突かれる形になると逆に折り合いがついたので(齋藤騎手)」、という事でここはマイネベリンダ、徹底先行態勢に入る。
 2番手にはアミスターデ、3番手辺りにはマツノアテナ、ヤマニンエレメントらが一団で追走。しかしマイネベリンダは後続に馬体を併せさせないよう、速めのペースも辞さぬという姿勢で逃げ続けており、最初のスタンド前から1コーナーに入る頃には馬群はすっかり縦長になっていた。

 向こう正面半ばを過ぎ、3コーナーにかかっても依然マイネベリンダが快調に飛ばし続ける。そのうち、追っている方のから脱落する馬が出始めた。
 まず2番手にいたアミスターデの手応えが悪くなり、次いでその後ろにいたマツノアテナ、ブラックナイトらも脚色が鈍る。これらの馬が次第に引き離され始めると、マイネベリンダを追って行けているのは人気のヤマニンエレメント、サチノプログレス、そしてヤマボウシピンクやブライティアバレーといった限られた馬のみになっていた。その他の馬は、さらに後方でバラバラとちぎれつつある。

 必死の追撃を行うヤマニンエレメント・サチノプログレス。しかし未だ持ったままのマイネベリンダに対し2頭は既に目一杯追っている状態だ。とにかく人気馬の意地を見せようと懸命な2頭ではあったが、レースの大勢は直線を待たずしてほぼ決した感があった。

 直線、マイネベリンダのスピードは衰えるどころかさらに加速しようかという勢い。もはやヤマニンエレメントもサチノプログレスも一杯一杯、自分がゴールをめざすだけで精一杯だ。
 この後はもう差が開く一方。ゴールの少し前、鞍上の齋藤雄一騎手がちらりと後ろを振り向いた時には、後続は大きく離れた彼方にいた。悠々流してゴールしてなお8馬身差の圧勝。マイネベリンダがその快速ぶりを強烈にアピールして見せた。

 2着以下の争いはすっかり脚の上がったヤマニンエレメント・サチノプログレスにヤマボウシピンクとブライティアバレーが襲いかかる形に。ここはヤマニンエレメントが2着を守りきり、ヤマボウシピンクはクビ差及ばずの3着。1番人気サチノプログレスは最後ブライティアバレーに捉えられて5着に終わった

 勝ったマイネベリンダは父アグネスデジタル・母マチカネフウリンの牝3歳。JRA所属時は7戦未勝利で岩手に移籍してきたが、その最後のレースが9月のフレンドリートロフィー・ルビー賞で、ここで勝ち馬から0.5秒差6着と素質の片鱗は見せていた。岩手移籍初戦は1400mで2着を2秒3ぶっちぎる圧勝。前走もスカイラプターら強豪馬相手に3着となっており、ここは事実上の相手弱化となってきっちり能力を発揮した。

■ 勝利ジョッキーコメント
 ちょっとかかり気味に走る馬なので、2番手あたりでうまく折り合えるならそれでもいいと、決して逃げにこだわっていたわけでは無かったです。でも逃げて後ろから突かれる形になったら折り合いがついたから、ならこのまま行こうと。これでもまだ気を抜きながら走っている。もっと突かれていたらもっと速いタイムで走っていたでしょうね。(齋藤雄一騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 C1級56kg、C2級55kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「はまゆり」・・・海や湖に沿った平らな砂地に生息するユリ。テレトラックが所在する岩手県釜石市の「市の花」。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2091 502 3連複 38527 240
複勝 1351 446/239/31 3連単 134989 368
枠連複 18209 3106 ワイド 8194 878/93/78
馬連複 28349 3994
馬連単 32603 2964
264313



11月24日(祝月) 9R 社台スタリオンステーション協賛 ゴールドアリュール賞
重賞 第31回 北上川大賞典/OP・地方競馬全国交流・水沢ダ2500m・別定 曇・重
まさしく完勝! 7歳ジュークジョイントが伝統のタイトルを手にNAR成績
北上川大賞典2馬身差ながら完勝。7歳ジュークジョイントが2500mを制した。 (Photo/横川典視)
 2500mの伝統の一戦・北上川大賞典は北海道からの遠征馬ジュークジョイントが完勝。一昨年に続きこのレース2度目の他地区馬の優勝となった。
 昼過ぎまでは晴れ間も見えた水沢競馬場の天候だったが、メインレースの頃は空一面が雲に覆われた。
 コース状態は重、表面は乾いて見えるが下に湿った層があって、いわゆる“脚抜きがいい”状態。 

 10頭のスタートはまずまず揃ってほぼ横一線。ここからサイレントエクセルとカネショウエリートが並んで出てきて、最初の1コーナーではサイレントエクセルがハナに立っていた。カネショウエリートとと2頭競り合うような形になったが、これは互いに想定の範囲内。むしろ惑わされたのは外からコスモアンファングがついてきた事で、特にカネショウエリートは後ろから突かれるような形になって徐々に折り合いを欠いていく。
 だがそれはもう少し後の話。この時点ではサイレントエクセルからカネショウエリート、コスモアンファング、そしてヤマニンエグザルト、ソーユアフロストと連なって淡々と進む。ペースはハロン13秒台、14秒台と落ち、戦前の予想どおりの“北上川大賞典ペース”。その割に馬群が縦長になっていたが、これは後方待機組が無理に前に詰めていかず、折り合いに専念していたためだ。

2周目のスタンド前 2周目に入ってスタンド前、依然前3頭の並びは変わらないものの、後方では徐々に動きが出てきていた。直線入り口ではソーユアフロストまでの5頭とその後ろの5頭とが大きく離れていたが、この直線、あいかわらず14秒台半ばのラップで進む間に後方グループがぐっと間隔を詰めてくる。ソーユアフロストやヤマニンエグザルトの直後にボスアミーゴやラプレが取りついてきて、これで馬群はほぼひと固まりになった。

 2度目の向こう正面に入っていよいよ各馬の動きが激しくなっていく。先頭ではサイレントエクセルがペースアップ。ハロンラップで1秒くらい速くなった。後方からは外を通ってラプレが、そしてそれを追ってジュークジョイントの北海道勢2騎がポジションを上げてくる。3コーナー、ラプレは一気に3番手から2番手をも窺う勢い。ジュークジョイントもそれに続いて押し上げる。
 先頭サイレントエクセルは更なるペースアップでこれに応える。カネショウエリートはラプレの急追に対応しようとするが、そこまで折り合いを欠いていたせいか反応も、ペースアップ後のスピードも後続に見劣る。またソーユアフロストは「後ろからラプレが来たのは分かったが、そこで合わせてペースを上げようとしてもすぐに反応せず(小林騎手)」、ジュークジョイントにも捲られて5番手に下がる。

 4コーナー、まだ先頭はサイレントエクセル。2番手の争いはどうやらラプレ優勢で進んでいるか・・・。そう思った時、外からさらに凄い勢いで捲ってきた馬がいた。赤い帽子、ジュークジョイントだ。
 勢いがあまりに良かったせいかコーナーで膨れ、コースの真ん中あたりまで飛んでいってしまったジュークジョイントだったが、その脚勢をもってすればそんな事は全く問題にならなかった。
 「脚音が聞こえたと思ったら、並ぶ間もなく抜かれていた(板垣騎手)」。ジュークジョイントがコーナーで膨らんだ分を立て直し、進路を定めるまでの間こそ2頭の脚色が拮抗していた様に見えたが、しかし勢いは、完全にジュークジョイントが勝っていた。
 コースの真ん中を突き進むジュークジョイント。一完歩毎にサイレントエクセルを突き放していく脚勢は、もはや圧倒的だった。ゴール直前、ムチを入れるのをやめた岩橋騎手が後ろをちらっと見た。サイレントエクセルは1馬身後方、その後ろ、ラプレとソーユアフロストはさらに3、4馬身後方。ジュークジョイント完勝のゴールインとなった。
 
引き上げてくる岩橋騎手 2着はサイレントエクセルが粘りきり、3着争いは最後の一伸びでソーユアフロストが先着。以下ラプレ、カネショウエリートと続いた。
 結果的に1〜5番人気の馬が掲示板を占めたが、勝ったジュークジョイントは5番人気、2着サイレントエクセルは4番人気。1番人気ソーユアフロストは3着で、馬番3連単は万馬券となった。


 勝ったジュークジョイントは父エルコンドルパサー・母シングライクトークの牡7歳で社台ファームの生産馬。JRA時代は社台レースホースの募集馬として走り、最終的には1600万下まで上がったがそこで頭打ちとなってホッカイドウ競馬に移籍。途中2度の長期休養があって7歳ながらこれが19戦目というキャリアだった。
 北上川大賞典の他地区馬の優勝は一昨年のコアレスハンターに続き2度目。ただしその時は岩手の騎手が騎乗しており、他地区所属の騎手が優勝したのはレース史上初めて。
 また、鞍上の岩橋騎手は05年のひまわり賞・ビューチフル・ドリーマーCに続く岩手での重賞3勝目。成田春夫調教師は04年白菊賞(カントリーウーマン)、南部駒賞(スマートシェーブ)、05年ひまわり賞・ビューチフル・ドリーマーC(ドリームチャッター)に続く岩手重賞5勝目。
 次戦だが、ホッカイドウ競馬がすでにシーズンオフに入っているため、この後は放牧に出、来年の地元で再始動するとの事。

成田春夫調教師 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「ゴールドアリュール賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてゴールドアリュール号の配合権利が贈られた。
(写真は馬主代理として目録を持つ成田春夫調教師)








■ 勝利ジョッキーコメント
 JRA時代は前で競馬をしていたようですが、前々走逃げてバタバタだったのであまり行くのは良くないかなと。それで今回はできるだけ我慢して、小回りだから早めに動きそうになるんですが、とにかく我慢して終いをきっちり行かす競馬をしようと思っていました。4コーナーあたりの手応えで前の馬は交わせるだろうと思いましたが、勝つかどうかの確信はゴールまで分からなかったですね。能力は元々高い馬。それを自分が活かしきれなかったのですが、今日はそれを出せてやれて良かったです。今日は最高に嬉しいですね。(岩橋勇二騎手)  

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「北上川」・・・岩手県北部の七時雨山付近に発し、奥羽山脈と北上高地の間を南流し、岩手県中央部、宮城県北東部を貫流して追波湾に注ぐ、長さ約250kmの東北第一の河川。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3688 329 3連複 52243 1622
複勝 2439 164/221/651 3連単 182719 648
枠連複 21116 602 ワイド 9618 244/699/603
馬連複 47464 1080
馬連単 49646 753
368933



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