■ 先週のレース結果 −2008年 9回水沢開催前半−
取材・文/テシオ編集部
11月15日(土) 9R 
特別 第8回 胆沢川賞 /C2・水沢ダ1800m・馬齢 曇・良
やはり人気馬同士の戦い 勝ったのはクロシェレースNAR成績
胆沢川賞
転入2戦目同士の戦いはクロシェレース(内)が凌ぎ切った (Photo/横川典視)
 転入馬が増えるシーズンとあってC2級は実力拮抗の激戦区になりつつある。この胆沢川賞も人気上位馬が接戦を演じた。
 人気を集めたのは3歳の3頭、トーセンダズル、ベガブラン、クロシェレース。1番人気はしばしば揺れ動いたが最終的にトーセンダズルで1.4倍。次いでクロシェレース4.0倍、ベガブラン4.7倍。この3頭で単勝票のほぼ9割を占めた。

 そしてレースもこの3頭が作る事になった。逃げたのは最内枠のクロシェレース、これをトーセンダズルが追って2番手。そしてランブルローズを挟んで4番手にベガブランと、最初のスタンド前直線ですでに人気上位馬が三つどもえの形になっている。枠順や脚質からしても内枠の2頭は前で戦い、6枠のベガブランはそれを見ながら・・・という作戦だったと思われ、位置取り的にも3頭ともほぼ狙いどおりになったようだ。

 馬群はあまり固まる事なく縦長になりすぎる事もなく、といった感じだったが、最初の直線を抜けて1〜2コーナーに入る頃には徐々に手応えの差が現れ始め、後方グループの中には追っつけながら追走する馬も。
 向こう正面半ば、3番手に食らい付いていたランブルローズが後退。これで前に並ぶのは人気上位の3頭となった。依然先頭はクロシェレース、2番手トーセンダズル。ベガブランは先ほどまでランブルローズがいた、トーセンダズルの外のポジションに入って3番手。

 3〜4コーナー、3頭が後続を大きく離して勝負所に進んでくる。ベガブランがじわっと押し上げて前に接近、いよいよ3頭一線の戦いが始まるか、と思われた。
 しかし、ここでトーセンダズルの脚色が急に悪くなった。さっきまでは割と楽にクロシェレースを追いかけていたように見えたのが、ここに来て押して押してついていくのが精一杯という脚色に。
 直線に向いた時にはクロシェレースが先頭、これをトーセンダズルとベガブランが追う形に。トーセンダズルはここでもう脱落気味で、これでベガブランが2番手にあがって追撃開始か、というところだったのだが、しかしこちらはこちらで、クロシェレースに並ぼうとするところで内に刺さるような感じになって立て直すロス。改めて追い上げを開始した時にはもう直線も半分が過ぎてしまっていた。

 それでも差を一気に詰めて見せたベガブラン、最後はクビ差にまで追い上げてきたが、ここはクロシェレースが凌ぎ切った。ロス無く走り抜いたクロシェレースに対し、ベガブランは気の悪さを見せた分伸び切れなかったという印象だった。
 1番人気トーセンダズルはこの2頭の戦いに6馬身の遅れを取ったものの3着でゴール。4着は2馬身半差でパワーポリティクス、5着クラマックスはさらに7馬身の差が開いていた。

 勝ったクロシェレースは父スターオブコジーン・母レースの牝3歳でノーザンファームの生産馬。JRAでは惜しい内容もあったが結果5戦未勝利に終わって岩手に転入。前走、その転入初戦を逃げ切って初勝利を挙げていた。

■ 勝利ジョッキーコメント
 前走は相手が楽だったし、ここは強いのが増えたから楽観はしていなかったです。枠も良かったし展開も良かった。小柄な牝馬なので厳しいかとも思ったけどよく頑張ってくれましたよ。良く走ってくれた。嬉しい勝利ですね。(阿部英俊騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 55kg、牝馬2kg減 転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「胆沢川」・・・岩手県の胆沢町、水沢市、金ヶ崎町を流れる川で、一級河川の水質で東北1、2を誇る清流。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2239 422 3連複 24830 8948
複勝 899 225/178/283 3連単 109554 4581
枠連複 8008 972 ワイド 5143 891/825/864
馬連複 17799 2415
馬連単 27426 2046
195898



11月16日(日) 9R 社台スタリオンステーション協賛 デュランダル賞
重賞 第36回 南部駒賞 /2歳・地方競馬全国交流・水沢ダ1600m・馬齢 曇・良
思わぬ接戦も ワタリシンセイキ貫禄のアタマ差勝利! NAR成績
南部駒賞マヨノエンゼルの追い上げをアタマ差凌いで、ワタリシンセイキが重賞連覇達成 (Photo/横川典視)
 遠征馬2頭を迎えて行われた2歳重賞・南部駒賞は、1番人気に推されたワタリシンセイキが優勝した。
 朝方少し雨が降った水沢競馬場だったが、その後は降る事が無く、曇り空ではあるが良馬場でレースが行われた。

 4コーナーポケットからのスタートは、少し躓きかけたような馬が何頭かいて綺麗ではなかったが、ひとまず各馬大きな出遅れなくゲートを飛び出した。
 さっそく繰り広げられた先行争いは枠順でいうと真ん中あたりの馬が主役となり、まずテンショウスズランとトウホクビジンの5枠2頭が行くところをセンリグランピーやフジフーフーが追い、さらにアラベスクシーズ、カミノフジ、ダンストンジールらがそれを追う格好となった。
 1番人気のワタリシンセイキは最内枠を引いていたものの無理はせず、いつもどおりいったん最後方に下げていた。最初のスタンド前は馬群の最後方で通過。ここで同じく後方にいたマヨノエンゼルと内外入れ替わり、徐々に外目に持ち出していく。この辺の動きもいつも通りだ。
 +13kgという馬体増が心配された同馬だったが、「乗ってみて重そうな気配は感じなかった(関本淳騎手)」との事で、それもあって鞍上はいつも通りの作戦を躊躇無く採ったようだ。

 2番人気のアラベスクシーズは結局4番手を占めた。直後をダンストンジールやカミノフジがマークするように続く。もう一頭の遠征馬・モエレオフィシャルは9番手の外目。こちらは何度か内に入れようとしたもののかなわず、「内に入りたいと思いながら入る場所が無く、結局外・外を進むしかなかった(小嶋騎手)」と苦渋のコース選択になっていた。

 向こう正面に入って前の2頭の競り合いが激しくなり、徐々に3番手以下を引き離し始める。一方、後方でも各馬が動き始めていた。まず動き出したのはモエレオフィシャル。2コーナーを回りきって直線に向いたところからポジションを上げ始める。これを見たワタリシンセイキも上昇、2頭並んで中団に接近してくる。
 これを受けてダンストンジールが反応、するとアラベスクシーズが、と後方からの動きは玉突きのように前へ伝わっていった。気がつけばテンショウスズラン・トウホクビジンの2頭が作っていた3、4馬身ほどのリードはあっという間になくなっており、後ろからひとかたまりになって上がってきた有力馬勢が2頭を交わして先頭を奪おうか、という所まで迫ってきていた。

 しかしレース終盤に来ての急なペースアップ、これに対応できる馬はそうは残ってはおらず、一度ひとかたまりになった馬群は次の瞬間大きく二つに分裂した。先行粘るトウホクビジン、外を捲るワタリシンセイキと並んで上がってきたダンストンジール。この3頭の中に挟まって、何とか食い付いているかのようなアラベスクシーズ。そして少し離れてモエレオフィシャル。勝負はこの5頭に絞られたか、に見えた。

 直線に向いた時はモエレオフィシャル以外の4頭が横一線。だが手応えではワタリシンセイキが抜けて良い。苦しそうに見える他に対しワタリシンセイキはまだ楽な手応えのままだ。
 しばらく間をおいて他の脚色を確認した関本淳騎手、改めてゴーサインを送ると馬も即座に反応、ダンストンジール以下を引き離し始めた。
 ダンストンジールも、その内にいるアラベスクシーズも、もう既に一杯一杯。この2頭はすでに敵ではない。モエレオフィシャルも直線で伸びを欠いている。
 だが、まだ勝負はついていなかった。大外から風のように伸びてくる馬が一頭。オレンジの帽子、マヨノエンゼルだ。
勝って破顔一笑の関本淳騎手 鞍上のアクションに応えて、飛ぶように突き進んでくるマヨノエンゼル。3コーナーあたりからまくり始め、直線は他をまさにごぼう抜き!
 ワタリシンセイキ&関本淳騎手もこれに気付いており、ダンストンジール以下を振り切った後も追うのを緩めていない。だがマヨノエンゼルの伸びはあまりにも圧倒的で、差は見る間に縮まる。

 最後はほとんど鼻面が揃ったかに見えた。結果は写真判定に持ち込まれたものの、しかしそれほど時間をおくことなく1着1番・2着10番と表示。アタマ差ながらワタリシンセイキがきっちり凌ぎ切った。

 アラベスクシーズはこの争いから3馬身差の3着。以下ダンストンジール、カミノフジ、モエレオフィシャルと続いてここまでがほぼ一団。1番人気から5番人気までの馬がみな6着までに入ってきていたが、例外が2着、9番人気のマヨノエンゼルで、馬番3連単は2万3070円の波乱となった。

三野宮通調教師 勝ったワタリシンセイキは父ビワシンセイキ・母シャトーサウザンドの牡2歳。遠征馬を相手に岩手伝統のタイトルを守り、自身もダートでは5戦5勝、内重賞2勝と、岩手2歳最強の力を改めて見せつけた。
 注目の次走だが、遠征には向かわず、金杯を目標に地元戦を走る公算が強い。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「デュランダル賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてデュランダル号の配合権利が贈られた。
(写真は馬主代理として目録を持つ三野宮通調教師)

■ 勝利ジョッキーコメント
 位置取りについては、前に行けなかったら早めに外に出そうと考えていたので、そこは早く切り替えました。他の馬もけっこう固まって進んでいたのでね、余計に早めに行った方がいいのではないかと思って、あのタイミングでの仕掛けに。最後は熱くなったね。あの馬は前走も自分の馬と同じくらいの脚で伸びてきているから警戒はしていた。でもここまで来るとはね。
 2歳の力関係は他地区との比較が難しいですが、この馬も走る馬だと思いますのでいろいろとチャレンジしていければ。応援よろしくお願いします。(関本淳騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 54kg、牝馬2kg減 転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「南部駒」・・・南部馬・・・青森・岩手・秋田地方から産する日本馬

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3399 1574 3連複 34726 674
複勝 2331 748/34/643 3連単 140030 448
枠連複 15347 549 ワイド 8919 224/1884/144
馬連複 31397 656
馬連単 38925 871
275074



11月17日(月) 9R
特別 第1回 霜月賞/B2・水沢ダ1800m・別定 曇・良
ここは気持ちよく快勝! ケイジーウィザードこれで今季16連対NAR成績
霜月賞
今日は完勝といっていい内容。ケイジーウィザードは今季8勝目 (Photo/横川典視)
 B2級馬によるダートの中距離戦・霜月賞は 人気上位馬同士の決着となった。勝ったのは1番人気ケイジーウィザード。今季8勝目、そして16度目の連絡みを果たした。
 前に行きたい馬が割と内の方の枠に入っていたせいか、先行ポジション争いはすんなり収まった。逃げたのは戦前の予想通りノースアルテミス。芝で頭角を現した快速馬がポンと飛び出すと後続も無理に競りかけず、2番手ビバサーストン、3番手セユウブラボーと続いていく。
 ケイジーウィザードは「行ければもっと前に行くつもりだった(菅原勲騎手)」そうだが、テンに速い馬もいて先行馬群の後ろ、馬群の中の3〜4番手あたりになっていた。
 さらにその後ろにはマルブツワイルド・ジェドバトラーの2番人気・3番人気の2頭が並ぶ。最初の直線、スタートでやや出遅れ気味だったジェドが外から捲ってきてマルブツワイルドの前に出てきたが、ここはマルブツワイルドもジェドバトラーもケイジーウィザードの後ろを動かない。マークする馬は決まっているようだ。

 向こう正面に入っても快調に走り続けるノースアルテミス。一方、スタート直後から2番手のビバサーストンは向こう正面半ばあたりから徐々に後退、セユウブラボーも一時は単独2番手に上がったもののあまり分が良くない。
 この辺、外目を進むグループの入れ替わりが割と活発に見えただけに、ノースアルテミスからケイジーウィザード、ジェドバトラーと連なる内ラチ沿いのラインの落ち着きようが逆に目立って見えた。ケイジーウィザードはノースアルテミスの動きを見つつ、ジェドバトラーはケイジーウィザードをマークしつつ・・・。勝負所が近づき一見激しさを増しているかの馬群だが、手応えが際だって良いのはこの3頭のラインだ。

 1馬身ほどのリードを保って直線に入ってきたノースアルテミスだったが、しかしさっと外に持ち出したケイジーウィザードが、既にその外から並んで交わそうとしている。いつもならこの辺から伸びを欠くケイジーウィザードなのだが今日は違う。前が開いて仕掛けた途端、即反応してグンと伸び、ノースアルテミスをあっさり交わしてしまう。
 ケイジーウィザードの直後から直線に入ったジェドバトラーだったが、ここのケイジーウィザードの一伸びに機先を制され、逆に3馬身ほどに差が拡がった。「あそこからあんな伸びをされては・・・」とレース後に村松学騎手が振り返った、勝負を決めた瞬間だった。

 こうなるともう、ケイジーウィザードを脅かす馬はいなかった。懸命に追い上げるジェドバトラーもまだ差は2馬身以上。その後方はさらに離れており、ケイジーウィザードは最後は流してもなお2馬身半の差を保って悠々ゴールイン。勝っても負けても僅差の同馬にとっては久々の完勝劇となった。
 2着はジェドバトラー。3着争いは、最後は失速してしまったノースアルテミスを後続が一気に飲み込む形になり、その中から大外を追い込んできたガッサンシャトルが抜けて出して3着となった。

 勝ったケイジーウィザードは父ブラックタキシード・母マルゴメモリーの牡5歳。今シーズン始めから岩手に移籍して常に好走、これで21戦8勝2着8回3着4回。つまり3着以下に敗れたのは1度だけという驚異的な安定度を見せている。特別勝ちはオクトーバーCに続き2勝目。

■ 勝利ジョッキーコメント
 本当はもう少し前に出るつもりだったのが、行けなかったのであの位置。しかし逆にそれが良かった。馬の後ろに入って折り合いがついたので、その分最後に伸びる脚が溜められたのでしょう。今日は最後まで良く伸びていましたね。しかし、これだけ走ってこの成績、凄いですね。(菅原 勲騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 新設
競走条件 B2級56kg、C1級以下55kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「霜月」・・・11月の別名。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 5060 2388 3連複 63399 4047
複勝 3908 1024/247/532 3連単 211163 4840
枠連複 31362 4607 ワイド 11772 1262/1325/579
馬連複 43549 5749
馬連単 66566 6082
436779



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