単勝1.4倍。圧倒的な人気を集めたワタリシンセイキだったが、レースは決して楽ではなかった。
スタート直後、4番枠のジェリーキングがよれてワタリシンセイキのトモに接触。一瞬バランスを崩したワタリシンセイキは右前を落鉄してしまったのだ。
「普通の2歳馬ならあの瞬間にアウト(関本 淳騎手)」というほどのアクシデント。ワタリシンセイキはここはなんとか持ちこたえたが、その影響かレース序盤はいつも以上に行き脚がつかず、馬群の中程で追っつけ気味の追走を強いられる事になる。
一方、ハナに立っていたのは予想通りマーチボーイだった。引き込み線から本コースに合流する頃には単独先頭に立っていたが、しかしクラサッキーやアイビー、ダンストンジールあたりまで迫ってきてあまり楽な形にはなっていない。何度か引き離そうとするマーチボーイだったが常に後続が追い立てるように食い付いてくる。そうこうするうちペースも速めになっており、苦しくなったマーチボーイは3コーナーあたりでフットワークが乱れ始めた。
この3コーナーあたりではダンストンジールが3番手から2番手を窺い、ワタリシンセイキはまくってまくって5,6番手あたり、そこからさら上昇中。センリグランピーがワタリシンセイキを追いかけてきて、マヨノエンゼルは最後方から一頭交わしたところ。
4コーナーから直線、マーチボーイがいよいよ失速して後退していく。クラサッキーも手綱が激しく動いており、ダンストンジールが替わって先頭に出ようとする・・・がしかし、その時にはもう外からワタリシンセイキが、まとめて交わして突き抜けようというところだった。
ダンストンジールとワタリシンセイキと、人気上位2頭の追い比べになったのもわずかの間。並んだ時点で手応えの差が歴然としていただけに、あっさりとワタリシンセイキが突き放して決着をつけた。
あとはワタリシンセイキの一人舞台。流して走っても差は開く一方で、ダンストンジールとの差は4馬身差まで拡がった。ゴールした時、鞍上の関本淳騎手はワタリシンセイキの首をポンと叩いて小さくガッツポーズ。余裕綽々の勝利だった。
2着はダンストンジールが確保。3着争いは、直線に入ってずっと競り合っていたセンリグランピーとフェニックスクインの2頭を直線豪快に追い込んだマヨノエンゼルが捉えた。このマヨノエンゼルが人気薄(10番人気)で、1番人気が優勝、3番人気馬が2着になったにもかかわらず馬番3連単43,340円の波乱を巻き起こした。2番人気のマーチボーイは完全に失速、最下位11着に終わった。

勝ったワタリシンセイキは父ビワシンセイキ・母シャトーサウザンドの牡2歳。芝の2戦は勝てなかったがダートに戻って雪辱。これでダート戦は4戦4勝、内3勝が重特戦となった。
また、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「ソングオブウインド賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてソングオブウインド号の配合権利が贈られた。
(写真は馬主代理として目録を持つ三野宮通調教師)
今日は落ち着いているからスタートもうまくいくかと思ったが、ちょっと出が悪かったね。でもペースが遅かったのであまり苦労せず前の方につける事ができた。抜け出してからソラを使ったが、後ろから馬が来てまた伸びてくれました。現状では芝の方がいいのかな。2400mとかも使ってみたい。今後の成長も期待してもいいのでは。(小林 俊彦騎手)