■ 先週のレース結果 −2008年 6回盛岡開催前半−
取材・文/テシオ編集部
9月21日(日) 10R テシオ杯 社台SS協賛・スタリオンシリーズ オンファイア賞
重賞 第10回 ジュニアグランプリ /2歳・盛岡芝1600m・馬齢 曇・良 
やはり強し!北海道の刺客エイブルインレース 3馬身差完勝!!NAR成績
ジュニアグランプリ最後は流して3馬身差。エイブルインレースの強さが際だった (Photo/横川典視)
 地方競馬唯一の2歳芝重賞・ジュニアグランプリはホッカイドウ競馬からの遠征馬エイブルインレースが優勝。このレース初のホッカイドウ競馬所属馬による優勝を果たした。
 前に行きたそうな馬は何頭かいたが、先手を奪ったのは戦前の予想通りマーチボーイ。「ずいぶんとやる気満々でさーっと加速した(小林騎手)」、最内枠の利点もあってすんなりハナを奪う。
 2番手は、外からエイブルインレースが行く事もあり得たし実際外枠からダッシュしてきたのだが、その機先を制してアンダージョイナーが2番手を獲った。エイブルインレースは抑え気味にして3番手、フェニックスクインやカミノフジらがこれに続く。

 3〜4番手の外という位置につけたエイブルインレースだったが、「先頭に立つとソラを使ってしまう馬なのでハナには行きたくない(宮崎騎手)」同馬にとってはむしろ好都合なポジション。実際1コーナーあたりでも、その気になれば楽に2番手に出て行けそうな脚色だったのを、やや強く抑えて3番手に控えていたのはこういう事情があった。
 そして、断然の人気馬が抑えて抑えて3番手に納まった事でペースは当然のごとくスローになる。先行争いこそ一瞬激しくなりかかったものの、1〜2コーナーを通過する頃にはいつもの芝マイル戦らしいスローペースに落ち着いていた。

 このペースは逃げるマーチボーイにとっても好都合。「後ろから馬がこないから無理に抑えるまでもなくペースを落とす事ができた(小林騎手)」。そして楽な手応えのまま向こう正面を駆け抜け、3コーナーあたりでは「これなら勝てるんじゃないかと思った(同)」というくらいの手応えを残したまま勝負所に突入していく事になる。

 この3コーナーあたりでは先頭マーチボーイ、2番手アンダージョイナー、そして3・4番手がフェニックスクインとエイブルインレースという位置取りは変わらず。カミノフジも依然5・6番手の位置だったが、ここで外からワタリシンセイキが進出、そのまま先頭に立とうかという勢いで外から捲ってきた。このワタリシンセイキの上昇をもって、レースが急速に動き始める。

 ワタリシンセイキにあわせてエイブルインレースも上昇を開始、いよいよアンダージョイナーを交わして2番手にあがる。マーチボーイも俄然ペースアップ、手綱を激しく動かしながら4コーナーから直線へと飛び込んでいく。
 マーチボーイのスピードはまだ余力十分に見え、逆にエイブルインレースは2番手には上がったもののちょっと伸びを欠いているように見えた。フェニックスクインやイシノイングランドもまだ離されずに食らい付いているくらいで、エイブルインレースの脚色が劣勢にも感じられる。

宮崎騎手破顔一笑 だがそれは、エイブルインレースにとってはまだ最後のスパートに出ていないだけの事だった。先頭に出るのをなるべく遅くしたいし、そして初コースという事で物見をしたりしていたエイブルインレースがしっかり加速する体制を整えるまで、宮崎騎手はGOサインを出さなかったのだ。
 残り一ハロン、いよいよ宮崎騎手がスパートをかける。大きくなった鞍上のアクションにエイブルインレースも即座に反応、グッとスピードを増す。
 1馬身ほどに拡がりかけた差が、次の瞬間にはもうほとんど無くなっていた。マーチボーイも抵抗したが、2頭が並んでいたのはつかの間、さらの次の瞬間にはエイブルインレースが先頭に立っていた。
 マーチボーイを突き放してしまえば、もはやエイブルインレースを脅かす馬はいなかった。2馬身ほど抜けたところで流しに入ったが、それでもなお差は拡がって3馬身差に。後方では激しい2着争いが展開されていたが、エイブルインレースはそれもどこ吹く風、余裕綽々ゴールを駆け抜けた。

 その2着争いは、楽に2着確保かと思われたマーチボーイがゴール寸前急失速、ここにイシノイングランド、カミノフジが襲いかかって、ゴールの瞬間は3頭の馬体が揃った。ここは真ん中イシノイングランドがわずかに抜けだして2着、マーチボーイが3着に粘り、カミノフジは4着。3頭の着差はハナ・ハナの接戦だった。

柳澤調教師 勝ったエイブルインレースは父フジキセキ・母フサイチエイブルの牝2歳。前走はJRA2歳オープンのクローバー賞で3着と好走しており、実績的にはメンバー中最上位の存在。初コースとこの条件では不利な外枠だけが心配な点だったがこれも難なくクリアしてみせた。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「オンファイア賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてオンファイア号の配合権利が贈られた。

(写真は副賞目録を持つ柳澤調教師)


■ 勝利ジョッキーコメント
 早めに先頭に立つとソラを使ってしまうので、できる限り先頭に出ず、ギリギリまで我慢しようと思っていました。直線、反応が悪く見えたのも馬が物見をしてビジョンを見たりしていたからで、それさえ過ぎればしっかり走りきってくれました。ダートよりも芝の方が明らかにいい馬で、素質も高いと思います。JRAのオープンでも戦えそうだと期待しているんですよ。これからの成長が楽しみですね。(宮崎光行騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 54s、牝馬1s減 転入後1走以上
優先出走権 1着馬は朝日杯フューチュリティSステップ競走へのブロック代表馬として選定されます
レース名の由来 「ジュニアグランプリ」・・・2歳の若駒をベテランの古馬に対してジュニアと表現。1999年に設立された、地方競馬で唯一芝で行われる2歳馬の重賞競走。当初は東北3場の交流レースとして設立され、レース名も「東北ジュニアグランプリ」とされていましたが、2003年より地方競馬の全国交流競走として現在の名称になりました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3549 1619 3連複 41130 808
複勝 2876 1555/59/278 3連単 175950 555
枠連複 22697 443 ワイド 8884 343/1242/103
馬連複 30043 676
馬連単 50231 894
335360



9月22日(月) 10R 
特別 第34回 姫神賞 C2・盛岡ダ1600m・馬齢 晴・良
1番人気イッキイチユウ 憂いなしの2馬身差快勝!NAR成績
姫神賞2馬身という差以上に余裕のある勝利だった (Photo/横川典視)
 ダートマイルで行われた姫神賞は1番人気のイッキイチユウが快勝。一方、一騎打ちかと思われたアミスターデは7着に敗れた。
 単勝人気はアミスターデとイッキイチユウのシーソー、最終的にはイッキイチユウが2.0倍で1番人気、アミスターデが2.7倍で2番人気となったが、実質的な差は微々たるもの。
 ファンはこの2頭の一騎打ちに、サクラスターダムが加わってくるという判断のようで、馬番3連単なども7→2、もしくは2→7のところから集中的に売れている状況だった。

 そしてレースを引っ張ったのは2番人気のアミスターデだった。ゲートを出たアミスターデは他馬を振り払うかのようにダッシュ、まもなく先頭に立った。アイゼンフースが外からこれに並んで2番手、イッキイチユウはアイゼンフースを前にやっておいて4番手あたりにつける。アミスターデが飛び出していったもののペースはすぐ落ち着き、後続の馬達もややばらけ気味になった馬群の中で思い思いの位置を取る。特に人気上位の馬は馬群の前の方で、それぞれにとっての好位を占めていた。

 逃げるアミスターデのペースはあくまでも楽。向こう正面から3〜4コーナーに入ってもなお持ったままという手応えで駆け続ける。これを見たイッキイチユウやサクラスターダムは「あまりにも前が楽をしているから(村上忍騎手)」3コーナー過ぎから早々と上昇開始、ヤマノマイラヴもこの集団に加わっており、4コーナーあたりでは1番人気から5番人気までの5頭が前を固める事になった。
 中でも逃げるアミスターデと2番手アイゼンフース、外からまくりをかけるイッキイチユウの脚色が良く、ここのあたりではやはり人気上位2頭の一騎打ちになるのか・・・と思われた。

 だが、4コーナーから直線に入る頃、先頭アミスターデに激しくムチが入り始める。先ほどまでの快調なペースから一転、すっかり脚が止まったアミスターデは程なくアイゼンフースに、そしてイッキイチユウにも交わされてしまった。坂を越える頃にはサクラスターダムらにも交わされ、2番人気馬は直線半ばで優勝争いの圏外に去る。

 一方の先頭争いは、アミスターデを交わすアイゼンフース、それを後方から勢いをつけて行ったイッキイチユウが、さらに外から交わす、というところから始まった。しかしここは最初に1馬身ほど引き離してしまったイッキイチユウが終始優勢。アイゼンフースも懸命に食い下がったが、ほとんどムチを入れるでもなく余裕で走り続けるイッキイチユウの前に、アイゼンフースの方が先に力尽きた。ゴールでは2馬身差。着差以上に余裕を感じさせるイッキイチユウの勝利だった。

 勝ったイッキイチユウは父デザートストーリー・母ハートフルスピーチの牝4歳。昨年11月に転入して3戦目で初勝利、それが菅原勲騎手の3500勝達成となったメモリアルホース。1月から8月まで休養、休み明けの2戦は体勢整わずに連敗したが、ここに来て本来の走りを取り戻してきていた。これで3連勝、特別勝ちは初。

■ 勝利ジョッキーコメント
 折り合いのつく馬なので距離は心配していなかったのですが、道中でムリをすると脚が無くなる馬だからなるべく楽をさせようと。しかし楽をさせすぎたのか、ちょっともたつくような感じになってしまいました。早く動いたので脚色がどうなるか心配しましたが、最後まで手応えがあって、きっちり勝ってくれたので良かったと思います。(村上 忍騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 55kg、牝馬2kg減 転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「姫神」・・・岩手山と相対してそびえる標高1123.8mの山・姫神山より。なだらかな裾野を引く秀麗な三角錐の山容が目を引く山で、スズランの名所としても有名。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4449 1705 3連複 42934 3123
複勝 2110 786/134/254 3連単 184448 2968
枠連複 17247 1261 ワイド 10550 490/2101/385
馬連複 31759 2654
馬連単 46957 2821
340454



9月23日(火) 10R
特別 第2回 サファイア賞/3歳・盛岡芝2400m・別定 曇・稍重
コンバットキック 芝2400mで復活の勝利!NAR成績
サファイア賞
4馬身差。新たな「芝2400mマイスター」の誕生か?(Photo/横川典視)
 芝2400mで争われたサファイア賞はコンバットキックが4馬身差で優勝。昨年の最優秀2歳馬が復活の勝利を挙げた。
 ハイペースになる事がまずないこの条件。今回もやはりスローペースの戦いとなった。
 ハナを奪いに行ったのは戦前の予想通り大外ウィンエヴリー。カネショウプルート、モエレハナオー、そしてリュウノツバサらも前に出てくるが、ここはウィンエヴリーがすんなりハナを奪った。
 このグループにはコンバットキックもつけており、1〜5番人気の馬たちが先行集団を形勢。早くも人気上位馬が静かな戦いを展開し始める。

 逃げるウィンエヴリーはどんどんペースを落としていった。最初のうちこそ先行争いもあってやや速めだったが、最初の3〜4コーナーでハロン13秒台後半、直線に入って14秒台、1コーナーに入る頃には15秒台にまで落ちる。
 この辺、2番人気リュウノツバサはやや苦しい戦いを強いられ始めていた。内からリュウノマダムが並んできた時にリュウノツバサも行く気になってしまい、他馬の後ろに入れて気持ちを逸らそうとしたもののすっかり折り合いを欠いてしまったのだ。
 一方、コンバットキックは馬群の外、3番手あたりにつけながらごく楽な手応えだった。「折り合いはつきすぎるほど。かかる心配は全く感じなかった(小林俊彦騎手)」。この馬にしては前の位置取り、というか2歳時の芝1000m戦以来の先行ポジションだったが、別にかかっているわけでもなく、ぴったり折り合って進んでいたわけだ。

 向こう正面後半から3コーナーにかけてウィンエヴリーが徐々にペースを上げ始める。これを追う後続。しかし有力馬以外はバラバラとちぎれ始め、馬群は再び縦長になっていく。
 ウィンエブリーを追うのは依然カネショウプルートとコンバットキック。外からジェベルロバーツが上がってきていたが、これは3〜4コーナーで再び引き離された。リュウノツバサは5、6番手でやや重い反応、それよりはモエレハナオーが、内から外に切り替えて追い上げ体勢に入ろうとする勢いが目を惹く。

 各馬の動きが激しくなっていく中、ウィンエヴリーを抜群の手応えで追っていったのがコンバットキックだった。4コーナーあたりでもう先頭に立とうかというくらいのコンバットキックの勢いにウィンエヴリーも必死の抵抗。しかし、すでにウィンエヴリーとコンバットキックの脚色の差は歴然としていた。
 ウィンエヴリーが何とか粘ったのも2頭の馬体が並ぶまで。並んだ瞬間一呼吸置いて、そしてコンバットキックがグンと伸びる。1馬身ほどコンバットキックが突き放したところで勝負は決した。
 坂を越え、もはや前には1頭もいなくなったコンバットキックは、ゴールを目指して飛ぶように駆ける。ウィンエヴリーは交わされてしまって急に脚色を失い、ほどなくモエレハナオーに捉えられた。
 しかしモエレハナオーが2番手に上がってきた頃には、コンバットキックはもう、差を3馬身以上にまで拡げていた。最後は4馬身、まさに圧勝といえる差をつけてコンバットキックが復活Vのゴールを駆け抜けた。

 2着はモエレハナオー、3着はウィンエヴリーが粘りきり、リュウノツバサは伸びきれず4着。ジェベルロバーツが5着となった。

 勝ったコンバットキックは父タヤスツヨシ・母クワンインサンの牡3歳。昨年の最優秀2歳馬となった同馬も今季は勝ち星に手が届かず、ここまで9戦して3着が最高という状況。しかし芝2400mという条件で大変身を遂げ、待望の今季初勝利を挙げた。

■ 勝利ジョッキーコメント
 位置取りは出たなり、それでこの位置だったので前の方でも特に気にしなかった。折り合いは問題ない馬で、むしろ折り合いがつきすぎるくらいだからスローペースも心配していなかったですね。最後まで良く伸びてはいたが、こんなに差が開くとはちょっと驚いたね。馬の状態も良かったのでしょうが、こういう流れが凄く合うのではないか。芝2400mという条件は、この馬にはぴったりなのではと思います。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果
競走条件 55kg、牝馬2s減とし、本年度3歳級収得賞金200万円毎に1kg加重
転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「サファイア」・・・Sapphire。酸化アルミニウムの結晶物で、色が青系統のものを指す。ちなみに赤系統のものがルビー。9月の誕生石。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3187 389 3連複 23977 2252
複勝 2250 206/375/651 3連単 118169 1314
枠連複 9639 2147 ワイド 6634 581/528/1071
馬連複 24728 1496
馬連単 31293 694
219877



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