■ 先週のレース結果 −2008年 5回盛岡開催前半−
取材・文/テシオ編集部
9月6日(土) 10R コアレススタッド協賛・スタリオンシリーズ ダイタクリーヴァ賞
特別 第9回 若鮎賞 /2歳・盛岡芝1600m・馬齢 晴・良
好タイムで完勝!ダンストンジール、芝で復活の特別制覇NAR成績
若鮎賞最後は流して1分39秒9。やはりこの馬の地力は高かった(Photo/横川典視)
2歳馬による芝の特別戦・若鮎賞は一瞬大混戦になるかと思われたが、終わってみればダンストンジールがきっちり抜けだして快勝。デビュー戦以来の2勝目を特別勝ちで飾った。
 盛岡に移って初の芝戦となった若鮎賞。昨晩も少し雨が降ったはずだが、芝コースは少し湿り気があるくらい。開幕週にふさわしく良馬場・良好な状態の芝の上でレースが行われた。

 ゲートが開いてわっと飛び出していった馬群の後方で、黒い帽子が一瞬置き去りになっていた。1番人気ダンストングランが出遅れたのだ。
 ちょっとタイミングが合わなかった、程度の出遅れではあり、ダンストングランは即座に中団あたりまで再進出したのだが、先行争いが激化した事もあって先頭からは7、8馬身ほども後ろ。この馬が逃げるか2番手と思われていただけに、序盤から展開が微妙に変化する事になってしまった。

 ハナを奪いに行ったのはローズヘイロー、これにフェニックスクインが絡んでいって、序盤〜中盤はこの2頭が併走しつつ引っ張る形に。少し離れてフジフーフー、さらに少し離れてダンストンジール。ダンストングランはこの後ろ、5番手まで迫っており、以下サイレントピアレスやセンリグランピーが追う。
 こうして進む馬群は、向こう正面半ばあたりまではやや縦長になっていたのだが、ローズヘイローの脚色が鈍るにつれて前後が収縮。入れ替わりに先頭に立ったフェニックスクインもそれほど離して逃げたいわけではないから、3コーナー辺では全馬が5〜6馬身の圏内に密集してきた。
 そんな中で手応えよく見えたのは大外を捲っていったハイメリー。この馬は他馬が停まって見える位の勢いで外から捲ると、あっという間に先頭を窺う位置にまで接近してくる。
 一方ダンストンジールはといえば、向こう正面あたりからすでにムチを入れたり気合いをつけたりしてもなかなか走る気を出してくれない。そのまま馬群に沈んでもおかしくないくらいの手応えで、ようやく追走しているという感じだ。

 しかし3コーナーあたり、ダンストンジールのスイッチが入ったのか、それまでとは一変してスムーズに上昇を開始。そのまま楽にフェニックスクインに並びかけると、4コーナー〜直線では脚を溜めるような余裕まで見せつつあっさり先頭を奪ってしまう。やや荒削りな動きではあったが、ここで先頭に立ったダンストンジールが以後の主導権までも握る事になった。

 そこまで勢いがよかったハイメリーだが、直線に向くあたりからちょっと勢いが鈍った。ダンストングラン・フェニックスクインは懸命に粘ってはいるものの脚色はやや劣勢、フジフーフーが最内を突こうとするが、こちらも一気に抜けてくるほどの勢いはない。
 先頭のダンストンジールはそんな後続を尻目にリードを拡げていく。ハイメリーが単独2番手に上がってきたが、ダンストンジールも坂を越えたあたりでさらにグッとひと伸び。これでリードが2馬身ほどに拡がって勝負はほぼ決した。最後は流してなお2馬身半差という完勝で、勝ちタイム1分39秒9はこのレース歴代2位の好タイムだった。

 2着はハイメリーが確保。3着争いは最後までもつれたが、リュウノパトラとの競り合いを凌いだサイレントピアレスが3着に入り、2番人気→9番人気→7番人気の決着で馬番3連単は22万40円の大波乱となった。
ダンストンジール関係者
 勝ったダンストンジールは父ウイングアロー・母タカノガディスの牡2歳。デビュー戦を好タイムで快勝したが、続いて挑んだビギナーズCでは1番人気で5着。前走りんどう賞も5着と奮わなかった。しかし芝に戻って一変の完勝、タイムも水準以上といってよく、ここ2戦のうっぷんを一気に晴らす結果となった。次走はジュニアグランプリに向かい、三度ワタリシンセイキと激突する事になりそう。

 なお、このレースは『コアレススタッド協賛・スタリオンシリーズ』の「ダイタクリーヴァ賞」になっており、優勝馬馬主には副賞としてダイタクリーヴァ号の配合権利が贈られた。
(写真は副賞目録を手にする関係者。左から村上忍騎手、村上実調教師、馬主伊藤治子様)
■ 勝利ジョッキーコメント
 新馬勝ち以来どうもちぐはぐなレースが続いてしまった。まだ幼くて、レースでも走る気がないというか遊び遊び。もうちょっと集中して走ってくれればいいんだけどね。こういう風に能力はある馬なのだから。でも、そういうところが成長して変わってきてくれればと思うと楽しみ。芝専用ではないとも思っているし、今後に期待したいね。(村上 忍騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 54s、牝馬1s減 転入後1走以上
優先出走権 1着馬・2着馬にはジュニアグランプリ(9/21盛岡芝1600m)の優先出走権が与えられます
レース名の由来 「若鮎」・・・若鮎の元気の良さをイメージした2歳馬による競走。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2818 546 3連複 29536 44
複勝 1429 227/42/83 3連単 128203 43
枠連複 8940 330 ワイド 5692 45/131/25
馬連複 22986 144
馬連単 34838 97
234442



9月7日(日) 10R テレビ岩手杯 社台SS協賛・スタリオンシリーズ フジキセキ賞
重賞 第40回 不来方賞 3歳・地方競馬全国交流・盛岡ダ2000m・定量 曇・良
最後の一冠はピンクゴールド!12年ぶりに牝馬が不来方制覇!!NAR成績
不来方賞小林俊彦騎手のガッツポーズは非常に稀。(Photo/横川典視)
3歳ダート三冠の最終戦・不来方賞は6番人気の牝馬・ピンクゴールドが豪快に差し切って優勝。96年マツリピロリット以来となる牝馬による制覇を果たした。
 午前中から昼頃にかけて降った雨も午後にはあがり、レースの頃には雲の切れ目に青空も見えるくらいになった。

 単勝1番人気は前売りの段階からしばしば入れ替わっていたが、最終的には愛知のノゾミカイザーが2.5倍で1番人気。リュウノツバサが2.9倍で2番人気、以下ゴールデンクリーク、モエレハナオーと続く。単勝10倍以下はこの4頭に留まった。

 各馬一線のスタート、まずは大方の予想通りエイプリルボーイがハナを奪いに行くが、外からモエレハナオー、内ゴールデンクリークも前へ。さらには8枠の2頭も前に出てきていきなり人気上位馬が前に固まる形。
 ペースは前半3ハロンが37秒台半ばとやや遅め。その後ペースはさらに落ち、中間の1000mを1分4秒ほどで通過するスローペース。逃げるエイプリルボーイとしてはこの距離を乗りきるためにはできる限り抑えていきたいところ。追走する有力馬達にしても、有力馬同士でほぼ固まってしまったとなれば無理に動く必要もなくなり、それぞれポジションを守りつつ流れに身を任せる姿勢をとった。
 最初のスタンド前はエイプリルボーイを先頭にゴールデンクリーク、モエレハナオー、そしてリュウノアシェイブを挟んでリュウノツバサ。少し開いてノゾミカイザーという順で通過していく。ピンクゴールドはこの時点で後方集団の前の方、7番手につけていた。

 ごくごく淡々と進んでいた馬群の中で、まずノゾミカイザーが攻防の口火を切った。向こう正面に入って間もなく、先行グループの後に控えていたノゾミカイザーがじりじりと上昇し始める。じわっと外からモエレハナオーに迫ったノゾミカイザーは、一瞬間を取ったあと、外からすーっと捲りに出た。
 ちょうどこの時、先頭にいたエイプリルボーイが失速。押し出されるように先頭に出たゴールデンクリークが、そのままなし崩しに後続の追撃を受け止める形になった。このグループにはリュウノツバサも取りついており、ちょうど1番人気から4番人気までの4頭がひとかたまりに。

ゴール前の攻防 4コーナーで大外から進んでいったリュウノツバサは、ここまで我慢に我慢を重ね、細心の注意を払ってこのポジションにつけていた。
 「ノゾミカイザーの脚を意識して、向こうが動くまで辛抱した。あっちが先に動いてくれたのを見てこちらも仕掛け始めて、“これでダメなら仕方ない”というタイミングで行けたと思った(沢田騎手)」。だが、沢田騎手の耳にはすでに、外から追い上げてくるピンクゴールドの足音が聞こえていた。

 4角で一線だった4頭のうち、まずモエレハナオーが遅れ始め、間もなくゴールデンクリークも一杯になった。残るはノゾミカイザーとリュウノツバサ。だがこの2頭の戦いは、これはリュウノツバサの方が上回っている。間もなくリュウノツバサがノゾミカイザーを競り落として先頭に出る。しかしその時にはもう、ピンクゴールドが直後に迫る。

 激しくムチを入れながら坂をよじ登る2頭。坂を越えたところでリュウノツバサが1馬身、いや2馬身突き放す。だが残り100m、リュウノツバサの頭が上がった。がくんと脚が止まったリュウノツバサをめがけてピンクゴールドが襲いかかる。馬体が合わさるまでは一瞬。並んで交わすのも一瞬の出来事。しかしピンクゴールド鞍上の小林俊彦騎手は、ピンクゴールドが前に出た所で勝利を確信、大きなガッツポーズと共にゴールを駆け抜けた。

目録を持つ関係者 2着はリュウノツバサ、ノゾミカイザーは2着から4馬身離れた3着。以下モエレハナオー、コンバットキックと続き、ゴールデンクリークは6着に終わった。
 
 勝ったピンクゴールドは父サクラローレル・母ニッポージュリアンの牝3歳。2歳の早い時期から重特戦線で活躍し特別も2勝したが、重賞ではわずかに阻まれてなかなか勝てずにいた。3歳最後の一冠を劇的な勝利で手にし、ライバルたちにまとめて借りを返した形になった。

 なおこのレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「フジキセキ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてフジキセキ号の配合権利が贈られた。
(写真は副賞目録を手にする馬主・小野寺哲雄様(右)と管理調教師・小林義明師(左))

■ 勝利ジョッキーコメント
 2000mですし、ペースは遅くなるだろうと思っていました。脚の使いどころ難しい馬で、水沢なんかでもそうなんですが一瞬息をつくというか、並んだところで止まってしまう。今日もそういうところがあったんですが、それでも必ず一度は脚を使う馬なので、それを活かす事ができたんじゃないでしょうか。
 気のいい馬なので休み明け自体はそれほど心配していなかったが、しかし勝てるとまでは思っていなかったですね。ゴールの時には思わずガッツポーズしてしまいました。今日は相手が止まったという事もあり、今日の走りがもう一度できるならホンモノになったといえるでしょうね。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 56kg、牝馬2kg減
優先出走権
レース名の由来 「不来方」:こずかた:岩手県盛岡市にあった南部氏の城が「不来方城」(現、岩手公園)と呼ばれ、この名を頂戴し盛岡競馬の重賞競走として実施されている。岩鷲賞・駒形賞と並び最も歴史のある競走です。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4807 95 3連複 44767 772
複勝 3053 182/672/757 3連単 185010 186
枠連複 23654 1136 ワイド 8895 192/162/966
馬連複 34255 459
馬連単 57221 188
361662



9月8日(月) 9R
特別 第24回 セプテンバーカップ/B2・盛岡芝1000m・別定 晴・良
内からするするオンワードリリカ! 芝1000m戦も見事乗り切るNAR成績
セプテンバーカップオンワードリリカが混戦を制して特別2勝目。(Photo/横川典視)
古馬による芝1000mの特別・セプテンバーカップはまたしても大混戦。そんな中、内を突いて伸びたオンワードリリカが抜けだして優勝、特別2勝目を挙げた。
 6月の水無月賞に続く今季二つめの芝1000m特別。そのレースに出て上位に入っていた馬も何頭かいるが、ほとんどの馬にとっては初めてかもしくは2歳戦以来の距離とあって当初から混戦ムード。そしてスタートで2番人気ジェドが出遅れて、いきなり波乱ムード濃厚にレースが始まった。

 一団となってゲートを飛び出していった馬群はそのままダッシュを効かせて先行争いに突き進んでいく。出足は外の馬達、レイメイアトラスやバルク、プラネタリーリング、マイネルソルダネラらが速く、特にレイメイアトラスが敢然とハナを奪いに行ったのだが、程なく内のナイトタイムやマイネルスペランザらも追いついて来て一時は8頭が横一線で先行争いを繰り広げた。
 ここに加わっていないのはスタートであおり気味になったジェドと、出る瞬間の加速が遅れたマルケイゴールドの2頭。前の馬達からはあっという間に取り残され、ものの一ハロンほど進む間に10馬身以上も離れてしまう。ジェドは2番人気、マルケイゴールドは5番人気だけにスタンドもどよめいた。

 一方の先行争い、最内のマイネルスペランザがハナを奪った頃にはもう3コーナーが近く、依然8頭ほどが一団となってはいるもののポジション争いは落ち着いてきた。マイネルソルダネラやバルクは2列目に入って徐々に内へと進路変更。オンワードリリカも早くから進路を切り替え、内ラチ沿いに潜り込んでいる。

 4コーナー、まだマイネルスペランザが先頭。そこまで併走していたナイトタイムやカズノマックイーンはすでに脱落しており、追うのはバルクやマイネルソルダネラ、オンワードリリカらの人気上位勢に入れ替わっている。ジェドはこの時点でもまだ後方、8番手あたりに取りついてきたところだ。

 1馬身ほどのリードを保って直線に飛び込んだマイネルスペランザは坂にかかっても脚色が衰えない。むしろ追っているバルクの方が息切れし始めた。その外、マイネルソルダネラは伸びてはいるものの、こちらもジリジリとした伸び。
 坂を登り切ってマイネルスペランザが振り切ったかと思われた瞬間、内を突いたオンワードリリカが猛烈な勢いで並んで交わし、今度は一気に先頭に飛び出した。マイネルスペランザも懸命に抵抗したが既にオンワードリリカ優勢は明らかで、最後はオンワードリリカが半馬身抜け出して決着をつけた。
 マイネルソルダネラももう一伸びして追い上げてきたが、2着はマイネルスペランザが死守。1番人気マイネルソルダネラは結局3着に。バルクが4着、追い込んだジェドがバルクとクビ差の5着となった。

 勝ったオンワードリリカは父タイキシャトル・母オンワードノーブルの牝馬の5歳。昨夏頃からほとんど掲示板を外してない堅実派で7月には待望の特別タイトルも手に。夏に少し調子を落としたがすぐさま立ち直り、この勝利が通算の7勝目、特別は2勝目となった。
 また、前回の芝1000m特別・水無月賞を勝ったタイキランデヴーも小林俊彦騎手が鞍上・小林義明厩舎の所属で、芝1000m特別を2つとも同騎手・同厩舎が制する事になった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 この距離では最初から追っつけ気味でないとついていけない。そうして追っては行ったもののやはり分が悪かったので、すぐに内に切り替えたんです。結果的にそれが良かったですね。なまじ行き脚がついて前に行っていたら外を回るはめになって、こういう結果にはならなかったでしょう。(小林俊彦騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 B2級56kg、C1級54kg、C1級52kg、牝馬2s減 転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「セプテンバー」・・・September。英語で「9月」の意。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3050 423 3連複 33231 497
複勝 2067 165/116/734 3連単 122679 269
枠連複 13096 535 ワイド 5842 97/317/180
馬連複 27145 349
馬連単 39225 247
246335



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