牝馬オープンの重賞・ビューチフル・ドリーマーカップは3番人気のジュリアが逃げ切って6馬身差の圧勝。他の人気上位馬は1番人気サイレントエクセルの6着などいずれも馬券圏外に終わり、馬番3連単は72万円の大波乱となった。
今日も雨が続く水沢競馬場。昨日の後半のように水が浮くほどではないがずっと不良の発表。すっかり逃げ馬天国と化し、一つ前の9Rで飛び出した3連単117万馬券も人気薄の逃げ馬が絡んだもの。このビューチフル・ドリーマーカップでも自然、逃げ馬の動向に注目が集まる事になった。
誰もが「この馬が逃げる」と思った馬、それがジュリアだったのだが、スタートもバッチリ決めたジュリアはあっという間に1馬身ほどのリードを作って、まずは最初の関門をクリア。ほどなくカネショウプルートがぴったりと馬体を併せて来たがジュリアも譲らない。3〜4コーナーを過ぎ、最初の直線にはジュリア先頭のまま入ってくる事になった。

カネショウプルートはレース後、「ハナを奪ってしまってもいいかと思ったが、序盤から無理をするのも・・・と2番手に控えた(村上忍騎手)」といい、クルセイズも「スタート後の勢いはそのままハナに行ってもいいくらいだったけれど、ハナまでは考えなかった(阿部英俊騎手)」という事で、いずれも行く脚はあったが無理にハナを奪う事まではしなかった。サイレントエクセルが3番手の絶好位につけていることもあったのだろうが、極々結果論的にはなるが、カネショウプルートがハナを奪いに行かず、クルセイズも少し引いた位置につけた時点で、レースの行方がかなり決まってしまったように思える。
あくまでマイペースで逃げ続けるジュリアは淡々とラップを刻んでいく。ペースはそれほど速くはなく、カネショウプルートはやや折り合いを欠きながら、またサイレントエクセルやクルセイズも少し前に詰まり気味になりながら追走しているくらい。馬群の固まり具合は2番手以下の有力どころに有利に見えたが、しかしそこからのジュリアの走りは見事だった。
向こう正面に入って2周目、じわっとジュリアがペースを上げる。一気のペースアップではなく、後続が来たら来た分引き離しつつ、徐々にペースを上げていくという感じだ。
カネショウプルートは向こう正面に入った頃から手綱が動き始め、替わって追い上げるべきサイレントエクセルも2番手に上がるか上がらないかというところで行き脚が悪くなる。クルセイズは依然外の4番手あたり。気がつけば、向こう正面入り口あたりで1馬身ほどだったジュリアのリードが、3コーナーでは2馬身ほどに拡がっている。
4コーナー、ジュリアの鞍上・齋藤雄一騎手が股の間から後をちらりと見た。リードはさらに拡がって3馬身ほど。後続はみな一杯一杯、明らかに抜けてくる馬は、いない。

残り100m、もはやリードは拡がる一方だった。4馬身、5馬身・・・。後続の馬たちはごっちゃになったまま、その集団の中で抜きつ抜かれつをしているのみ。一度、そしてもう一度、後を確認した齋藤騎手の手が大きく上がった。まだゴールまでは50mほど残っていたが、後の馬群がはるか彼方に離れているのを見たらここで手が上がるのも仕方ないだろう。結果は6馬身差、最初から最後まで一度も先頭を譲る事がない、見事な勝利だった。
混戦の2着争いは直線鋭く追い込んだサクラアリエルが先着、3着はハウプトローレ、4着はマツリダワルツ。クルセイズは5着、サイレントエクセルは6着、カネショウプルートは7着に終わり、馬番3連単は72万6320円の大波乱となった。
勝ったジュリアは父メイセイオペラ・母グレシアンライコーの牝5歳。ここまでキャリア15勝を挙げA級の有力馬の一頭に成長。重特では好走しつつもなかなか勝ち星に恵まれなかったが、5歳にして待望の初タイトル、それも重賞制覇という嬉しい勝利となった。また鞍上の齋藤雄一騎手もデビュー7年目にして重賞制覇。

なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「アドマイヤドン賞」になっており、優勝馬馬主には副賞としてアドマイヤドン号の種付け権利が贈られた。
(写真は副賞目録をもつ小西重征調教師)
今日は逃げてみてという指示でもあり、自分では初めてかな?の逃げになりました。距離がちょっと半端かなと心配していたのですが逃げてしまえば特に気にする所もなく、またいつもは交わしたり交わされたりすると気難しいところを見せる馬なのが、今日はそれほどでもなく、最後までしっかりと走りきってくれました。(小林俊彦騎手)