遠征馬5頭、地元勢7頭という構成になったオパールカップ。1番人気はリュウノツバサ、2番人気はウィンエヴリーと共に岩手勢が占め、大井からの遠征馬カクテルラウンジが3番人気。
オッズではリュウノツバサが1.6倍と抜けていて、ウィンエヴリー3.5倍、カクテルラウンジ5.8倍。単勝10倍以下はこの3頭だけ。リュウノツバサが断然の支持を集めていた。
いよいよスタートという時、3番アーサルビーがゲートの中で立ち上がりかけた。いったん体勢戻ってゲートが開いた瞬間、アーサルビーは再び立ち上がってしまって大きく出遅れ。両隣のオウシュウライオン・リュウノアシェイブも影響を受けたのか出遅れ気味に。2番から4番までがぽっかり開いたおかげでウィンエヴリーが楽にハナを奪う形になった。
また、5番デキシーメイや6番カクテルラウンジも無理に行く気はなく引き気味。結果的に2番から6番までが引っ込んで、これを見たテンショウベストとリュウノツバサがすかさず前に出て行く。
ややあってオウシュウライオンが上がってきて2番手争いに参加するが、そこで1コーナーに突入して先行争い終了。ペースはそれほど速くならず、レース序盤はウィンエヴリーが楽に主導権を握ったかに見えた。

1周目の直線を進むリュウノツバサ
前回は暴走気味になったウィンエヴリーだったが、今回はマイペースに持ち込んだ。続くテンショウベスト、リュウノツバサもそれぞれに折り合いをつけて進んでおり、馬群はやや縦長になってはいるがあくまでスローに近い流れ。中団にいるピンクゴールドもペースが遅いと見たか、早めに動き出しているのが見える。カクテルラウンジはこの時点で7、8番手あたり、デキシーメイと並んで中団のやや後ろ目の位置だ。
いよいよ3コーナーの勝負所。先頭ウィンエヴリーをめがけて後続がどっと差を詰め始めた。各馬とも「スローペース・前残り警戒」の早めの仕掛けに打って出た。
この時、カクテルラウンジはまだ8番手あたりで、逆に周りから取り残されているようにも見える。まるで、周りとは違う流れに沿って進んでいるかのようだ。
ウィンエヴリーが十分な手応えを残して直線に向いた。テンショウベストもまだ食い下がり、リュウノツバサも、テンショウベストの外から懸命に交わしにかかる。ここまでこのグループにいたオウシュウライオンやジェベルロバーツはやや遅れ気味、勝負は前の3頭に絞られたかに思われた。だが・・・。
それは直線の坂にかかったところだった。ピンクゴールドを押しのけるようにカクテルラウンジが姿を現した。この時はまだ5番手か6番手、ウィンエヴリーとの差は5馬身ほどもあっただろうか。だがそこからのレースの主役は、ようやく馬群を割って出てきたこの馬だった。
グン、と加速したカクテルラウンジはテンショウベスト以下を並ぶ間も無く交わし去り、あっという間にウィンエヴリーに迫る。ウィンエヴリーも抵抗しようとするが、いかんせんコースの最内と真ん中あたりに離れていては追い比べに持ち込む事もままならない。ゴールまで残り10mほど、カクテルラウンジが先頭に躍り出た所で勝負は決した。
ウィンエヴリーが2着、テンショウベストが3着に粘り切り、直線追い上げたデキシーメイが、ゴール寸前ジェベルロバーツを捉えて4着に。リュウノツバサは直線半ばから伸びを欠いて7着に終わった。

勝ったカクテルラウンジは父タニノギムレット・母ランニングヒロイン、母父サンデーサイレンスという超良血馬。5月以降の2戦はいずれも大敗を喫していたが、左回り・芝の条件で変身を遂げた。
なおこのレースは「日高軽種馬農業協同組合協賛・スタリオンシリーズ」の「アドマイヤボス賞」となっており、優勝馬の馬主には副賞としてアドマイヤボス号の種付け権利が贈られた。
最近少し遊ぶようなところを見せ始めて、差を詰められたのはそのせい。メンバーが弱いうちは遊ぶ前に勝っていたから良かったけれど、メンバーが強くなってまた遊び遊びし始めたのはちょっと気がかり。でも元々力はある馬だし、以前に比べても馬がずっと良くなっている。ひとつ上のクラスくらいなら十分通用すると思いますよ。(村上 忍騎手)