■ 先週のレース結果 −2008年 3回盛岡開催後半−
取材・文/テシオ編集部
7月5日(土) 10R 
特別 第9回 ねむのき賞 /B1・盛岡ダ1600m・別定 曇・良 
オリエントボス粘りの勝利!マイネルイディオスは2着に敗れるNAR成績
ねむのき賞ついに交わさせず。オリエントボスが粘りの勝利(Photo/横川典視)
B1級の特別戦・ねむのき賞はマイネルイディオスが人気を集めたが、勝ったのは2番人気のオリエントボス。マイネルイディオスは2着に敗れた。
 レース当日、マイネルイディオスに騎乗予定だった菅原勲騎手が家族急病のため乗り替わりとなり、前走でも騎乗した関本浩司騎手が替わって手綱を取ることになった。

 さて、レースはマツノメガミがハナを奪って幕が開いた。直後にオリエントボスが付け、ミナミノサニーオーを挟んでマイネルイディオスが4番手。その外にブラックオーメンがいて、この5頭で先行集団を形成する。
 3番人気テンショウタイヨウはここから少し離れた6番手、さらに離れてエイシンウルフオー。この後ろは大きく離れており、馬群全体は非常に縦長になっているのだが、しかし1番人気から5番人気までの人気上位馬はいずれも前の方に固まっていて、それぞれにマークし合うような格好になっている。

 3コーナー過ぎ、快調に走り続けるマツノメガミを追ってマイネルイディオスとブラックオーメンが先に動き出す。オリエントボスは一瞬置かれるような感じになるがすぐ盛り返し、程なくマツノメガミが失速すると、今度はオリエントボスが先頭に立った。
 しかし、その外にいるマイネルイディオスは余裕の手応えをキープ。ブラックオーメンはやや手綱の動きが激しくなっているし、オリエントボスも決して楽という感じではない。人気の一角・テンショウタイヨウはといえば、まだ少し離れたところで追走している状況。マイネルイディオスがやはり主役になるのだと、誰もが思っただろう。

 だが直線、満を持して追い始めたはずのマイネルイディオスが意外に伸びない。オリエントボスも懸命に走っているとはいえ、さっきまでの手応えの差でいえば楽に交わしてもいいはずだが、これが交わすどころかほとんど差も詰められないままどんどんゴールが近づいてくる。
 みれば、ブラックオーメンも離れず食い付いてきていて、それもマイネルイディオスとの差を縮めつつあるではないか。この3頭の位置関係は直線に向いたところからほとんど替わらないままだ。
 気がつけばゴールまであとわずか。依然先頭はオリエントボス、マイネルイディオスがこれを懸命に追う。ブラックオーメンは、食い下がってはいるがもう交わすまでの脚は残っていないようだ。そして、マイネルイディオスがじわじわと差を詰め、3/4馬身、半馬身、と2頭の差が縮まってきたところがゴール。オリエントボスがついにマイネルイディオスが前に出る事を許さなかった。

 勝ったオリエントボスは父スキャン・母オリエントパールの牡6歳。昨季まではオープン馬、今季はB1に降級して期待通りに活躍し、久々の特別勝ちも果たしていた。前走はオープンの早池峰賞で8着に敗れていたが、自己条件に戻ってきっちり巻き返して見せた。

■ 勝利ジョッキーコメント
 前走は1200mでいいところがなくて、今回はマイルで優勝。でもだからといって1200が合わないとかマイルが合うとかいう事ではないと思う。馬の気持ちというか、勝つ気満々で乗ったらちっとも動かなかったり、ダメ元でいったらあっさり勝ったり、つまりそういう難しいところがある馬なんだと思います。(村上 忍騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 B1級56s、B2級以下55s、牝馬2s減。 転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「ねむの木」・・・マメ科の落葉小高木より。山地や川原に自生。葉は細かい羽状複葉、小葉は10〜20対。葉は夜、閉じて垂れる。6〜7月頃、紅色の花を球状に集めて咲く。花弁は目立たず、雄しべは多数に割れ紅色。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4737 678 3連複 35621 4877
複勝 4138 265/2934/178 3連単 163083 2860
枠連複 10910 2669 ワイド 7335 1414/296/613
馬連複 27921 7196
馬連単 45620 2631
299365



7月6日(日) 10R 社台スタリオンステーション協賛 ローエングリン賞
重賞 第40回 岩鷲賞 OP・地方競馬全国交流・盛岡ダ1200m・定量 晴・良
やったぞ悠里! トーホウライデン鮮やかに重賞制覇NAR成績
岩鷲賞鮮やかな勝利。若いパワーが見事に爆発 (Photo/横川典視)
ダート1200mのスプリント重賞・岩鷲賞は6番人気のトーホウライデンが優勝。鞍上・高橋悠里騎手は嬉しい重賞初制覇となった。
 川崎からスパロービートを迎えて11頭で争われた今年の岩鷲賞。1番人気はマンジュデンコウベだったが僅差の2番人気にスパロービートがつけ、昨年の覇者・ヤマニンエグザルトが3番人気。早池峰賞で2着と好走したメタモルキングが4番人気となっていた。

 戦前の予想では、逃げるのはスパロービートかエイシンボーダンのどちらかと見られていたが、ゲートが開いて加速を付けていったのはやはりこの2頭。最初前に出かかったのはエイシンボーダンの方だったが、スパロービートも程なく加速を付けて先手を奪いに行く。
 この2頭の争いにもう一頭、リキアイヤマノオーが加わってきて様子が変わった。前走の早池峰賞ではそれまでと一変した先行力を見せていたリキアイヤマノオー、オープンのここでも果敢な先行策に打って出てスパロービートと互角のハナ争い。この結果、スパロービートとリキアイヤマノオーはハロン11秒台のハイラップを踏み始め、レースの流れは一気に加速。

 しかしそんな速い流れを引っ張りながらも、やや強引な感じに突っ走るリキアイヤマノオーに比べ、スパロービートの方は比較的余力がありそうな走り。3〜4コーナー、やはりリキアイヤマノオーが先にスピードを失った。スパロービートは単独先頭に立って直線へ。この時点ではスパロービート圧勝かとも思われた。

 一方後続では、エイシンボーダンはやはり3〜4コーナーで失速気味、マンジュデンコウベは中団の5番手あたりから直線勝負に持ち込もうという格好で、ヤマニンエグザルトは、スタート後のほとんど最後方という位置からムチを入れつつ押し上げてきている。そしてそんな馬達の中で、トーホウライデンは実にスムーズに流れに乗って先行2頭に迫りつつあり、直線入り口では2頭の直後にまで取りついていた。

 直線、スパロービートのリードは約2馬身、未だスピードはそれほど衰えていない。やはりこのまま逃げ切りか・・・。だがその時、外からトーホウライデンが弾けるような脚で襲いかかってきた。あっという間にスパロービートを捉えて交わしてしまうトーホウライデン。そしてヤマニンエグザルトも、トーホウライデンとスパロービートの間に身体をねじ込むようにして突っ込んでくる!
 ちょうど昨年、逃げ粘るケイアイダンシングをヤマニンエグザルトとダンディキングが一気に捉え、そしてゴールまで叩き合いを演じた。まさにその再現のようなレース。昨年と違うのは、ヤマニンエグザルトが昨年のダンディキングの位置にいて、先頭に立っているのはトーホウライデンというところだ。

 ヤマニンエグザルトも昨年の覇者の意地か、ゴール寸前まで諦めることなく追い上げる。1馬身ほどあった差が半馬身ほどになった。だが戦いはそこまで。ゴール板を見て勝利を確信したトーホウライデンの鞍上・高橋悠里騎手が大きなガッツポーズ。騎手・馬とも初重賞、歓喜のゴールを駆け抜けていった。


一番!とアピールしながら引き上げてきた高橋悠里騎手
 2着はハナ差でヤマニンエグザルト。そして3着は最後の最後で伸びを発揮したマンジュデンコウベ。以下スパロービート、メタモルキングと続いた。これが復帰戦だったオウシュウクラウンは大きく離れた最下位に終わった。

 勝ったトーホウライデンは父ブライアンズタイム・母アングシヤスフレンドの牡6歳。JRA未勝利から転入して下級条件で連勝をしていた頃は「トーホウエンペラーの再来」ともいわれたが、その後は伸び悩んだ時期もあって昨年4月の岩手日報杯が初特別。その後は上級で活躍しながら力をつけ、最近はオープンでも勝ち負けを演じるようになっていた。
 次戦は、このまま順調にいけばクラスターカップになる模様。

 なお、このレースは社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズの「ローエングリン賞」となっており、優勝馬の馬主には副賞としてローエングリン号の配合権利が贈られた。



■ 勝利ジョッキーコメント
 前走で勝った時、この馬の瞬発力は改めてたいしたものだと感じました。だから今回も、いい勝負ができると思っていたんですよ。昔から短い距離でも走れると思っていたし、周りには「オレのが勝つから」なんて言ってて。展開や流れが向いたのは確かでしょうが、この馬の適性も相当高いですよ。この馬にはずっと乗せてもらっていたから、この馬で初重賞を勝てたのは嬉しい。初重賞っていう実感はあまりないんですよ。だけどこれが自分の通算99勝で、どうせなら重賞で100勝を決めたらもっとかっこよかったなあと。その辺がまだまだ未熟だなと感じましたね(笑)(高橋悠里騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2kg減。転入後1走以上
優先出走権 1着馬にはクラスターカップJpn3(8/18 水沢ダート1400m)の優先出走権が与えられます。
レース名の由来 「岩鷲」・・・岩手県盛岡市の北西方にある標高2038mの「岩手山」の別称「岩鷲山」より。春の雪解けの模様が鷲が羽を広げた姿に見える様子からそう呼ばれる。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 3993 248 3連複 45841 2410
複勝 1966 130/400/490 3連単 165863 1005
枠連複 15538 599 ワイド 8423 366/320/944
馬連複 37809 1470
馬連単 53102 856
332535



7月7日(月) 10R
特別 第13回 東京カップけやき賞/A級・JRA1000万下・盛岡ダ1800m・定量 曇・不良
強い!3歳セッカチセージ 驚異のレコードV!NAR成績
東京カップけやき賞 1分50秒7。高速馬場とはいえ速い。そして強い (Photo/横川典視)
岩手6頭・JRA勢6頭が覇を競った交流競走「東京カップけやき賞」はJRA勢が掲示板を独占。勝ったのは3歳セッカチセージで、これまでのレコードタイムを一気に1秒8も短縮する驚異のタイムで優勝した。
 昼過ぎまでは雲が多いながらも時折晴れ間も見えた盛岡競馬場だったが、7Rの前にスコールのような土砂降りの雨が降ってコース状態はあっという間に良から不良へと変貌した。
 水はけのいい盛岡競馬場にしては珍しくコースに水が浮くほどの雨に走破タイムは一気に速くなり、7Rの1400m戦は1分25秒6でその前の6Rよりも2秒4も短縮。そして8Rのフレンドリートロフィー・ターコイズ賞ではマイルで1分39秒2という、土曜日のA級戦より速いタイムで決着。メインの高速決着もこの時点で予想できたといえよう。

 さて、スタンド前左手からスタートする1800m戦、ファンの前を最初に先頭で駆け抜けていったのはJRA・レントゲンだった。ややジャンプ気味のスタートだったレントゲンだが、そこからの加速はスムーズにこなして最内から前へ。JRAのセッカチセージがすぐ隣につけて抜け出し、同じくハナ争いに参加しようとしたバンブーライカルトやメイショウオオナミをすんなり振り切って、2頭でレースを引っ張っていく。
 551kgあるセッカチセージはこのレースのメンバー中最大の馬、一方のレントゲンは441kgでメンバー中最軽量。レントゲンの外にセッカチセージが付けるとレントゲンがすっかり隠れてしまうほど馬格差があるが、そんな巨大馬のプレッシャーにもめげずレントゲンがハナを譲らない。セッカチセージにしても「行く馬がいるのなら無理はしないつもり(沢田騎手)」で、こちらも問題なく2番手をキープ。

 レントゲンが作るペースは傍目にはそれほど速いものには見えなかった。レントゲンは先頭で引っ張りきり、セッカチセージも2番手で手綱を抑え、後続もほぼひとかたまりになっているのだから形としてはスロー。だがこれが意外に速かった、という事が、レースが進むにつれて徐々に明らかになっていく。
 3コーナー、前の2頭は涼しい顔でペースアップ。しかし後続は、すでにムチが連打されている馬もいるほど激しく追っており、ついていけなくなった馬がばらばらと置き去りにされ始めた。
 直線に入ってそれは一層明白になる。まだ余裕ある前2頭に対し、後続は3番手集団ですらついていくのが精一杯。それまで3番手にいたバンブーライカルトが苦しくなり、替わってマチカネオオバンが3番手に上がってきたが、しかしこれももう前2頭から3、4馬身後ろ。逆転できる位置とは言い難い。

 一騎打ちになったレントゲンとセッカチセージは、ここではセッカチセージの手応えが上回っていた。ジリジリと伸びる感じのセッカチセージではあったが、ムチを入れたのはレントゲンに並んだところ、気を抜かないよう2、3発気合いを入れた程度で、あとは追うだけでレントゲンを捉えて交わした。
 ゴール前も「相手が勲さんだから、念のためリードを取っておこうと(沢田騎手)」、それで1馬身ほど前に出たら追うのをやめて流してゴール。着差は1馬身1/4と出たが、それ以上に力差を感じさせる走りだった。
 そしてそれでいて勝ちタイムは1分50秒7、06年のビューチフル・ドリーマーCでサイレントエクセルが叩き出した1分52秒5というタイムを一気に1秒8も短縮する、驚愕のレコードタイムとなっていた。

 勝ったセッカチセージは父アッミラーレ・母ルナソルウインクの牡3歳馬。ここまで7戦2勝の成績ながら強豪相手に強いレースをしてきており、今回は休み明け3戦目に加えて得意の条件を得てきっちり能力を発揮した。この世代のアッミラーレ産駒はすでに5頭に減っており、JRAに残るのはこの馬を含めて2頭のみ。間違いなく出世頭になるであろうこの馬の活躍に期待がかかる。

■ 勝利ジョッキーコメント
 乗っていてこんなに速いタイムが出るとは思っていなかった。あまりスピード感が無くて、むしろ遅いくらいだと思っていたのですが・・・。トビが大きい馬なのでそう感じるのかもしれない。交わす時もパタパタした感じでしたが、手応えはずっと余裕。競っていたのが勲さんだから、差し返されないように意識してリードを広く取ったけれど、前に出てしまえば流す余裕もあったからね。この馬はホント強いんじゃないかと思います。(沢田盛夫利騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 56s、牝馬2s減。転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「東京カップけやき賞」・・・1996(平成8)年の盛岡競馬場開場に併せて結ばれた、「JRA・東京競馬場」と「盛岡競馬場」との姉妹提携を記念し開設された競走で、東京競馬場が所在する府中市の市木である「けやき」をレース名としています。

発売票数 的中票数
単勝 3201 733 3連複 29696 255
複勝 2276 316/560/51 3連単 101202 319
枠連複 9914 1507 ワイド 6885 834/59/54
馬連複 24053 3024
馬連単 29531 2043
206758



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