■ 先週のレース結果 −2008年 2回盛岡開催後半−
取材・文/テシオ編集部
6月21日(土) 10R 盛岡タイムス杯
特別 第11回 かきつばた賞 /OP・盛岡芝2400m・別定 
ボスアミーゴ強し! これが芝最強馬の脚だ!!NAR成績
かきつばた賞58kgもものともせず完勝したボスアミーゴ(Photo/横川典視)
芝2400mで行われたかきつばた賞は1番人気ボスアミーゴが快勝。前走に引き続いての勝利で岩手芝に敵なしを印象づけた。
 30度を超える真夏のような暑さに見舞われた盛岡競馬場。しかしメインレースの前には一転して雲が広がり、遠雷の音も聞こえて夕立がやってくる気配が濃厚に。それでもレースの間はなんとか雨が降らずに済み、レースが終わったとたん、大粒の雨が降り始めた。

 戦前の予想では逃げるのはサクラエキスプレス。しかしゲートが開いて、そしてしばらくしてハナに立とうとしていたのはコスモアンファングだった。
 「この距離はペースが遅くなるのが分かっている。行く馬も少ないし、だったら自分で行った方が楽な展開にできる(草地騎手)」と、草地騎手は前走は差した馬を逃げ・先行に導く。サクラエキスプレスの関本淳騎手も「誰かが前にいてくれればこっちの折り合いが楽になる。コスモアンファングが行くのはむしろ歓迎だった」と、2番手でもいいという姿勢を見せる。
 だが、スロー必至といわれる2400m、最初の3コーナーにかかる頃にはがっくりペースが落ち始め、サクラエキスプレスはコスモアンファングの後ろに入れようとするが、かかってしまって思うようにならない。
 結局サクラエキスプレスは、1周目のスタンド前を過ぎた1コーナーでコスモアンファングを交わして前へ出ることに。これでサクラエキスプレスはやや落ち着きを取り戻したようだったが、ここまで折り合いを欠いた分が後で響く事になってしまう。

 さて、そうして前の馬が争う間、ボスアミーゴは中団からやや後ろ、7番手あたりを追走していた。前にはクルセイズやサイレントの2騎、ベリーメリーホークが固まっている。これら有力どころを前に見つつ、かつ周りには誰もいない、いつでも動けるポジション。各馬大なり小なり折り合いを付けるのに苦労しながら進む中、ピタッと折り合いを付けているボスアミーゴが非常に目立つ。

 2周目の向こう正面、クルセイズが2番手に上がったあたりから俄然流れが速くなり始めた。依然先頭を守るサクラエキスプレスだが、その直後にはクルセイズとコスモアンファングが付け、さらにベリーメリーホークやサイレントグリーンも食い付いたまま。ボスアミーゴも、中団から外に出しつつ機を窺っている。
 直線、まだサクラエキスプレスが先頭で粘る。しかし・・・。外に出したボスアミーゴが先頭グループを射程に収めたと思うと、次の瞬間、もう先頭に立っているではないか。ボスアミーゴは4コーナー手前から直線に入ってすぐまでのわずか100mほどの間に、6頭ほどをなで切りにしてしまったのだ。
 あっという間に単独先頭に立ったボスアミーゴに、もはや歯向かえる馬はいなかった。58kgもものともせず駆け抜けるボスアミーゴは、最後はリードを2馬身半まで拡げてゴール。まだまだ余裕を感じさせる勝利だった。

 2着争いは最内でしぶとく走り続けたコスモアンファングが抜け出し、クルセイズは先に動いた分か、伸びを欠いて3着に。2頭が競り合った4着争いはハナ差でベリーメリーホークに軍配、サイレントグリーンは5着となった。サクラエキスプレスは直線失速して7着に終わった。

勝ったボスアミーゴは父アドマイヤボス・母サクラユキクインの牡4歳。前走のあじさい賞で復活を遂げた最優秀ターフホースは、58kgを背負って2400mを駆けるという難行もものともせず快勝。これで自身9勝目、岩手の芝では6勝目となった。

■ 勝利ジョッキーコメント
 折り合いには全く心配のない馬なので、どんなペースになってもどこからでも動ける、と安心して乗れる。そして芝ではホント強い馬。スッと伸びる時の脚は本当に凄いよ。今回は58kgだけが心配だった。切れる馬だからね。それで気持ち早く仕掛けてしまったけれど、関係なかったですね。(菅原 勲騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上のA級57kg、B1級以下55kg、3歳54kg、牝馬2kg減とし、あじさい賞の1着馬1kg加重 転入後1走以上
優先出走権 1着馬にはせきれい賞(7/20 盛岡芝2400m)の優先出走権が与えられます
レース名の由来 「かきつばた」:池沼や湿地に生えるアヤメ科の多年草で、初夏に花茎の先端に大型の花(色は通常紫または白)を咲かせる。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 4083 2458 3連複 31879 1008
複勝 1965 789/123/274 3連単 172745 1494
枠連複 16376 1210 ワイド 7691 414/577/194
馬連複 36080 2372
馬連単 48506 2819
319325



6月22日(日) 10R
重賞 第36回 一條記念 みちのく大賞典(クロフネ賞) 
オープン・地方競馬全国交流・盛岡ダ2000m・定
タイトルは守られた!ブラーボウッズ優勝、そして菅原勲騎手3600勝!NAR成績
みちのく大賞典
渾身の走り!ブラーボウッズがビッグタイトルを奪取(Photo/横川典視)
12頭が争った岩手の伝統のタイトル・一條記念みちのく大賞典は4番人気のブラーボウッズが優勝。鞍上の菅原勲騎手は自身の地方競馬通算3600勝をも決めて見せた。
 圧倒的な1番人気に支持されたのはシアンモア記念を勝って再び遠征してきたノムラリューオー。これは分かるとして、2番人気が4歳馬ダンストンリアル、3番人気が愛知・マチカネモエギ。馬複はノムラリューオーからこの2頭への組み合わせが、馬単はノムラリューオー→マチカネモエギの組み合わせのみが10倍以下だった。
 ただ、オッズの動きはこれらの“一本かぶり”というよりは、“割れている“という印象を受けた。いろいろな要素を考えると波乱もあり得る・・・という事を、ファンの側は敏感に感じていたのかもしれない。

 何が行くか、意外に前に行きたい馬が多くてどうなるかと思われたが、横一線のスタートから押して出てきたのはニシノグレイシャだった。内のノムラリューオーやマチカネモエギ、メタモルキングが行こうとするところを半ば強引に競り勝って先頭へ。最初のスタンド前でははや後続を1馬身、2馬身と引き離していく。
 ノムラリューオーは無理に競り合わず、最内を守って5番手あたり。ダンストンリアルがその外で、ブラーボウッズはこの時点で馬群からやや離れた最後方を進んでいる。

1周目の直線 ニシノグレイシャが大逃げを打った格好になったがペースはあまり上がらず、どちらかといえばスローの流れ。前ニシノグレイシャ、最後方ブラーボウッズの他の10頭はほぼ一団。そしてそれも向こう正面半ばあたりまでで、残り1000mを通過するあたりでは前後とも一気に詰まって、12頭がひとかたまりになった。

 先頭ニシノグレイシャ以下、先行するグループの位置取りは依然変わっていなかったが、中団から後方に動きが出る。後方にいたエアウィードが、そして最後方にいたブラーボウッズが、外を回ってぐいぐいと上昇していったのだ。
 特にブラーボウッズはあっという間に先頭をも射程に入れてしまった。これを見た各馬も、コース内側に見切りを付けて外へ外へと動き始める。3コーナー手前では最内から大外まで、10頭ほどが横に拡がるシーンも。2000m戦の終盤にしては非常に珍しい隊形だ。

 ブラーボウッズはなんと、3コーナー手前で先頭に躍り出た。これを追うのはマチカネモエギとメタモルキング、ダンストンリアル。ニシノグレイシャはブラーボウッズが先頭に出るのと相前後して失速、ノムラリューオーは、ちょうど前に壁ができて動けないところに入っていたが、しかしそれだけでなくどうも手応えが悪い。すでにムチが飛んでいるにもかかわらず、ついて行くのが精一杯のようだ。

 一気に先頭に立ったブラーボウッズだが、まだここではレースを決めたという感じではなかった。後続はまだ食い付いているし、外からはヤマニンエグザルトやマイネルイディオスも追ってくる。瞬間の脚色なら他の方が優勢に見える時もあって、実際、マイネルイディオスの関本浩司騎手などは「直線に向いた時“勝った”と思った」と言う。

 だが、そこからのブラーボウッズの粘りはあまりにもしぶとく、そして素晴らしいものだった。
 後続に差を詰められそうになったのも坂の下まで。再び差を拡げたブラーボウッズは、バタバタになりながらも懸命にゴールをめざす。気がつけば、後続の方が息切れしたのか、リードが徐々に拡がり始めた。後続の中から唯一明らかに追い上げてきているのはマイネルイディオスだが、しかしこれもすでに脚色はやや見劣る。
 ブラーボウッズが先頭に出た時から起こり始めたスタンドの歓声がピークに達した、その時がゴール。着差は3馬身、見事な完勝劇だった。
 2着はマイネルイディオス、3着はこれもしぶとい走りを見せたマチカネモエギ。ノムラリューオーは直線でも伸びを欠いて7着に終わった。

 勝ったブラーボウッズは父アフリート・母トウシエの牡10歳。一昨年の転入以来オープンを守り、既に8勝を挙げている馬だが、これまで重賞には縁がなくて4着が最高。10歳の初夏にして初めての重賞タイトルを手にする事になった。また鞍上の菅原勲騎手はこの勝利が自身の地方競馬通算3600勝となった。

 なお、このレースは「社台スタリオンステーション協賛・クロフネ賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてクロフネ号の配合権利が贈られた。

■ 勝利ジョッキーコメント
 思ったよりペースが速くならず、スローという感じだったので、思い切って捲ってみた。普段もこういうレースになってしまう馬だし、これでダメなら自分の判断が間違っていたんだから仕方ない、という気持ちで行ってみたのですが、自分の思っていた以上に馬ががんばってくれました。正直このメンバーで勝てるとは思っていなかったので本当に嬉しい。作戦も決まって会心のレースでした。こんなに嬉しい勝利は久しぶりという気がしますね。(菅原 勲騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 4歳以上57kg、3歳55kg、牝馬2kg 転入後1走以上
優先出走権 1着馬にはマーキュリーカップJpn3(7/21 盛岡ダ2000m)の優先出走権が与えられます
レース名の由来 みちのく・・・東北地方の古い呼び名より。
「道奥(みちのおく)国」が置かれたのは奈良時代はじめ。当時は今の宮城県・福島県と山形県の一部に相当する範囲でした。
 その後、朝廷の勢力範囲が広がるにつれ範囲も拡大し、鎌倉時代には現在の東北地方に当たる部分が「陸奥(みちのく)国」とされるようになりました。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 5698 343 3連複 55297 254
複勝 2456 116/243/332 3連単 196986 103
枠連複 25368 608 ワイド 9891 100/119/174
馬連複 57485 447
馬連単 62325 176
415506



6月23日(月) 10R
特別 第9回 白神賞/B1・盛岡ダ1400m・別定
ブラックオーメン直線一気! 1年半ぶりの特別制覇だ!NAR成績
白神賞 絵に描いたような追い込みでブラックオーメン圧勝(Photo/横川典視)
ダート1400mで争われた白神賞は大激戦となったが、道中最後方を進んだブラックオーメンが見事な追い込みを決め、一昨年12月以来の特別勝ちを果たした。
 1400mの短距離戦、出ている馬も皆スピード自慢が揃ったとあって、レースは序盤から激しいつばぜり合いが繰り広げられた。

 ドンと飛び出したケイアイフォーユーを追ってリキアイヤマノオーやナイキアヘッドが飛び出し、そこに1番人気ガイアヴァンテも加わってきたとあってはペースが落ち着くわけがない。前半3ハロンは36秒をいくらか切るくらいのペース、そしてそれがその後もしばらく続く。

 1番人気ガイアヴァンテと3番人気アポロパトリオットはこの先行争いに加わっていて、2番人気テンショウタイヨウは後方の外から徐々に進出してきているところ。ブラックオーメンはこの時最後方、それもどんどん置かれて、引き離されていこうとしていた。
 鞍上・沢田盛夫利騎手は「追っても追っても全然ついていけない。自分の馬がどうかしちゃったんだろうか?と思っていた」とレース後に語っていたが、しかしこの速い流れでは、結果的にはこのポジションが“絶好位”だったようだ。

 4コーナーから直線、ケイアイフォーユーがついに力尽きた。程なくナイキアヘッドも失速、自然押し出されるようにリキアイヤマノオーが先頭に出る。ガイアヴァンテはケイアイフォーユーの後ろで懸命に追走中、テンショウタイヨウは大外を回ってきたが、その分スムーズに位置取りを上げてきている。そしてブラックオーメンはこの時点でもまだ最後方。「離れた最後方」から「馬群の後ろに取りついた最後方」に迫った程度だ。

 リキアイヤマノオーも既に一杯一杯、坂を駆け上がるというより“よじ登り”ながら、それでも必死に先頭を守る。そこへ内からガイアヴァンテ、外からテンショウタイヨウが迫る。ガイアヴァンテは馬ごみを捌くとスッと脚を伸ばしてきた。テンショウタイヨウは、まるで重戦車のように突っ込んでくる。だが、そうして2頭が追い上げ始めた時、すでにブラックオーメンはすべてを射程の中に捉えていた。
 4角最後方、そこから大外に持ち出したブラックオーメンは坂を越えたあたりから急激に加速。トップスピードに乗ったと思うと、まさに一完歩毎に一頭交わすペースで突き進んでくる。テンショウタイヨウらに並んだ、と思った時には既に勝負は決していた。最後は手綱を緩めてなお1馬身ちょっと突き抜ける、ブラックオーメンの圧勝だった。

 勝ったブラックオーメンは父タイガーチャンプ・母ハイセイグリーンの牡6歳、青森・山白竹見氏の生産馬。岩手では長く下級条件を走っていたが、一昨年の冬に特別戦を一気に3勝して本格化、その後はA〜A二の常連として堅実に活躍していた。

■ 勝利ジョッキーコメント
 もう少し前の方に付けるつもりが全然ついていけない。追っても追っても離されるから「どうしよう」と思っていたんだけど、やっぱりペースが速かったんだよね。それにこの馬、道中あまり流れが落ち着かないで、長く脚を使う展開の方が良く走る。気持ちよく追い込みが決まったし、このペースに感謝だね。(沢田盛夫利騎手)

出馬表・過去成績 NAR出馬表 07年結果 06年結果 05年結果
競走条件 B1級56s、B2級以下55s、牝馬2s減 転入後1走以上
優先出走権
レース名の由来 「白神」:青森県・秋田県境を東西に延びる、標高1,235mの白神岳を中心とする白神山地より。世界最大級のブナの原生林があり、世界自然遺産に指定される。

発売票数 的中票数
単勝 4929 205 3連複 52082 2739
複勝 3711 189/738/1087 3連単 203665 627
枠連複 15507 388 ワイド 8684 306/530/1290
馬連複 38140 791
馬連単 59440 386
386158



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