 大きなハナ差。ゴールデンクリークが岩手3歳の頂点に立った(Photo/横川典視)
ダービーウィーク第2戦・岩手ダービーダイヤモンドカップは2番人気ゴールデンクリークがハナ差で優勝。大舞台でライバルに雪辱を果たすとともに、待望の重賞タイトルを手に入れた。
戦前の下馬評はリュウノツバサとゴールデンクリークの2強一騎打ち。前売りでの単勝オッズもリュウノツバサが上回るかと思えばゴールデンクリークが売れ、するとまたリュウノツバサが抜き返す、と抜きつ抜かれつの接戦が続いた。
最終的にはリュウノツバサが1番人気、ゴールデンクリークが2番人気に落ち着いたが、馬単も馬複も4番9番2頭の組み合わせが圧倒的。9頭立ての馬複36通り、馬単72通り中、馬複4−9、馬単4←→9の組み合わせだけが10倍を切るという猛烈な支持率で、ファンは、どちらが勝つにせよこの2頭の一騎打ち、と判断したわけだ。
しかしレースは、最初から予想外の展開になった。逃げると思われていたエイプリルボーイが、ゲートが開いた瞬間、脚を滑らせて出遅れ。このため2番人気ゴールデンクリークがハナに立ったのだ。
「行く馬がいるから2番手でいいと思っていた」とレース後に語っていた板垣騎手。しかし、そのエイプリルボーイは居るべきところにおらず、先頭に立つ形になったバトルアイも決して逃げたいわけではない。しばしお互いの出方を探るような時間が過ぎ、ゴールデンクリーク・板垣騎手は敢然とハナに立つ事を選択した。
直後にはモエレハナオーが、そしてリュウノツバサが続く。最大のライバルがそこに来てしまっては、もはや引く事はできない。ゴールデンクリークにとっての2000mは、鞍上すら想像していなかった展開で始まる事になった。
とはいえ、3歳の中でトップクラスの力を持つ馬が3頭揃って先行しているわけだから、レースの流れも全くこの3頭の手元にあった。エイプリルボーイが4番手に上がってくるが、前に並ぶとか交わすとかいう位置までには行けない。やや離れた後方勢−コンバットキックもこの集団にいる−も、そのグループの中で位置取りを前後しながら進むのみ。結局、3頭が雁行したままレースは終盤の攻防に突入していく。
ここに来てもまだひとかたまりの3頭。先頭ゴールデンクリーク、2番手はモエレハナオーとリュウノツバサが競り合う形、それぞれ一歩も引かない・譲らない。
直線の攻防はゴールデンクリークが1馬身ほどリードして始まった。突き放しにかかるゴールデンクリーク、それを追うモエレハナオーとリュウノツバサ。
この2頭の戦いは、4コーナーのあたりでは外リュウノツバサが優勢に見えたが、しかしほどなくリュウノツバサの脚色が鈍る。「向こう正面に入った頃からもう、手応えがフワフワしてしまっていた(村上忍騎手)」リュウノツバサは、ここにきてついに失速してしまったのだ。ここから先はゴールデンクリークとモエレハナオーの一騎打ちとなった。
実はゴールデンクリークも苦しんでいた。もともと先頭に立つとソラを使う馬、直線に入って追いだしたあたりから頭を上げ、思うように伸びなかったのだ。それを見てここぞとばかりに差を詰めるモエレハナオー。1馬身以上あった差が見る間に3/4馬身、1/2馬身と縮まっていく。2頭の馬体がほとんど並んだ、というところがゴール。結果はハナ差。しかし、ゴールデンクリークははっきりとモエレハナオーを抑えきっていた。
3着争いは、すっかり脚が止まってしまったリュウノツバサをコンバットキックとクリティカルマスが追い上げたが、かろうじてリュウノツバサが3着を確保。コンバットキックが4着、クリティカルマスが5着となった。
勝ったゴールデンクリークは父ストローズクリーク・母クリーングリーンの牡4歳。3歳になって急激に力をつけた同馬は、3歳のシーズン緒戦・スプリングカップ、重賞・阿久利黒賞と続けて2着、前走の七時雨賞は優勝と3歳重特戦線の中心に成長。この岩手ダービーダイヤモンドカップを制してライバルに雪辱すると共に、岩手の3歳の頂点に立った。
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ややペースが速かった分と、トーセンエンパイアもJRAで芝を勝っている馬という事で、意識して早めに追っていったので、その分、最後追い上げられる格好になりました。でも交わされる心配はしませんでした。ダートでは終いが甘くなるのですが、芝なら最後までしっかり走る。やはり芝向きの馬なんでしょうね。(小林俊彦騎手)