「行く馬がいるから2番手でいいと考えていた。すんなりその位置が獲れたから楽にレースができたね」
レース後、村上忍騎手はそう語ったが、カネショウプルートが楽に絶好位を占めた事で、勝利の行方はほぼ決まっていたのかもしれない。
一雨入ったおかげで極端な高速馬場に変貌した水沢競馬場だったが、これで突然逃げを打つような馬も出ず、序盤の展開はほぼ戦前の予想どおりとなった。
スタートが良かったのはカネショウプルートの方。しかし冒頭の話のようにマサノパンダが行くのなら行かせようと思っていた村上忍騎手は、マサノパンダを前に出して自身は2番手に納まる。やや飛ばし気味に進むこの2頭の後ろにはサチノマオやミラクルジョンコ、ジェベルロバーツ。マツノマオはこのグループの後ろにおり、ピンクゴールドはさらにその後ろ、中団につけた。
向こう正面に入って先に動いたのは中団・後方グループだった。まずリュウノマダムが、そしてピンクゴールドが追い上げを開始。この2頭が外からすーっとポジションを上げていくとカネショウプルートも即座に反応し、マサノパンダを交わして先頭に出る。
「あそこで並びに来るのはピンクゴールドだと思っていた。ちらっと見たら別の馬で、“おや?”と思った」という村上忍騎手。しかし依然抜群の手応えをキープしているカネショウプルートにとっては、真っ先に追い上げてくるのが誰であろうと大きな問題ではなかった。
ピンクゴールドやリュウノマダムの追い上げは、実際それは非常に見事だった。普通ならそのまま先頭に突き抜けてもおかしくない、勢いあるものだった。だが、カネショウプルートはそれをさらに上回っていた。
2頭が迫ってくるのにあわせてさらにペースアップするカネショウプルート。それも手綱を持ったままだ。追い上げてきた2頭は、結局満足に馬体を並べる事もできないまま、逆に引き離される。4コーナー、早くも村上忍騎手が後ろをちらりと見た。勝負はほぼ決した感があった。

あとはもう、カネショウプルートの圧勝劇だった。2番手に上がったピンクゴールドが、ようやくエンジンのかかったマツノマオが、懸命に追ってくる。だがカネショウプルートはそれを肩ムチ一発で楽々突き放していく。最後は6馬身。前走の再現をみるような大きな差をつけ、カネショウプルートが二冠のゴールを走り抜けた。
2着はピンクゴールド、3着はマツノマオ。留守杯日高賞の1〜3着がそのままここでも1〜3着となり、人気も1番人気→2番人気→3番人気の順。各賭式もほとんど1番人気の組み合わせで決まった。
勝ったカネショウプルートは父スキャン・母タハラミドリの牝3歳。留守杯日高賞につづいてひまわり賞も制し、一昨年のサイレントエクセル以来となる牝馬二冠を達成した。ちなみに同馬はキャリア中の2勝がいずれも重賞という、珍しい成績ともなった。
なおこのレースは、社台スタリオンステーション協賛・スタリオンシリーズ「トワイニング賞」となっており、優勝馬馬主には副賞としてトワイニング号の配合権利が贈られた。
(写真/関係者代理・村上昌幸調教師と副賞目録)
前走、悪くないタイムで勝ったとはいえまだ半信半疑でしたが、今回もいい内容で勝ってくれました。それほどペースが速かったわけでもないのにこのタイムは速いですよね。岩手の水が合うのだろうし、展開に注文もつくのでしょうが、この連勝で見直しましたよ。(菅原 勲騎手)