天候悪化の予報もあったが、水沢競馬場はわずかに雨が降った程度で収まった。コース状態は変化なく、むしろ前日以上に逃げ不利の状況となっていた。
逃げ不利とはいえ極端な追い込みもまた不利。ある程度前のポジションを獲る事ができるかどうかが最初の焦点だったが、ゲートからポンと飛び出したノムラリューオーが2番手、マクロプロトンが3番手にと、先行争いは意外にあっさり納まった。
特にノムラリューオーは鞍上も驚いたほどの好スタートで、「あまり良すぎたんでちょっと抑えたくらい(小林俊彦騎手)」。ジュリアが出てくるのを待っているほどの余裕を見せた。
こうしてジュリアがハナ、遠征馬2頭がその後ろにつけ、ダンディキングやマンジュデンコウベがその後ろ、とおおむね戦前の予想通りの位置取りになったが、ペースは思いのほか速くならない。ハロンラップ12秒台後半から13秒台に入るか、というあたり、ボスアミーゴやマイニングプレスが引っ張りながら5・6番手近辺にいるのだから、オープンという事を考えればややスローか。
しかしやはりオープン馬の戦い、いつまでもスローのままにはしておかない。向こう正面、マクロプロトンがノムラリューオーに並びに行ったところから徐々にペースが上がり始め、これにあわせたノムラリューオーがペースアップ、そしてジュリアを捉まえに行った頃には流れはすっかり速くなっていた。この辺ではハロン12秒台前半にアップ、中団にいた馬たちも前へ前へと詰めて来るのだが、レースが進むにつれ激しさを増す流れに思うように動けない。
3コーナー過ぎから早々と先頭に立ったノムラリューオーは、後続の追い上げを受けながらも抜群の手応えを維持。そして直線の攻防もノムラリューオー優勢で推移した。
そこまで他の動きを見ながらタイミングを計っていたノムラリューオー、いよいよ追い出しにかかるとすっと身体一つ抜け出してくる。マクロプロトンは「追い出したところでフワッとしてしまって(森騎手)」一歩後退、内に突っ込んだマンジュデンコウベの脚色がいいが、こちらもノムラリューオーを交わすまでには至らない。タイキリオンは直線半ばにしてまだ2,3馬身後方、勢いは付いているが、マクロプロトンを交わせるかどうか、というところ。
ゴール前最後の攻防、マンジュデンコウベが渾身の追い上げを見せて馬体が並ぶところまで迫る。が、あと少しで鼻面が揃いそう・・・というところがゴール。ノムラリューオーがクビ差で接戦を制した。
3着争いは最後伸びたタイキリオンがマクロプロトンを交わし、タイキリオンが3着、マクロプロトンが4着となった。

勝ったノムラリューオーは父スキャン・母ノムラテスコレデー牡9歳。南関クラシックに乗り、3歳秋にJRAに移籍した後もグレードレースで上位に入るなど早くから活躍。その後しばしば長期休養、ここ数年は休み休みにしか使えない状況だったが、前走優勝で勢いに乗っての参戦だった。このレース後岩手移籍の予定もあったそうだが、優勝したため次走は南関の適距離のレースを選んで出走する模様とのこと。
なおこのレースはスタリオンシリーズの「ネオユニヴァース賞」になっており、優勝馬馬主には副賞としてネオユニヴァース号の配合権利が贈られた。(写真/左より石井勝男調教師、小林俊彦騎手、馬主野村昭夫氏)
ペースが遅かったためにこの馬にしては前の位置になったが、周りが遅いから自然となった位置だし、こういうペースになるだろうとも思っていたから気にはならなかった。上がっていく時の脚もしっかりしていたしね。先頭に立ってから少しフワッと気が抜けたが、後ろから来られたらまた伸びてくれた。最近どうもピリッとしなかったので、今回はメンコを外してみた。その効果もあったかな。牝馬路線の一つを獲れたので、ひとまずホッとしました。(小林俊彦騎手)