
非常にしぶとい走りでコスモパライソが逃げ切った(Photo/横川典視)
オンワードリリカが取り消して9頭立てで争われた大屋梅特別は、木村暁騎手騎乗のコスモパライソが逃げ切り勝ち。木村暁騎手にとっては怪我で休養する前の八幡平特別以来、1年7ヶ月ぶりの特別制覇となった。
朝からの雨で昨日までとは一転して高速馬場となった水沢競馬場。C2級下位グループの1300m戦で1分20秒台が飛び出すほどで、この大屋梅賞も高速決着必至とみられた。
人気の一角を占めると思われたオンワードリリカが当日取消となって、9頭立てで争われる事になったレースはテンポウキングが1番人気。コスモパライソがそれほど差のない2番人気で、以下マイディザート、ブライティアメセナ、ギンガスターまで5頭が単勝10倍以下。9頭中5頭が10倍以下で、それもある程度前に行きそうな馬が軒並み人気を集めていたあたり、ファンも追い込みのテンポウキングを支持しつつ前残りの可能性も感じていたのだろう。
そしてレースもその通り、先行馬中心の展開となった。前に行きたそうな馬は何頭かいたが、スタート&ダッシュを決めたコスモパライソがハナを奪い、2番手には同じようなスタートを切ったブライティアメセナが付ける。外からビバサーストン、内にはグランドサンデーやテンポウキング、ギンガスターと続いたが、テンポウキングがすでに先行グループの直後にいることで分かるようにペースはスロー、各馬ガッチリ手綱を抑え、9頭がほぼ一団で進んでいく。
転機は3コーナー手前で訪れた。ここでちらりと止まりそうな気配を漂わせたコスモパライソを見て後続が一斉に追い上げにかかる。一瞬グッと固まりそうに見えた馬群。しかし、コスモパライソもペースを上げて抵抗し、後続、特にブライティアメセナに馬体を併せさせない。この辺の動きのおかげでスローの流れはいつの間にかハイラップに変貌。特に中団勢にとっては追っても追っても追いつけない、非常に厳しい流れになってしまった。
直線、ブライティアメセナが勝負をかける。コスモパライソの外から並んで先頭へ、そしてそのまま押し切ろうと鞍上も懸命のアクション。直後にいるテンポウキングの脚色はもはや同じになっており、これで交わし切れたら勝利はブライティアメセナのものになる。しかしコスモパライソも粘りに粘った。レース終盤になってなおペースを上げ続け、それでなお脚が止まらないのだからしぶといのひと言だ。
ブライティアメセナ優勢に見えた攻防だったが、しかしゴール寸前、ついにブライティアメセナの方がギブアップ。スタート直後から続いた2頭の戦いはコスモパライソに軍配が上がった。
3着はテンポウキング、マクリ不発に終わったマイディザートが4着。ビバサーストンは4コーナーあたりからついていけなくなっていたが、最後は盛り返しつつ5着を確保した。
勝ったコスモパライソは父パークリージェント・母ロードマドンナの牡5歳。下級条件ながら安定した成績を残していた3歳時に比べ、古馬となってからはやや苦戦続き。しかし経験を積むにつれ距離もこなし、前走に続いてマイル戦連勝で特別勝ちを果たした。
|
前走はまだ本調子ではなかったから、一度使った今回は力を出してくれると思っていた。ちょっとピリピリしていて行きたがる素振り を見せるけれど、すんなり流れに乗って4角先頭にもっていければ大丈夫だろうと。思い通りの流れになって、最後は無理に追わなくても勝手に引き離してくれました。(小林俊彦騎手)