■ 2007年 13回水沢 重賞・特別レース結果 取材・文/テシオ編集部
銀嶺賞 ゴールドステッキ賞 トウケイニセイ記念

2008年1月12日(土) 9R
特別 第16回 銀嶺賞/B2・水沢ダ1600m・別定 曇・不良
グレイスオペラ またしても人気薄で波乱を呼ぶ!NAR成績NAR出馬表

人気薄なのに本命馬のような危なげないレース運びでグレイスオペラが優勝した (Photo/横川典視)
厳しい寒気の中で行われた銀嶺賞は8番人気グレイスオペラが競り勝って優勝。前走に続き人気薄から波乱を起こす立役者となった。
 コースにすっかり水が浮き、朝から極端な先行有利の状態が続く水沢競馬場。銀嶺賞も結果的には前・前の決着となったのだが、人気通りすんなり、というわけにはいかなかった。
 ハナに立ったのはケイアイフォーユー。これを1番人気ステキナリングがマークして早々にイサコバ体勢が形成される。ペースもやや遅め、ステキナリングにとっては絶好の位置取りかと思われた。

 この辺りの各馬の位置は、先頭ケイアイフォーユー、2番手ステキナリング、そしてその後ろの内にグレイスオペラ、外にオースミエンドレスがつけてその2頭の間にやや首を突っ込み加減なのがオンワードリリカ。2番人気セイントプラウドは外を通って早めに上昇しようという位置におり、全体的に前残りを意識して早めに前々に以降というムードが感じられる流れだ。

 異変は1番人気の馬から始まった。ケイアイフォーユーの後ろに付けて進んでいたステキナリングだが、向正面半ばを過ぎたあたりからもう手綱を押し始めたのだ。しかしその後ろの馬群はむしろ手応えの怪しくなったステキナリングにあわせるようにペースを落とし、結果ケイアイフォーユーが後続を2馬身ほど引き離す形になる。
 実はケイアイフォーユー・菅原勲騎手は、後ろの馬と共に内をぴったり閉めておくつもりだったようだ。レース半ばまではその通りだったのだが、ここでできた2馬身ほどのスペースが誤算となってしまった。これでずっと内にいたグレイスオペラがすんなり外に持ち出せ、さらにはオンワードリリカもそこを通って前に出てきてしまう。オンワードリリカは若干離れていたが、グレイスオペラはするするとケイアイフォーユーの外に並び、あっさりと前を射程圏に納める事に。

 直線はこの2頭の戦いとなった。ケイアイフォーユーもよく粘ったが、勢いは終始グレイスオペラの方が勝っていた。グレイスオペラにムチが入ったのはケイアイフォーユーに並んで交わすところまで。いったん捉えてしまえば後ははっきり優勢となり、3/4馬身の差ながらグレイスオペラがしっかりと勝利を手にした。
 2着ケイアイフォーユー、3着にはオンワードリリカ。セイントプラウドは早めに仕掛けたものの伸びきれず4着におわり、サスガツヨイが5着となった。1番人気ステキナリングは最後失速し9着に敗れ、8番人気→4番人気→3番人気で決まった馬番3連単は10万610円の波乱となった。

 勝ったグレイスオペラは父オペラハウス・母マルカムーンライトの牝5歳。JRA−道営を経て一昨年の冬に岩手に移籍、3勝を挙げて再び道営に移って、昨冬再び岩手に復帰。前走の初夢賞では最低人気から3着に食い込んで波乱を巻き起こしたばかり。2戦続けて波乱の立役者となった。

 なおこのレースは奥州市職員による「奧馬(おうま)の会会長杯」となっており、優勝馬の馬主に対し副賞のひとつとして巨大にんじんが贈られた。



■ 勝利ジョッキーコメント
 人気はなかったけどそんなに走らない馬じゃないからね。ここまでもそこそこ上に来ているし。調教が難しい馬だから長い距離よりは短い方が合うと思うけど、今回はなによりも枠順や展開が良かった。“ハマった”という感じだね。(村上 忍騎手)
優先出走権
レース名の由来 「銀嶺」・・・雪が降り積って山々が銀色に輝く様子。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2498 91 3連複 41724 238
複勝 1467 81/184/172 3連単 132234 97
枠連複 14362 270 ワイド 8141 210/102/217
馬連複 34163 669
馬連単 41696 269
276285



2008年1月13日(日) 9R
特別 第30回 ゴールデンステッキ賞 A2・水沢ダ1900m・別定 雪・不良
騎手たちの腕比べはヤマトスピリット&板垣吉則騎手に栄冠NAR成績NAR出馬表
コースの真ん中を驀進。ヤマトスピリットの完勝だ(Photo/横川典視)
 リーディング上位騎手によるゴールデンステッキ賞は1番人気ヤマトスピリットが快勝。同馬は今季5勝目、また3歳時のサマーC以来2年半ぶりの特別勝ちを果たした。
 昨日同様厳しい寒さの中に置かれた水沢競馬場。しかしコース状態は昨日から一転して逃げ馬不利・差し有利に変貌。このレースでも逃げ・先行馬が人気上位の一角を占めたが、戦前から苦戦が予想される状況となった。

 しかしその人気上位の逃げ馬・ウエスタンフォルスは果敢にレースを引っ張った。同型カネショウエリートを制してハナを奪いきると、後続を1馬身ほど離しつつゆったりした流れに持ち込んだ。

 トウショウグローズが2番手、カネショウエリートが3番手、以下マツノメガミ、クルセイズと、先行が予想された馬たちはいずれも前へ。しかし、ペースが遅くなったためにその先行勢の直後にヤマトスピリットやワラッテオクレヨらの差し・追い込み勢も連なり、全体的には馬群の前後が詰まった隊列で進んでいく。

 しかし、比較的スローで進んでいたとしても逃げ馬に辛いのが今日のコース状態。快調に進んでいたかに見えたウエスタンフォルスだったが、向正面半ばにさしかかる頃には手綱が動き始め、3コーナー手前では明らかに失速。替わって先頭に出たトウショウグローズだったが、しかしこちらもそれほど余裕が無い。外側の2番手に出てきたマツノメガミも同様。そこまでレースを引っ張ってきた馬たちは勝負所を前に軒並み勢いを失ってしまった。

 ここで目立つ脚色で上昇してきたのがヤマトスピリット。中団の外を追走してきた同馬は、向正面でやや追っつけ気味になったものの勢いに乗り始めてからはスムーズに上昇。3〜4コーナーでは苦しむ先行勢の外に付け、ペースをあわせながら抜け出すタイミングを計るほどの余裕を見せる。
 そこから先はヤマトスピリットの独壇場。もはや一杯一杯になった先行勢をあっさり交わして先頭に立つと、あとはゴールまで一直線。最後ワラッテオクレヨが懸命の追い上げを見せたものの及ばず、2馬身ほどのリードをしっかり保ったままゴールに飛び込んだ。
 2着はワラッテオクレヨ、3着はクルセイズ。この後ろは6馬身離れて4着にマツノメガミ、並んでエイシンガッサン5着。逃げたウエスタンフォルスは結果最下位に敗れた。

 勝ったヤマトスピリットは父トロットサンダー、母スタークインの牡6歳。今季は4着以下がない非常に堅実な成績を残しており、この勝利で15戦5勝、2着8回3着1回4着1回。しかしながら特別勝ちからはしばらく遠ざかっており、3歳時のサマーカップ以来の特別タイトルとなった。騎乗した板垣吉則騎手はゴールデンステッキ賞初勝利。

■ 勝利ジョッキーコメント
 もっと後ろの位置取りになるかと思っていたら意外に前の方がとれて、馬の行きっぷりも悪くなかったから楽にレースができました。時計が速いコースだと前を捉まえきれないと勲さんに聞いていたから、今日みたいなコース状態も良かったんじゃないかと思います。勝てて嬉しいですね。(板垣吉則騎手)
優先出走権
レース名の由来 「ゴールデンステッキ」・・・みちのくレース岩手競馬を代表するリーディング上位の騎手による「腕競べ競走」。騎乗馬も抽選で決定されることから、普段見られないカップリングも楽しみな一戦。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 2495 799 3連複 55492 3703
複勝 2497 1204/186/177 3連単 171600 3084
枠連複 26606 3300 ワイド 9798 666/836/224
馬連複 43517 4125
馬連単 60861 3886
372866



2008年1月14日(月) 9R
重賞 第8回 トウケイニセイ記念/OP・水沢ダ1600m・定量 曇・不良

最後もやはりこの馬だ! テンショウボス、貫禄を見せつけて完勝NAR成績NAR出馬表
力の違いを見せつける、テンショウボスの完勝だった (Photo/横川典視)
 今シーズン最後の重賞・トウケイニセイ記念は1番人気テンショウボスが他を寄せ付けず完勝。これで重賞3連勝、トウケイニセイ記念連覇達成。まさに力の違う勝利だった。
 前日の日曜日ほどではないが、それでも逃げ馬には不利な状態が続くコース状態。特にラチ沿いの部分が重く、1枠のテンショウボスにとっては気になる状況だったが、レースが始まってみればそれは杞憂に過ぎなかった。

 スタート後数頭が競り合う形になったが、結局ハナに立ったのはニシノグレイシャ。一瞬前に行きかけたナイキアヘッドは控えて2番手、タイキリオンも抑える形になり、ダンディキングを前にやって4〜5番手に納まった。

 一方テンショウボスはといえばスタートでちょっと立ち後れ加減。そのため序盤は後方の馬群の中という、微妙な場所に入ってしまう。しかし、そのまま進むのか、と思ったのもつかの間。1〜2コーナー中間、馬群の前と後ろが少しちぎれかけたと見るやすかさず外に持ち出すと、あっという間に馬群の外・6番手という絶好位に進出する。
 こんな時、普通なら徐々に徐々に、向正面一杯を使いながら少しずつ外に持ち出す、というのがありがちなパターン。しかしコーナーを走りながら一気に内から外へ出てしまえるということは、つまりそれだけ力量が違うということ。レース半ばにして勝敗の行方が見えてしまったかのようなシーンだった。

 ニシノグレイシャ・ナイキアヘッド・ダンディキングと3頭が並んで進む先行グループは、3コーナーを待たず崩れ始めた。まずナイキアヘッドが脱落、そしてニシノグレイシャもそれほど間をおかず失速。残るはダンディキングのみ・・・しかし、ダンディキングがニシノグレイシャの前に出ようとした時にはもう、外からタイキリオンがこれらをまとめて交わして先頭に立とうとするところだった。
 タイキリオンはここまでずっといい手応えをキープしてきたのだが、先行勢の勢いが鈍り始めたのを、そして後ろからテンショウボスが迫ってきたのを見て、一気に勝負に出たのだ。
 その時テンショウボスはタイキリオンの後から並ぼうとするところ。そちらの勢いも凄いがタイキリオンの手応えにもまだ余裕があり、テンショウボスの脚色を計って追い出しのタイミングを合わせるという事までやってのけた。

 直線に入った時は2頭が馬体を併せて一騎打ちの体勢。馬体を寄せようとするタイキリオン、それを避けて外へ進路を取るテンショウボス。一瞬馬体がぶつかったように見えた、その後からが本当の追い比べになった。
 だが、決着は思いの外早くついた。じわり、とテンショウボスが前に出る。タイキリオンも必死に食い下がるが、テンショウボスの鞍上・小林騎手はそこでちらりと外を見た。外から差してくる馬がいないかどうか確認するこのポーズは、つまり内の馬はもう敵ではないという事なのだった。
 小林騎手がおもむろにゴーサインを出すとテンショウボスは即座に反応してタイキリオンを突き放す。見る間に差が開いてゴールでの差は1馬身半、しかしテンショウボスは、直線で全くといっていいほどムチを使わず、ただ追うだけでねじ伏せた。まさに圧倒的な力の差を見せつけての完勝だった。

 2着はタイキリオン。3着はマンジュデンコウベ。以下ダンディキング、ダイワフォーチュンとバラバラと入線。1着から最下位まで3秒7の大きな差がついた。

 勝ったテンショウボスは父ティンバーカントリー・母エイシンノーブルの牡5歳。これで北上川大賞典・桐花賞・トウケイニセイ記念と重賞3連勝でこのレースは昨年に続き連覇達成。また1シーズン中に岩手の古馬ダート重賞を4勝したのは、近年では98年メイセイオペラ以来の快挙となる。

■ 勝利ジョッキーコメント
 内枠は気持ち的には嫌な枠でしたが、ばらけたレース展開になったので早めに外に出せたので良かったですね。その後はいつものこの馬のレースができました。コース状態も心配していなかったし、前半すこし抑え気味に行って溜めていた分、最後は伸びてくれるだろうと思っていましたから。強いレースでしたね。(小林俊彦騎手)
優先出走権
レース名の由来 「トウケイニセイ」・・・競走成績43戦39勝2着3回3着1回という成績を残し、平成7年に引退した岩手生粋の名馬。3歳のデビュー戦快勝後、浅屈腱炎による1年7ケ月もの長期休養を余儀なくされるも奇跡的な復活により、当時の日本記録となる18連勝を樹立した他、41戦連続連対の記録を持つ名馬。

発売票数 的中票数 発売票数 的中票数
単勝 5698 3803 3連複 61314 9786
複勝 3168 1358/268/485 3連単 271111 16979
枠連複 21998 3621 ワイド 15839 12242/2887/520
馬連複 47229 8626
馬連単 73320 11780
499677


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