雪にはならなかったが非常に冷たい風が吹き抜けた水沢競馬場。コース状態は不良発表も水が浮いた部分は少なく、差し・追い込みも十分に届くコース状態でレースが行われた。
先行争いを演じたのは大方の予想通りジュリアとセイントセーリング。外枠のジュリアの方がダッシュが良く、内枠の馬たちを制してハナに立つ。セイントセーリングは抑えて2番手につけ、エアウィード、ヤマニンエグザルトが内外から前を追う。1番人気サイレントエクセルや2番人気タイキリオンもその直後におり、人気上位勢がガッチリ前を固める形だ。
レース前半はこのメンバーにしてはややスロー、馬群もガッチリ固まって進んでいたが、しかし有力どころが前に固まる展開になると逃げる2頭にかかるプレッシャーもさすがに厳しい。普通なら向こう正面半ばあたりで流れが緩むのだが、今回は進むにしたがってどんどん速さが増す展開。前を行く2頭にとっては本来ペースを落として息を入れたいところでそれが出来ず、そのままなし崩しにペースを上げざるを得なくなった。それが後に響いたように思える。
3コーナーから4コーナー中間ではまだジュリアとセイントセーリングが並んで先頭を守り、後続にもリードを保っていたが、しかし3コーナーあたりですでに脚色を失いかけていた2頭は、直線に入って間もなく後続の猛追撃にさらされる事に。
2頭の外からはタイキリオンが並びかけ、後ろからはサイレントエクセルが割って出ようとしている。最内に向かっていたエアウィードは「絶対に前が開くと思って我慢していたんだけど(阿部騎手)」なかなか隙間が出来ず、争いの中で出遅れてしまう。
この5頭の中では外タイキリオンの脚色が良く、直線半ばでは単独先頭に踊り出る。サイレントエクセルはその内にいてやや伸びあぐみ、さらに内のグループはもう止まっている。タイキリオンの差し切りで決まりか?と思った時、大外を突き進んでくる馬が見えた。黄色い帽子・・・ダイワフォーチュンだ!

道中は最後方、勝負所でも離れた7番手にいたダイワフォーチュンだが、直線に向いたところから猛烈な伸び脚を発揮。他が止まって見えるほどの勢いはまさに「並ぶ間もなく」の猛烈さ。
タイキリオンも馬体を寄せて抵抗しようとするが、ダイワフォーチュンの勢いを止めることはできなかった。ダイワフォーチュンが半馬身抜け出し、さらに差を拡げようとするところがゴール。7番人気馬が鮮やかな追い込みを決めた瞬間だった。
2着はタイキリオン、サイレントエクセルはこの2頭の争いに加われず3着に終わり、最後の最後で進路が開いたエアウィードが4着。以下セイントセーリング、ヤマニンエグザルト、ジュリアとほぼ一団で入線。1番人気・2番人気とも3着以内に入ったのだが、勝ったのが7番人気では波乱もやむなし。単勝は3,470円、馬番3連単は11万1280円の高配当となった。
勝ったダイワフォーチュンは父MountainCat・母コンティンジェンシーの牡8歳。JRA5勝の実績をもってこの夏に転入しここまでの成績は5戦1勝だった。
なおこのレースは社台スタリオンステーション協賛のスタリオンシリーズ「デュランダル賞」になっており、優勝馬馬主には副賞としてデュランダル号の種付け権利が贈られた。(写真は馬主代理として目録を持つ瀬戸幸一調教師)
馬の調子があまり良くなかったようで、道中の反応がこれまでと比べてもうひとつ。直線なども離されかけて、前の馬を捕まえきれないかと思いました。それでも、ギリギリでしたけどしっかり差してくれましたからね。力のある馬ですね。(菅原 勲騎手)